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魚にも個性がある。科学者がグッピーに試練を与えたところ個体差があることが判明(英研究)

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(著) (編集)

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 英エセクター大学の研究室にいる105匹のグッピーたちは2年前から定期的に恐怖体験にさらされていた。その狙いはグッピーに個性があるのかどうかを知ることにある。

 餌が定期的にもらえ仲間と共に水槽を泳ぐ何不自由ない生活から一変、自分以外は誰もいないケースに閉じ込められ、天敵に襲われるという恐怖に襲われた後、また仲間のいる水槽へと戻される。

 それが何度も繰り返されるのだ。

ストレスに対して異なった反応を見せたグッピー

 エクセター大学、トム・ハウスレイ(tom Houslay)氏の研究室で飼われているグッピーたちは、3日に一度、網ですくわれ1匹だけの水槽に入れられ、天敵に襲われるという恐怖体験を強いられてきた。

 すべては魚に個性があるかを調べるためである。

 そして、一種の個性があることが判明した。

 『Functional Ecology』に掲載された研究によれば、グッピーたちはストレスに対してそれぞれ異なった反応を示したという。

 グッピーたちには3日に1度グリムと名付けられたサギの置物に襲われる体験か、ガラスの両脇に隠されていたシクリッドをいきなり見せた。

 「物陰へ真っ先に逃げ込むグッピーがいたかと思えば、まるで発見されないようにとピタッと動かなくなるグッピー、あるいは水槽の脇に突進したり、上下に泳いで逃げようとしたりするグッピーがいました」

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image credit:twitter

臆病者もいれば勇敢な者もいる

 そんなこと魚の飼育が趣味だという人には当たり前のことかもしれない。が、ハウスレイ氏はさらに詳細な観察を進めている。

 グッピーの鱗(ウロコ)の下に色分けされたポリマーを注入したうえで、各グッピーの恐怖に対する反応を撮影し、そのタイミングや行動などを分析したのだ。

 グッピーが隠れたり、身動きを取らなくなったりしている時間を計測してみると、生まれつき臆病な個体がいる一方で、比較的勇敢な個体もいることが確認された。

 これは偶然ではない。3日おきの実験は4週間続けられ、その間に一貫した行動が確認されているからだ。

 「きわめて複雑な戦略が見られました。彼らの違いはランダムに起きているのではなく、何か意味らしきものがあるようです」

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出自に関わりなくグッピーには個性がある

 飼育されているグッピーは、トリニダードのアリポ川で採取された個体の子孫である。つまり、同じ出自を持ち、研究室の同じ小さな水槽の中で育ったほとんど同じに見える小さな魚が、豊かな個性を育んでいたのである。

 人間ほど複雑ではないにしろ、いずれのグッピーにもそれぞれの独自性があった。これは進化の研究を進めるにあたって重要なことだ。

 アメリカコガラやクルマエビなど、ほかの動物においてそうした違いがあることはかねてから知られていた。

 しかしグッピーの個性についての研究は少ない。グッピーには、群れが非常に早く成熟し、様々な生息域で捕食者の種類に応じた環境的試練にさらされるという、進化を研究するにはうってつけの利点がある。

 今回、出自に関わりなくグッピーには個性があることが判明した。ハウスレイ氏は今後、その個性が後世に遺伝するものなのか確認したいと話している。

via:onlinelibrary / twitter@tomhouslay / sciencealert/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 48件

コメントを書く

  1. 全部同じ行動してたら、全滅する可能性高まるだろ

    • +23
  2. そういう多様性がないと、一つの危機に直面した時一網打尽にされてしまうから、グッピーに限らずこの世に生きる生物としては当たり前の機能なのかもしれないね。
    虫とか植物とか菌にも性格というのがあるのかも。

    • +7
  3. こんな小さな脳の生きものでも個性ってあるんだね
    脳容量の割には日本人って個性無いと思う

    話は少し変わるんだけどグッピーってグッピーを個体認識できるんだろうか?
    クジャクとかグッピーの尻尾ぐらい派手な飾りがあれば解りそうなもんだけど
    メダカとかってメスから見るとイケメダカとかブサメダカとかあるんだろうか?
    人間からみると全部同じ顔に見えるよね

