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image credit:Zaid Hamid

 誰の心の中にも光と闇が存在し、それは表裏一体となっている。闇の世界が表に出ると人は罪(つみ)を犯す。人間の歴史は犯罪の歴史ともいえるほど、犯罪がなくなることはない。人間はそういう風にできているのだ。

 理性やモラル、常識や法律で闇を封じていても、闇は人を惹きつけようとする。小説や漫画、テレビ、映画など、人の暗黒面を描写した作品が人気なのはその為だ。

 抱え込んだ闇が呼応する暗黒世界。その真実を知るには、犯罪に関する諸々を集めた多くの博物館に足を運ぶのが一番いいだろう。

 猟奇的で奇怪、ときに英雄視されることすらあるあらゆる犯罪を網羅している、世界の7つの博物館を紹介しよう。
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1. バンクーバー警察博物館&文書館(バンクーバー、カナダ)


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 元検視官オフィスと死体安置所だった場所にあり、カナダの100年以上に渡る犯罪とその社会的意義についての展示を見て回るのは壮観だ。

 解剖台と取り出した内臓の重さを記入する黒板の向こうには、武器、スケッチ、実際の法医学的証拠がこれでもかというくらい事細かに展示されている。

 孤児の兄妹が遺産目当てのおじが雇った悪党に森に捨てられ死んだ「The Babes in the Wood」事件や、病気で入院していた妻に夫が砒素入りのミルクシェイクを差し入れた「ミルクシェイク殺人」事件などの有名な事件も網羅されている。


Welcome to Vancouver: The Vancouver Police Museum

 博物館のSins of the Cityウォーキングツアーに参加すると、腐敗、売春、密売などを通してバンクーバー歴史地区ののいかがわしい側面を探索することもできる。すべてのウォーキングツアーには、博物館への入館料も含まれている。


2. モブミュージアム(アメリカ、ネバダ州ラスベガス)


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References:THE MOB MUSEUM

 "すべての腐敗は、ひとつの場所にある" こんな煽情的なキャッチフレーズをもつ博物館はラスベガス以外にはないだろう。

 かつての郵便局と裁判所の建物を使った、モブミュージアムは、4階分のフロアでギャング関係の歴史をたっぷり提供してくれる。


The Mob Museum Las Vegas

 リアルタイムで密造酒を作る地下の蒸留所から、スパイテクのギャラリー、マフィア事件の現状まで、この博物館は組織化された暗黒街の世界に訪問者をいざなってくれる。

 パネルディスカッションや本のサイン会などの特別イベントが、かなりの頻度で開かれていて、グループ向けのガイドツアーもある。


3. 中世犯罪博物館(ドイツ、ローテンブルグ)


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References:kriminalmuseum

 バイエルン州タウバー峡谷沿いの築600年の建物を使ったこの博物館は、暗黒面も含めた1000年に渡るヨーロッパ法制史を集結した記念塔だ。

 5万点にも及ぶ法律文、図版、拷問道具、目をそむけたくなるようなジオラマが、日常生活に浸透した法制度の無数の例を紹介してくれる。


Rothenburg The Midevil Crime Museum

 魔女裁判から、処刑道具や、公の場でさらしものにする辱しめ道具まで、たくさん展示されている。ガイドツアーもあるが、事前予約が必要。


4. CIA博物館(アメリカ、バージニア州マクレーン)


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 この博物館は、CIA本部の中にあるため、残念ながら一般公開はされていない。だが、コネがあったり、かなり定期的に開催されている外部の展示会に足を運んだり、膨大なオンラインコレクションを閲覧したりしていれば、数十年に渡る諜報活動、歴史、技能にアクセスできる特典があるかもしれない。


Inside the Best Museum You've Never Seen

 オンラインコレクションの200以上のアイテムの中には、変装のためのつけ耳や、ドラゴンフライ(小型対地攻撃ジェット機)形状の無人車、宣伝用チラシ、偽コイン、ハト用偵察カメラなどもある。

 ほかにも興味深いものには、大統領の通信やCIA航空機の写真などもある。それぞれにストーリーがあり、多くはスパイ全体論に関連したアイテムとリンクされている。

・FBIが公開した現代の暗器:隠し武器ファイル : カラパイア


5. 犯罪博物館(オーストラリア、シドニー)


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 このリストの中では一番家族向けの博物館かもしれない。訪問者は模擬裁判に参加したり、自分の顔写真や指紋をとられて、プチ刑務所体験ができる。


Justice & Police Museum Sydney Australia

 物足りない場合は、もう少し刺激の強い大人オンリーの展示もある。週末しかやっていない展示やプログラムがあるため、訪問するときは、博物館のサイトをチェックしたほうがいい。


6. 押収美術品博物館(ベラルーシ、ブレスト)


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image credit:museums

 ソ連時代の終わりにオープンしたこの博物館は、光と陰両方の面での人間の創意工夫の証の集積といえよう。

 16世紀にさかのぼるロシアのイコン、陶磁器、翡翠など、300点以上の芸術品が所蔵されているが、極めて貴重なこれら美術品コレクションは、ソ連崩壊時に美術密輸業者がどさくさにまぎれてこっそり国境を越えて持ち出したものなのだ。

 ブレストは、その移送の拠点となり、密輸業者が工夫をこらして、品物をうまく隠して持ち込んだ。税関の職員が隠された宝に鼻がきいたので、こうした芸術品を所蔵・展示して復活させるひとつの方法として博物館が立ち上げられた。


