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いったいなぜ?クジラは現世で世界最大の動物となったのか、その謎と歴史に迫る。

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(著) (編集)

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 クジラは大きい。相当でかい。圧倒的に大きい。

 シロナガスクジラはあらゆる既知の動物の中で最大の種であり、記録では体長34メートルのものまで確認されている。その体重は190トンにもおよび、ホッキョククジラなら100トンだ。

 驚嘆すべき大きさであるが、彼らは一体なぜそれほどまでに大きくなったのであろうか?

クジラが巨大化したのは450万年以内

 ヒゲクジラ亜目(上記のクジラが属するろ過食動物)の巨大化について調べた研究によれば、彼らがここまで大きくなったのは450万年以内と比較的最近のことらしい。

 その原因は、気候変動によって食料が豊富になったことによる。

 クジラには面白い進化の歴史がある。5,000万年前は地上で暮らす有蹄哺乳類だったのだ。2,000~3,000万年前にろ過食の能力を発達させたクジラの祖先がおり、一飲みで小さな餌を大量に飲み込めるようになった。それでもしばらくは常識的な範囲の大型動物だった。

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 しかし突然ミニバンサイズのクジラからスクールバス2台分よりも大きな体へと変わった。米国立自然史博物館のニック・パイエンソン博士らは140体のクジラの化石を調べ、それを統計モデルに当てはめた。

 するとヒゲクジラ亜目の特に大きないくつかの種はほぼ同時期に巨大化していることが判明した。それはおよそ450万年前のことである。

環境の変化により、クジラにとって食べ放題のレストランが

 これはおそらく当時の環境的な変化が原因であると推測されている。調査からは、この時期は北半球で氷床が増えていた時期と重なることが分かった。

 氷河から流出した水は鉄などの栄養分を沿岸に流した。また激しい季節的な噴出サイクルによって冷たい水が深いところから湧き上がり、有機物を海面に押し上げた。

 この生態系的効果が大量の栄養を海に与え、海洋の食物系に連鎖反応を引き起こしたのである。

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 動物プランクトンとオキアミは栄養素をむさぼった。すると長さ数キロ、厚さ20メートルに及ぶ局地的に密集した帯を作り上げた。クジラにとって食べ放題のレストランが登場したわけだ。

 ヒゲクジラの仲間たちは大量の餌を好きなだけ食べられるようになり、体はどんどんと大きくなった。しかしこれは部分的な答えでしかない。

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餌を求めて長距離を移動する為の進化

 豊富な食料だけで巨大になったわけではない、と説明するのは同じく研究に参加したシカゴ大学のグラハム・スレーター博士だ。

 オキアミや動物プランクトンの大発生は季節的なものであったため、クジラは餌を求めて何千キロも旅しなければならなかった。

 このとき体が大きいクジラほど燃料タンクが大きく、長旅における生存に有利だったのである。長距離の移動は大きな体のほうが得するのだ。

 したがって餌の帯が遠く離れていなければ、クジラの巨大化はその環境に相応しいサイズで止まっていたはずなのだ。

 その場合、今日見られるような圧倒的な大きさを誇るクジラは出現しなかったであろうと推測される。

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 とは言えそこまで大きくなくても!っていうくらいクジラは大きい。クジラの大きさにはまだまだワケがありそうだ。

 そしてそこに壮大なるロマンを感じさせてくれるわけだ。

アメリカ・カリフォルニア州ニューポートビーチ沖で撮影された映像には、ザトウクジラが潮を吹いたところ、そこに美しい虹がかかっていた。これは相当なロマンである。

Magical Humpback Whale shoots rainbow

via:nytimes/ written hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 43件

コメントを書く

  1. 1個体として史上最大の生物が同時代に存在するって凄くそそるよね。たまらん

    • +22
  2. クジラの何倍もあるモンスター達は
    巨体がアダとなり滅びた。
    クジラがザコのポジションの時代も
    あったんだよね。怖すぎるわ。
    浦島太郎がアーケロンに乗る
    昔話も見たかった…。って浜辺で
    イジメられすらしないで子供全員まるのみか。

