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古代・中世の遺物に刻まれる謎めいた10のルーン文字

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(著) (編集)

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 ルーンと聞くとうっかりゲーム内の技やアイテムを思い出してしまいがちだがそうではない。“ルーン”の語源はもともと、スカンジナビア地方の古代語で”秘密”を意味する語である。そこに描かれたルーン文字はとてもミステリアスで人々の興味をかきたてる。

 現在確認されている最初期のルーン銘文は2世紀あるいは3世紀頃のものであると言われている。現在は、ラテン文字に取って代わられて使用されなくなったが、スカンジナビア地方では中世後期まで用いられた。

 一部の地域ではルーンの知識は初期近代まで民間に残存していた不思議な記号から文字として発達した後でさえも、それは神秘的な特性を保ち続けた。警告や呪いなど、様々な方面で書かれており、北欧のアイデンティティのエッセンスと言えるものだ。

 地球上にはまだまだ先人の残したミステリアスに満ち溢れている。ここでは発掘された興味深い10の遺物に描かれたルーン文字について見ていこう。

10. 世界最古のルーン「ヴィーモーセの櫛」

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image credit:Wikimedia

 160年頃に作られたヴィーモーセの櫛には、知られている中では世界最古のルーンが刻まれていると言われている。

 古フサルク(Elder Futhark)で記載されたそれは「Harja」と読める。デンマークのフュン島で発見されたこの櫛は、兵士の持ち物だったと考えられている。スカンジナビアの兵士は2本のベルトを身につけており、外側のものは頑丈で、ナイフ、火を起こす道具、財布などを携帯するために使った。この櫛も外ベルトに携えられていたのかもしれない。

 古フサルクはルーン文字のアルファベットの名前で、最初の6文字の並びにちなむ。2~8世紀頃、ヨーロッパ北西部で用いられていた。この24文字でなるルーン文字は宝飾品、武器、石碑などで発見されている。6世紀頃になると徐々に新フサルク(Younger Futhark)が古フサルクに取って代わられるようになる。古フサルクの読み方は忘れ去られていたが、1865年にソーフス・ブッゲが解読した。

9. レーク石碑

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image credit:Wikimedia

 1940年代、スウェーデン、エステルイェトランドで発見。800文字のルーン文字で覆われており、その意味は長い間謎である。きめ細かい花崗岩で作られた2.5メートルの石碑は、800年頃に建てられたようだ。スウェーデン初の文学だと考えらており、息子を亡くしたVarrinが製作者だとされる。

 70年間、このレーク石碑には英雄的な業績に関連した複雑に織り成された物語が記載されていると考えられてきた。しかし最近の分析では、謎かけではないかという説も浮上している。前面のメッセージは碑石の読み方を、裏面のメッセージはこれが掘られた過程やルーン文字について言及している。

8. ヴァドステーナの苞

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image credit:Wikimedia

 1774年、トレジャーハンターによってスウェーデン、ヴァドステーナで出土。500年のもので24文字の古フサルク文字がすべて記載れた最古の品である。冒頭の部分はまだ解読されていないが、呪いや魔法の呪文の類だと考えられている。4本足の動物、人間の頭部、鳥が描かれており、オーディンの図象との関連も指摘される。

 金の円形のペンダントは、初期の古代スカンジナビア文化に特有のもの。お守りとして身につけられたと考える見方が多いが、その機能については諸説ある。報告によると、これは財宝の一部だったが、地元の金細工職人によってほとんど溶かされてしまったという。1938年に博物館から盗難され、以降行方知れずとなっている。

7. ルニクス写本

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image credit:Wikimedia

 ルーンで記載されたデンマークの法律の写本。1300年頃に編纂されたもので、西洋と一帯の土着文化との緊張を反映する。11世紀に持ち込まれたキリスト教とそのラテン語の文書は外来のもので、潜在的に危険な思想であるとみなされていた。ルニクス写本はデンマークの価値観を反映させるために、ルーン文字で記されたようだ。

