この画像を大きなサイズで見る1000年以上も長きにわたり、古代マヤ文明の都市ティカルは、最大かつ重要な中心都市として君臨していた。
しかし、9世紀後半ごろに、ティカルと周辺の多くの町から忽然と人がいなくなってしまった。新たな分析の結果、ティカルにあった貯水池が、この集団移住の謎を解く重要なカギであることがわかった。
米オハイオ州、シンシナティ大学の研究チームが、現在のグアテマラにあったティカルの貯水池の堆積物を分析した結果、ティカルの住民が飲み水として利用していた水が、毒物に汚染されていた証拠が見つかったのだ。
貯水池の堆積物をDNA分析
古典期マヤの大都市「ティカル」はたびたび深刻な干ばつにみまわれ、湖や川から切り離されていたため、雨水による汚染物質が貯水池に蓄積され、ピーク時には10万人もいたと言われるティカルの住民に悪影響を及ぼした可能性はある。
「ティカルにいくつかある主要な貯水池が、生きるための大切な水から、病気を引き起こす疫病神に変わってしまったことが、実質的、象徴的にこの巨大都市が放棄される原因になったのだろう」研究者は書いている。
ティカルの貯水システムがどのように住民の生活を支えていたのか、あるいは支えられなくなったのかを探るため、研究チームの生物学者、デヴィット・レンツは、ティカルの10の貯水池の堆積物を採取した。
この画像を大きなサイズで見る貯水池に有害な2種の藍藻の存在を確認
古代の泥にまだ含まれているDNAを分析したところ、有毒物質を生み出す2種類のシアノバクテリア(藍藻)の痕跡が見つかった。
それらはプランクトスリックス(糸状藍藻)やミクロキスティスで、ティカルが繁栄していた何世紀もの間、貯水池に蓄積されていったようだ。
そして9世紀半ば、ティカルが放棄される直前、深刻な旱魃の時期にミクロキスティスが異常繁殖し、アオコが爆発的に増えたことが特に問題になった。
「貯水池の水は、見た目にもひどいありさまだったことでしょうし、味もひどかったはずです」研究チームの地質考古学者、ケネス・タンカスリーは言う。「緑色に染まった臭い水など、誰も飲みたいとは思わなかったでしょう」
この画像を大きなサイズで見る高レベルの水銀も検出される
毒性の源は、水中の微生物だけではなかった。堆積物の中に高いレベルの水銀が含まれていることがわかったのだ。
水銀は地下の岩盤や、降ってきた火山灰から貯水池の水に浸出することもある。こうした自然環境からの水銀汚染の原因以外を除くと、マヤの人びとが自ら汚染物質を持ち込んだ可能性もあることに気づいた。
「古代マヤの世界では、色は重要な要素でした。赤い漆喰を使って壁画や墓を彩ったのです。酸化鉄と合わせて、陰影を変えるようなことも行われていました」
マヤの場合、赤い塗料に使った成分のひとつは、赤い色をした鉱物、硫化水銀で、人体にとっては有毒だ。
硫化水銀の毒性については、マヤでもほかの古代世界でも知られていたようだ。直接、触れることに関しては気をつけたたかもしれないが、雨水が壁に塗られた色素を洗い流し、その毒物が少しずつ貯水池に入り込んで、長い間に人体に有害なレベルまで水を汚染していたとは、気がつかなかったのかもしれない。宮殿や神殿の貯水池のそばに住んでいたティカルの高官の健康が、まず損なわれたのだ。
「結果的に、ティカルの指導者家族は、水銀が混ざった食べ物を毎回食べることになったのです。汚染された水は、ティカルの人々の健康を損なっていき、特に支配層に打撃を与え、その指導力を危うくさせたのかもしれません」
この画像を大きなサイズで見る水質汚染に気候変動が追い打ちをかけた
新鮮な飲み水がないこと、そして同時期に起きたた、気候変動による乾燥化など環境の悪化が追い打ちをかけ、ティカルの崩壊にとどめをさしたのかもしれない。
「こうした不運や干ばつを、指導者たちが適切にマヤの神をなだめられなかったせいだとみた人々もいたかもしれません。不運な出来事が重なり、水や食糧の不足に直面した人々が失望して、自らこの地を捨てようと決めたのです」
この研究は『Scientific Reports』(2020年6月25日)誌に発表された。
Molecular genetic and geochemical assays reveal severe contamination of drinking water reservoirs at the ancient Maya city of Tikal | Scientific Reports
https://www.nature.com/articles/s41598-020-67044-z
References:phys / UCなど/ written by konohazuku / edited by parumo
追記:(2020/07/07)タイトルを一部訂正して再送します。














なるほど硫化水銀かー。
油絵具の赤色にも、これが入っていたような・・・
※1
バーミリオンと呼ばれる朱色がそれだね
つまり人類滅亡はいつ?