    • -15
    1. ※4
      君の周りに個性的な人がいないだけだろ。

      • +5
  4. なんか昔漫画だかで似たような内容の事書いてたから
    今更?って感じするけど、それとはまた違うんだろか

    • +2
  5. 何のために脳みそがあるのか?
    そんな量産された機械じゃないんだから、そら個々の経験で得たものを蓄積してる以上行動パターンに多様性が出るのは当たり前じゃ?
    機械だってAI搭載が常識になったら、個々バラバラな反応になるでしょうに。
    どうも、こういう小動物を研究で扱う時って小バカにしたようなボンクラ前提がデフォルトってのがよくわからんなあ。

    • 評価
  6. スイミーは言った。 「僕が目になろう」

    • +2
  7. グッピーって本当はガッピーが正しいんだよな
    ガッピーさんって人が見つけて、蚊の駆除に日本に送った

    • -3
    1. ※12
      英語の発音をカタカナでどう表記するか言っても仕方ないでしょう
      日本語に無い音なんだから
      gʌ’だからガァとかガァッとでも書けば満足かい?

      日本の温度では越冬できないグッピーを蚊の駆除に送ってもらっても嬉しくねえな
      確かにグッピーはボウフラを食べるけどグッピー飼ってる人で水槽での蚊の発生に悩まされてる人いるよ
      ソースがあるなら教えて欲しい
      同じカダヤシ科のカダヤシと混同してない?カダヤシはそういう理由で移入されたって言う話は聞いたことがあるね

      俺の耳にはグッピーって聞こえるけどな
      少なくともガッピ―ではない

      • 評価
  8. 子供の頃、グッピーを多摩川に放流して本当すまんかった

    • +6
    1. ※14
      テレ東の「池の水ぜんぶ抜く!」で先生が言ってたが、日本人は優しすぎるそうです。だから良くないと分かっていても、罪悪感から危険な外来生物を殺せずに放流してしまうそうです。

      • 評価
  9. この記事ほかでもみたけど、これ読んで「そうなのか!」って驚いたなら、ちょっと自分の観察力を疑った方がいい。

    1の人も書いてるけど、そういう個性が進化につながって生物が繁栄してきたのは周知のことだし、(虫にだって個性はあります)
    魚以上の生物を飼った事があるひとは、観察してたら普通にわかるよね。鳥もネズミも魚もすごく個性がある。
    共通した性質ももちろんあるけど、その違いを見せてもらえるのが動物を飼う醍醐味かな、と思う。

    • -2
    1. ※15
      ポイントはそこじゃないと思う。観察するだけならだれでもできる。
      科学的な手法で反復試験を行い、
      個々のグッピーには個性があると確認されたということに意味があるという話だよ。

      • +20
      1. ※20
        ポイントはそこじゃないと思う。
        今までそこを実験しようとする事が注目されなかった事で、みんな「いまさら」って言ってるんだと思うよ。

        • -2
    2. ※15
      経験的に個性だと思っているものでも、実はそうでない可能性というのも一つ考えられる。
      それはグッピー同士の行動の違いが個性ではなくて、学習によって培われた行動の傾性である可能性。

      たとえば
      同じ川(水槽)で育ったグッピーでも、場所によってストレスが発生したときに、
      環境A.遮蔽も何もない場所で育ち、戦わないと生き残れないA群
      環境B.隠れる場所がふんだんにあって、戦うよりも逃げた方が生き残りやすいB群
      の2群がでるとする。
      この場合A群のグッピーは戦う個性が、B群のグッピーは逃げる個性があるように見えるが、実際は学習による行動の癖ということになる。学習による行動の癖だと、同じ環境で育った個体群は同じ行動方略をするので、個性とは違うといえる。

