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スコットランドの湖に浮かぶ謎の人工島「クラノグ」に新事実。5600年以上前に作られたものだった(イギリス研究)

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(著) (編集)

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F. Sturt; Duncan Garrow and Fraser Sturt, Antiquity 2019.
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 古代から残されたミステリアスな建造物は、長い年月の経過が様々な事実をすっぽりと覆い隠してしまい、その謎を紐解いていくのは至難の業だ。

 ほんの少しだけ残された手がかりを頼りに、研究者たちは入念にパズルのピースを組み合わせていく。だがそれが報われた時、研究者たちは大きな喜びを手にすることができる。そこに彼らの心を惹きつけてやまない魅力があるのだ。

 イギリスのスコットランド周辺にある複数の人工島「クラノグ」もその1つだ。

 研究者たちは何十年とその調査を重ねてきた。そしてついに、これまでの定説を覆す新発見にたどり着くことができたのだ。

 約2800年前の鉄器時代に造られたと考えられてきた一部のクラノグが、実は5600年以上も前の新石器時代に造られたものであることがわかったのという。

Europeans Made Artificial Islands Over 5,600 Years Ago – ROBERT SEPEHR

ヨーロッパに点在する謎の人工島クラノグ

 スコットランドとアイルランドの多数の湖に点在しているクラノグ。アイルランドにはより多くのクラノグが存在することが判明しているが、スコットランドだけでも実に570のクラノグが発見されている。

 研究者たちは、巨石や粘土、材木などから造られたこれらのクラノグを何十年にわたって研究し続けてきた。

新石器時代のものとされる鉢が湖底で発見される

 ミステリーの紐解きには長い年月がかかる。これまでの調査からクラノグは約2800年前の鉄器時代に造られたものだと考えられてきたが、新石器時代の陶器が発見されたことで、長年の定説が大きく覆されることになった。

 当初、スコットランドのクラノグは紀元前800年頃に造られ、西暦1700年の中世後の時代まで再利用されてきたと考えられていた。

 しかし1980年代になると、これら島のいくつかはそれよりも遥か前に造られたものであるという説が浮かび上がってきた。

 更に2012年、元イギリス海軍のダイバーが、島々の近くの湖底で、非常に良い状態のままの新石器時代の鉢のような形の陶器を複数発見した。ダイバーが地元博物館にこの発見を知らせ、2人の研究者らが調査に乗り出した。

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いくつかのクラノグは新石器時代に作られていた

 ともに考古学者でレディング大学のダンカン・ガーロウ氏とサウサンプトン大学のフレイザー・スタート氏は、2016年と2017年にチームを組み、スコットランド北部沖のクラノグのホットスポットとされるヘブリディーズ諸島に点在する複数のクラノグを調査した。

 2人が調査したのはアーニッシュ湖、ボーガスティル湖、ランガハット湖周辺の複数のクラノグで、ダイバーが何十もの新石器時代の陶器の破片を発見したのは、ボーガスティル湖とランガハット湖にある島の周辺だったという。

 これらの陶器は、恐らく何らかの儀式のために意図的に水中に落とされた可能性が高いと研究者らは見ている。

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Getmapping PLC; Duncan Garrow and Fraser Sturt, Antiquity 2019.

 また、放射性炭素による年代測定をしたところ、調査したクラノグのうちの4つが紀元前3360年~3640年の間に造られたものであることがわかった。

 放射性炭素による年代測定だけでなく、土地および水中調査、古環境のコアリング調査、そして発掘調査などが、これら特定の島が新石器時代に造られたことを裏付ける結果となったようだ。

