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水道局管理システムに侵入し、大規模な飲料水の汚染を試みたハッカー、現在も行方がわからず(アメリカ)

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(著) (編集)

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 アメリカ・フロリダ州タンバにある飲料水を供給している水道局の管理システムのコンピューターにハッカーが侵入した。リモートアクセスで水酸化ナトリウムの濃度を通常量より100倍以上も追加し、水道水を汚染しようと試みたようだ。

 当局職員が異変に気付き、直ちに濃度が戻されたことで、住民らが危険にさらされることはなかったが、もし気が付くのが遅かったら大量の命が失われる可能性があった。

 現在もハッカーは見つかっておらず、警察はFBIやシークレットサービスと協力して、市の給水に脅威をもたらした犯人捜査に全力を注いでいるという。『Tampa Bay Times』などが伝えている。

Treatment Plant Intrusion Press Conference

上水道管理システムに不審なアクセス

 2月5日午前8時頃、フロリダ州タンパ近郊オールドスマーで、水道局の上水道管理システムのコンピューターに何者かがリモートアクセスしていることを、システムを監視していたオペレーターが気が付いた。

 だが、上司や関係者はリモートアクセスする権限を持っていることから、この時は異常だとは思わなかった。

 だが、同日午後1時30分頃に再度リモートアクセスがあった時、オペレーターは、マウスポインターが水処理を制御する複数の機関を3~5分ほど動いた後、水に水酸化ナトリウムを追加するシステムを開いたのを見た。

 当局では、水の酸性度の制御と金属分の除去のために、微量の水酸化ナトリウムを水に追加しているが、リモート操作をしていたその謎の人物は、水酸化ナトリウムの濃度を通常の100ppmから100倍以上の11,100ppmに増やした。

 この不審なアクセスがハッカーによるものだと気付いた職員は、直ちに水酸化ナトリウムの濃度を戻したため、住民が危険にさらされることはなかった。

 当局はこの件以降、リモートアクセスを無効にしていることを明かしている。

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Caniceus/pixabay

警察、FBI、シークレットサービスが捜査中

 正体不明のウォーターハッカーについて、同州ピネラス郡保安官事務所のボブ・グアルティエーリ保安官は、記者会見で次のように述べた。

もし、当局職員がすぐに検知できなかったとしても、他の予防装置が働くため、汚染された水が15000人の住民に到達する可能性は低かったろう。

今回、市民が直接危険にさらされることはなかったが、これは市の給水に対する深刻な脅威であり、水酸化ナトリウムを人体に「有害なレベル」まで引き上げたのは事実だ。

 なお、現在警察はFBIとシークレットサービスの協力を得て、ウォーターハッカーについての捜査を進めているが、今のところハッキングの原因や、オールドスマーがの水道局が狙われた理由など、詳細は不明だという。

written by Scarlet / edited by parumo

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この記事へのコメント 35件

コメントを書く

  1. 今はまだ、ジョン・マクレーンが地下室に閉じ込められているところ。

    • +2
  2. 罪状はどうなるんだろうな。
    未必の故意を主張するつもりなら、水源汚染や大量殺人未遂の立件もおかしくはないが。

    日本だと火炎瓶みたいな「”爆弾”じゃないから法的適用無理」っていう判決もあるし(わざわざ法作るハメになった)、
    条文によっては検察が苦労しそうね……。

    • +8
    1. >>3
      水道法違反、不正アクセス禁止法違反

      • +1
    2. ※3
      ※22
      日本の法律で言うなら水道毒物等混入罪があるらしい

      刑法
      (水道毒物等混入及び同致死)
      第百四十六条 水道により公衆に供給する飲料の浄水又はその水源に毒物その他人の健康を害すべき物を混入した者は、二年以上の有期懲役に処する。よって人を死亡させた者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

      • 評価
  3. ずいぶん前に某軍がハック、その後スパイ衛星を奪われてしまい
    半年ほど使えなかったお笑い話みたいにやるなら大きなものにしろ
    それに水道は浄水場他中間やらあちこちでも検査されてるので
    仮に浄水場でミスってもほかの場所のチェックでばれるぞ