      普段我々が目にするグッピーは、いつの間にか環境Aと環境B出身のグッピーが入り混じるため、彼らが見せてくれているのは、ホントの個性か、学習の癖かの区別がつかない。
      科学的に言えば、エラーを除去できてないってことになる。

      この研究では、成育環境の違いをなくし、実験までストレスを与えず学習の癖を作らせないようにしたグッピーの一群を育成し、それらを使ってストレスに与えられた時の反応を調べるという実験をしているのだと考えられる。
      つまり、グッピーの生育から学習に関連するエラーを除去し、純粋にグッピーの個性を抽出したということになろうか。

      その結果、環境と学習歴の違いがなくても、ストレスに対する対処がそれぞれ異なるため、グッピーにも生得的な個性があると証明できるわけだ。
      残りは遺伝的な違いを統制することだろうか。

      • +2
      1. ※39
        そうだとすると記事があれで、
        魚にも生得的な個性があるっていう記事にすべきだな

        • 評価
        1. ※51
          それを言うなら、そもそもpersonalityを個性と訳している時点で問題がある。
          日本語における「個性」の辞書的な意味と英語のpersonalityは別物だが、学術的な意味でも人間に対して哲学的な意味で定義するか生物学的な意味で定義するかでも違うし、それを動物に拡大したときにどのように定義するかの論争も一般の人は知る由もないからしょうがないんだけどさ。

          • +1
  10. タニシでも個性がありますよ。うちでは5匹飼ってて、それぞれ名前もあります。ときどき捕まえて手の平に乗せて遊んだり、苔を拭き取ったりしますが、そういうのを全然気にしないのもいるし、恐怖のあまり顔面蒼白になってるのもいます。顔面というか、しっかり閉じた殻の縁が半透明になってます。殻をちゃんと閉じるのもめんどくさい、という感じの個体とは正反対で面白いものです。

    • +21
  11. そりゃそうだろ。と、言いたくなる気持ちも分かるけど、なんでも確かめるという精神が大事だと思うよ
    経験則だけで判断していては本質を見逃す場合もある

    • +23
  12. 生物であれば実験するまでもない事だと思うんだけどな
    魚は知能が低いと考えてるなら大間違い
    個性もあれば知能の差も様々

    • 評価
  13. パルモさん、アメリカゴガラじゃなくて、アメリカコガラじゃない?

    • 評価
  14. 魚も懐いて可愛いよね
    ベタとかエサくれダンスや指を齧るやつやら性格が個体で違ってすごく可愛い
    科学的に証明されたことで少しでも販売環境に疑問を持ってくれる人がいると嬉しいな
    少ない水でビニール袋に入れられて餌も貰えずに放って置かれてるの見ると心が痛むんだ

    • +5
    1. ※24
      私も熱帯魚飼ってますが、可愛いですよね。
      同じくエサくれダンスしますし、手から餌食べますよ。
      UFOキャッチャーでお魚を商品にしてるのまだあって、可哀そうで見れないんです。
      アンモニアの濃度が上がるからと絶食して狭い容器にいるの見ると胸が痛みます。

      • +1
  15. この手の研究の話が出ると、「どうして個性がないと思ったのか」とか、「何を当たり前のことを言っているのか」みたいな意見が出るけど、それはちがう。

    個性があると思っているから、それを証明するために実験してるんだよ。
    当たり前に感じることでも、実際に証明しなければそうだと言ってはいけないのが研究者なんだよ。

    実際研究職のヒトならわかると思うが、直感的にこうだと思ったことが実際と異なることはものすごくいっぱいある。
    例えば、1/3の確率で餌が出る選択肢と、2/3の確率で餌が出る選択肢のどちらかを選ぶ、という課題を繰り返し行ったとする。
    直感的に考えたら、十分に学習した動物は2/3の選択肢を選び続けるようになると考えるだろう。
    しかし、多くの動物で実際にはそうならない。
    量の大小、確率の大小について正しく理解しているのにもかかわらず、そうならないんだ。
    くわしくはマッチング則を調べてみてね。

