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3.8リットルで約40億円以上。世界一高価な液体と言われる「オブトサソリの毒」※サソリ出演中

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(著) (編集)

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世界一高価な液体と言われるオブトサソリの猛毒/unsplash
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 人にとって危険な生物の毒は、時に有益な治療薬になることがある。

 主に中東・ヨーロッパに生息し、「デスストーカー」と呼ばれるオブトサソリは、世界一毒性が強いサソリの種で、その強い毒が治療薬に役立つとして非常に高額な価格で販売されており、「世界一高価な液体」として知られている。

Why Scorpion Venom Is So Expensive | So Expensive

世界一の猛毒を持つオブトサソリ

 和名では、鋏や胴体に比べて尾が太いことからオブトサソリと呼ばれているこのサソリ、世界一の毒性を持つことで知られていることから「デスストーカー」という恐ろしいニックネームがついている。

 その名の通り、オブトサソリの毒には強い神経毒成分が含まれており、専門家によると「刺された時の痛みは、個人差もあるがわかりやすく言うと『蜂刺されの約100倍』で、耐え難いほどの痛みであることは間違いない」そうだ。

 万が一、人が刺された場合、健康な成人であれば死ぬには至らないということだが、子供や高齢者などは致命的となる可能性もあり、猛毒によりアナフィラキシーショック症状を引き起こすこともあるという。

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image credit:Wikipedia

 そんなオブトサソリの毒が、「世界一高価な液体」と呼ばれている。

3.8リットルで40億円の価格

 オブトサソリの毒の成分の1つに、ペプチドクロロトキシンというのがある。これが、ヒトの脳腫瘍を治療する可能性があるとされているという。

 クロロトキシンという神経毒は、脳腫瘍細胞の表面に結合する性質があり、蛍光色素と結合させることで癌細胞を光らせ視認が容易になるのではないかと期待されているのだ。

 また、他の毒成分もインスリンの調節や糖尿病の治療、マラリア治療などに有効な可能性があるとされており、医療業界ではオブトサソリの毒の研究が進められている。

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image credit:Louis Reed/unsplash

 しかし、サソリの尻尾から毒を抽出することは容易ではない。

 研究者らは、手動で採取しなければならず、しかもサソリが1度に放出する毒はわずか2mgということで、1ガロン(3.8リットル)集めるには2~3週間はかかるそうだ。

 こうした手間暇から毒には高額な値段が付き、現在では3.8リットルのオブトサソリの毒が40億4900万円(2020年現在)にもなるという。

 死を引き起こす毒素が、人体に有効な治療薬に代わる可能性が高いとされるオブトサソリの猛毒。今後、更なる研究開発により多くの人命を救うことが可能になるのなら、その毒が「世界一高価な液体」と呼ばれるのも納得といえるかもしれない。

written by Scarlet / edited by parumo

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この記事へのコメント 27件

コメントを書く

  1. どういうきっかけで「脳腫瘍に効くかも」と気づいたんだろ ?
    刺された人が「オイオイオイ脳腫瘍が治っちゃったよ~~っ ! ?」ってなったのか。

    • +7
    1. ※1
      クモにかまれて毒注入された人が何故か持病が治ったとかの話もあるし
      今まで不可能みたいに思われた症例に有効と判明するのってたまたま見つかったってケースが多いのかな?

      • +2
    2. ※1
      どういうキッカケで気付いたのかは知らないが、
      説明を読んだ限り、脳腫瘍と結合する性質を利用し
      予め蛍光色素を混ぜておいて、脳腫瘍をピンポイントで着色し
      転移箇所を全て確認したり、手術での切除漏れを防いだり
      するのに役立つ、って感じの利用法であって、
      クロロトキシンが直接 脳腫瘍を治癒する訳ではなさそうだが。

      • +8
  2. 蠍なんて養殖できるだろうから数千とか数万匹にすればいいのに

    • -3
    1. ※2
      良い餌を食べさせて いっそ30倍くらいにでっかく育てたらどうだろう?

      • -1
  3. このサソリ、昔は日本でもその手のマニア向けペットショップで、イエロースコーピオンとかいう名前で売ってた。そんな強烈かつ有益な毒もってたのか

    • +8
  4. ペプチドクロロトキシンをサソリから抽出じゃなく
    作ったり出来ないんか?
    科学ってそんなもん?

