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NASA開発の特殊素材。スペースシャトルの耐熱ブロックは1204℃に熱した後でも、素手で触れることができる。

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(著) (編集)

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 NASAは宇宙開発にまつわる新素材でもたびたび注目を浴びているが、そのNASAがかつて手がけた特殊素材のデモンストレーションの動画がネット上で話題を集めている。

 そこにはなんと1204℃という超高温で真っ赤に熱せられても、すぐに素手でヒョイっと持ち上げられる不思議なブロックが紹介されていた。

 どう見ても熱いはずなのに、なぜこんな風に触れることができるのか。

Space Shuttle Thermal Tile Demonstration

超高温になってもすぐに触れる!驚異の耐熱タイル

 これは米フロリダ州ケネディ宇宙センターの見学ツアーで行われた実験で、この素材に感動した参加客の一人が公開したものだ。

白いブロックが特殊なオーブンで1204℃に加熱され

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image credit:youtube

真っ赤になった状態でラックの上に置かれる

どうみてもヤケドどころじゃないレベルに光っているが・・

すぐにスタッフがつかんでしまった!ちょ、熱くないのかよ!

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素手で唐揚げ揚げてるおっさんかよっ!

むちゃくちゃ皮膚の厚い人とか?超我慢強い人とか?

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image credit:youtube

ところが誰が触っても大丈夫なようで

スタッフは恐る恐る手を伸ばすがみんな平気だったよ。

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image credit:youtube

  実はこのブロック、スペースシャトルを再突入時の高温から保護した耐熱タイルと同じ素材でできているという。なお、この日は2011年7月9日で、スペースシャトルの最後のミッションだったアトランティスの打ち上げ前日だったそうだ。

大気圏の熱を防ぐ強力な断熱素材

 さまざまなテクノロジーから生まれた有人宇宙船スペースシャトル。だが、かつてのNASAはシャトルが帰還するときに生まれる超高温に頭を悩ませた時期があった。

 シャトルが超高速で大気圏に再突入する際、機体によって前方に押しつぶされた空気中の分子がぶつかり合い高い熱が発生する。

 その温度は機首先端で1600℃以上、機体底面は最高1000℃に達する。一方、当時の機体材料が耐えられる温度はわずか200℃にも満たなかったため、強力な断熱性を持つ保護材がどうしても必要だった。

 この厄介な問題を解決するべく、NASAは航空宇宙企業の協力を得て全く新しい耐熱タイルを開発した。それはLI-900と名付けられた。

シリカ繊維と空気のタイルにセラミックをコーティング

 LI-900は低密度で表面を断熱するタイルで、ほとんどがシリカ繊維でできている。その繊維の原料は純粋の高い石英の砂だが、体積の94パーセントが空気だという。

 空気とシリカガラスは極めて熱伝導性が低いため、優れた断熱材になる。そのため超高温のオーブンから出した後もすぐに触れることができるのだ。

 LI-900は黒、または白のセラミックコーティングが施され、軌道上のシャトルの温度制御用に使われた。

 白いタイルは高い熱反射率から機体が太陽に面する部分を覆い、白より熱放射性に優れていた黒いタイルは、再突入時の高熱をより良く分散させる目的でシャトルの底面の大半を覆った。

加熱前はただの白いブロックにしか見えない

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image credit:youtube

 再突入の超高温からシャトルを守ったタイルは、すぐ交換できるように接着剤で船体に貼られていた。

 タイルの大部分は飛行のたびに損傷に応じて交換されたが、2003年に耐熱材の損傷でスペースシャトルコロンビア(関連記事)が失われてからは、より頻繁に取り換えられた。

シャトル退役後も応用される断熱技術

 なお、NASAの耐熱タイルは現在アメリカにて実物が販売されている。価格は一枚23.40ドル(約2600円)とお手ごろだが、提供先は個人ではなく、学校や博物館、図書館などの教育機関向けのみとなっている。

何度見てもヤケド不可避な気がする不思議な実験

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image credit:youtube

 スペースシャトルはすでに退役してしまったが、シャトルの開発がきっかけで得られた断熱に役立つ特殊素材やその技術は、レーシングカーのほか、住宅の外装、防音素材などさまざまな分野に受け継がれている。

via:geekologie / geekなど / written by D/ edited by parumo

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この記事へのコメント 50件

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  1. すげえええええええええええ

    カドの光ってない部分を持ってるけど、側面の煌々と輝く部分を触ったらさすがに熱いのかしら

    • +33
  2. 立方体の縁以外は熱放射してるから持ち方に気をつけないと普通に火傷するな

    • +10
  3. 十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない。

    • +57
    1. ※4
      変化する原因が分かっている→科学
      変化する原因が分からないけど、なぜかそうなる→魔法

      • -3
  4. これは角の部分を持たないと大火傷じゃなかったっけ?
    記憶が曖昧なので自信ないけど。

    • +3
  5. ひっ!  って声を上げたのはオレだけじゃ無いハズ

    • +4
  6. こういう不思議なブロック見るとマインクラフターの血が騒ぐな

    • +12
    1. ※7
      グロウストーンに似てるよね。
      ただ、加熱しないと光らないという条件付きだけどね。

      • +2
  7. 保持カロリーがあり得ないほど少ないんだろな
    その低カロリーの物質が生クリームみてぇに極小の泡の塊になってるから触った表面数ミクロン部分と手の温度が平均化されて、熱そうだけどそんなことはなかったぜとなる
    ホイル焼きのアルミホイルもあんまし熱くないのとおんなじだよ