クラノグは「特別な場所」であったようだが正確な目的は不明

 自然発生したものではなく、人の手で人工的に作られたとなれば、わずか10メートルほどの幅しかない島々でも、多くの労力を伴い完成に至ったことは想像に難くない。

 ボーガスティル湖のクラノグの1つは、本土へ繋がる石の土手道さえも造られてあったという。

 クラノグの一部は新石器時代に造られたものであるという今回の新たな発見は、当時の人々にとってクラノグが「特別な場所」だったという生活様式の発見にも繋がった。

 だが実際何の目的で使用されていたのかはまだはっきりわかっていない。

 これまで、スコットランドのクラノグのわずか10%が、放射線炭素で年代測定されているだけであり、各クラノグへの更なる発掘調査が必要とされている。

 今後の調査次第では、もしかすると今回の新石器時代よりもさらに古代に造られたクラノグが発見される可能性もあるかもしれない。

 この研究論文は6月12日の学術誌『Antiquity』で発表された。

References:curiosmos/ written by Scarlet / edited by parumo

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この記事へのコメント 47件

コメントを書く

  1. なんだろうなぁ。
    墳墓だとしたら骨とか出るだろうし、鳥葬とか殯のための場所だろうか?

    • +4
      1. >>10
        狭いしw すぐに渡れちゃう上に道まで作られてる。

        • +2
    1. ※1
      沖で大きめの魚採りたかっただけだったりして

      • +7
  2. 住居か、信仰の場としていたのか、船着き場だったのか、
    いずれにしても、生活に密着した重要な施設だったのだろう
    重要でなければ、手間を掛けて作らなかったと思うので

    • +7
  3. 古代の金持ちが初日の出見るために島作っちゃったとか?

    • +1
    1. ※3
      いや、それは割と本当にあるかもね。
      初日の出っていうのは本来、冬至の事だ。
      ブリテンを含む西ヨーロッパは冬至の方向に合わせていろんな施設が作られてる。
      あのストーンヘンジも、湿原の中をまっすぐに進む道の先に作られていたことがわかってるが、その道はきっちりと冬至の方角に合わせられている。
      この人工島が作られた時代がこの記事の通りだとすると、おそらくストーンヘンジを作った民族と同じだろう。そう考えれば、共通点は多い気がするし、
      ストーンヘンジは今でこそ草原だが、前述のようにもとは深い湿原の中にあり、さらに古い時代は湖の中にあった可能性もあるよな。

      • +3
  4. 湖上の儀式はさぞや神秘的だったろうなぁ。

    「あそこに小島作って儀式やろうぜ!」
    って初めに言った人、センスいい!

    • +12
    1. ※4
      多分に信仰&儀礼とは密接に結び付いていたと思う
      世界的に水にまつわる信仰って多いからね

      • +9
  5. あのへんの神話って湖にまつわるものが多い印象があるしね

    • +4
  6. 昔は気象が異なったと思うんだけど、当時も同じように水があったんだろうか? 凍ってたり逆に温暖だったんだろうか。

    • +2
  7. 大型獣から捕食されるのを防ぐために避難所的な用途で作ったとか?かなー

    • +4
  8. 5600年以上前なら日本は縄文時代か・・・・
    べつに驚きはしないな

    • -8
  9. 研究者でも何でもないド素人なんだけどさ
    オカルト外の古代遺跡好きでヒストリーChやらディスカバリ―Chをつけっぱなし
    けどこれの事は全然知らんかったわ。世界は広いなあ

    • +11
  10. 建造物から新石器時代の鉢が発見されたら、
    その建造物は新石器時代に建造されたのだといえるのだろうか?

    博物館に縄文時代の土器が飾られていたから、
    その博物館は縄文時代に建てられたものだと主張するようなものでは?

    • -6
    1. >>17
      けどその博物館を放射線炭素で年代測定してその結果縄文時代に建てられた物だと判定されたのなら縄文時代に建てられた物だと主張してもいいのでは?

      本文中に出てるけど鉢の発見後にちゃんと島自体の年代測定をしているよ
      出土物でその遺跡の年代を決めるやり方は最近じゃされてないんじゃないかな。日本でもゴッドハンド事件以降はかなり慎重になってるだろうし

      • +1
  11. 「謎の小島を作って未来人を悩ませようぜwww」みたいなノリで作られた可能性

    • +4
    1. ※18
      いつの時代もそういう未来人へのいたずらってされてないんだよね
      もちろん今の時代も
      人ってあんがい、現在の生活に手一杯なのかもw

