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生きるって何?生命の意味を唱えた5つの人生哲学

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 なぜ我々はここにいるのか? 生きることの目的は?生にどんな意味があるのだろう?時に人間は立ち止まり、その存在意義について考えたりするものだ。

 パスカルは「人間は考える葦(あし)である」と言った。人間は孤独で弱い生き物だが、考えることができることは偉大であり、そこに尊厳があると説いたのだ。

 これから上げる5つの人生哲学が、もしかしたらその答えを導くヒントになるかもしれない。

1. 快楽主義(ヘドニズム)

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 快楽と幸福こそに価値があり、苦痛や悲しみは無価値であるとする考え方だ。したがって、可能な限りの幸福と快楽を得ることが人生の目的となる。

 人の人生は短く、いつ何時死ぬかも分からない。死後の世界を信じる人も大勢いるが、その保証はない。

 ならば、生きている間にできる限りの楽しい体験を享受するべきではないだろうか? 美食に興じ、肉欲にふける。少なくとも苦痛や不快は避けるべきではなかろうか?というもので刹那的な思考である。

2. 禁欲主義(ストイシズム)

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 キティオンのゼノンを創始者とする古代ギリシャのストア派にさかのぼる思想であり、変わることのない内面の平安を求める。世は無常であり、常に変化し続け、それを制御することはできない。だが自らの内で起きていることなら制御できるだろう。

 破壊的な感情や振る舞いを克服し、心の平安を得ることを目的とする。それは感情を消してしまうということではなく、理性と明晰な判断によって変容させるということだ。

 ゼノンの理論は後に発展し、積極的に人生に関与することが人生の意味であると解釈されるようになった。それは働くことや、人生の欲求を満たすことも含まれる。この場合、24時間眠っている人は生きていないことになる。

 自律と人生への積極的な関与……それが禁欲主義だ。

3. 実存主義

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 デンマークの哲学者セーレン・キェルケゴールが最初に唱えた。彼は人生は本人による一連の選択に他ならないと考えた。その選択は本人にしかできず、それこそが人生に意味を与えることになる。

 我々は自由意志・選択・個人の責任で自らの人生の意義を決めねばならない。また、選択は法・倫理・伝統にとらわらずなされなければならない。無論、その結果がついてまわることも覚えておくことだ。

 人生で何を成したいのか、そしてそこにどんな意味を見出すのか……それが実存主義だ。

4. 物理学的解釈

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 MITのジェレミー・イングランドは、生命は「坂道を転がる石ころのように驚きが少ない」と語っている。

 石や植物や動物のように物体はエネルギーを吸収・散逸する。石はごくわずかなエネルギーを吸収し、ほんの少しそれを解放する。生物ならエネルギーの吸収に長けており、失われるエネルギーも少ない。

 エネルギーが原子に衝突し、熱浴に包まれると、それは自らを再構成し、よりエネルギーを散逸しやすくなる。そして特定の条件を満たせば、その再構成によって必然的に生命が生まれる。

 地球では、そうした原子から単細胞が生まれ、およそ35億年前に今現存する多様な種へといたる進化が始まった。

 つまり我々がここにいる理由は、生命とはどこかの時点で発生するようにできているからだ。どこか失望のようなものを感じるだろうか。

5. 価値あるプロジェクト

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 ノースカロライナ大学チャペルヒル校のスーザン・ウルフは、人生の意味について面白い意見を持っている。

 「The Meanings of Lives(人生の意味)」というエッセイの中で、ウルフは「我々には意味があるのか?」という疑問について論じている。

 可能性は2つあるという。

 1つは、神が存在し、何らかの理由により我々を作り出した。もう1つは、神など存在せず、我々は無作為に誕生した、ゆえに意味もない。こう論じながらも、彼女は個々の人生にまで意味がないとは考えていない。

 ウルフによると、幸福は人生の意味において重要な側面ではないという。アインシュタイン、マザー・テレサ、ガンジーといった人々を例に挙げて、彼らは必ずしも幸福な人生を送っていないかもしれないが、意味という点では並外れていると指摘する。一方、日々酒を飲み、テレビを楽しむ人の人生は、幸福かもしれないが意味に乏しいだろう。

 意味ある人生を送るには、価値あるプロジェクトに積極的に参加し、それを成功に導かねばならないと彼女は論じる。

 では価値あるプロジェクトとは何だろうか?