    • +1
    1. ※11
      おそらくそういう理由でしょうね。
      で、たぶん用語としては比熱容量が相当すると思います→それっぽくいうと、比熱容量が非常に小さいって感じ。
      光ってるところでも、いきなりだとジュっとくると思いますが、ポンポンと熱いたこ焼きを口の中で転がすように両手の中で転がせばすぐに触れるようになるでしょう

      • +1
    2. ※11
      ※39
      よくわからないけどなんだかおいしそうだということはわかった

      • +2
  8. ここでなら土下座ができる……! 仮にそこが……シャトル守り……手で持てる………耐熱タイルの上ならっ……………

    • +19
  9. 昔、セラミック断熱材の開発の仕事をしていた時、1300℃で過熱、電気炉から取り出して急冷のスポーリング試験をやっていた時を思い出した。
    電気炉の温度が1300℃以上だと、炉内が白くて、これが白熱なんだとしみじみ思った。

    • +8
  10. 鍋焼きうどんなんかのアルミ箔でできた鍋みたいなものかな
    火からおろして10秒もたてば取っ手にさわれるようになるんで
    鍋つかみが無くても手で運べる

    • +1
  11. 超多孔質で、表面積がもの凄いあるので熱の発散がよいということかな。逆に火星住居用のタイルに使ったら防寒性があるのかね。

    • +5
  12. 昔、ネットも携帯電話も存在していなかった時代に、友人から聞いた話の記憶は本当だったのだw
    「シャトルのセラミックタイルは真っ赤に焼けていても、素手で触れる」ってw

    • +8
  13. これで冷凍庫作ったら氷一個でひと夏保存できそうだなぁ

    • +3
  14. これを繊維状に出来たらもっと用途が増えるね
    消防士の防火服とか
    炉で仕事する人たちにも使える
    あらゆる用途に使える

    これは凄い

    • +4
  15. 実は40年も前の技術なんだぜ、アメリカ航空宇宙産業ってすげーよな。

    • +18
  16. NASAはアツアツの煉瓦にも耐えられる人間を発明したのか・・・

    • +13
  17. シャトルの白黒カラーリングはちゃんと理由があったんだね。

    • +7
  18. 「エッジをつかんで持ち上げて」とおっしゃっているので角以外は普通に熱いと思われます

    • +13
  19. 時々GSA(米国連邦政府一般調達局)でスペースシャトル部品や
    実験機材が出てくるのでアメリカ国籍ある(税金払ってるという意味)
    人なら購入可能だ

    • +1
  20. そんな近くなら下の台座からの熱気で火傷しそうなんだが

    • +5
  21. 熱伝達率と熱伝導率による熱収支の差でしたっけ?
    高い熱伝達率で表面上の熱は逃げる
    低い熱伝導率で表面に熱が浮き出しにくい
    角付近は放熱する面が複数あるので良く冷えてる
    で有孔素材は内部の赤熱を鮮やかに見せてくれるっと

    • +2
  22. 比熱容量が凄く小さくて熱伝導率も凄く低いからできる現象なのだろうけど・・・
    頭では理解できても感覚的には受容できないな!

    科学マジックとして実演できそう?

    • +4
  23. 原理を説明されても、火傷しない理由がなるほどわからん

    • +4
  24. シャトルのタイルは
    日本の陶芸家が開発した技術を使っている

    • -5
  25. 同様の物が、45年前の映像にあったが、別の物か。

    • 評価
  26. こいつがあれば溶岩の温度でも大丈夫そうだな。マグマに潜れる探査機作って潜ってみたい

    • 評価
  27. スペースシャトルのデザイン大好きなんだけど、あのツートーンカラーにはちゃんと意味があったって知れて感激です。

    • +1
  28. これ、何十年も前の「メカニック・マガジン」で見た。スペースシャトルが最新鋭だった頃だ。
    今でも見せ物にしてるのか…(感慨)

    • +4
  29. 同じ技術で同じ工程を経た製品を作り続けないと宇宙服みたいにロストテクノロジーになっちゃうね。

    • +1
  30. ドローンに盾として持たせればレーザーでも撃墜できないかも?

    • 評価
  31. これを
    Honda F1 のパワーユニットに使ってくれたら
    良い成績を残せそうです

    • -3
  32. スペースシャトルは科学技術を集めて作ったわりに大気圏突入する一番重要な面にロケットブースターを固定する足を付けたので打ち上げで剥がれてしまいコロンビアの事故につながっている。専門家や天才が集結して作られたはずなのに犠牲者が出るまで欠陥に気づかないのは部分部分んの専門家入るが総合的な指揮者に天才がいなかったという事。
    個々の技術はこんなにすごいのに。

    • -1
  33. オーブンの天板、縁部分だけでもこれにならんかな
    取り出すときに鍋掴み入らず

    • 評価
  34. 熱放射してるので熱くないわけないのになぜ持てるのかと思ったらカド限定で触れるという事なのね。

    • +3
  35. 熱々だけどすぐ冷えて見た目より接触面積も小さいって事?ブロックに見えてほとんどは空気みたいなもんだけど千二百度のオーブンから出して手で触れられるとか不思議すぎる
    このブロックの重量ってどれくらいなんだろう

    • 評価
  36. エアロゲルとかかな
    断熱性が高すぎて内部は高温だけど表面はそんなでもない
    熱容量は小さいから表面はすぐ冷えるのかな

    • 評価
    1. ※51
      たぶん軽石をもっと軽くしたんだと思う
      そして速やかに空冷
      94%が空気となってるし、次は耐久性がどうかだよね

      • 評価

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