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アルツハイマー病は感染する? 米国の動物実験で示唆

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 アルツハイマー病も、狂牛病(牛海綿状脳症=BSE)などのプリオン病と同じく感染性があるかもしれない。そんなショッキングな報告が、米テキサス大学ヒューストン医学部のR Morales氏らにより、英医学誌「Molecular Psychiatry」に報告された。マウスを用いた動物実験で、プリオン病と同様のメカニズムによる異常型蛋白質の蓄積が認められた。

ソース:アルツハイマー病は感染する? 米国の動物実験で示唆 | あなたの健康百科 by メディカルトリビューン

 アルツハイマー病は、主に高齢者に多い認知症であり、その90%以上は遺伝と無関係な突発性であることが知られている。また、その原因なのか結果なのかは不明なものの、高次構造変化を起こしたアミロイドβタンパク質が脳内に多く蓄積することを特徴とする。しかし、この異常型タンパク質の蓄積がどのように始まるのか、これまで分かっていなかった。

 一方、BSEやクロイツフェルト・ヤコブ病などのプリオン病も、異常なプリオンタンパク質が脳内に蓄積することで、進行性の脳障害を引き起こす。ただし、プリオン病の場合は、口から摂取された異常型プリオンタンパク質が、もともと脳にある正常なプリオンタンパク質を次々と異常型に変えていく、一種の感染症であることが知られている。

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 アルツハイマー病におけるアミロイドβタンパク質の蓄積も、プリオン病と同じメカニズムかもしれないと考えたMorales氏らは、アルツハイマー病患者の死後脳組織を、正常なマウスの脳に移植。すると、異常型アミロイドβタンパク質の蓄積が認められた。この結果は、アルツハイマー病患者の脳に蓄積していた異常型アミロイドβタンパク質が、正常なマウスの脳にある正常型アミロイドβ蛋白質の高次構造を変化させ、凝集、沈着を引き起こした可能性を示唆している。

 最近行われた別の研究結果によると、異常型アミロイドβタンパク質をおなかの中に注射しても、脳における異常型タンパク質の蓄積が認められたという。ただしプリオン病のように経口感染する可能性はほぼないそうだ。

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 アルツハイマーと関連するかどうかはわからないがもうひとつ、こんな研究結果が報告された。

【認知機能の低下は40代で始まる?】(スラッシュドットジャパン)

 ユニヴァーシティー・カレッジ・ロンドンの研究チームが最近行った研究で、人の認知機能の低下は早ければ45歳で始まることが分かったそうだ。

 この研究は45~70歳の被験者7390名を対象に、10年に渡り認知機能を3回調査したとのこと。調査では言語的および数学的論理思考、語彙、言語記憶能力および流暢さが検証された。その結果、全ての年齢層にて認知機能の低下が認められたという。認知機能の低下は60歳以降に主に現れるとする研究も最近発表されていたが、今回の研究では45~49歳という若い層でも認知機能が低下することが明らかになったとのこと。ただし若い層での低下率は高齢層と比較して小さかった。

この研究結果は認知症の片鱗が40歳代から現れる可能性があることを示唆しているという。さらなる早期発見が可能となれば予防的措置や進行を抑制する措置を早い段階で施すことができるようになるかもしれないとのことだ。

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この記事へのコメント 31件

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  1. これだと、感染するって云う話ではないんじゃないかな?

    • 評価
  2. ホント、原因ってなんだろうな~。これから、ウルトラ超高齢社会で介護が間に合わなくなるぞ。

    • 評価
  3. つまり異常たんぱく質を経口摂取すると脳に障害が出る事がある、と。
    異常たんぱく質が正常たんぱく質を変化させるメカニズムがつかめれば
    治療は無理でも予防することは出来るようになるのかな。

    • 評価
  4. BSEの元である羊のスクレイピーだって感染しないといってよい。
    それでも、存在しているわけですよ。
    感染方法がわかっていないだけということですね。

    • 評価
  5. クロイツフェルト・ヤコブ病が感染するのですから、アルツハイマー病にもその可能性があるということですね。

    • 評価
  6. いい加減な事言うと風評被害でボケた老人が山奥に・・・

    • 評価
  7. 門外漢なのであまり正確なことは言えんが、
    昨日の研究報告会で、
    アルツの疾患モデル作ったという報告があった。
    もしかしたら根治の実現はそう遠くないのかもしれない。

    • 評価
  8. >異常型アミロイドβタンパク質をおなかの中に注射しても、脳における異常型タンパク質の蓄積が認められたという。ただしプリオン病のように経口感染する可能性はほぼないそうだ。
    つまり経口摂取すると脳で一部の異常型タンパク質がたまるが、プリオン病に至ることはないという事かな・・?

    • 評価
  9. 実験は人脳の異常組織をねずみへ移植したとあるけど、異常物質が沈着したからといって
    人のそれと同じ状態にあるとわかるものなのかしら。

    • 評価
  10. 念のため聞いておくが、「伝染」ってことだよな?

    • 評価
  11. 以前アツハイマーがやたら多い村ってのがTVでやってて
    その時は、血族的な遺伝を定義してたと思うが
    伝染病の方が説得力あるなあ。

    • 評価
  12. クロイツフェルト・ヤコブ病は、遺伝と感染の両方有るからアルツハイマー病も同じかもということだね。
    同じ症状になる原因が2つ以上あるかもしれない。
    クロイツフェルト・ヤコブ病は、ウイルスの可能性が完全に否定されているわけではない。

    • +1
  13. 興味深いな。
    経口感染がない、ってことは空気感染も有り得ないから、まずはそれほど心配しなくて良さそう。
    すると血液感染かね?
    いずれにせよ、発病のメカニズムがわかれば、治療法の発見も近づく。ぜひ頑張って欲しいね。

    • 評価
  14. 何かの間違いでカニバルっちゃったら感染しますよっていうお話?

