2つ以上の水流が混ざりあうことを、合流と呼ぶ。そして、時に合流した川は息をのむような美しい光景を見せてくれる。支流が本流に混ざり1つの川となっても、色が混ざることなく2色に別れたまま流れている川が世界にはある。水質の全く異なる2つ以上の河川が合流すると、まるで絵の具を溶かしたような世界がそこには広がる。
とにかく、言葉で説明するよりも下の写真を見てもらえれば、その雄大な美しさが分かるはずだ。
1. トンプソン川とフレーザー川(カナダ、ブリティッシュコロンビア州、リットン)
トンプソン川はカナダのブリティッシュコロンビア州でも3番目に大きい川で、その力強い激流と美しい峡谷で有名である。フレーザー川は、カナダ最長の川で堆積物を多く含んでおり、濁ったような色をしている。
2. グリーン川とコロラド川(アメリカ、ユタ州、キャニオンランズ国立公園)
コロラド川はアメリカの7つの州をまたぎ流れる大きな川で、色はグリーン川よりも透き通っている。川としてはかなり古くから存在しており、コロラド高原を浸食し続けて巨大なグランドキャニオンを形成している。逆にグリーン川は沈泥が多く含み、濁った色をしている。二つの川はキャニオンランズ国立公園で合流する。
3. オハイオ川とミシシッピ川(アメリカ、イリノイ州、カイロ)
ミシシッピ川は世界で4番目に大きく、世界で10番目に長い川である。川はミネソタからメキシコ湾まで流れていおり、オハイオ川よりも堆積物が少なく、緑がかった色をしている。オハイオ川はミシシッピ川最大の支流で、多くの堆積物を含んでいるため、色は赤茶色をしている。この2つの川はイリノイ州のカイロの真下で合流し、さらに巨大になったミシシッピ川ははるか下、メキシコ湾まで流れていく。
4. アラクナンダ川とバギラティ川(インド、デバプラヤッグ)
アラクナンダ川とバギラティ川は、インド、ガルワール・ヒマラヤにある、ガンガー(ガンジス)川の源流である。そのため、ヒンドゥー教の文化と歴史において重要な役割を果たしてきた。アラクナンダ川は、全長約190キロメートル、アラクナンダ渓谷を流れバギラティ川と合流する。
5. リオネグロ川とソリモンエス川(ブラジル、マナウス付近)
スペイン語で「黒い川」を意味するリオネグロ川は、世界一大きい黒水川であるアマゾン川の最大の支流である。黒い川と呼ばれているリオネグロ川だが、実際の色は真っ黒というより、暗褐色である。アマゾン川の上流で黄色身を帯びたソリモンエス川と並行して2色の色を保ったまま約6キロほど混じり合わずに流れている。
6. 揚子江川と嘉陵江川(中国、重慶市)
揚子江は中国最大の川で、チベット高原北東部に源を発し、重慶・三峡を経て華中を横断、江蘇省の上海付近で東シナ海に注ぐ。中国では長江とよび、揚子江は下流の揚州付近の称。昔から中国文化、歴史の要点となってきた。しかし、近年では、加速する汚染により川の色は茶色く濁っている。
嘉陵江は、中華人民共和国の甘粛省から陝西省を通り四川省へと流れる大きな川で、多くの魚の生息地となっている。重慶市で長江に合流する。色は透明。
7. モーゼル川とライン川(ドイツ、コブレンツ)
モーゼル川は、フランス、ベルギー、ドイツを流れて、ドイツのコブレンツでライン川と合流する。ライン川はスイス東部のアルプスに源を発し、中部ヨーロッパをほぼ北流して北海に注ぐ川で、ヨーロッパにおける重要な交通路や防衛の役割を果たしてきた。
8. ドラヴァ川とドナウ川(クロアチア、オシエク付近)
ドナウ川はヨーロッパで2番目に長い川である。ドイツ南部バーデン=ヴュルテンベルク州の森林地帯「シュヴァルツヴァルト(黒い森)」に端を発し、概ね東から南東方向に流れ、東欧各国を含む10ヶ国を通って黒海に注ぐ重要な国際河川である。
ドラヴァ川はイタリアの南チロル地方のドッビアーコ付近に源泉を発し、東側の東チロルからオーストリアのケルンテン州を通ってスロヴェニアに至る。南東部ではクロアチアを抜けてクロアチアとハンガリーの国境沿いを流れた後オシエクでドナウ川に合流する。
9. ドナウ川とイン川とイルツ川(ドイツ、パッサウ)
ドイツのパッサウでは、ドナウ川、イン川、イルツ川の3つの川の色が織り成す、見事な合流を見ることができる。イルツ川は3つの川の中でも小さな渓流で、バイエルン森林を流れて、他の2つの川と合流する。ドナウ川やイン川よりも青みが強い。この合流点はドライフリュッセシュタット(三河川の街)として知られている。
10. ローヌ川とアルヴ川(スイス、ジュネーブ)
ローヌ川は、フランス4大河川の一つで、主としてフランス南部を流れて地中海に注ぐ唯一の川であり、ヨーロッパの主要3河川の一つである。スイスのサン=ゴタール山塊ローヌ氷河に源を発し、レマン湖を経由して、フランス国内に入る。フランス国内では山脈に沿って大きく迂回しながら流れ、リヨンでソーヌ川を合わせる。南へ流れを転じ、いくつかの支流を合わせ、アルル付近で二手に分かれて三角州地帯のカマルグを形成し地中海に注ぐ。二手に分かれたあとの東側の流れをグラン・ローヌ、西側をプティ・ローヌと呼ぶ。
