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日本の侵略的外来種ワースト100より哺乳類10種

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 日本の侵略的外来種ワースト100とは、日本生態学会が定めた、日本の外来種の中でも特に生態系や人間活動への影響が大きい生物のリストなんだ。哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、昆虫類、昆虫以外の節足動物、軟体動物、維管束植物、寄生生物に別けられているんだけど、今回はそのうちの哺乳類をお伝えすることにするね。

【Worldワースト100list – 街なかの生き物たち】

アライグマ

 1970年代以降、ペットとしてアメリカから多数の個体が輸入されるようになり盛んに飼育されるようになったが、飼い切れなくなったアライグマが捨てられ、野性化。野生化したアライグマは天敵(ピューマなどの肉食獣)が日本にいないため、急速に生息域を広げ、40を超える都道府県で生息確認、個体数が増加するに従い、農作物被害や野生在来種への脅威が増大している。

 アライグマは知能が高いため、被害を受ける農家での防御手段は防除以外は存在しないと言ってよく、また捕食者の地位にあって食欲旺盛・繁殖力大・天敵不在のアライグマは、生態系に致命的な打撃効果を与える力をもつ。加えて狂犬病、アライグマ回虫症の媒介者となることも懸念されている。

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イノブタ

 イノシシとブタを交配させた家畜、イノブタは、飼育用のイノブタが逃げ出したり、場合によっては狩猟獣として放獣されている例が報告されており、深刻な農業被害が発生する上、雑種第三代以後にはイノシシと区別がつかなくなってしまうという。

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カイウサギ

 明治時代に舶来品として輸入されたカイウサギ(アナウサギ)。

日本には野生のノウサギは存在するが、カイウサギは在来種ではない。よってペット用のウサギは全て外来種である。大人しく一見すると害のない小動物に思えるカイウサギだが、その旺盛な繁殖力ゆえに農業被害や環境破壊をもたらす原因となるケースも発生している。

 一部離島では、何者かの手によって持ち込まれたカイウサギが、その旺盛な繁殖力ゆえに個体数が劇的に増加し島内の植物を食べつくし、環境破壊を引き起こしているという事例があるそうだ。またカイウサギは、死亡率の高いウイルス性出血病(VHD)を野生のウサギに広めることが指摘されている。

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タイワンザル

 タイワンザルは文字通り台湾から来た外来種。誰かが飼育していたものが逃げ出し、野生化したものが青森県下北半島、和歌山県、伊豆大島などに定着しているという。農作物を食い荒らすことや、ニホンザルとの同じ生息域に定着をしてしまうと、交雑の恐れがありニホンザル遺伝的独自性が失われてしまうということのことで外来種として指定された。

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チョウセンイタチ

1949年頃に、船舶の積荷などに紛れ込んで朝鮮半島から九州に侵入したとされる。同時期に毛皮業者が養殖の為に持ち込んだものが、逃げ出したり、ネズミ等の害獣駆除のために放獣された地域もあり、西日本を中心に分布を広げている。市街地などでは人家やスーパーマーケットへの侵入や食べ物への被害問題などが生じており、ほかの野生生物への影響が大きいとして外来種に指定された。

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ニホンイタチ

ニホンイタチは日本固有の種であるが、日本国内から日本の別地域、本州から三宅島に、ネズミの天敵として移入させたことがきっかけで、在来のアカコッコ、オカダトカゲが補食され激減したという理由から外来種として指定された。尚本州では、チョウセンイタチがニホンイタチを駆逐するという事態も発生している。ニホンイタチの方がチョウセンイタチより尻尾が短い。

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ヌートリア

南アメリカを原産地とするが、毛皮を取るために移入したものが野生化し、現在、北アメリカ、ヨーロッパ、日本を含むアジアに帰化して分布する。イネやオオムギ、葉野菜などに対する食害のほか、絶滅危惧種に指定されているベッコウトンボの生息地を壊滅させるなど、在来種の生態系への影響も深刻である。さらに、本種の巣穴は複雑に入り組んでいて深く、水田の畦が破壊される原因にもなっている。1970年代のイギリスでは、10年がかりで約100万頭を捕殺し、絶滅にまで追い込んだ。