 それは意図的に曖昧なままにされている。価値は人によって異なるものだからだ。運動嫌いの人なら、優れたアスリートになるための訓練に価値を見出すことはできない。同様に、読書嫌いの人なら、小説を書くという行為に価値を見出すことはできない。また価値は、倫理的なものである必要はないし、後世に貢献するものである必要もない。

 また重要なことに、プロジェクトは多少なりとも成功しなければならない。彼女は科学者の例を挙げている。生涯をかけて1つのプロジェクトに取り組み、ようやく結果を発表しようと思った矢先、別の研究者が同じ成果を発表してしまった。悲しいかな、彼の人生はまったく無意味なものになってしまうだろう。

 幸福を追求するのではなく、価値あるプロジェクトに取り組むこと……そこに価値が見出され、これが意味ある人生を作り出すというのだ。

via:5 Theories About the Meaning of Life/ written hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 54件

コメントを書く

  1. 別にどれが正しいとかどれが真理だとかは無いだろうね
    「どの考え方が自分にフィットするか」でいいんじゃないかな?

    そしてどれもフィットしないなら、自分で考えることだ

    • +17
  2. 宇宙に地球が誕生したことも、類人猿が人類にに進化したことも、これといって意味がない。だから自分は他者に迷惑をかけない程度に楽しいものに引き寄せられる物質として生きてる。

    • +12
  3. ストア哲学はたぶん今の時代の人が想像するものとは違うので、言葉のイメージに振り回されないように注意が必要…かも。

    • +2
  4. 人生とか人が生きる意味とか、大きなことはそれこそ哲学者に任せておけばいい
    普通の人が知らなければならないのは、等身大の自分自身の生き方の指標だけだと思う

    • -2
  5. 「人生に意味はある」って自信をもって言ってみたい!

    • +6
  6. どんな偉人も居なけりゃ居ないで問題ないし
    遺伝子の方舟だと云うなら役目を終えている

    • +2
  7. 我輩の眼から見ればヒトとチンパンのDNAは100%一致しておるので チンパンの分際で生きる意味など考えること詮なき事
    全ては貴公等のDNAに記されている通りである

    真なるヒトに進化したければ 内なる神のDNAに多大なる苦痛や対価を支払いながら 己が独自の美学を創造する事のみである

    またその行為こそが 将来起こり得るチンパン未経験の”淘汰”に 唯一抗う術となるだろう

    • -10
  8. ネット住民に多いニヒリズムはないのか

    • 評価
    1. ※12
      物理がそれだろ
      生命とは物理的運動にすぎないというのはそのまま無意味へと落ちる
      自己の生に対して主観的・能動的意味を与えられていないから

      • +3
  9. 快楽主義だなあ。俺がゲイツみたいな金持ちだったら酒池肉林な毎日を送るよ。なんで金持ちはそうしないのか実に不思議だなあ。

    • -1
    1. ※14
      そんな生活送っていたら金なんかあっという間に無くなるよ
      信用も無くすし

      • +1
  10. 人生の意味考え出した時点が或る意味終わりの始まりと言う話も何処かに…
    仏教か何かだったかな?ソレを叱る話が有ったような
    考える前に懸命に生きるのが正解とか何とか

