天然の砂の色はさまざまな色を持つ成分から成り立っている。一般に思い浮かべる黒っぽい色はもちろんのこと、その割合が違えば砂漠のような黄色や南の島のビーチのような白色だけでなく、採取地によってはオレンジや赤味を帯びているのだ。
地元の海でキャッキャうふふのカップルをよそに、ボーっと砂を眺めてたら石英のような粒や赤い砂粒を発見したことがあるおともだちにはあるあるかもしれないが、砂の世界はけっこうカラフルで奥深い。そんなわけでハワイ、カリブ海、トルコ、など浜辺を構成する砂の成分をメインに分析した専門家の画像をみてみよう。 1. カンラン石
暗い色をした火成岩によくみられる鉱物で玄武岩の中に含まれることが多い。ハワイのPapakoleaで採取。(画像幅:20mm)
2. サンゴ砂
カリブ海に多く分布し、ピンク色を含むことが多い。白色はサンゴ、有孔虫、軟体動物の混合物だ。コロンビアのサンアンドレス島で採取。(画像幅:20mm)
3. 黒曜石
海に溶岩が流れ込んでできる。激しく崩壊し、結晶化する間もなく急激に冷やされた結果このような形状になる。これは天然の玄武岩質ガラス。ハワイで採取(画像幅:20mm)
4. ガーネット(ザクロ石)
多くの砂浜の砂の中によく見られる。美しい赤みがかった重鉱物の濃縮物として形成されている。オーストラリアで採取。(画像幅:20mm)
5. 硫黄
活火山の噴気孔の周辺に発生する天然鉱物である。アイスランドで採取(画像幅:20mm)
6. ソーダライト(方ソーダ石)
比較的珍しいマグマ鉱物。この美しい砂のサンプルはソーダライトとドロマイトの混合物である。ナミビア鉱で採取。(画像幅:20mm)
7. グロコナイト(海緑石)
海の砂によく見られる粘土質の鉱物で独特の粒を形成する。このサンプルでは多めに含まれていた。フランスで採取。(画像幅:20mm)
8. 火山灰
火山灰の色味は異なる色の粒子の混合物の割合に左右される。軽石と珪長質鉱物粒(石英、長石)は通常明るい色だが、苦鉄質結晶(角閃石、輝石など)が含まれることで暗い色となる。1980年、セント・ヘレンズ山の噴火翌日に採取。(画像幅:20mm)
9. ハイドロマグネサイト
真っ白な砂浜をウリにするビーチは多いが、サルダ湖で採取できる白い砂も世界屈指レベルの白さだ。実際の砂には緑がかった蛇紋岩が含まれていたが、この写真では雪のように白いハイドロマグネサイトをのみを集めている。トルコのサルダ湖で採取(画像幅:20mm)
10. 火山性の黒砂
主に緑色を帯びた細長い輝石と黒磁鉄鉱の等軸結晶で構成されている。フランスのマルティニークで採取。(画像幅:12mm)
11.スピネル(尖晶石)
重鉱物が多い砂には濃色のスピネルがかなり含まれていた。スリランカで採取。(画像幅20mm)
12. 銅鉱山の泥
ダンプカーについていたもの。青緑色はマカライトや珪孔雀石、葉銅鉱といった銅の鉱石が風化したもの。ナミビアで採取(画像幅:20mm)
13. 火山ガラス
赤色はヘマタイト(赤鉄鉱)の色。カリフォルニアで採取。(画像幅:20mm)
14. 赤い石英
さほど珍しくはない構成物。この砂は石英で構成されている。赤味を帯びるのはヘマタイトの影響。このサンプルでは非常にきめ細かいヘマタイト粒子が石英をコーティングしている。オーストラリアで採取。(画像幅:20mm)
15. マイカ(雲母)
このサンプルは茶色の黒雲母とグレーの白雲母で構成されていて色は無彩色に近い。砂の中でキラキラ反射しているものの正体はたいていこれだ。フランスで採取。(画像幅:20mm)
16. 菫青石
天然では泥や砂の堆積が変成した岩や花崗岩にみられる。これはビーチで採取したものではなく、きめ細かい菫青石岩石を粉砕して作ったサンプル。(画像幅:20mm)
菫青石の過去記事はこちら
不思議きれい!角度によって色が変わる鉱石「菫青石(アイオライト)」
via:Colors in sand・translated byいぶりがっこ / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
かんらん石はペリドットじゃダメなの?
