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群れに拒絶された牛が、孤独を乗り越え他の動物たちと友情を育むまでの物語

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(著)

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SASHA Farm Animal Sanctuary
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 アメリカ、ミシガン州の動物保護施設にいる巨大な雄牛「ビーマ」は、その大きさゆえに仲間の牛から拒絶され、仲間外れになってしまった。

 彼の唯一の兄弟であるダーマを亡くした後、ひとりぼっちで孤独を抱えていたビーマは誰かを愛し、愛されたかった。

 だが、施設の人間たちはもちろん、ヤギや羊、ポニーがビーマを受け入れてくれ、種を超えた友情を育み始めた。

 これは仲間外れにされた牛が、人や動物とのふれあいの中で心を癒し、自分の居場所を取り戻すまでの物語である。

ビーマがたどり着いた場所で迎える最初の試練

 ミシガン州マンチェスターにある動物保護施設「ジョージ・サーシャ・ファーム動物保護区(SASHA)」は、虐待を受けたり、飼い主に捨てられたりした動物を保護するための施設だ。

 ここにやってきた牛のビーマは、体重がなんと約1134kgもある巨大な雄牛だが、とても穏やかで、やさしい性格の持ち主だ。

 ビーマはもともと、兄弟のダーマと共にミシガン州の都市農園で農作業の手伝いをする予定だったが、その計画は許可が下りず白紙となり、行き場を失くした2頭は、SASHAに引き取られた。

 だが、到着後まもなくダーマは肺炎で死亡してしまう。

 ビーマ自身も大きな角が感染症を起こしてしまい、ミシガン州立大学の獣医師たちにより角を安全に除去することに成功し、ビーマは健康を取り戻した。

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SASHA Farm Animal Sanctuary

群れから拒絶され、仲間外れにされてしまったビーマ

 更なる試練がビーマを襲った。その巨大な体から、保護区にいた牛たちに受け入れてもらえず、仲間外れにされてしまったのだ。

 ビーマは大きいけれどとても温厚で、やさしい心の持ち主だ。人間たちにはそれがわかっていたのだが、牛たちにはわかってもらえなかったようだ。やがてビーマは、牛たちと同じ柵にいることができなくなってしまった。

 誰かを愛したい、そして愛されたい。そんなビーマの気持ちを察したスタッフたちは、彼に目をかけ、思う存分甘えさせた。

 それでもビーマの表情は寂しさがにじみ出ている。

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SASHA Farm Animal Sanctuary

ビーマを受け入れてくれたヤギ、羊、ポニーたち

 そんなビーマに転機が訪れた。ビーマは、ヤギや羊、ポニーたちがいるエリアに移されたのだが、小さな動物たちはすぐにビーマを受け入れた。

 誰も彼を拒むことはなく、むしろ仲間として接してくれたのだ。

 今では彼らとともに穏やかに日々を過ごしている。

 また人間のことも大好きで、訪れる人々に大型犬のようにすり寄って「撫でて」とアピールするという。

 お腹を撫でられるとゴロンと横になり、甘えるように寄り添ってくる姿に、訪問者は皆驚きつつも、癒されていく。

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SASHA Farm Animal Sanctuary

柵越しから、牛たちとの小さな絆

 ビーマが他の動物たちと仲良くやっている姿は、彼を排除した牛たちも見ていた。

 「こいつは怖れるべき存在ではなかったのかもしれない」そう認識した一部の牛は、ビーマのいる柵のそばまでやって来るようになったという。

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SASHA Farm Animal Sanctuary

 SASHAファームのスタッフであるシャラ・ジョーンズさんは、「まるで放課後に井戸端会議でもしているかのよう」だと語っている。

拒絶と孤立を経験したビーマだったが、今では種を超えた仲間と新たな絆を育みながら、同族である牛たちとも、柵越しの小さな友情を築き始めているという。

牛は愛情深く、絆を大切にする動物

 牛は非常に社会性が高く、感情豊かな動物である。牛は友達が必要なのだ。

 イギリス・ノーサンプトン大学のクリスタ・マクレナン博士の研究では、牛は特定の仲間と深い絆を築き、その相手と一緒にいることで、心拍数が落ち着き、ストレスが軽減されることが明らかになっている。

 また、フランスの研究チームは、牛が30頭以上の顔を識別し、1年以上にわたって記憶する能力を持つことを発見した。

 仲間の顔を覚え、識別し、親しみを感じる。これは人間に近い個体識別と感情的認識の能力といえる。

 さらに、牛たちはお互いを舐め合う「社会的グルーミング」を通じて、信頼関係を築き、群れ内の調和を保っている。この行動は、単なる衛生のためではなく、心の絆を確かめ合う儀式のような意味を持つという。

