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不眠症と思い込むことは実際の不眠症よりも有害であるという研究結果(米研究)

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 「眠れない。ああ眠れない。自分は不眠症かもしれない」そう思えば思うほどにますます眠れなくなってくる。不眠症の特徴は、定期的に起こる日常生活に影響するような不眠だ。

 不眠症を訴える人の多くは、客観的に測定できるような形できちんと眠れておらず、それについて不満を持っているということだ。

 ところが、本当は不眠症だが、そのことに不満を持たない睡眠不足の人は、日常的な疲労や不安による悪影響は出ていないという。

睡眠不足と不眠症に関する総合的研究

 アメリカ・アラバマ大学のケネス・リヒシュタインが『Behaviour Research and Therapy』に発表した論文「不眠症アイデンティ」では、睡眠不足と不眠症の訴えとの関係性を把握するために、それぞれを個別に測定した20本の研究をレビューした。

 それらの研究は、「一般的な眠りにつくまでの時間は?」や「眠りに満足しているか?」といった研究テーマを掲げていたり、被験者自身が不眠症であることについてどの程度確信を持っているかを直接訊いたりしたものだ。

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睡眠不足であってもそのことに不満がなければ日常に害を及ぼさない

 400名以上のボランティアを調査した1995年の研究では、過半数が専門的には睡眠不足(6ヶ月の間、週に3日以上30分過ぎても寝付けないことがある)だったが、本人らはストレスを感じていたり、不眠症であるとは考えていなかった。

 ”不満のない寝不足の人”は、きちんと眠っている人と比べても、日常的な疲労や不安による悪影響は出ていなかった。

 睡眠ポリグラフ検査(脳波や生理学的指標で睡眠状態を測定する)と睡眠日記からも、この発見が裏付けられた。

 追跡調査でも、不満のない寝不足の人は一般の人と比べて不安やうつのレベルが高くないという結果が得られている。

 1700人という大規模なデータセットでは、短時間の睡眠が高血圧を350~500%増加させることが判明しているものの、このことは自分が不眠症であると考えていない人たちには当てはまらなかった。

 従って、短時間の睡眠が必ずしも不眠症にまつわる経験を生じさせるわけではないし、それによる健康への悪影響が出るわけでもない。

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不眠症と思い込むだけで不眠症と似た症状が現れる

 一方、人が不眠症だと不満を訴えるようになるために睡眠不足は必要条件ではない。

 睡眠ポリグラフ検査と睡眠日記の研究は、睡眠パターンが臨床的な不眠症の基準を明らかに満たしていないというのに、自分が不眠症であると思い込んでいる人がいることを示している。

 しかも”不満のあるよく寝ている人”は、日常的な疲労、不安、うつといった臨床的な不眠症を患う患者と同じ症状を経験していることがあった。

 最近の研究によれば、睡眠の質自体は自殺願望とは関連がなく、睡眠不足であると考えていることが問題であるという。

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不眠症であると訴える人の37%は睡眠不足ではない

 こうした結果を踏まえて、リヒシュタインは不眠症であると訴える人の37%は「従来の基準によれば睡眠不足ではない」と報告した。

 そうした人の睡眠に問題がないとは言わないまでも、その眠りは確かに通常の睡眠時間の範囲にはあった。

 その一方で、通常の睡眠レベルに当てはまらないのに、不眠症とは無縁のまま暮らしている人も存在する。一体どういうことなのだろうか。

思い込みによって形成される「不眠症アイデンティティ」

 ヒリシュタインの考えでは、きちんと寝ているのに自分が睡眠不足だと考える人は、思い込みのバイアスによって作られる”不眠症アイデンティティ”があるのだという。

 例えば、不眠症アイデンティティのある人には、15分経っても眠りに落ちないのは異常であるという、非現実的な考えがあるのかもしれない。

 心気症の気がある人や破滅的な思考(慢性的な痛みに関連するとされる)の持ち主は、ちょっとした出来事を大げさに受け止めることがある。

 不眠が和らぎつつあるタイミングで、たまたま眠れない日があったとしたら、またぶり返したと思い悩む。こうした不安がますます眠りにくくさせているのだ。実際の睡眠不足が大したことのないものであっても、就寝時間が生き地獄と化してしまう。

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本当の不眠症なのか?不眠症アイデンティなのか?確認する必要性

 セラピストにとって不眠症アイデンティティを持つ人の治療は特に厄介かもしれない。きちんと症状を治したとしても、患者の思い込みのせいでいつまでも問題が消えないのだ。

 このアイデンティティがあると、自分の問題を疑うことも難しくなる。さらに、寝不足になろうという歪んだインセンティブすら生じさせかねない。

 不眠症の診断は患者の眠れないという訴えで始まり、ほとんどの医療関係者はきちんと診断を下す前に睡眠検査を受けてはどうかと勧める。

 もしかしたら、そこには本当はきちんと眠れているのに不眠症アイデンティティのせいで苦しんでいる人が大勢いるのかもしれない。

 リヒシュタインは、患者に「通常の睡眠とは?」「睡眠は完璧でなければならないか?」「不眠症に見せる必要があるか?」といった質問をするのも手だと提案している。

via:sciencedirect / digest.bpsなど/ written by hiroching / edited by parumo

 不眠症じゃなくても、心に不安があると眠れなくなるし、「眠らなければ健康を損ねてしまう」という強い思い込みが余計不眠を悪化させたりして、睡眠と上手に付き合うのは難しいね。というか人間の脳の思い込みとか強迫観念とかそういうのが、すべてに影響を及ぼしてるってわけだね。

 あとさ、眠るためにお酒を飲むの。と言って毎晩お酒を飲んで寝る人もいるようだけど、毎晩睡眠薬を飲んで眠るのと、どっちの方が体にとってマシなのかね?

