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災害後、娯楽系アプリの使用により恐怖が緩和されることが判明

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(著) (編集)

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 災害は、天災であれ人災であれ、多大な被害と犠牲者を生み出す出来事だ。台風、洪水、地震、火山爆発などが、世界各地で年間約650件報告されている。だが被災者の体験をケアする心理学的方法についてはほとんど研究されていない。

 だからこそ、1月に『サイコロジカルサイエンス(Psychological Science)』に興味深い論文が掲載されていた。

 被害の大きい地域にいた被災者ほどゲームや音楽などの娯楽系アプリの使用率が上がり、それにより恐怖が緩和されているというのだ。

四川地震の被災者のスマホ記録からわかったこと

 香港大学のジェイソン・ジア(Jayson Jia)氏、ジャンミン・ジア(Jianmin Jia)氏ら率いる研究チームは、2013年4月、中国四川省で起きた地震を調査した。

 研究チームは同地域のシェアが10パーセントほどのプロバイダーから携帯電話の記録(15万人分)を入手。ここから各種アプリで人々が行なったコミュニケーションの量の推定し、またスマートフォンの位置データを利用して地震時の被災者の位置をマップ化した。

被害の大きい場所ほど娯楽系アプリの使用率が上がる

 直感的には地震が強いほど、アプリの使用量が減ると予想されるが、実際には震度が最も高かった地域は、最も低かった地域と比べ、地震発生後4週間における各種アプリの使用率が最も高かった。

 唯一の例外は第1週目で、被害が最も大きかった地域では通話ができなかったことから、アプリ使用率も減少していた。しかし電話が復旧すると、アプリ使用率が最も高くなった。

 面白いことに、被災者は通信アプリや機能アプリ(情報源になるアプリなど)のみならず、楽しみをもたらしてくれるゲームや音楽などの娯楽アプリも使用していた。娯楽アプリの使用率も最も被害が大きかった地域で最大だった。

娯楽系アプリの使用で不安が緩和される

 研究者が関心を持ったのは、アプリの使用が被災者の心に与える影響だ。そこで、地震発生後第1週目のデータに含まれていたグループの中から800人を対象に、地震が発生する1週間前と発生後に経験した危機感を評価するよう依頼した。

 結果、2つのことが明らかになった。1つは、通信アプリを使うほど、危機感が増すこと。もう1つは、娯楽アプリを使うほど、危機感が緩和されることである。

 研究チームは地震発生から2年後にも調査を行なっている。被験者は地震後に体験した危機感を振り返るよう依頼され、ここでもアプリの使用と危機感とには同じようなパターンが認められた。

スマートフォンは被災者の心の回復を助ける重要なツールである可能性

 こうしたデータが示唆することは、被災者の心の回復を助ける上でスマートフォンが重要なツールである可能性だ。

 災害は予期せぬ出来事であり、人々の人生に大きな傷を残す。音楽やゲームは心を落ち着け、初期のショックへの対処を助ける素晴らしい方法かもしれない。また災害の恐怖を大きくしてしまうマイナス思考の連鎖を止める手段にもなるかもしれない。

 今年3月11日、東日本大震災は6年目を迎える。宮城県の太平洋沖では最高16.7メートルの津波に襲われた。

 いったいどれだけの高さだったのか?ヤフー・ジャパンが、高さ31メートルある銀座ソニービルにこんな広告を出してツイッター上で話題となっていたようだ。

 赤いラインには「ちょうどこの高さ」と書かれている。16.7メートルのつなみにはこんなにも高かったのだ。

via:journals.sagepubpsychologytodayなど/ written hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 25件

コメントを書く

  1. 大きな危機や悲しみの中でこそささやかな楽しみってのが大事になってくるんだね。

    • +18
  2. 10年以上前に買ったガラケー使ってるから地震きたら困りそうだな

    • +2
  3. 小人閑居ではないが、何もできない時に本当に何もしていないと
    不安が募るばかりだ

    • +7
  4. 東日本大震災のときにも、避難所に避難した人たちは「娯楽がほしい」って言ってたね。
    ただでさえ避難生活でしんどいのに、震災のニュース映像ばかりでは心が参ってしまうそうな。