 現在はスウェーデンの一部である、デンマーク王国東部の“スコーネ地方の法”が記載されている。そこにある2行のバラッドは、記録に残る内ではスカンジナビアにおける最も古い世俗音楽とされる。202ページの写本は、27文字の中世ルーン文字で構成され、各ルーン文字はラテン文字に対応する。

6. オーデンセのルーン木片

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image credit:sciencenordic.com

 古代デンマークの魚市場の発掘調査から、800年前のルーンが彫られた木片が出土した。長さ8センチほどで、かつてはお守りだったようだ。「従者トム」と記載されている。神の僕トムという意味だ。また「健康」という文字も見られる。出土時は三つの木片に分かれていた。

 オーデンセ付近のSildebodoren(ニシン屋台の意)で発見された。スカンジナビアでは、11世紀になるとキリスト教の伝搬に伴いラテン文字がルーン文字に取って代わり始めた。古代ルーンは木材や石材などの硬い素材でも容易に彫ることができるという利点があった。一方、ラテン文字を彫り込むことは難しく、スカンジナビア人には高価で手が出なかった羊皮紙に向いていた。

5. “高き者”のアミュレット

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image credit: Museum Lolland-Falster

 今年、オーディンの図象が描かれた金のアミュレットがロラン島で発見された。オーディンはスカンジナビアの戦の神で、アースガルズの王である。彼の数多くある呼び名の一つ、「高き者」という記載からオーディンと判明した。およそ1,500年前のお守りだと考えらている。

 1902年以降、類似のアミュレットは二つしか発見されていない。スカンジナビア地域のものとしては、人物像がある最初期の品。オーディンは馬の上に浮くように描かれ、この神が馬を癒す存在であることが暗示される。このアミュレット以外にも金や銀の品が出土しており、一緒に奉納されたものと思われる。記録から推測すると、紀元536年は日照量の減少と寒冷な気候のために特に厳しい年だったようだ。出土した品々は、神の怒りをなだめ、飢饉を終わらせるために捧げられたのかもしれない。

4. フォットの失われた傑作

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image credit:Emelie Sunding/Upplandsmuseet

 スウェーデン、ハグビーの教会に避雷針を設置していた作業者が11世紀中頃の石碑を発見。長さ1.8メートル、幅1.3メートルほどで、フォットというルーン石碑彫刻師の作品であると考えられている。署名はないが、ルーンの書体が彼の他の作品のものと一致する。ルーンは通常木に彫られるもので、腕のいい石材職人のみがこうした作品を手がけることができた。

 この石碑は200年近く消失していた。発掘現場に建っていた元々の教会にあった17世紀の叙述では確認できるが、19世紀に倒壊したとき、記録では紛失とされていた。

3. Ybdyストーン

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image credit:Lisbeth Imer/National Museum of Denmark

 最近、250年間行方が分からなかった石碑がデンマーク北部で発見された。古い農場の遺跡と一緒に出土したそれは、刻まれたルーン文字にちなんでYbdyストーンと呼ばれている。発見された石碑は、1767年に消失したとされる石碑の描画と完全に一致していた。ヴァイキング時代のシーやリムフィヨルド西部の重要性の証明である。

 最初に発見されてから、さらにルーン文字の上部を含む部分と「nsi」と記された部分が発見された。石碑は八つの断片になっていると考えらえている。

2. ナラガンセット石碑

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image credit:Kayak77

 議論のある石碑である。1983年、重量6トン、大きさ2メートルの岩が考古学者の目に留まった。2行のルーン文字らしきものが刻まれており、初期ヴァイキングが米ロードアイランドの海岸まで到達していた証拠とされた。ナラガンセット湾には、こうしたものが彫られた岩がいくつか存在するという。

 2012年、この石碑は忽然と姿を消してしまう。1年に渡る捜索の末、再び発見されるが、この岩石が動いた原因については分かっていない。いずれにせよ、この一件を受けて、厳重に保管されることになった。