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この記事へのコメント 28件

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  1. ここで言う睡眠時間には質の悪い睡眠は含まれてるのかな?

    睡眠時無呼吸症候群とかで苦しんでる時間までカウントしたらダメなんじゃないかな?

    • +9
  2. 毎日酒、毎日薬
    最後の書き方だと、どっちが良いの?

    • 評価
  3. 10時間以上余裕で寝れる…場合によっては15時間。
    それはそれで困る

    • +7
    1. ※3
      それ過眠症。
      不眠だと大変、可哀想になるのに過眠症だと怠慢、だらしないって言われるんよねぇ…しんどいわ。

      • +1
  4. 酒を飲んで寝ると深く眠れないというのは常識。あと、酒はたとえ少量でも死亡率が上がる。

    • -1
  5. 以前の記事で、自分は睡眠に問題を抱えてないと思ってバリバリ働いてるつもりの人でも
    短時間睡眠が常態化してる人は徹夜した人と同じくらいパフォーマンス落ちてるって話だったよな・・・

    • +11
  6. 不眠症の実体は
    不眠に対する不安障害って事だね。
    難しいけど、寝る事への執着を捨てるのが大切かな。

    「眠れないなら起きてればいいや」
    ってね。

    • +2
    1. ※7
      気軽にそんなこと言われても、薬なしでほっとくと特に何かなくても3日くらい寝ずに
      起きたまま、そのあと突然スイッチきれたように10時間くらい寝てまた繰り返します。
      お薬でペース作らないとまともな社会生活なんて絶対無理ですが。

      • +4
  7. 心療内科的な、メンタリティ一本に絞ってあるんだろう
    実際に生活にどう影響を及ぼすのかは置いといて、こういうこともあるよね的な

    • 評価
  8. 寝酒は睡眠の質が下がるし尿意とかで目覚めやすくなるからいかんぞ

    • +4
    1. ※9 自分は医師より、「飲酒は却って覚醒してしまう」と聞いたよー。

      • +3
  9. 睡眠不足に限らず精神的な病状には大体当てはまる
    言葉が人格を形成するからな

    • 評価
  10. 管理職「寝ないのを普通と思えと部下に言っていいんですね!?」

    • +2
  11. 「不満のない睡眠不足」って本当に軽度の睡眠不足なんだろうな。
    不満がなくても自覚がなくても、睡眠負債をため込むと確実にツケが回ってくる。

    • +1
  12. 不眠症と思い込んでしまう「自己催眠」ですよねぇ
    これを良い方向に使うと眠れますよ

    右手のスイッチが切れる~筋肉への力をOFF~筋肉が脱力し骨から離脱するイメージー
    ゆっくりと血流が周ってきて暖かくなる~暖かくなる~

    ってな自己催眠で右手右腕右肩~と身体の各所のスイッチをOFFにしていってると眠りやすい
    と自己催眠をかけています

    怪我で耳骨を粉砕した為に強力な耳鳴りが常時する身体なので本当に不眠で悩んでました
    今は一応眠れてますよ~

    • +1
  13. 今うちの家族がこの状態
    自律神経の乱れであれこれ不調が出てるんだけど、元々マイナス思考だから悪いループから抜け出せない
    眠れない食べられない云々のマシンガントークを毎日聞かされるこちらも身が削られる

    • 評価
  14. 睡眠時間少ないと実際ダルいから仕方ない。稀に全然平気な時あるけど、本当に稀。

    • +5
  15. 精神病からくる不眠と、ここに書いてある不眠症は全く別物だと思うんだよな。
    年に数回たまに眠れない日は普通の人間にだってあるけど、
    それが続くようなら睡眠リズムが狂い始めてるから精神科か睡眠外来で診て貰うといい。
    精神に作用するタイプの薬じゃなくて、体内時間を調節する新薬があるよ。
    俺は2年前に服用して何とか眠れるようになった。
    きちんと決まった時間に布団に入る等の努力も必要だったけどね。

    • +3
  16. これ、どうなんだろ。

    思い込み云々ではなく、個人ごとのコンディションの差で、
    「不満のない短時間睡眠者」は
    もともと短い睡眠でも必要な休息を取れる体質の人
    (=本人にとっては睡眠不足ではない)、
    「よく寝ているけど不満のある人」かつ
    疲労・うつ・不安傾向を訴える人は
    慢性的に疲弊していて寝ても寝てもスッキリしない半病人、
    という、そもそもの違いに起因している気がするんだが。

    • +5
  17. 酒と薬はどちらが体に悪いかといえば、モノによるとしかいえない。
    短時間型の薬なら、酒よりダメージは少ない。
    薬は長期連用はよくないが、酒は長期連用が当たり前なので、その点では、酒はよくない。

    • +2
  18. > 不眠症であると訴える人の37%は「従来の基準によれば睡眠不足ではない」
    37%も不眠を訴えてるなら基準の方を疑うべきじゃないか。

    不眠じゃないが何件もの病院にドライアイじゃないと言われて5件目にやっとドライアイ診断された。一般的な涙の量でなく別のテストをした結果かなり酷いドライアイと診断された。従来の基準を絶対視した医者の対応は醜いものだったよ。

    • +3
  19. 単純にショートスリーパーが多いって話じゃねぇの?
    俺、3時間も寝たら十分だぞ。
    見方を変えたら立派な不眠症だけどなwww

    • -2
  20. 十数年来の不眠だけど思い込むとか思い込まないのレベルじゃないな

    • +2
  21. 入眠困難と中途覚醒でツラァ…
    眠れるけど、日が昇ってからとか、夜10時に寝て12時に目が覚めて一向に寝れないとか。
    私は夜寝て朝起きたいんだよ…

    • 評価

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