2. 匿名処理班
何気に宝石になる石が混ざってるもんなのか!そう考えると、侮れないな砂。
3. 匿名処理班
良く砂に見られる鉱物としては白や透明の石英があるよね。
後は砂鉄でお馴染みの磁鉄鉱かな
4. 匿名処理班
宝石質をペリドット言うだけよ
ダイアモンドヘッドはペリドットだけども
日本にあるかんらん石の砂浜はビリジアングリーン
5. 匿名処理班
※1
中学の理科でもかんらん石だったような
ペリドットっていうと大きい結晶のイメージ
6. 匿名処理班
ペリドットはかんらん石の宝石としての呼び名
かんらん石のうち宝石としての価値のあるものだけがペリドットと呼ばれる
7. 匿名処理班
校庭の砂の中から雲母を拾って”金見つけた!”とか言ってたあの頃
8. 匿名処理班
ガーネットさざれいいなあ、と思ったけど、この大きさの粒なら本当に砂だよなぁ…
9. 匿名処理班
※2
日本のどの川にも砂金流れて来るのでうまくいけば
高純度な金が入り込んでいることも
でも手間暇かかる割には1日0.1g取れりゃいいというレベル
そこまで暇ねえよというのなら化石や縄文時代の槍や遺物が
流れて沈んでる川もある。お金にはならんけどインテリ的な
発掘遊びには最適かもね
10. 匿名処理班
銅鉱山の泥が好き
自然の美しさと力強さを感じますね
11. 匿名処理班
16だけ画像が見えないのは自分だけじゃないよね・・・?
12. 匿名処理班
橄欖石は学術的にはオリビンだよな。風化で蛇紋岩化していない
橄欖岩でできた山に行ったときは、山道まで緑色だった。
植物は変なのばっかり生えてるし異世界感があった。
13. 匿名処理班
砂時計にしたらステキね(当方40代♂ ×1 頭薄め)
14. 匿名処理班
爬虫類や熱帯魚飼育してる人なら、砂の色や性質は重要だからこういうリストはありがたい
15. 匿名処理班
ガーネットの川砂がチェコにあるよ
オーストリアの川砂にも宝石品質じゃないけど色つきのがあったはず
ダイヤモンドやルビーなどの宝石の削り屑でできた砂時計は高級宝飾店で出してるけど、比重や大きさが安定しないので狂いが大きく実用的ではないの
砂鉄が最高なんだってさ
確か遺灰の砂時計もあったな
16. 匿名処理班
ディスプレイによって画像の大きさ変わるから、元の画像幅○○mmって表記は良いね。
手持ちのソフトで縮小すると細かさがよくわかる。
17. 匿名処理班
黄鉄鉱=愚者の黄金
これが厨二っぽくて好き
18. 匿名処理班
アクアリウムが趣味だからこういう綺麗な色の砂には憧れるなあ
19. 匿名処理班
ガーネットは熱帯魚用の砂用に買ったな
熱帯魚の色が鮮やかになるとかならないとか…
20. 匿名処理班
芸能人の水着姿で砂浜の写真
砂の色で何処で撮影したか判るね。
黒い砂浜なら火山灰由来だから日本の本土のどこか。
砂浜は茶系で店が日本語なら沖縄近辺。
21. 匿名処理班
>地元の海でキャッキャうふふのカップルをよそに、ボーっと砂を眺めてたら石英のような粒や赤い砂粒を発見したことがあるおともだちにはあるあるかもしれないが
そそそそんなこと無いしっ!てめこの言っていいことと悪いことがが、全然ないし!!
22. 匿名処理班
昔友人から「南極の砂」をもらったことがある。やっぱりガーネットとか水晶のさざれで出来ていて、きらきらとして本当にきれいで、小瓶に入れてずーっと眺めて楽しんでた。今でも私の宝物の一つ。
旅行に行くと砂を拾って帰ってくる癖はここからできたかな。フイルムケースが重宝してた。サハラ砂漠の砂はまさに「砂!」って感じできれい。ヨルダンのペトラ遺跡(の奥の方)の砂も色がついててサラサラで本当にきれい。ペルーのナスカ観光の拠点のオアシス村の「イカ」の大砂丘はなんて美しい風景だと感動した。
自分で行ったんじゃないけど、サウジアラビアの赤い砂漠の砂もほんとに赤くてきれい。
各国のコインとともに、旅行の思い出としてとってある。
23. 匿名処理班
黒曜石の砂浜を裸足で歩くと血まみれになるとか
24. 匿名処理班
普通に宝石として売ってる石が含まれてる
今、昔からあるルビーとかの宝石より、アイオライトとか昔は貴石とか天然石レベルだったのが宝石として売られてる。それも結構高い。
ルビーとかが取れなくなったのか、安い綺麗な石で騙そうとしてるのかどっちだろう。