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最も勢いのある精子を5分で捕えることができるデバイスが開発される。体外受精の成功率向上を期待(米研究)

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 億単位の参加者が一斉にスタート。ライバルを蹴落とし、その中から、最もスピードが速く勢いのある精子のみが卵子と受精することができる。

 自然な状態で妊娠できない場合、今や体外受精という選択肢がある。世界では年間1万人以上の赤ちゃんが体外受精を通じて誕生している。

 体外受精の場合、一番効率の良い方法は、最強の精子を使うことだ。

 アメリカ・コーネル大学の研究チームによって、そんな最強の精子を捕まえるトラップが考案された。

 これは繰り返し行わねばならない体外受精プロセスの負担を軽くし、そこにかかる費用も大きく削減する可能性を秘めている。

体外受精の成功率

 体外受精を行うには、受精が成功するまで繰り返しそのプロセスを行わねばならない。それにはいくつものやり方がある。

 たとえば、顕微受精という精子1匹を卵子に注射する方法や、コンベンショナル体外受精という卵子に濃度を調整した精子をかける方法だ。

 15年前、その成功率は20パーセント程度だったが、今では30パーセントにまで改善している。だが成功率は若い夫婦の方が高く、年齢を重ねた夫婦ほど低下する傾向にある。

 特に関連するのは女性の年齢だ。しかし受精するかどうかには精子の数と質も関係するために、男性の年齢も重要である。

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最も勢いがあり強い精子のみを5分で選別

 精子の運動能力を見定め、強い精子を選んで使おうという試みは以前より行われてきた。

 だが、それは非常に手間のかかる作業で、そこから精子を選り分ける作業を含めれば数時間は必要だった。

 研究チームが開発したトラップは、強さの推定から選別までほんの5分程度で行うことができる。

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image credit:Meisam Zaferani/Cornell

 じつは強く運動能力の高い精子には上流に遡ろうとする習性が備わっている。

 一方で、弱い精子の場合は流れに逆らわず、そのまま一緒に流されて行く。

 そこで人工的にマイクロ流体を作り、そこに小さな保持壁と馬の蹄につける蹄鉄のような形の囲いを設置する。

 すると壁に近づいた強い精子は流れに逆らって泳ぎ、囲いの中に入るのに対して、弱いものは流されて行く。あとは囲いの中に残った精子を採取すればいい。

Rheotaxis-based separation of sperm with progressive motility using a microfluidic corral system

 この方法で受精の成功率がどのくらい改善されるのかや、体外受精の費用がどの程度削減されるのかはまだはっきりと分からない。

 だが少なくとも、この分野の専門家が試す機会が間もなく訪れることは間違いない。

 この論文は米国科学アカデミー紀要に掲載された。

References:news.cornell / medgadget/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 23件

コメントを書く

  1. おっさんの自分は全部弱いやつばかりです

    • +8
  2. この良い流れと進歩!!決して制止してはいけない( ゚Д゚)

    • 評価
  3. 激流に身を任せ同化するのはアウトなのか……

    • +5
  4. 弱いんじゃなくて、ドMなだけだったりして…
    “あ、僕、グイグイ来てくれる卵子さんがタイプなんでつ。僕のママみたいに、手取り足取りお世話してくれる卵子さん♡”

    弱いんじゃなくて、不精タレなだけだったりして…
    “あ”ー、面倒臭えーつうの! そっちの方から来て来んない? やっぱ、合体するならマメなタイプの卵子ちゃんとやね。ガシガシ自分から食いついてくれるのがタイプやしー♡
    あ! あとさ、ドア、開けといてくんない? いちいち、自分でこじ開けるっつーか、押し開けるっつーか、押し破るっつーか(も、悪くないんだけどねー、たまには♡)、溶かして開けるっつーの、激メンドイんだよね。”

    どっちも最悪やな…

    • -13
  5. 億単位の中で最初にたどり着けないと生き残れない 真の意味で精死をかけた戦いだな

    • +4
  6. まぁある程度自然に適った良い方法ではあるのかな
    人工授精の中の僅かな生物らしい部分かも

    • +6
  7. STRに全フリしたパワー系の子どもが生まれそう

    • +1
  8. 何億のライバルを蹴散らし頂点に立った中から生まれたのが
    俺だと思うと、後ろに散ったライバル達はどんだけスペック
    低かったのか甚だ疑問だわ

    • +11
  9. だが忘れないで欲しい。我々もかつて最も勢いのあるやつだったのだ。

    • +8
  10. 元気な静止が優秀な遺伝子を持ってるとは限らん
    エラーが発生しました。以下の項目について確認してください。
    不適切な単語が含まれています。

    • -2
  11. 参加することに意義があるんです!!2位じゃダメなんですか?!

    • -2
  12. 最も勢いのあるやつが正解なら
    本来の選別は一体何のためにあるんだ

    • 評価
  13. ここにティッシュペーパーと言う名の我が人生における捕獲率が100%近い優秀なアイテムがあります

    • 評価
  14. むしろ5分も掛かるのか、と思ってしまう

    • +1
  15. 体外受精の場合本来行われるべき選別が行われないから受精率が下がるのはあると思う

    • 評価
  16. 流される個体は本当に優秀じゃないのかしら。
    運動性能が低いだけで、その他特化型かもしれん。

    • 評価
    1. ※29
      変異の振れ幅が、それはもうクモからヒトくらいの範囲でスゴいということは聞いたよ
      なので選別しないとならないらしい
      たぶんだけど、擬似的な至急をデザインしたトラップのつもりなんだと思う

      • 評価
  17. この競争で勝った結果俺が生まれてしまったんだから静止の時点じゃ優秀かどうかなんてわかりっこないさ…

    • +1

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