    • +1
  11. 最後の女の学説だけは下らないと言い切れる。

    • -8
  12. そうすることで自らの何かを失う、破滅を招く何かを感じているから、とか

    • 評価
  13. 他人の人生に意味を見いだせたら、自分の人生に意味を見出すのは割と難しいことじゃないと思うよ

    • +3
  14. 中2で出た結論→
    生きる意味は、自分で「こう生きよう」と意図して設定しないと、発生しない。
    他人に意味を聞いたら、他人の解釈が返るだけ。
    無意味と設定したら、全てが無意味。
    (↑よく居るが、せっかく生まれてきたのに、もったいない解釈だなーと思う。まあどう解釈しても自由だが)
    ワイは、どんな状況でも、ヒキニートでもアホでも無能でも、みんな生きてるだけで良いと思ってる。かな~りユルイ人生観。
    (ワイは普通に働いてた凡人です)

    • +12
  15. 快楽主義に使われてる絵の詳細教えていただけませんか

    • +1
  16. 日本の哲学者だか誰かが言っていたな、人生の意味は一生かけて自ら作り上げてゆくもので、そこに喜びがあると。

    • +1
  17. 人生は畑で、何もしなければ何もないということでもなく、ただただ雑草が茂っていく
    ある時何か植えようとか育てようとしても、まず雑草を刈るところから始めなければならない
    長く放置した雑草は根が深い
    (大叔父の教え)

    • +11
  18. 本当の自分を、知る為に生きてるのが正解。

    • +5
  19. どう考えようと自由だけど、それを相手に強いることを初めた時に戦争になるんだろうな

    • +5
  20. 私だったら禁欲主義かもね。仮に今10億円貰ったら…って喩え話で取り敢えずそのうち7億円を親戚や知り合いに配ろうとか、残った3億円を片手に悠々自適しつつ(自分ちに限らず)荒れた田畑や山林の手入れをしたり道路端の雑草やゴミを掃除しまくって余生を過ごしたいとか、そんなこと考えてるしね。野良犬野良猫の世話したいとか。そんな感じ。

    • +1
    1. 米30
      心の豊かさはお金では得られないよ
      私貧乏たけど幸せになる思考を構築したもん

      財布に1000円しかないと思うか
      1000円もある!と思うか

      あるものに感謝するようになると、どんどん豊かになってくる

      • +3
  21. 人は人の社会で育てられるから人になるのであって、猿に育てられたら猿にしかならん。
    人の社会に守られているうちは、世のため人のために生きる事こそが意味であり価値になる。
    宇宙的な規模で意味だのなんだの語れるほど人はまだ賢くない

    • -3
  22. コメント欄にかきこむ人々の哲学が素敵です

    • +1
  23. どれも裕福な人間ばかりだな
    哲学なんて生きてるのが当たり前の人が考えることだ

    • +2
  24. 生きる意味なあ
    あるんかな俺の存在価値
    誰かの役に立ててるかなあ

    • +2
  25. 物理学的解釈はそういう話してんじゃねえんだよって突っ込みたくなるね。

    • +2
  26. 逆だw
    裕福どころか、飢える寸前の底辺で今にも死にそうな過酷な子供時代だったからこそ、
    小学生から生きる意味を真剣に考え、ローティーンで人生の結論を出すのだよ
    他人は皆、ツラい自分より楽で裕福な筈、とか思うのは、単なる甘えた妄想だ
    君よりワイよりツラい人間なんて、世界中にザラに何百万もいるわけでな
    まあ、当たり前だね♪

    • 評価
  27. 結論的には4だね
    「運命は坂道を転がる石ころのように驚きが少ない」とも言える
    坂道を転がった先に人類を待ち受けているのが奈落の穴であればどうなるのか?

    そういう前提の上で5の価値を考える必要がある

    • 評価
  28. 正直に言って自分はダメ人間で本当にクソな人生だけど
    風呂上がりのビールと娘の笑顔だけで生きる価値はある

    • +2
  29. 自分は物理学的解釈はだけど、むしろ「生命はいつか生まれるように出来てる」宇宙に驚愕を禁じ得ない。

    必然だから無意味だとは思わないな。

    • 評価
  30. 露と落ち露と消えにし我が身かな浪速の事も夢のまた夢

    • 評価
  31. 快楽主義が刹那的ってのは違うと思うなぁ
    堕落しようって訳じゃなく一度切りの人生だから自分が本当にやりたい事やろうって話でしょ
    仕事で体壊したら元も子もないし