    • 評価
    1. ※6
      生体細胞の中で化学合成を担ってるタンパク質って、
      ほとんどナノマシンみたいなもんなんだよ。
      つまりペプチドクロロトキシンは例えるなら、
      無数のナノマシンが手間暇かけて組み立てた超複雑な物質なんだ。
      対して実験室の化学は材料を混ぜて温めてみたりとか、
      生体内の化学反応とはとても比べられないくらい大雑把。
      望みの物質を大量生産なんてのは、それこそ10年単位の膨大な研究開発が必要になる。

      ちなみに薬の開発とかにはいまだにフィールドワークが結構重要で
      未知のキノコやカビとか植物、記事みたいに虫の毒とかから
      新薬のヒントになる物質を探して研究者たちが野山に分け入ってるよ。
      コンピュータの進化でヒトの手で薬を設計できるようにはなってきたけど、
      それでも自然界にはヒトの想像の埒外な薬がまだまだたくさんある。

      • +20
  5. サソリ繁殖させて、2~3週間毒集めて40憶円なのか?
    繁殖させる事が出来なきゃ2~3週間で毒は集められんだろうし・・・。
    よくわからん記事だな。

    • 評価
  6. 技術職が入ってないだけじゃないの?
    虫なんだし量産して固定でポンプで吸う様な装置作ればいいのに、そんなに難しいのか謎
    どうしても無理ならバイトにさせちゃダメやろか

    • -14
  7. なるほど『蜂刺されの約100倍』でも脳自体は痛みを感じないから薬に使えるわけだ(冗談です)。
    それこそ蜂みたいに複合毒じゃないならそのうち大腸菌に作らせることが可能では?
    数年でできそうな気がする。

    • 評価
  8. 「毒を以て毒を制す」って言葉が有るけど、昔の人は上手く言ったもんだと、
    改めて感じる。

    • +3
  9. デスストーカーの異名がファイナルファンタジーシリーズに
    いそうなモンスターっぽい。

    • +1
    1. ※15
      実際にソシャゲのFFに蠍型のモンスターとしている
      ちなみにドラクエにもいるがこっちはムキムキ変態パンツ

      • 評価
  10. 1匹で2mgなら
     1g= 500匹
    1kg= 50万匹
    4kg=200万匹 か
    採取作業200万回弱だけど最速2週間ってことは
    1週間で100万匹なら
    労働基準法的には1日で20万匹ぐらい処理してってことでしょ?
    20万匹/8時なら
    25000匹/時
    えぇぇ……?そんなに早く処理できるかぁ?

    あとmgとか使ってるくせにサラッとガロンなんて使うなよな

    • +4
  11. EUは、労働生産性が良いらしいので、人件費が高いんだよね
    つまり、この毒を集める価格のほとんどが人件費

    • +1
  12. 「虫なんだから養殖して増やせばもっと安く済む」とかいう人が多いけど
    そんな簡単にできるものなら今頃ヘラクレスオオカブトもミヤマクワガタも量産されて捨て値で取引されてるわ

    • 評価
  13. こいつ養殖出来れば大金持ちになれるな。
    法律的に難しそうだが。

    • 評価
    1. ※23
      上でペットとして飼育できたってあるから養殖自体は法律に問題なくできると思う。問題はただでさえサソリ自体が5~10cmほどと小さい上に、かすっただけでも致命傷の毒をどうやって安全に効率よく採取するかだろうね

      • 評価
    2. >>23
      法的には条例に沿って届け出すればいい

      • 評価
  14. 1回200円。
    でも別の記事だと毒の抽出は2週間に1回。
    1匹で400円/月の稼ぎ。
    1,000匹を飼育できれば、40万/月の収入が見込まれる。
    毒の抽出は2,000回/月とすれば、20日勤務として100回/日。
    8時間労働として、12.5匹/時で処理すれば良い。
    飼育コストを鑑みても、良い内職になるかもしれない。

    • 評価
  15. オブトサソリの毒は神経毒なのに何で、脳腫瘍に効くんだろう

    • 評価

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