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1986年に絶滅したとされていた「樹上のロブスター」の異名を持つ幻のナナフシの生存が正式に確認される

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(著) (編集)

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 かつてオーストラリア、ロードハウ島に生息していたナナフシの仲間は、1920年代に絶滅したとされていたが、この度その生存がDNA検査で確認されたそうだ。

 このナナフシはロードハウナナフシ(Dryococelus australis)で、外来種であるネズミの侵入により絶滅したとされていた。

船の難破によりクマネズミが侵入、生態系に影響を与える

 1918年、船が難破してオーストラリア東海岸から600キロ沖に浮かぶロードハウ島にクマネズミが侵入した。これによってロードハウナナフシ(Dryococelus australis)は大打撃を受けたのだ。

 クマネズミはまさに天災で、鳥類5種、植物2種、無脊椎動物13種(ロードハウナナフシを含む)の世界でもここでしか見ることができない島の固有種が絶滅に追いやられた。

ん?生きてた?だがちょっと違うみたい

 しかし1960年代になって、ボールズピラミッド(ロードハウ島から南東20キロの地点で突き出す火山岩の海食柱)に挑んだロッククライマーが、ロードハウナナフシのものと思われるまだ新しい死骸を発見したのである。

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 ところが死骸はロードハウ島で採取された標本とは同じに見えなかった(右写真がボールズピラミッドの標本)。そしてロードハウナナフシは1986年、正式に絶滅が宣言された。

やっぱり生きてたんかーい!DNA鑑定で明らかに

 さらにところが、2001年にボールズピラミッドの樹上で生きた標本が発見される。そして今回、ついにDNA鑑定によって標本が間違いないくロードハウナナフシであることが確認されたというわけだ。滅多にないサクセスストーリーである。

 「今回は本当にラッキーでした。本来なら失われていたはずの種が生きていたのですから」と調査の中心人物である沖縄科学技術大学院大学のアレクサンダー・ミケェエブ准教授はコメント。

 「今回はチャンスが与えられましたが、普通はこんなことありません」

 ボールズピラミッドのナナフシはロードハウ島の標本と違うところがあるが、ゲノムの比較からは両者の違いは1パーセント未満であることが判明している。正式に同じ種とみなせるだけの小さな差異である。

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 2018年にはネズミの駆除作戦が実施される予定であり、それが終了すればナナフシがロードハウ島に再導入されるかもしれない。

 仮にナナフシが別個の種であるという結果であれば、その種の導入はいくつもの調査と法的な規制に阻まれるきわめて煩雑な手続きになっていただろう。

 しかし再導入であれば、そうした障害に阻まれることもない。またナナフシはずっと広く、生息しやすい環境で繁殖できるということでもある。

 それでも現時点でロードハウナナフシは絶滅寸前と考えられている。だがIUCNのレッドリストに記載される868種の人為的原因による絶滅種から抜け出すことはできた。

Act Wild for Lord Howe Island Stick Insects

 「ナナフシは島の生態系の脆さを伝える実例です。特に外来種のような人間による改変にいかに脆弱であるか知ることができます。一隻の難破船で島の動物相が一変したのですから」

 この論文は『Current Biology』に掲載された。

via:.cell / scimex / Melbourne Zoo/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 41件

コメントを書く

  1. 絶滅していなかったとは、
    まさに世界のナナフシぎだな ! (ドヤッ)

    • +39
      1. ※27
        クマネズミの移入によりこの島では生物種は減りこそすれクマネズミ以外の生物が増えたりはしていない。つまり、クマネズミを除去しても生態系を破壊すると言うことにはならない。

        • +1
    1. ※2
      こんな見た目の虫でも「美味いのか」というコメントが上から2番目に出てきてるあたり、フグといいコンニャクといい日本人の食に対する情熱は今も昔も変わらんのだなと思ったw

      • +11
    2. ※2
      ムシの味の善し悪しは餌に依るから、味は喰ってみなければ解らないとだけ

      • +6
  2. ナナフシって七つの不思議な能力を持ってる昆虫と思ってた

    • 評価
  3. まぁ人間も外来種だよね…
    ナナフシのくせに島でサボってたせいか見つかりやすいんだろうな

    • -6
  4. なんか、ナナフシっていうより巨大なハネカクシみたいだな。

    • +4
  5. でっかいなぁ。とてもじゃないが、触れない。

    • +6
    1. ※9
      こら、それは口にしちゃいかん言葉・・・

      • +1
  6. うおおおおお!!
    鳥肌が!鳥肌がぁぁああ!!!ひぃっ!

    • 評価
  7. 枝っぽさが足りないからすぐ発見されて喰われたんだろな

    • +5
  8. でかい虫だからもっとゆっくり動くのかと思ったら、意外とスルスルと動くので鳥肌が

    • +1
  9. ええ?全然形態違うじゃん。雄と雌の差なのか?これが同種っていうのは違和感しかないな。

    • +2
    1. ※21
      というか、遺伝子の差異が 1% 以下だからってあたりが……
      人間と遺伝子の差異が 1% 以下な類人猿がいたんじゃなかったかと

      • +1
      1. ※44
        この場合、P値が0.01未満であるということを示している。要するに統計学的手法を用いているわけで、同じといえないという確率が1%未満というわけで、遺伝子の差を言ってるわけじゃないと思う

        • 評価
  10. ロードハウナナフシの話は前にも見たな
    調べたら2012年3月に一度記事にしてる

    • +1
  11. 後ろ脚が太い奴は
    敵を刺で鋏む為だと思ったが

    • 評価
  12. わいの知ってるナナフシは、枝に擬態してて、ゆらゆら揺れてるイメージなんだが
    こいつら全く擬態してなくてw

    • +8
  13. でけえ!!
    ナナフシってみんな枝に擬態するのかと思ってたけど
    そういうわけじゃないんだね

    • +1
  14. ネズミを駆除したからといって、決してネズミ侵入以前の生態系には戻らない。要は、ネズミ駆除利権なんじゃね?

    外来種だから駆除ってのは、人間のエゴに基づいた非常に暴力的な論理だ。生態系は変わりゆくもの。生物は進化と絶滅を繰り返してきたのだから。

    • -7
  15. どんな生き物でも生態系の変化に関わらないやつなんかいないだろうに…
    なんで人為的な原因だけが取り沙汰されるんだ

    • -6
  16. 随分太くて短いナナフシだなあ
    羽が退化したキリギリスみたい

    • +1
  17. 美味いんやろかが真っ先に来るわな
    まあ美味いからネズミに食われまくったんやろけど

    • +1
  18. 日本のナナフシの話だと思うけど、おかーさんナナフシは
    木の上からパラパラと卵を産むんだって。
    だから下の落ち葉を掃除しちゃうと、赤ちゃんは生まれない。
    民家周辺であまり見かけないのもそれがあるらしい。
    日本人はきれいズキだからねー。

    • +2
  19. まあ見た目の違いはガッキーとその辺の一般人の差みたいなもんなんだろ

    • +1
  20. もしも宇宙旅行が当たり前の世界になったら、これと同じことが惑星レベルで起きるはずなんだよね。必ず地球由来の微生物が着いていくから。

    そうなったら不可抗力とはいえ、ある意味で人は宇宙に生命の種子を蒔く神様的な存在になったと言えなくもないけど、それによって起きる害もあるはず。もう既にこれまで打ち上げた探査機で起きてるかもしれないけどね。

    • +1
  21. 何?ナナフシの種って日本来てから擬態する進化したの?
    他にも擬態ちゃんとするナナフシも居るのかな?

    • 評価

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