>>3
今回の発見を考慮して計算しなおすと、来年。
帰って来たんやケツッアルコアトル?が!!!
モルボル先生の仕業か
コナン「光彦、ちょっとこの水なめてみてくれ」
多分土壌も汚染されてそうですね
流水でない地下貯水システムは都市文明には向かないんだろうな
生活排水やその他汚染水の許容閾値をある時点で越えてしまったのか
水の汚染から神の怒リだと判断、そして怒りを鎮めるための絶え間ない儀式
大規模な人間狩りへと変わった…とかありそうね
川や湖から遠い場所に都市を造っても溜め池でなんとかなると思ったのかな
こういう発見は面白いね
ワクワクするミステリー感は薄れちゃうけど
当時の状況を窺い知れるのはこれはこれで楽しい
水源がなくなると滅ぶ
過去の教訓を活かそう
水に関してはほんと日本は恵まれてる
最近降りすぎだけど
こんな文明でも滅んじゃうんだよね
人口が多いから滅亡しないなんてあるが
あれ、大嘘だよな
環境が変化して水や食料が手に入らなければ
少数の人口の方が生き残る可能性すらある
今の世界もイナゴとかコロナとかあるしな
マジで数年後どうなってるのか?
滅亡なんてあながちアリかもね
>>21
人口が多いシステムの方が少数だけでも生き残れるんやで
少数前提だと一発でつむ
人類滅亡説は2000年以上続く伝統だから、100年後の人類も同じ事言ってるやろうな
硫化水銀は例の『賢者の石』でもあるから、このティカルでもアオコで臭くなった水を”浄化”するために積極的に放り込んでた可能性もあるんじゃないかな。
硫化水銀を浄化や殺菌に使った記録はあちこちにある。始皇帝が不老長寿になるため常飲していたという辰砂という薬?も硫化水銀だったとか。
現代でも、流石に水銀は使わないけどアオコだらけのダムの水に猛毒の塩素やフッ素を添加して殺菌して飲水にしてるよね。
>>22
学者に毒性が知られていたと言われるぐらいだと、流石に可能性は低そうな
でも、そんな理由で滅んだ都市はどこかにありそうだね
生贄を貯水池に放り込んだりもしているが
色んな説が流布しているけど、これだけ納得したのは初めてかも?
藻ってこわいんだねー。動物でも植物でも毒を持つ物が
いるから不思議ではないんだろうけど。
そういえば日本でも南方の魚は毒のある藻を食べていて、
その魚を人間が食べると難儀なシガテラ中毒になるんじゃなかったか。
>>26 人間、弱っちいなー。もっと自然を大切にしないと、ダメなんだよなぁ。
現実世界は、水を貯めるだけでここまで苦心する。
蛇口ひねっただけで、確実に飲める水が出る世界って、
実はとんでもない幸せなんだなと再認識させられるわ。
硫化水銀は悪魔に効くって
ファミコンのメガテン攻略本に書いてあったわ
実は、現在でも綺麗で飲む事ができる水というのは、非常に貴重なんだよね
自分達が崇めていた神が原因でこうなってことか?
面白いよな
マヤ文明の最大の遺跡が最近見つかったとか言ってた様な・・・どうなったのかな?
いわゆる辰砂(日本だと丹(に)、西洋なら賢者の石)やね。
丹=薬って位置付けなんだけど、始皇帝が「長生きの薬や!」言うて飲んでたらしい。