    • +1
  4. セキュリティがガバガバ過ぎてログすら残ってなさそうな記事だな

    • +9
  5. 犯人は海外、少なくとも州外かな。
    近所なら自身にも危害が及ぶ訳だし。

    • +5
    1. ※8
      使わないよう対策しておけばいいのだから市民の可能性も

      ※13
      実際に起こったらシャレにならない話結構あったよね
      ハッキングして何でそうなるって被害も多かったけど…

      • 評価
  6. 個人的経験で思うことだけどもデジタルは本当に当てにならない

    • +6
    1. ※9
      わかる。
      ちょっとしたボタンのかけ違いがどエライ結果を導き出すんよな・

      でもアナログに戻せば問題がなくなるかっていうとそうでもないし。
      そもそも人間の能力がガバガバだからねえ。
      イタチごっこからは逃れられないんやろなあ。

      • +2
  7. チームビューアでも使ってたのかな?

    • 評価
  8. ブラッディマンデー思い出すなぁ
    あれはガスとか下水道だったけど

    • +2
    1. >>12
      アメリカの連ドラで、要求に従わないと水道水汚染するみたいな内容の話があった。多分、エレメンタリーだった気がする。

      • +4
  9. 懐かしの特撮グリッドマンにこんなエピソードあったけど現実になるなんて

    • +7
    1. >>14
      リモートの利便性はあるのかもしれないけど、住人15000人の命を危険にさらしてまでやるほどの価値はなさそうね。

      • +5
  10. やってしまったなぁ
    殺られているかも知れないなぁ
    こんなテロ…
    こんな有能な人材をみすみす野に放っておくわけにはいかないなぁ
    大切に保護した方が良いかもなぁ

    • -1
  11. いや~ん ハッカ~~ (〃▽〃)ポッ

    • 評価
  12. 最近も物騒なハッカーの情報流出もあったし、今の時代どこかでネットに繋がらない超アナログ作業が逆に必要で安全な事もあるんだろうな。その分費用がかかっちゃうかもしれないけど。

    • +2
  13. 去年、ドイツの病院がハッキングされて、患者の死亡につながる事例もあった。
    電気ガス水道のインフラシステムが、テロ目的でハッキングされた場合の被害はシャレにならんね……。

    • +8
  14. 表は何食わぬ顔して生活してる普通の人。
    裏側は、陰キャラ。
    陰湿に他人を追い込むハッカー。

    • 評価
  15. 肝心なとこはスタンドアローンにしとけよ

    • +5
  16. なんでもかんでもインターネットに繋げればいいってもんじゃないよね
    せめてインフラ関係は社内イントラだけに留めておくとかさぁ
    それに情報流出恐れるなら、一般企業も気をつけなきゃいかんね。ノマドとか称してVPNも介さずにカフェの無料wifiでカチャカチャッ……ターン!するセキュリティ意識低い社員を抱えてる可能性あるかもだし

    • +3
  17. みんなが使う村の井戸に毒流した様なものか
    怖いな

    • +2
  18. 約1%だと失明はする可能性があるかな
    死亡までは至らないとは思うけど、揮発性がないから薬傷の被害がとんでもなくなったと思う
    まさにテロ

    • +3
  19. 水源汚染なんて幼稚園バスジャックと同じくらい特撮の世界にしか
    存在しないと思ってた。

    • 評価
  20. 時期的にスーパーボウルへの抗議活動では?

    • 評価
  21. 侵入するのに大して高度な技術はいらない程度のセキュリティだったらしいし、
    脅迫して大金せしめるでもなく、大々的に喧伝してパニックを誘発するでもなく、
    犯人に何らかの目的や利益があるようにも思えないので、
    技術のある子供がいたずら半分にやった感じがする

    • 評価
  22. クライアントがIEとかなんやろなぁ・・・
    システム構築が間違ってんぞ
    リモート出来るならそんな開発したらあかん

    • 評価

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