      • +2
  12. 俺も漁だと思う
    定置網を仕掛けるポイント的な

    • +2
  13. この動画は渡辺徹さんのアテレコで聞きたいです。
    「・・・ではその住民たちは本当に2800年前の人たちだったのでしょうか・・・?答えはノーです・・・」みたいにね。

    • +5
  14. ギルガメッシュ王よりちょい古いあたりか。シュメールの時代やね、ペルシアでは。
    ここは地域が違うんで、どれくらいの文明があったのかわからんけど、面白いなあ。

    • +3
  15. 黒船を撃退するためのお台場じゃないの(わたし、疲れているのよ)

    • 評価
  16. エジプトだとナカダ文明(Naqada culture)の辺りやね
    人工島ってそんな昔から造られとったんか。凄いわ

    • +1
  17. 川の側に住んでいたが、流れが変わって湖になった。
    よくある事かと。

    • -4
  18. 570島もあるのなら儀式場より漁場や休憩地点かもしれない

    • +5
  19. 野生動物から襲われない為に小島を作って住んでいたのではないだろうか?

    • +3
    1. ※29
      間違いなくそうだと思う、あと夜盗
      島と陸の距離が現実的で日常生活を考えてありそうだよね

      • 評価
  20. 自分も漁場的な場所だった説に一票。祭祀に使ったにしては数が多すぎるように思うのと、その当時の一族が権力を示す為に、家族を養う為に作ったのかなー?と。

    • +4
    1. ※30
      日本で言うと、村ごとに神社とか祠を設ける…
      的な感じかも知れんよ?(日本だって祠は多いよね?)
      まあ昔の人は足が丈夫だったろうから、
      数個先の村まで行くのも、厭わなかったかも知れんが

      • +2
  21. 世界中にある巨石文明って何なのかね?不思議。

    • 評価
  22. うちの地元(田舎の入り江)にも、直径数メートル程度の
    石を積み上げて作ったっぽい人工島がある。
    (ちなみに、海底に根っこのある土地ではなく
    “海に落ちてる岩”扱い?なせいか、
    地図によっては載ってたり載ってなかったり。)

    小さい祠らしき痕跡はあるが、
    べつに信仰のためにわざわざ造った訳ではなく、おそらく
    舟が乗り上げやすい浅瀬があちこちに点在する地形だから
    その中でも特に面倒な暗礁をいっそ明確に島化して
    お地蔵さん的な交通のお守りで祠を安置したんだと思う。

    • +6
  23. ○○銀座みたいなもんだよ、うちはただの田舎じゃないってわけ

    • 評価
  24. 真面目に検証すると、この人工島は葬儀と出産をする場所だったんじゃないかな。
    出産は大変危険で命を落としやすい。
    ブリテン島の遺跡には渦文様が定番として膨大にあるが、あれは何かというと、太陽であり、海の渦でもあった。昔は、太陽は毎晩海の渦に呑まれて死に、毎朝海の中から新たに生まれ来ると考えられていた。
    つまり、渦はそれを表す死と再生の象徴だった。
    転じて、それは女性器を表す記号でもあったわけ。
    だから、産婆が海のそばに住んで、海岸の子やで産む、という風習は世界中にあって、日本もそうだったらしい。その名残が伊勢神宮あたりの伝承に残されてる。
    つまり、湖は羊水であり、冥府。島は現世。
    死と再生を願ってこの島が作られ、おそらく、遺骸は湖に水葬されたんじゃないか。
    もっとよく探せば、骨偶やら木札が出てくるかもね。

    • +6
    1. ※36
      水に囲まれて出産って説得力があるね。危険な動物も近づけないし。

      • +1
  25. ❝ポチャン❞
    古代の漁師「あ、弁当鉢落としちまった」

    • 評価
    1. ※41
      日本にも三内丸山遺跡があるゾ
      同時代ぐらい

      • 評価
  26. 誰か指摘してたらごめんですけど、
    「新世紀時代」「新石器時代」が混在してるので、
    正しい方で統一してくれると嬉しいです。
    よろしくお願いします~

    • 評価
  27. このあたりの湖もUMAが多く目撃されてなかったか?

    • 評価

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