    • -22
    1. ※2
      鯨の何倍もあるモンスターってなんでしょ
      鯨以外で史上最大の動物の一つであろうアルゼンチノサウルスでも推定100トン程度で、ホッキョククジラくらいの重さなのに……

      • +3
      1. ※13
        アルゼンチノサウルスも最近の研究では60-88tのどこかって言われてます。100t越えの動物なぞ陸上に存在できなかったかもしれません。

        • +2
  3. 世界最大の生き物ってセコイアの木なんだけど
    まぁぐだぐた反論しても楽しくないよね
    動物では確かに鯨が世界最大だ

    • -10
  4. ジュラ紀、白亜紀みたいな恐竜の時代に大きくなってそのまま生き残ったと思ってた
    450万年前と比較的最近だったとは驚き
    450万年前が比較的最近だというスパンにも驚きだが

    • +10
  5. 難しいこたあ俺はわからんが、鯨の美しい写真が見れて嬉しい。

    • +1
  6. 世界最大に生き物はきのこか粘菌みたいなやつじゃなかったか?何キロにも及ぶっていう。

    • +5
  7. 水中だからデカくなれたんだろ。哺乳類はデカくなると排熱効率がわるいから陸上だとゾウくらいが限界だ。水中は熱伝導で余裕なんだろ。

    • +2
  8. いま私は、伸ばした指の先でクッションに触れているけれど、
    この指先が20メートルも30メートルも先にあるっていうのは、
    どんな身体感覚なんだろうなあ

    • +18
  9. クジラの大きさが中途半端だったら、シャチとかの天敵に喰われてまくられて激減、絶滅しちまうだろ。そら、大きくならざるを得ないわな。
    餌が豊富だったら個体数が増えるのが先だろうし、そうすると天敵もだんだん強力になるて

    • -7
    1. ※10
      その論法だとクジラ目には巨大な種しかいてはいけないことになるね
      肉食動物に食い尽くされて絶滅した種ってのはほとんどいませんよ(離島に猫連れてった場合を覗く)

      • +3
      1. ※21
        生き残ってるのは、巨大なやつか、そうでないと繁殖力の強いやつ。小さめで繁殖力の弱い種は、住み分けで進化。巨大なナガスクジラでさえ、子育て時は天敵の少ない海域に移動するんだぜ。

        • 評価
        1. ※31
          ですねー、捕食者からの攻撃を減らすために大きくなるというのはキリンや象をみても納得です。子育て中は本当に大変ですね。
          それと、大きいと体温維持も楽になるから、寒い海でも生活できるってあたりも合理的な感じがします。

          • +1
    2. ※10
      ※40
      シャチはイルカで,クジラの中で小さいのがイルカなので「シャチがクジラを絶滅させる」ってのはおかしいのでは(クソリプ).

      あと,シャチより,マッコウクジラとかのほうが先なのでその説は微妙では?

      • 評価
  10. 「体の大きな生き物が長距離を移動することは本当に冒険だったということだ。」のところは、原文のadvantageousをadventurousと見間違ったんじゃないですかな。つまり正しくは「体の大きな方が長距離を移動するのに有利だったということだ。」

    • +6
  11. 何千キロも旅する渡り鳥
    何千キロも旅するウナギや魚

    クジラが巨大化した理由を全く説明できていない件

    • -5
    1. ※14
      飛行のエネルギー効率はそもそも低い
      海生哺乳類(海獣とか除く)並みの大規模回遊をするサメやマグロは
      イルカかそれ以上の大きさになってる
      そういった大規模回遊をする海生生物の中でも際立って長距離の回遊するのが
      ザトウクジラやナガスクジラなどの大型クジラだろ

      • +3
  12. 現生で世界最大の動物だな。でもな、こまけぇこたぁいいんだよ!
    450万年前といったら大体アウストラロピテクスの時代かな。
    つまりヒゲクジラ類の巨大化と、ヒトの脳の巨大化は同じタイムスパンだったのか。

    • +4
  13. 人間が知りえない海の秘密を山程知ってるんだろうなァ
    一個体で一生に何キロ泳ぐんだろう。地球何週してるんだろうとか考えるとワクワクする

    • +3
    1. ※16

      シロナガスクジラの寿命は70年くらい, 回遊の距離は推定だけど年4000kmという話があるので, 28万kmってことになりますね。
      同じヒゲクジラでもホッキョククジラは回遊らしい回遊をしない (年中北極にいる) ので, 巨大化云々の話は結構ややこしいことになるんですよね本来は.