Передача иконы ≪Господь Вседержитель≫ в музей ≪Спасенные художественные ценности≫

 愛好家の系図調査団体ブレスト=ベラルーシグループによると、かつてのソ連領での、この手の唯一の博物館だという。


7. スコットランドヤード犯罪博物館(イギリス、ロンドン)


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image credit:Museum of London

 黒博物館(ブラック・ミュージアム)としても知られるこのスコットランドヤード犯罪博物館は、ロンドンのもっとも悪名高い犯罪事件の膨大なアーカイブを保存しているが、残念なことに一般には公開されていない。

 1870年代半ば、メトロポリタン警察のネーメ警部によって創設された。犯罪者の所持品のコレクションは、もともと新人教育のために使われる予定だったが、すぐに警察関係者や世間の注目を集めることになった。

 サー・アーサー・コナン・ドイルやハリー・フーディーニなどの有名人は訪問を許可されたが、一般大衆やマスコミにはその特権はなかった。

 1890年、メトロポリタン警察は新本部に引越し、新生スコットランドヤードと博物館もそれにならった。年月とともにコレクションは増大し、殺人の凶器や爆弾、偽造ツール、デスマスク、犯人の私物、切り裂きジャックやドクター・クリッペン、クレイ兄弟などの有名な事件の証拠だけでなく、事件がイギリスの刑事司法制度に与えた衝撃についての詳細も展示されている。


Scotland Yard’s ‘Black Museum’ on Notorious Crimes Opens in UK


 2015年秋、ほんのいっときだけ展示の一部を一般にも公開したが、再び門を閉ざし、わたしたちは蚊帳の外でただ指をくわえているだけになっている。


8. 明治大学博物館(刑事部門)日本・東京



拷問博物館 Torture Museum Tokyo

 東京・千代田区にある明治大学駿河台キャンパス内にある明治大学博物館の刑事部門には、犯罪に関する資料や展示物が集められている。

 刑事部門の前身である刑事博物館は、欧米諸国の刑事関係博物館をならい、1929年に設立された。


明治大学博物館(拷問博物館)

 刑事部門には5つのコーナーが設けられている。日本の法の歴史を学んだり、江戸時代の捕者や裁き、仕置きなどの資料を見たり、海外の拷問や処刑具についての歴史や展示品を見ることができる。

 特に貴重な展示物は、「ギロチン」と「ニュルンベルクの鉄の処女」で、複製だが国内では唯一の展示資料となっている。

written by konohazuku / edited by parumo
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コメント

1

1. 匿名処理班

  • 2018年05月21日 21:34
  • ID:jvnU078B0 #

中世犯罪博物館はドイツ旅行のときに行きました。
定番の宗教裁判に使われたエグイ道具や囚人への拷問道具もあるんだけど、変なお面とか変な恰好させる装置とかが結構多くて、市民同士のもめごとで何かやらかした際は周りから笑われるような辱めで罰するって方向性が見て取れて興味深かったです。
あと死神を模した仮面とからローブをまとった処刑人の展示は厨二心擽られます。
案外入場料が安いのでクリスマスマーケットとかでローテンブルグに行った際には是非お勧めします。

2

2. 匿名処理班

  • 2018年05月21日 22:16
  • ID:NKVbUhTE0 #

スコットランドヤードが一番心惹かれる
ホームズがそこにいないのはわかってるんだけどね

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3. 匿名処理班

  • 2018年05月21日 23:01
  • ID:0uukb6im0 #

明大の行きたい!!!
レプリカでもアイアンメイデンやギロチンなんてそうそうお目にかかれないし

4

4. 匿名処理班

  • 2018年05月21日 23:04
  • ID:4NvIjrfK0 #

あぁバネ足ジャックよ。片目が隠れたキュレーターさんは何処にいますか?

5

5. 匿名処理班

  • 2018年05月21日 23:43
  • ID:m.QdpJC50 #

ザ・シンプソンズのバートが学校の課外授業で来そうなところよね

6

6. 匿名処理班

  • 2018年05月22日 00:30
  • ID:RyOmjWXy0 #

横浜税関資料展示室は無料なのになかなか面白いよ

7

7. 匿名処理班

  • 2018年05月22日 11:07
  • ID:f96nwzSG0 #

ローテンブルクと明大博物館は行ったことがある
中世犯罪博物館は刑事だけじゃなくて行政資料も充実していて、とても面白かった。古いドイツ語を読めればもっと楽しめたんだろうけど…

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8. 匿名処理班

  • 2018年05月22日 11:47
  • ID:tZNTaaq30 #

「罰と罪」?「罪と罰」??
いつもどっちがどっちか分からなくなってしまう。

9

9. 匿名処理班

  • 2018年05月22日 13:53
  • ID:fo.0QGq40 #

バンコクのシーウィーさんが入ってないとか・・・

10

10. 匿名処理班

  • 2018年05月22日 18:31
  • ID:ZeNNzlI.0 #

かねがね思っていた、税関で押収したものはどうなるのだろうと。変わったモノや凄いモノを一般展示すればいいね。

11

11. 匿名処理班

  • 2018年06月16日 15:51
  • ID:u51IiAJC0 #

ローテンブルクのはたまに日本語のパネルがあったりする
面白かったよ

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