    • +1
  32. テリー「生きてるってなんだろぉ~」
    ドリー「生きてるってなぁに~」

    • +2
  33. 快楽と一口でいってもいろんなものがあるからな。酒池肉林的なものが一般的なイメージだろうけど、スポーツなんかでいうゾーンに入ったときの感覚もたまらなく心地よい。ずっと悩んでいた難しい問いに対して答えを閃いたときの感覚もこれまた快感なんだよね。
    後者のような快楽を求め続けるような生活は、たぶんというか決して悪くないものになると思うな。

    • +3
    1. ※50
       快楽主義って本来はそうしたゾーン感覚を指すんだけどねw 酒池肉林的なものの方が邪道?というかゾーンに入れない人たちの戯言なんよ。

      • 評価
  34. 快楽主義って翻訳が失敗してると思う、無苦痛主義と訳すべきだろう。
    ヘドニズムの起源と思われる古代ギリシャのエピクロス派は快楽を追い求めることよりも、苦痛を小さくする方に重点を置いている。今が楽しきゃそれでいい、後は野となれ山となれ的な考えではない。
    夏休みの宿題をやらずに遊びほうけて後で辛い思いをするくらいなら、毎日コツコツやっといた方が結果として楽だぜ!的な感じ。

    • +4
  35. 命って「呼吸する霊魂」という意味なんだよ。
    生きる「呼吸する事」。

    人生は呼吸が止まるまでの間、地上をさ迷う霊魂の旅。

    • -1
  36. テリーとドリーの米があって安心した

    • 評価
  37. 生まれたから死ぬまで生きる、それだけ。でも、少しでも快適に過ごすための努力は1秒だってケチらない。快適さが1年後も10年後も続くように。私の1年後10年後があるかは誰も知らないけれど、あると信じて今日も生きる。それを繰り返して長生きしてやる予定。少しでも長く、好きな人たちと飼い猫たちと過ごしたいから。自分と家族、病気して芯から思った。

    • 評価
  38. 取敢えず、誰か俺の眼鏡何処行ったか知らねえかな?

    • +1
    1. ※57
      確かにデコに乗ったメガネ探しとどう生きるかの哲学は似てるな!それぞれのオデコをよく見えないまま手探りする作業で、メガネはきちんと個人調整してかければ良く見える。お手軽だからとテキトーに借り物メガネをかけると眼に悪影響、とかも似てたりして……。

      • +1
  39. 2と3のちゃんぽんかな。快楽を追い続けても常に限界はすぐそこ。究極的に壊れない限り、快楽を追うほど反動で苦痛に苛まれる矛盾に直面せざるを得ない。その苦痛までも愛せるならホンモノではあろうけど、ある意味それも苦行じゃないか?その苦行も快楽に変えることができるか?だろうな。

    • 評価
  40. 人生の答えは、sweet dreams (are made of this)が歌ってると思ってる。
    遣い、遣われ、遣いたがり、遣われたがり、誰もが何かを探してる。

    • 評価
  41. カラパイアは記事だけでなく※にも励まされる
    自分は、ちょっと真面目に物を考えて発言するだけで、すぐ周りに、くらーい!とか決めつけられたアホバカだらけのバブル世代だから、こう言う記事の真面目さが好ましい
    今なら、意識高いっすね~wとか一部のアホに嘲笑されるんだろうか?
    世代が違っても同じかな?

    若い頃に真面目に考えてなかったアホが、中年期以降、高確率で家庭が悲惨な事になってる事実を見てると、
    自分はまるで笑えないが

    • +1
  42. 人生哲学かはわからんけど
    人間は他人から感謝されないと本当の幸せを感じる事が出来ないように作られている
    というのを聞いて凄く納得したな。

    何かの実験であなたが死んだと仮定して、どんな弔辞を述べられたらあなたは成仏出来るかを書けというのを出したら、国や人種関係なく感謝を述べるような言葉ばかりがあがってきたとの事。

    • 評価

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