      • +5
      1. ※23
        哺乳類は大型ほど長生きで、近年、漂着したナガスクジラが140歳前後あったことから、最低でもシロナガスもこれ以上に生きると思いますよ。

        • +4
  14. むかしはクジラが山に イノシシが海に住んでおったそうじゃ

    • +1
  15. マッコウvs.イカとか見てえ  ずれてみた

    • +1
  16. あらゆる既知の“動物”の中でっていってるじゃん
    え、タイトルは“生き物”だって?
    それはアレだ・・・誇大広告ってやつだ
    プロのカラパイア民なら、そんなところは笑ってスルー、だろ?

    • +4
  17. 一日に4トンも食べるんだって
    4トンw インドゾウ一頭の重さだよww

    • +2
  18. 水は、空気の20倍の速度で体から熱を奪う
    同じ距離を移動するにも風に乗れば高速に移動できる鳥よりも遥かに体温が奪われやすい
    だから体を大きくして、脂肪層を厚くして熱が逃げないようにする必要が出てくる

    • +8
  19. WARNING!!
    A HUGE BATTLESHIP
    GREAT THING
    IS APPROACHING FAST

    ごめん、クジラって言われたらつい…。

    • +5
  20. クジラの脳の標本を見たことがあるけど、人間より大きいんだよね。大きさと知能には必ずしも相関性はないとはいうものの、自我はあるんだろうな。犬や猫なら喜んでいるとか悲しんでいるとか、何となく表現を理解できるけど、クジラはよく分からない。彼らが何を考えているのか、知りたいものだ。

    • +4
  21. 身体大きいうえ長生きだから、クジラのフレームレートすごい低そう
    もし人間の認識スピードのままシロナガスクジラの身体になっちゃったら
    身体が重すぎて発狂しちゃうかも

    • +2
  22. 「鯨類の特徴を持つ最古の動物」の復元図を本で見たけれど、パッと見マメジカやキョンみたいな小型の偶蹄類だった。その後何がどうなって今の鯨の姿になったのか、とても不思議。

    • +3
  23. チームプレーで母鯨から引き離して上から覆い被さって窒息させて仕留めるというやり方で子供の鯨はシャチのごはんにされちゃう
    魚類最凶のホホジロザメですらシャチの餌食になる事が解ったし

    • +1
  24. これで頭が良かったら人間とビジネス出来る関係になれたのにw

    • 評価
    1. ※39
      十分に頭良いよ。
      ちなみに、自然界では、人間のような頭脳は不必要どころか邪魔になるからね。

      • 評価
  25. シャチに食われないように巨大化したのでは?

    • 評価
  26. 結局デカいクジラよりも小さいクジラの方が生き残れてるよね

    • 評価
    1. ※42
      それは人間というイレギュラーな存在のせい。
      ミンククジラも、日本海個体群など絶滅危惧に指定されてるし、イルカとかでも絶滅危惧や機能的絶滅なんかも少なくない。

      • 評価
  27. 全く知識がないので記事も米欄の議論?も新鮮味があってすごく面白い

    • 評価
  28. 地球上で人類がエネルギーを浪費し続ける限りシロナガスクジラより巨大な動物はこの先も生まれて来れない気がする

    • 評価
  29. なるほど海の場合は回遊の為かー
    たしかにマグロもサケも大きなサカナ
    その哺乳類サイズとなると、あんなになっちゃうのかな・・・
    とすると、ダイオウイカも回遊してるのかな

    • 評価

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