    • +1
  15. >15
    たんぱく質が変質しやすい遺伝子を持っている&外部から異常たんぱく質を摂取する事で
    正常なたんぱく質が変質するって事なのかな。

    • 評価
    1. >>19
      遺伝性(家族性)CJD は、遺伝子の変異だけで発病すると考えられているみたいだよ。
      変異型CJD や医原性CJD が感染によるもので、遺伝性でないと確認しているはずです。
      混合型もあるかもしれないけれど、遺伝性CJD は発病の確率が高すぎるからね。
      原因といわれる異常プリオンが正常プリオンを異常プリオンに変化させるメカニズムはまだ判っていないようです。
      散発性(孤発性)CJD という原因不明なものもあるけれど、医原性・変異型で発症までに約10年というのは、調査が難しいわけです。
      時間さえあれば偶然に異常プリオンができる可能性だってあります。
      スクレイピーは同種動物内では伝染性があるそうなので、感染経路もしっかり調査してもらいたいものですね。

      • 評価
    2. >>19
      「スクレイピーに感染するためには、感染性因子と感染しやすい遺伝子型の両方が存在する必要がある。」
      感染性因子が異常プリオンだとして、感染しやすい遺伝子型が異常プリオンになりやすい正常プリオンを持っているのか、異常プリオンを外部から取り込みやすいだけなのかわからない。
      「英国では、政府が遺伝的にスクレイピーに抵抗性のあるヒツジを使った繁殖を推進している。」
      感染しにくい羊がいるけど、人間には適用できないね。
      「スクレイピーはヨーロッパと北アメリカでは発生しているが、最も多くヒツジを生産しているオーストラリアとニュージーランドには見られない。」
      感染性因子を絶つことができれば、スクレイピーを撲滅できるはず。
      ただ、それが羊だけとは限らないからね。

      • 評価
  16. >18
    と畜場で畜獣の脳をエアでぶっとばしてはく離処理してた従業員が多数やられてなかったか

    • 評価
  17. BSEと同じなら同属食いをやってると発祥するわけだから
    感染とは違うだろ。
    ただ、豚の脳で人間が脳障害を起こすことを考えると、原因物質がある可能性は高いな

    • 評価
  18. アルツハイマー関連でへその緒を思い出したんで調べたら、へその緒の血を投与したらミクログリアにアミロイドβを駆逐してもらえるらしい!豚か何かでへその緒ドリンク作って特許取得→金持ち!? ないか~(笑)

    • 評価
  19. へその緒ドリンクは冗談だったんだが、アルツハイマーやダウン症の人の場合ミクログリアが逆に悪い要素として働くらしい!訂正&反省

    • 評価
  20. 家族性アルツハイマー病 (FAD)は、遺伝性だけど、とても珍しい。
    アルツハイマー型認知症 (DAT)は、老年期(60歳以上)に発症するもの。
    「アルツハイマー型認知症にも、遺伝的要因は少し影響する。特に50 – 54歳に本症を発症した身内がいる場合、本症を早期発症する危険は約20倍に上るというデータがある。」
    アミロイドベータ(Aβ) の蓄積が原因と考えられているが、元になるタンパク質が分解される途中の物質であるため異常プリオンと同様には考えられないと思う。
    アミロイドベータをため込みやすい体質の人がいるということでしょう。
    アミロイドベータはタンパク質であり、消化の際に分解されて吸収されるし、同じタンパク質の異常プリオンのように間違って体内に入っても増えるということは考えられないため経口感染する可能性はほぼないと考えられている訳だね。
    アミロイドベータをそのまま吸収してしまう体質の人がいたら危ないかもだけど、アレルギーのことを考えるとね。

    • 評価
  21. 世界を紙くずの利子”で支配してる
    F・R・B銀行ユダヤ様が敗戦後ばら撒いたアルミニウム製品や
    沖縄など水道にフッ素”など知能低下物質ばら撒いて弱らせ
    ネスカフェカフェイン栄養ドリンク人口甘味料など
    眠れなくなり精神なり呆け癌なり、ロックフェラ~先進医療界が
    お薬漬けで丸儲けするって寸法ワニがね

    • 評価
  22. アルツハイマーはハバネロ10個の一気食いで完治するらしいよ

    • 評価
  23. ワニさん、最近大活躍ですね。
    面白い表現ですね。
    独特の見方か? それとも独特の世界観か?
    おおくの人の共感が得られるとよいですね・・・。

    • 評価
  24. 数十年前にはアルミ製の食器や鍋が原因か? と
    新聞に載っていた事もあったんだけど
    誤りだったのでしょうか?

    • 評価
  25. CDJやBSEは病原プリオンが異常アポトーシスに関係して病原プリオンが増えていく説があるので各種移植や食事で感染する理屈に有力だし、とても若くても発症する事から納得出来そう。プリオン病は一度固まったハチミツを湯せんしてもまた固まるのと同じイメージ
    一方、アルツハイマー病の様に高齢になる程発症する個発的な各種神経疾患は遺伝子のエラーから異常タンパク質が増えていくのではないでしょうかね
    感染は完全に否定出来ないけど患者の脳に直接触れる機会が無いから一般人なら心配無いと思う
    病気が進むと病識無くなるけど殆どの人は前段階で自覚ある様です。
    今の医学では社会的に正常で居られるように早く治療を開始出来るのが良いし、気になったら終活して後は周りに助けてもらうしかない

    • 評価

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