 プロビデンス在住のエヴァレット・ブラウンという65歳の男性が、50年前にルーン状の記号を彫ったと告白したことで、話がさらにややこしくなった。地元の人の話によると、この岩は1950年代後半から存在するのだという。ヴァイキング起源説は怪しいところだ。

1. ビヨルケトルプの呪いの石碑

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image credit:Joachim Bowin

 スウェーデン、ブレーキンゲにある4.2メートルという世界で最も高い石碑には、呪いが込めらている。6~7世紀頃のもので、古フサルクで「我は破滅を予測する」と書かれている。これは二つある記述の短い方で、長い方はこれが力のルーンで、石碑を破壊した者に死と破壊がもたらされると預言している。

 ビヨルケトルプの石碑彫刻師は、ステントフテン、グンマルプ、イスタビーでも仕事をしている。それらは似たような文面であるのみならず、美術的なスタイルも共通していた。1823年に発見されたステントフテン石碑には同じような宣言がなされている。イスタビーの石碑は、Heruwulfaの息子、Hariwulfarへの追悼的な内容である。

via:10 Mysterious Ancient Runes/ written hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 20件

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  1. 念のため、ツッコミ2点
    ・「紀元前536年」←紀元後では?
    ・「50歳の男性が、50年前に」←当時0歳???

    • +1
  2. ルーンの神秘もさることながら「ニシン屋台」と言う地名に物凄く惹かれた
    と言うか、何だか親近感が湧いたw

    • +6
  3. レーク碑石かっこいい(o゚ω゚o)!
    なんだかバインドルーンも使われていそうな形の文字列。

    • 評価
  4. 昔覚えたので一つ一つの文字の意味はわかるけど、単語も文法もわからん(´-`)

    • +2
  5. レーク石碑の写真にぞわぞわするのは私だけだろうか

    • +2
  6. そらの落とし物に出てくる石板(ルール)みたいに
    何でも叶える装置の一部だったら夢があるな

    • +1
  7. 腕にマジックでルーンを書いて学校に行った中学時代の思い出(///

    • +2
  8. 内容なんて意外と「お腹痛い時の治し方」とか「アイツムカつく」や中二病的な事なんだろうと思う。

    • +5
  9. クセのない美しい文字、読めたらいいなと思う。

    • +1
  10. 古代の文字って結構とロマンが有るけれど、
    昔は普通に使っていた文字ならば、落書きの類も有ったと思うんだ

    • +2
    1. ※17
      ありそうだと思う反面、識字率の低さ、たぶんよっぽどの知識階級でないとよめないでしょうし、彫る手間、石に刻み付けるのって相当に大変なことから、簡単なこと「最近の若い者はけしからん」みたいなのを彫るかなぁと。
      櫛に記名ということで、個人の名前や想い人の名前を刻むことはあるかもしれませんが、神様の名前とかのほうがありそうに思いますねぇ

      • +3
    2. 最近ルーン文字について調べる機会があったんだけど
      ルーンは、大体2世紀頃に大移動前のゲルマン民族によって作られて、実際日常でも使われていた言語。
      特に文字自体が神秘とかではないという、研究者の見解でした。
      なので※17氏の意見は大凡正解となると考えられてます。
      ゲルマン自体は、主体国家を持たず、数多くの族長による小さな自治国家の集合体で、北欧からローマ帝国国境付近、東は現在のウクライナあたりまで幅広く、ルーン自体が、どこまで普及していたかは未だ謎のようです。
      加えて、石版などの欠けも多く、全ての文字が解読されていないので、これからの研究でどうなるか楽しみです。

      • +2
  11. 9はとても綺麗だね
    磁性流体を利用して描くことができるとルーンの価値は飛躍的に向上すると思う
    フィールドで描けるし、魔法みたいでかっこいい、なにより文法も含め文字の利用法が完璧になる!
    未来の文字だね

    • 評価

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