NASA/JPL-Caltech
次の地震はいつ、どこに?常にその不安を抱えているのが、地震大国、日本であるが、太平洋を挟んだアメリカ、カリフォルニア州もかなり地震の多いところだ。2019年7月4日午前10時33分にも、現地において過去20年間で最大規模の地震であるリッジクレスト地震が発生した。
そこは地震活動によって形成された大地で、断層や褶曲(横からの圧力で地層が曲がりくねること)といった形でその記録が刻まれている。それはとてもドラマチックな痕跡だが、その一方であまり目立たない痕跡もある。
独立記念日にアメリカを襲った地震
7月4日と5日、ちょうど独立記念日にわいていたアメリカのカリフォルニア州南部をマグニチュード6.4と7.1の地震が続けざまに襲った。これはその地名から、リッジクレスト地震と命名された。それは一帯のインフラを破壊し、地形を大きく変えたが、それだけでなく、日本の宇宙航空研究開発機構「JAXA」の衛星データから地殻にもっと微妙な歪みが残されていることが明らかになった。
それを捉えたのは観測衛星だいち2号に搭載されている合成開口レーダーだ。
NASAのARIA(最先端高速画像化分析)チームは、だいち2号が集めた2次元および3次元地形データを地震発生前の地形と比較しながら、地震によって生じた起伏の変化をセンチメートル単位でマップ化した。
波紋のように広がる地震の痕跡
(NASA/JPL-Caltech)
公開されている画像は、地上からではわからない微細な起伏の変化を着色したもの。それぞれの色は12センチの隆起あるいは沈下を表しており、一部には色の縞模様を横断するように亀裂が走っていることがわかる。こうした可視化マップは、破損した配管や道路、あるいは地すべりで孤立した人がいる場所など、まだ判明していない被害を割り出す手がかりとして利用することができる。
震源地は東部のせん断帯
知っているかと思うがマグニチュードと震度は違う。「マグニチュード」は地震そのものの規模を表す世界基準の指標であり、「震度」は強さを示す日本の指標で、「震度5」、「震度6弱」などの数値は、気象庁が、デジタル震度の計測値を10段階に換算して発表しているものだ。そのため、マグニチュードが小さい地震でも、震源地からの距離が近いと地面は大きく揺れ震度は大きくなるし、マグニチュードが大きい地震でも震源地から遠ければ、地面はそれほど揺れないので震度が小さい場合もある。
今回のカリフォルニア地震は、大地震ではあったが、震源地はかなり離れた場所で、幸いなことに今のところ死者は報告されていない。
震源は東部カリフォルニアせん断帯と呼ばれるところで、西へ動くプレートと別のプレートによって作られた断層の亀裂がある。
2つのプレートの境界についてはかなり把握されているが、これらが緩くつながった断層の溝はあまり調査されていない。
また、リッジクレスト地震における地表の変化はプラネット社のDOVE衛星からも確認することができる。
カリフォルニアでは「ビッグ・ワン」と呼ばれるサンアンドレアス断層に起因する大地震がよく話題になるが、独立記念日にアメリカを襲った今回の地震は、警戒すべきはそれだけではないことを教えてくれる。Ridgecrest Earthquake before (4th July) & after (6th July) images from Doves, clearly showing surface rupture. Thx @rsimmon @PlanetLabs @USGS RT @USGSBigQuakes Prelim M7.1 Earthquake 35.767, -117.605 Jul-06 03:19 UTC, updates https://t.co/waWvmvQZ88 pic.twitter.com/cUNxdMazum
— Will Marshall (@Will4Planet) 2019年7月7日
・スウォーマゲドン?カリフォルニア州南部で1000回を超える群発地震が発生(アメリカ) : カラパイア
References:Striking NASA Maps Reveal How The California Earthquakes Altered The Planet's Surface/ written by hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
ウワッなんかすごい
すごいもの見た感じ
この技術を応用すれば
地震予知もできるんではないか?
2. 匿名処理班
これも、2度目の地震の方がマグニチュードが大きかった。
北米〜カナダの西沿岸は日本と同じ、環太平洋火山帯・地震帯・造山帯
いつか来る、明日か200年後か
イヤァン
3. 匿名処理班
マンデルブロ集合かと思った
4. 匿名処理班
金正恩「センチメートル単位でマップ化」って・・・秘密基地全部バレてますやん!
5. 匿名処理班
※1
残念だけど、だいち2号は災害発生前後の地表と地殻の変化を観測ているので、地震の予兆を捉えるのは難しいんじゃないかな。もっとも火山活動の観測に関しては、警戒レベル設定に貢献しているよ。
そもそも全地表面の観測を網羅して回帰するのに14日かかるし。
将来的にデータが蓄積された暁に、例えば大地震の直前に、観測画像になにか変化が見られたとして、それが地震との関連性ありと証明できれば、予知につかがるかも知れないが。
6. 匿名処理班
だいち偉いぞー
7.
8. 匿名処理班
日本なんてセンチメートル単位で細かく検証したら東西南北上に下に動きまくってるんだろうな。
9. 匿名処理班
※8
おっしゃる通り、国土地理院の「日本列島の地殻変動」のページにまとまっているので、お勧めです
10. 匿名処理班
大好物!
11. 匿名処理班
※3
ジュリア集合かもしれない