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ノネコ

 ノネコ(野猫)は、ネコ科の家畜種であるネコ(イエネコ)が野生化したもの。山野に住み、比較的広い縄張りをもち、野鳥やネズミ・昆虫などの小動物を獲って生活している猫たちで、人間の生活圏に依存して生活している、いわゆる野良猫は、この中には含まれない。

 ノネコは野犬や特定外来生物のマングース、ヌートリア、アライグマ、ミンク等と同じく日本在来の小動物や陸地に営巣する鳥類を襲い食料とする為、絶滅危惧種の保護上も重大な脅威となっているが、野猫・野良猫・飼い猫の区別がつけ難く、野猫は「みだりに傷つけてはいけない」対象なのか、それとも「狩猟してよい」獣なのかという点で、主に関連分野に属する市民や民間団体など、関係各所の意見が対立することがある。

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ジャワマングース

 日本ではハブ駆除も含めて沖縄島に1910年に導入されたが、本種の導入により生態系のバランスが崩れ、国指定天然記念物であるヤンバルクイナをはじめ、アカヒゲ、ノグチゲラ、ケナガネズミといった固有種や絶滅危惧種の生息が脅かされている。奄美大島でも同様で、特別天然記念物のアマミノクロウサギや天然記念物のアマミトゲネズミのほか、島の固有種で推定100羽ほどしかいないオオトラツグミや、同じくオーストンオオアカゲラ、ルリカケス、アマミヤマシギ、イボイモリ等の捕食も危惧されている。

 また、養鶏農家がジャワマングースに卵やひなを襲われる被害も出ており、さらに、ジャワマングースには人にも伝染するレプトスピラ菌の保菌率が高い。ヒトがレプトスピラ菌に感染すると腎臓が侵され、最悪の場合、死に至ることもある。また、狂犬病ウイルスを運ぶ可能性もあると言われる。

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ヤギ

 ヤギは厳しい環境にもよく耐え、繁殖力も強いので特に厳しい環境下では貴重な家畜である。ところがそれがあだとなり、家畜種のヤギが野生化すると、植生破壊や農業被害及び土壌流失による周辺漁場への悪影響を及ぼす。小笠原村では大規模な駆除が実施され、八丈町は捕獲したヤギを八丈島に保護・収容して里親を募集したこともある。捕獲作戦は現在も続いている。

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この記事へのコメント 42件

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  1. アライグマっぽいけど、アライグマじゃないよ!!

    • -3
  2. > 1
    おっしゃる通り、ワオキツネザルの写真がっ!

    • +1
  3. ヌートリアはよく学校の近くで見る
    あいつらの目は鋭いんだ・・・
    捕まえるとお金もらえるらしいんだけど、すばやくてなかなか捕まらんよー

    • +2
  4. 豚が野生化してる話を聞くけど、直接見てないから何とも言えない。

    • 評価
  5. イタチはよく見ますが、 チョウセンイタチかな? ニホンイタチかな~? 区別がつかない! 今度、出会ったらじっくり観察してみようかな?

    • 評価
  6. お前ら、野生のアライグマ見たことあるか?めちゃくちゃデカくてものすごい奇声発して牙剥きだして威嚇するんだぜ…ありゃ勝てん。ペットの犬猫なんて瞬殺されると思う。

    • +5
  7. アライグマは可愛いけどものすごく気性が荒くて非常に懐きにくい
    なもんでアニメなんかに影響されて買ったバカ者が捨てて増えた

    • +3
    1. >>9
      こいつ等も繁殖力強くて困るよなw

      • -1
  8. 哀れなのはマングースだな。
    ハブの駆除を勝手に期待されて導入されたが邪魔者扱い。
    ハブ以外に容易に捕まえられる野生動物がいるならハブをわざわざ襲う必要がないくらい、わかりそうなもんだ。行政が頭悪くて周りに迷惑がかかったいい例。