    当たり前だという思い込みで発現してはならない。
    研究者は、必ず、根拠をしめしてからじゃないと発言してはいけないんだよ。

    • +28
    1. ※25
      違うよう。そんなの昔から確証されてたとばかり思ってたってことだとおもうよう。

      • -2
      1. ※57
        あー、なるほどねぇ。
        人間に対する認知心理学という考え方ができたのが1960年代だからね。
        こころをサイエンスの対象として研究できるようになった(その手法が確立した)のが最近なんだから、研究者としてはたった半世紀でヒトから霊長類犬猫を飛び越えて魚類まで到達したのはなかなかのスピードだと思うよ。
        この実験をやって論文にするまでに軽く1年はかかるからね。
        遥かかなたまで見渡すことはできるけれど、進めるのは常にたった1歩分だけだ。

        • 評価
  16. 個性というより出来の違い。画一的な動きとるほうがおかしい

    • 評価
  17. 人間とかペットの動物だったらそうだろうけど
    野生動物だったらもっと収束した結果になると思うよ

    • -2
  18. やっぱり動物ネタは感情的になりがちだなあ

    • -4
  19. 「そんなの当たり前」とか「しってた」って声も出て当然だろうけど、
    とにかく客観的なデータを積み重ねていくことが大切で
    それが科学ってもんなんだと思う。

    • +8
  20. アメリカの大学の実験で、単純な行動しか出来ないロボットでも学生は感情がある(と期待する)かのように扱うっていう実験結果があったけど、動物に対しても同じように期待したふるまいをするのでしょうね
    遺伝子に刻まれた本能的行動ではなく、知能や感情があるからこその行動だ、とね

    • 評価
  21. まぁ魚飼ってて、気が大きいヤツと気の小さいヤツがいるなーとは思う。
    でも何も考えてないと思う。

    • 評価
  22. これね、うちではミステリークレイフィッシュっていう
    単性生殖するザリガニの一種飼ってるんだけど、
    雌1匹から自分のクローン産むから、
    遺伝的には同一のザリガニの筈なのに
    飼い主の気配がするとハサミを上に伸ばして
    餌くれくれするやつもいれば、
    後ろにすっ飛んで逃げまくる奴もいれば、
    落とすザリガニの餌に見向きもせずひたすら
    水草かじってる奴もいて、個性バラバラ。
    遺伝子同じでもこうなんだから、魚ならもっと
    個性あるんじゃないのかなあ。

    • +7
  23. 遺伝子も知らない生物学者がいるとはな

    • 評価
  24. つまり、種が生き残るには同じ性格じゃ、天敵が現れたら絶滅するってことね!
    あはははは、塾に通ってる小学生でも知ってるよ

    • -1
  25. 皆同じように見えるけど、厳密にはこの世に同じものは二つとない。
    全てがオンリーワンなんだよ。

    • 評価
  26. そろそろ素粒子に個性があることがわかるだろう

    • +3
  27. ※ザリガニと貝にもそれぞれちがいがあるんだね

    • 評価
  28. ここで言ってる個体差は出自と無関係だから遺伝的要因とは別
    ということは進化論とも無関係ではないのか?

    • +1
  29. 戦いを挑む蛮勇なグッピーも居たはずだ!!
    そういうのはとっくに淘汰されているだろうけど

    • 評価
  30. クマノミをペアで飼ってたけど、彼らは凄く表情豊かだった。
    メスに転換した方はオスを子供のように面倒見るんだ。
    オスが寝ぼけて水流に流されれば起こして戻し、
    怒ってもそこで我慢をして「ふんっ」って感じで、ぷいーっとどこかへ行く。
    オスはしばらくボーっとしているけど、その後を追うんだよ。
    ある日、水槽から雄が飛び出してしまって…メスは必死になって探してた。
    新しいクマノミを入れたけど、眼中に無くてその後すぐにご臨終してしまった。
    こんなに感情豊かな生き物を水槽で飼う気はない。
    ないが、その一匹のクマノミがもう十数年も水槽の中で生きているんだよ、どうしよう。

    • +1

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