 そんな牛にとって「仲間外れ」は深刻な心理的ストレスとなる。兄弟に先立たれた直後だったことからも、ビーマが感じた孤独は相当なものだったろう。

 ジョーンズさんはこう語る。「ビーマのおかげで、牛がどれほど個性豊かで、感情にあふれた動物なのかを、多くの人に伝えられるようになった」。

一度は仲間に拒絶されたものの、ビーマのやさしさは今やすべての動物とこの施設を訪れる人々に伝わっている。

 もう寂しい思いをすることはなくなった。みんながビーマに愛情を注いでくれるようになったんだ。よかったね、ビーマ。

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この記事へのコメント 22件

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  1. 牛ちゃんのお名前の表記ゆれがひどくてなんにも頭に入ってこなかった。ベイマ?ビーマ?ブーマ???

    • +2
  2. Bhimaちゃん、とても優しそうでかわいいのに仲間外れになるなんて、牛界にも先入観があったりするのかな。
    今は牛さん含めて、みんなと仲良く幸せになれてよかった、泣けた。

    • +32
  3. 初めて知る動物だ
    なんかボロボロに見えるけどそういう模様なのか?彼は

    • +10
  4. めっちゃおとなしそうな牛さんですこと
    体が大きいってだけで怖がられてたのは気の毒だけど友達ができて良かった

    • +36
  5. 角がなく
    白色の斑点があって
    耳も変

    他の牛に病気だと思われたのかもしれない

    • +31
  6. かなしい巨人みたいでみていてつらい(悲しみに沈むおじさん

    • +25
  7. 少し前に、ラクダの赤ちゃんを山羊の群が受け入れてた記事あったよね。
    あらゆるものを受け入れる山羊の包容力好きすぎる。偶蹄目のレトリバーか?

    • +39
  8. ビーマとダルマ?
    インドから名前持ってきてます?

    角の除去跡と耳の垂れ下がり、病変部位(だった)に見えるので警戒されたのかな
    健康な普通の牛と見た目が異なるので仲間だと思われなかった可能性

    • +31
  9. 愛らしいなあ 耳長、背中にコブだと米産出の肉牛、ブラーマン種?

    ここでもヤギさんたちがいい仕事してますな~
    レベルの違いすぎる相手に敵対心は生まれにくいってやつだろーか

    • +24
  10. トップのサムネ見て、どこが顔なのか分からなかった

    • +23
  11. 牛は臆病らしいからな、ヤギと仲良くしているのを見てようやく安心したってところか

    • +18
  12. 名前に相応しい巨躯に反して穏やかで親しみやすい紳士だね

    • +11
  13. 甘えん坊さんだね
    可愛がられて幸せになってくれ

    • +12
  14. なんか犬みたいにも見えるし、ヤギみたいにも見えるし不思議な牛さんだね

    • +13
  15. 雄牛って肉食動物より気性が荒いイメージがあるので、牛の群れもそう思ったのかもしれない
    乳牛のホルスタインでも雄牛は気が荒くて、親戚の家では両サイドに穏やかな牝牛を置いてた
    女の子に挟まれてるとご機嫌なんだそうだ

    • +16
  16. ビーマを拒絶した牛でも、食肉として食うにあたり「牛を殺して食ってる」という事を忘れるつもりはないが、
    ビーマの肉は本人(本牛というべきか)に要請されない限りは、パックに入った切れ端肉であろうと喰わずに僧侶の元に持って行って読経して貰うつもりになる…

    • -21
  17. 牛とはいえ、顔立ちからコブに耳に違いすぎる。品種だろうか?
    他の牛からは病気持ちとか異形のように見えていたのかも。

    • +9
  18. ヨーロッパだと
    牛や馬は寂しがりなので単独飼育は禁止らしい
    日本の除草レンタルヤギも
    ヤギが寂しがってしまうから
    2頭以上借りてとお願いしてたw

    • +7
  19. (´・ω・`)ブレーメンの音楽隊を結成しなさい

    • +1
  20. 関係ない話ですんませんけども音声トラックを消す方法ないのかな?
    落ち着いて動画が見れないよ

    • -1
  21. 牛と言っても品種が違うみたいだし、同種同士の群れの中に入れたら仲間外れというか、馴染むまでに時間がかかるんじゃないかなーって感じた。

    • +2

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