    • +24
  5. 不安な時って、いつもより饒舌になったりするのは不安から逃げる為だったりするし、話題を変えて楽しい話や興味のある話をするのも手法だと思う。
    別にアプリじゃなくてもいいんだろうけど、一人でどうにかしようとする時は、スマホは役に立ちそうだね。

    • +8
  6. しかしガス水道電気が止まって、スマホのバッテリーなぞもとうに切れ、充電することもままならなかったりする(被災者)

    • +10
  7. 震災後、政府広報ばかりのテレビに滅入ったが、お笑いのDVDに救われた。
    笑いは大事なんだなあ。

    • +14
  8. これはスマートフォンというより、娯楽全般の持つ効果なんだろうね。

    東日本大震災の直後、地元ラジオで「アンパンマンのテーマ曲」を流したところ、子供達の様子が劇的に落ち着いたという話を聞いたことがあるな(都市伝説かもだが)。

    • +14
  9. 単なる現実逃避とどう違うのか、さらに研究を進めてほしい

    • +3
  10. >研究チームは同地域のシェアが10パーセントほどのプロバイダーから携帯電話の記録(15万人分)を入手。

    個人情報ダダ漏れw

    • +1
  11. 強度な緊張を緩和するために何らかの装置が必要
    別にアプリじゃなくてもいい

    • +6
  12. 言いたかないけど、これただの現実逃避だよね。
    まぁでも生きるためには現実逃避も有効な生存戦略だと思うよ。
    無理して心が壊れたら意味ないし。

    • +10
    1. ※15
      そうよな
      これって日常への回帰願望だと思う
      むしろ家族や友人みたいな人同士の繋がりが安らぎにならないほうが問題なんじゃないの

      • +5
  13. 慥かに気を紛らわせる必要はあるとは思う
    けどあんまり逃避行動に浸り過ぎるのは逆に前向けなくなりそうな
    程々になら良いんじゃないかな

    • +1
  14. 大戦中のゲームボーイの話を思い出すね

    • 評価
  15. あまりに辛い時には目を逸らす時間も必要。
    仕事の休憩時間は怠けではないように
    被災者には辛い現実を少しでも遠ざけられる時間があるべきだと思う。
    単純に「気を落とさないで」「頑張って」と言われても
    「これ以上どう頑張ればいいの…」って状態だろうし。

    • +12
  16. 日常でもストレスがあれば、
    いつも(アプリに限らず)娯楽で解消・逃避してます。

    • +8
  17. バッテリーが気になってそれどころじゃない気がする

    • +2
  18. 四川地震の時丁度そこに出張してたが
    そもそもあの頃の四川はスマホ自体普及してない上アプリと言う概念自体無かったんだが…

    • +2
  19. 現実逃避はすごく大事。心を守る大切な防衛手段。
    天災の恐怖から逃れたいと思うことは何も責められることではないと思うよ。
    1人にならない方がいい、とは地震の時聞いた。

    • +8
  20. ショックな体験から、笑ったり怒ったり、そういう事が現実でできなくなった。
    ゲームにハマったのもその頃なんだけど、救われていたのかな

    • +1
  21. まだスマホがなかった頃、どこだったか夜に大きな地震のあった地区の人と某掲示板でチャット状態で何時間も「会話」したことがあるよ。
    余震が恐くて眠れないっていうし、一人でいるとどうしても思考がネガティブな方向に行ってしまうからこっちも寝ないで付き合ったw
    PCとかスマホとかは災害時には心を守る「武器」になるんだろうね。

    • +11
  22. これは本当だと思うよ。
    大震災の時当事者だったが、あのCM「ぽぽぽぽ~ん」には救われたよ。
    鬱陶しいほど流れたが、あのおかげでどんなに心が和んだか・・・

    • +5
  23. 阪神大震災や東日本大震災の時にも言われてたことだけど、ラジオでは被災時だからといって震災関連の特番を組まれるより、いつも通りの番組をいつものように流してもらえる方がありがたいって声は多かった。
    自分でも身をもって実感したよこれは。

    • 評価

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