1500万年前の花を琥珀の中から発見 image by:mapress
花の進化は、植物の進化を研究する者にとっては、特に興味深い話題である。有力な仮説によると、今、私たちの目を楽しませてくれている色とりどりの花は、最初は順番に重なって並ぶ芽だったのだという。しかし、実際にそうした化石が発見されたことはなく、今にいたるまであくまで仮説のままとなっている。
このほど中国科学院やスペイン、ビーゴ大学などの研究グループが、ドミニカで産出された1500万〜2000万年前の琥珀の中から、この仮説を裏付けとなりそうな植物の花を発見したそうだ。
琥珀の中で眠る太古の花
その花は中国の数学者、丁石孫(Ding Shisun)氏にちなみ、「丁石花(学名 Dinganthus pentamera」と名付けられた。中新世地層から産出された琥珀に閉じ込められていた花は、幸いにも3次元構造が保たれていた。そのおかげでマイクロCTといった最新の観察技術を用いれば、その特徴をはっきりと調べることができるという。
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被子植物の真正双子葉類に分類され、大きさは3、4ミリととても小さいが、「ほう」(変形してつぼみを包むようになった葉)、「花被」(花弁やがく)、「おしべ」、「めしべ」がある。だがユニークなのはその配置だ。典型的な真正双子葉類の花では、がく・花冠・おしべ・めしべはほぼ同じ高さに密集しているが、丁石花ではそれらが縦に引き延ばされるように離れている。
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花の進化を知るヒント
ミャンマーで産出されたやはり琥珀の中から「Lijinganthus」が発見されたことで、真正双子葉類の歴史は1億年前までさかのぼれるようになった。しかしその後に花がたどった進化の経緯は、それを示す化石がないためによく分かっていない。丁石花はずっと年代が新しいが、その独特な形状ゆえに、花の進化の謎を紐解く手がかりになるだろうとのことだ。
この研究は『Palaeoentomology』(8月31日付)に掲載された。
References:archaeologynewsnetwork/ written by hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
昆虫を引き寄せやすくする為なのかな…?
2. 匿名処理班
そのおじさんの肖像写真はいるのか!?www
3. 匿名処理班
>>2
なんか中国って薬とかに
おっさんの肖像載せてるよねw
タイガーバームっぽい
4. 匿名処理班
ピクミンみたいだね
5. 匿名処理班
これはとても興味深い。
今までの説は「初期の花は菊科で小潅木」という。
なら、この花は木から落ちたのか、小さな花なのか、軸があれば前者で通説通りだが写真ではわからない。
ここから蒲公英までの変化を思うと進化って凄いといわざるを得ない。
6. 匿名処理班
秋明菊みたいだ
7. 匿名処理班
今でもありそうっちゃありそうだよね
もっと奇怪な花がいくらでもあるから
8. 匿名処理班
ほぼ時計草
9. 匿名処理班
ヴォイニッチ手稿に似た挿絵があったような、無かったような。
10. 匿名処理班
人喰い花ジゴキラーじゃ!!
11. 匿名処理班
雄しべが長いといえばオオカナダモの花も似ている
12. 匿名処理班
ラフレシアとかでかくて臭くて、でも「お花の形」してて、この1500万年前の小さな花も「お花の形」してて、私花なんです。っていうアイデンティティーとかがあるのかなと思ったり。