アルヴ川は、フランス東部およびスイス西部を流れる川である。アルプス山脈のモンブラン山塊を水源とするため沈泥を含んでおり濁った色をしている。アルヴ川は、ジュネーヴでローヌ川に合流する。
11. アラスカ湾で見られる2色の海
こちらは、川の合流ではないが、アラスカ湾に浮かぶこの2色のコントラストはとても美しい。アラスカ湾はいろんな種類の緩やかな海流や渦が混じりあっているが、鉄などの粘土質物質を多く含む水質などが別の色を生みだすという。2つの海流が混じりあってできるこの色のコントラストは時間をかけて混ざっていく。
via:cracktwo・原文翻訳:melondeau
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コメント
1. 匿名処理班
11の海泳いでみたいわー
水中でその境目がどうなるのかすごく気になる
2. 匿名処理班
綺麗に別れてるのが不思議面白い
11個とか思ってたよりあるもんなんだなぁ
3. 匿名処理班
土石流とかはいいけど、汚染による色はNoThankYou
4. 匿名処理班
9が水彩画にみえるんだが
5. 匿名処理班
流石に日本では無いのか。
そして中国の理由w
6. 匿名処理班
青ナイル・白ナイルが無かったのは意外
7. 匿名処理班
中国のは汚染されてるみたいだなーって思ったらやっぱりか!
8. 匿名処理班
日本は時限(片方の上流だけ降雨したとき)ならありえそうだけど
恒常的でないと神秘性は薄いか
9. 匿名処理班
泥の濁りはこうして見ると十分綺麗だね
10. 匿名処理班
9はあまり観光地としては馴染みない場所かもしれないが
実は秋田市の姉妹都市で割と活発に交流活動やってます。
バイエルンの田舎町で、まさしく風光明媚な地域。
11. 匿名処理班
自分の地元は田舎なんだが、大雨が降ると畑の土が海に流れ込んで、カフェオレ色と青のグラデーションになる
12. 匿名処理班
ドロスマホの人はマップで淀川の三川合流をみてみ
川下りの経験からいえば
木津川は濁りやすくて桂川は腐りやすかった
13. 匿名処理班
長江は源流のチベット高原でもうすでに真っ茶色だよ。
14. 匿名処理班
支流が無数にあるアマゾンにも多い
コーラを薄めたような赤い川と比較的澄んだ青い川の合流とか
ちょっと大きめの緑青色の川と黄土色に濁った川の合流とか
合流地点での生物相はどうなってるのか興味深い
15. 匿名処理班
なぜだからわからないけど
きれいというよりは、不安でどんよりとした恐怖を感じる…
16. 匿名処理班
ああ〜〜〜!
まぜまぜしたいっ!!
17. 匿名処理班
京都と大阪の境にある木津川と宇治川と桂川の合流点は台風のあととかこうなってることがある。淀川の上流ね。
18. 匿名処理班
非常に小規模ですが、北海道のピリカネップ白水川(雌阿寒川)上流に通称東の沢、西の沢という赤い温泉沢(鉄分)と黄色い温泉沢(硫黄)が合流する地点があります。
温泉自体の色というより川底が赤いor黄色い感じなんで、ちょっと違うかもですが。
あと行くのめっちゃ大変。
19. 匿名処理班
中国は水の汚染の色だけで五輪カラーが揃うって皮肉られてたからなぁ
20. 長距離偵察班
こういうハミガキ粉があったっけ。
21. 匿名処理班
棒でかき回したい
22. 匿名処理班
9がゲームの中の街の画像って言われたら信じちゃうくらいファンタジック
23. 匿名処理班
うおお…読んでいるうちに「川」の文字がゲシュタルト崩壊を…
24. 匿名処理班
昔見た木曽川と飛騨川の合流地点がこんな感じでしたのぅ
ダムあるしサイズは小さいですけどね!
日本でも中部地方なら山ばっかですし、他にも大きい川同士の合流地点があるかもしれませんね
25. 匿名処理班
安定の中国…(笑)
26. 匿名処理班
結構あるんだね。そういえば柿田川もそうだった。でも普通の川でも色の違いは見えなくても、合流地点はこうやって分かれてるんだろうね。合流の角度にもよるのかな。より鋭角に合わさってる方が長く分離が続きそう。
27. 匿名処理班
5はアクアリストには有名な奴だ
黒い川はブラックウォーターと呼ばれ観賞魚で人気な熱帯魚がたくさん生息してる川
白い川は人や動物の穴という穴にもぐりこんで食い荒らす嫌な習性を持つナマズがいるヤバイ方
28. 匿名処理班
トムソーヤだったかハックルベリーだったか
29. 匿名処理班
6の中国の茶色い方(揚子江)は
黄土が混じってるせいかと思ったら汚染水かよ
30. プーさまファン
9つめの写真キレイ
31. 匿名処理班
こんな大っきな川じゃなければ日本でも見れるよん