    • +4
  9. あれ~チョウセンジンとシナジンが見当たらないけど・・

    • -8
  10. なんでもかんでも半島ネタにもってかなきゃ気が済まんのか?
    哺乳類だけでも結構外来種はいるもんだな。人間の都合で勝手に移入させられて「侵略」とか言われてる動物は可哀そうだな

    • +14
  11. ヌートリア大坂の淀川で泳いでた
    かわいいと思って家かえって調べたらおもいっきり害獣だった思い出

    • +1
  12. 「特に生態系や人間活動への影響が大きい生物」
    といえば「人間」にきまっておるw

    • +2
  13. 今回は哺乳類でしたね(汗)
    ちゃんと読んでませんでした(汗)
    スイマセン(泣)

    • +2
  14. アライグマは弱いです
    人間から見たら危険なだけ

    • -1
  15. ヌートリアなら近所に結構いるな。
    狩猟禁止区域とか看板あるから捕まえていいのかどうか解らん。

    • +2
  16. 愛でてよし
    食べてよし
    イルカはともかくマツドドンは食えねえな・・・でもお金もらえるなら取っても良いな

    • 評価
  17. ワオキツネザルなんぞどこにもいねえが・・・

    • +1
  18. マングースってどこら辺にいたりするんですかね?
    アライグマって、オスカーというキャラになっていますよね。

    • 評価
  19. ヌートリアが如是川にいた!!!!!!巣穴も見つけたい!

    • +1
  20. 野ネコかわゆす。
    ぬーとりあは、食用ガエルとにて、戦時中に毛皮と食肉用でこっちにもってきたみたいね。

    • 評価
  21. むしろヤギは日本に何故居着かなかったのか不思議
    山地ばかりで適応しそうなもんだが

    • +3
  22. 勝手に連れてきて今度は邪魔だから駆除
    なんだかなあ
    実際被害を受けてる人たちもいるし、国の生態系を維持する為には仕方ないことなんだろうけど、複雑
    駆除するならせめて一発で、苦痛は出来る限り最小限にとどめてほしい
    無意味に苦しめて命を奪うようなことはしないでほしいです

    • +1
  23. 「船舶の積荷などに紛れ込んで朝鮮半島から九州に侵入したとされる」
    ワロタ。

    • 評価
  24. 須磨の水族館で朝鮮イタチのはく製を見た。
    都会で見かけるのはすべて朝鮮イタチだそうで、日本イタチは朝鮮イタチが来れない
    山岳地帯にいるらしい。
    人間が開拓すると朝鮮イタチが来るので日本イタチは山へ逃げるしかない。
    日本イタチには水かきがついてるのが特徴。

    • 評価
  25. 本当に駆除すべきは武器を持った人間でゲソ

    • 評価
  26. 日本人だって 大陸から来た外来種 じゃねえか?

    • +2
  27. ヌートリアやジャワマングースは本当になんで入れちゃったかというくらいの失敗
    本腰入れて駆除せにゃならんのだが、地方は金無し、環境省は能無し(他省庁の慰安旅行計画が主な仕事なんて言われるくらい)
    環境アセスメントがどうたら言うが毎度試案だけで終わってるしなぁ……

    • +1
  28.  
     動物に「元々その所だけで生活しなさい」って言うのがあり得ない。動物は自由に各場所に移動する物だから。極端に言えば、北海道にシロクマが流れ着いた例あり。
     

    • 評価
  29. アライグマ、ヌートリア、ウサギは食べれる。しかも美味いとの事

    • 評価
  30. 野良猫も侵略的外来種ワースト100に含まれます。同種である以上除外される理由はないし、除外されているという事実もありません。

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