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地球最大のトロヤ群小惑星が発見される

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 地球はたった1人で太陽の周りを旅しているわけではない。夜空を見上げれば白銀の光が目に入ってくるように、その傍には月という素晴らしい衛星がある。

 だが旅のお供はまだいるのだ。それが「トロヤ群」と呼ばれる小惑星だ。

 トロヤ群とは、惑星と軌道を共有する小惑星のことで、惑星との相対的位置が変わらないまま同じコースで太陽を周っている。太陽系で一番有名なトロヤ群は、1万1000個以上ある木星のものだろう。

 これまで、地球にも同じものが1つだけあることが知られていた。だが、このほど第2のトロヤ群小惑星の存在が正式に確認されたという。それは第1のものよりずっと大きな、地球最大のトロヤ群小惑星である。

地球最大のトロヤ群小惑星

 チリ、セロ・トロロ汎米天文台のSOAR望遠鏡によって2020年に発見された第2の地球トロヤ群小惑星は、「2020 XL5」と名付けられている。

 直径は約1180メートルで、第1のトロヤ群小惑星「2010 TK7」の3倍。既知のものとしては地球最大のトロヤ群小惑星になる。

 どちらの地球トロヤ群もラグランジュ点L4にあり、私たちを先導するように地球と同じ軌道を進んでいる。

 「ラグランジュ点」とは、ある惑星と太陽の重力がそれよりも小さな天体の求心力と完全に釣り合うポイントのことだ。重力的に安定しているため、そこにある天体は他の2つの天体との相対的位置が変わらないまま軌道を進むことができる。

 次の図のようにラグランジュ点は全部で5つある。しかし実際にトロヤ群が存在できるのは、L4とL5の2点だ。

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image credit:NASA/WMAP Science Team

4000年後に地球の軌道から離れる予定

 第1の地球トロヤ群「2010 TK7」は、300メートルほどの岩石で、L4を中心におたまじゃくしのような軌道で振動(秤動)している。

 だが永遠にそこにあるわけではなく、1万5000年後には重力の相互作用によって現在の軌道から弾き出されると予測されている。

 2020 XL5もそれ同じく、地球と一緒に旅できるのは少なくともあと4000年くらいのことであるという。

 その色が黒っぽいのは、主に炭素系の物質でできているからだ。こうした小惑星は「C型小惑星」と呼ばれ、太陽系の小惑星でもっとも多いタイプ(75%がこれに属する)である。

New Earth Trojan Asteroid Confirmed – Much Larger Than the First

太陽系の歴史を知る手がかり

 もっとも多いタイプではあるが、そこには貴重な情報が含まれている。

 実はC型小惑星は太陽系最古の天体で、その組成は太陽そのものに似ている。そのため初期の太陽系や惑星形成の歴史を今に伝えている。

 地球の目と鼻の先にC型小惑星があれば、天文学者にとっては格好の研究素材になるだろう。

 残念ながら2020 XL5は、そうした研究素材にはなれなさそうだ。その軌道はほとんど火星にまで届き、金星の軌道をすら横切るからだ。

 それでも、他の地球トロヤ群を探すヒントにはなるかもしれない。トロヤ群はラグランジュ点を中心に大きく動き回るために、その小ささの割に捜索範囲は広いものとなる。

 だが、もしも2010 TK7と2020 XL5を調べることで、地球のトロヤ群の軌道を予測するモデルを考案できれば、トロヤ群探しはグッと楽になるだろう。

 仮に今後、軌道の傾きが小さい地球トロヤ群が発見されれば、月よりも簡単にそこに行ける可能性もある。それは資源として有用であるばかりか、太陽系をより詳しく調査するための前線基地にすらなると期待できるそうだ。

 この研究は『Nature Communications』(2022年2月1日付)に掲載された。

References:Existence of Earth Trojan Asteroid Confirmed – Could Become “Ideal Bases” for Advanced Exploration of the Solar System / It’s Official! A New Trojan Asteroid Has Been Discovered Sharing Earth’s Orbit / written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 14件

コメントを書く

  1. 2020 XL5もそれ同じく、地球と一緒に旅できるのは(少なくとも)あと4000年くらいのことであるという。
                      (少なくとも)は(長くとも)の方が良い。

    • 評価
  2. サイド2とサイド6のあたりにそんな小惑星群が…

    • 評価
    1. ※3
      サイド2やサイド3はこの図の右端、地球の周りに描いてある月の軌道上にあるから、ちょっと違うかな。

      • +1
    2. >>3
      ガンダムのは地球と月、トロヤは太陽と地球のラグランジュ点なんで違う場所だよ

      • +1
    3. >>3
      JWSTの時も同じ勘違いあったな。サイドがあるのは月-地球系のラグランジュ点。
      この小惑星やJWSTがあるのは太陽-地球系のラグランジュ点。

      • +1
  3. 「地球最大の小惑星とはなんのことか」の説明をする前に今の銀河の状況を理解する必要がある。少し長くなるぞ。

    • +1
  4. L2に、この間打ち上げたジェイムズウェッブ宇宙望遠鏡が小さく描いてある!

    • +4
    1. ※6
      宇宙のどこかにアリエルよ(天王星の第1衛星)

      • 評価
  5. 軌道が金星の内側から火星近くまであるのか

    • +1
    1. >>8
      ラグランジュポイントに固定されてるんじゃなくて、それを中心とした軌道を描いてるからね
      ここで突っ込まれてるガンダムのサイド2とサイド6も、L4を中心として周回している
      まあL4にサイドが2個あるのは、初期設定ではラグランジュ以外にもサイドがあった名残だけど

      • +1
  6. トロヤ群、といっても地球のは2個しか無いんだよなあ
    資源としては、月より遠いけど重力が少ないから逆に安上がりで済むと言われてるから、将来の活用も期待したい

    • +2
  7. かつて存在した惑星バルカンの残骸。。。。
    そんなふうに考えていた時期が
                 俺にもありました

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