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地球の内核が構造変化、地磁気に影響をもたらす可能性

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(著) (編集)

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地球の断面図この画像を大きなサイズで見る
Photo by:iStock
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 2025年の新たな研究によると、ここ20年ほどの間、地球中心にある内核の形状がだんだんと変化しているという。

 教科書や図鑑に載っている地球の内核は、完全な球体をしている。ところが米国と中国の地球物理学者チームの分析の結果、内核と外核の境界が、場所によって高さが100m以上も変形しているだろうことが明らかになったのだ。

 もしかしたら、こうした内核の変化が地球の地磁気に影響し、ときおり乱れを作り出している可能性もあるそうだ。

地球内核の変化が人類にどう影響を及ぼすのか?

 地球奥深くの出来事など、私たちには無関係と思うだろうか? そうではない。実は地球の核で起きていることは、地上の生き物にとって生命線である。

 地球の核は、中心にある固体の「内核」と、その周囲をおおう溶岩のようにドロドロに溶けた「外核」で構成されている。

 この溶けた鉄やニッケルなどを含む外核は、地球の自転の影響を受けつつ、熱によって対流している。するとその作用で電流が流れ、磁気が発生する。これが地球をおおう「地磁気」だ。

 地磁気は地球上の生命にとってはバリアのような役割を果たす。太陽から吹き付けられる強烈な太陽風も、宇宙から降り注ぐ高エネルギーの宇宙線も、地磁気が地上に到達しないよう防いでしまう。

 私たちが生きていけるのは、このバリアが危険な太陽風や宇宙線から守ってくれるおかげなのだ。

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Photo by:iStock

地球の核を調べる方法は地震波

 だからこそ、地球の核で何が起きているのか理解することが大切となる。

 だが問題は、地上から2900km以上も地下にある地球の深奥を調べる方法だ。現在の技術では、そこまで直接到達する方法はない。

 そこで地球物理学者は、いわば病院のエコー検査のようなことを行う。

 妊婦のお腹にいる赤ちゃんの様子を調べるときなど、医師は体内に超音波を飛ばし、その反射を分析することで内部を探る。

 地球物理学者にとっての超音波は「地震波」だ。

 地震によって地中を伝わる波は、それが伝わる物質によってスピードが左右される。これを分析することで、地球内部の状況を間接的に知ることができる。

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オーロラも地磁気の影響によるものだ Unsplash / Lightscape

内核の回転速度も形状も変化、外核と重力の影響か?

 今回の研究において、米国南カリフォルニア大学のジョン・ヴィダレ教授らの元々の目的は、内核の回転を探ることだったという。

 地球の内核はほかの部分とは独立して回転している。じつはここ数十年、その回転が加速したのちに、減速していることが示唆されてきた。

 ヴィダレ教授は、この現象についてさらに調査を進めるべく、1991~2023年に計測された地震波の分析を行った。

 その結果、2010年頃にほかの部分より速かった回転速度が、その後確かに減速しただろうことが確認されたのである。

 だが、それだけではない。どうやら内核の形が変化しているようなのだ。場所によっては100m以上も高さが変わっているという。

 固体の内核は、流体である外核の対流にも影響しており、地磁気の維持にも大きな役割を果たしている。

 ゆえに内核の形の変化は、これまで観測されてきた地磁気の乱れにも関連している可能性がある。

 だがなぜなのか? ヴィダレ教授らの仮説によるなら、外核と重力の影響によるものであるという。

 形状が変化しているのは、内核の外核との境界だ。内核は基本的に固体だが、外核は高温であるため、境界の温度は融点に近い。

 ここが外核の流れや歪な重力場の影響を受け、それによってだんだんと形が変化すると考えられるのだ。

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Photo by:iStock

内核が止まってしまうわけではない

 ヴィダレ教授は、BBCで、もう1つ大切なことを指摘している。それは今回発見されたことを大袈裟にとらえて、今にも内核の回転が止まってしまうと早とちりしてはいけないということだ。

 もし本当にそうなれば大変なことだが、地球内部の現象には、不確かなことがいくつもあるという。

 長年地球の内部を研究してきた彼であってすらも、「これらの変化を正確に解釈しているかどうか100%確信が持てない」とのことだ。

 この研究は『Nature Geoscience』(2025年2月10日付)に掲載された。

References: Researchers Uncover Mysterious Structural Changes in Earth’s Inner Core / Earth's inner core may have changed shape, say scientists

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この記事へのコメント 18件

コメントを書く

  1. まだ内核が冷えずに残ってる事が生命が生まれた奇跡なんだろうね
    他の地球型は冷えてるぽいし

    • +7
    1. 全人類の中でただ一人ワイだけは評価する

      • +8
  2. 古い卵で半熟を作るとたまに黄身がこういうふうになる

    • +2
  3. 地球温暖化そのものが深層海水温上昇でありそれはつまり
    資源採掘による熱水放出に伴う内部の地熱放出だってことの証拠になるわけだけども
    地球は放熱してるだけで温暖化ではないんだよ、寒冷化というか放熱なんだよ

    • -4
    1. 深層海水温度の上昇は、温室効果ガスの増加によって地球温暖化が進み
      その結果として海水温が上昇したという説が主流ですね

      • -3
  4. 地球直径からしたら、内核でも半径1200kmぐらいあると言われているので100m程度なんて誤差
    ・・・だとは思うけど結構影響あるんだなぁ

    • +7
    1. >教科書や図鑑に載っている地球の内核は、完全な球体をしている。ところが米国と中国の地球物理学者チームの分析の結果、内核と外核の境界が、場所によって高さが100m以上も変形しているだろうことが明らかになったのだ。

      内核の直径は2400kmくらいあるから100m程度の凹凸なら
      絵的には無視してもいい気がしてしまう。

      • +7
    2. マジでシビアな数字で成り立ってる生命世界だからその誤差が致命的だったりするんよな
      例えば地軸の傾きが0.1度変わるだけで環境が激変して今の生命体が住みづらい惑星に変化するって言われてるレベルだからな公転、自転ともに今の数値から変わると人はほんまに住めなくなる。
      だからこそ核爆弾等の大きな衝撃は惑星破壊のきっかけになりうるほんまに危険な行動の1つなんやけど放射線とかそういうのばかり注目集めてるんよね

      • +8
      1. 原文みてきたけど「100m」とあるね。
        kmかマイル(ml)の誤植かしら。

        • +3
  5. 問題は磁場がどの様に変化していくかだろうね
    磁場が弱まれば大気層が宇宙に拡散され火星の様に水の無い星になり、地殻変動も起こらない星になる可能性があるし、地球と火星は似ている部分もあるから同じ道を歩む可能性もある。重量の違いはあるしゆっくりと変動していくと思うけど近くの変化がここ20年程で起きているという時間のスパーンは気持ち悪いね。
    深海より地下は未知数な領域だからより検査技術が進むと良いと思っている。

    • +3
    1. 地磁気が弱まっていくとすれば、地球温暖化は起こらないということに

      • -4
  6. BBCで思い出したけど小惑星はどうなるんだろう

    • 評価
  7. 太陽お怒りとか言ってたやん
    そそるぜこれは

    • -2
  8. 『ザ・コア』っていうB級SF映画あったなあ…

    • +3
  9. パンデミックの時に、人の生活音が消えた(弱まった)から地質学者は「チャンス!!」と色めきだったと聞く。
    今は生活が戻ってきて雑音ばかりだろうから正確なデータを取るのは難しいんだろうな。

    • 評価
  10. 引力が消えて地表のモノ全てが宇宙のゴミとなる

    • 評価

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