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米国防総省(DARPA)が資金援助している9つの革新的プロジェクト

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(著)

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 DARPA(米国防総省国防高等研究事業局)は、独特なプロジェクトに資金をつぎ込むと評判だが、必ずそのプロジェクトの目的を達成させると言われている。そんなDARPAが資金援助している9つの革新的プロジェクトがまとめられていた。勿論すべては軍事目的として開発されているものだが、将来的には汎用化され我々の生活にも役立つものも含まれている。

1.ユニバーサル翻訳機

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 このアイデアはいくつかのバージョンがあったが、実現はされていなかった。だが、DARPAの新しいLORELEIプログラムが状況を変えた。これは、あらかじめプログラミングされた言葉やフレーズのデータベースを単にまとめるのではなく、言語のルールを体系化することを目的にしていて、どんなユーザーでも、その場ですぐにあらゆる言語で会話することができる。

 信頼のおける有能な翻訳者が絶対的に不足しているため、総体的に異文化間の理解不足のせいで致命的な誤解を増大する可能性がある。軍が駐留している地域の住民と効果的に意志を伝えあうことができないことが、過去のふたつの戦争中、米軍にとって大きな問題となっていた。

 こうした状況では、一般住民の反乱をかぎつけることは難しく、衝突は避けられなくなる。本物のバベルフィッシュ(テキストやウェブページをさまざまな言語に翻訳するアプリ)の技術があれば、あらゆる小隊のリーダーや兵士たちが腰や耳につけた双方向の翻訳機ですぐに相手と会話することができる。無益な争いをやめることができるだけでなく、その結果も変わってくる。そもそもいさかいが起こることを防ぐことができる。

2. サイバーチャレンジ

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 DARPAのロボティックス・チャレンジは、災害救助用ロボットの競技大会として企画されたものだが、参加者に最高のサイバー防衛システム構築を互いに競ってもらうという、サイバーチャレンジという競技もある。

 インターネットは、常にセキュリティの問題にさらされている。国際的な大企業から、うさんくさい弱小メーカーまで、今や皆、あなたの個人情報にアクセスしたがっている。たとえ信用できる会社であっても、あなたのオンラインセキュリティを悪意というより、不適切に危険な状態にさらしてしまう可能性がある。もし連邦政府がこうした機器の安全基準を強制しようとしているなら、まずその基準を見つけ出すとうまくいくだろう。

3. 非侵襲性医療技術

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 赤外線と電磁スペクトルのマイクロ波の間には、これまではあまり知られていないテラヘルツ放射あるいはサブミリ波というエリアがある。この部分のスペクトル放射には、かなりの量のエネルギーをもつが、人の体内やまわりで使っても安全という興味深い性質がある。

 DARPAがテラヘルツ技術を使って開発を進めているのは、体にメスを入れずに広範囲の病気の診断をする機器だ。初期のものは、皮下数ミリのところまでしか見ることができなかったが、今は驚くほど性能が高くなっている。ただ、スペクトルのそのエリアに実際に波を生じさせるのには、まだまだ大きな技術的問題があるそうだ。

4. 脳のスーパーチャージャー

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 経頭蓋直流刺激(tDCS)は、脳に微量の電流を流して、そのパフォーマンスをより活発化させるアプリのこと。軍ではスナイパーや無人機のパイロットの意識を集中させ、能力を最大限に引き上げる目的で使われていた。しかし、DARPAは満足せず、姉妹機関であるIARPAを設立して、人間の適応力や問題解決力をもっと強化する、さらに鮮明なプログラムを作りあげた。

 詳細は機密だが、プログラムには心理学、薬学、電気認識介入の要素も含まれているという。迅速に正確な意志決定ができる能力を改善しようとしている。

5. 飛行機から落下させることができるロボット

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 ヒューマノイドロボット「アトラス」などのスーパーロボットは、ドアを突破したり、階段を駆け下りたりすることができるすばらしいロボットだ。だが、直接飛行機から落とすことはできるだろうか?

 DARPAは極端にシンプルなデザインのロボット、つまり基本的に壊れないロボットを作った。防弾ロボットではなく、空中からそのエリアを銃撃できる小さな虫のようなロボットや、標的に向かってゆっくり近づき、亀裂などにくっつくことができるロボットだ。

Soft autonomous earthworm robot at MIT

 これら小型ロボットは、小さなマイクやGPSを運ぶ以上の役目は要求されないが、そのパワーや動きのメカニズムはかなり原始的だ。虫のせん動パターンを真似ることで、基本的に動く手足などの部位は必要なく、全体を驚くほど軽くすることができるのが特徴だ。

6. レーザーミサイル防衛

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 レーザーが低空飛行の無人機だけでなく、ミサイルまで撃ち落とすことができることが証明された。レーザー技術やバッテリー技術、兵器としてのレーザー理論の進歩とともに、光の速さで飛ばすことのできる発射体を兵器化することができた。ICBM(大陸間弾道ミサイル)も無人飛行機も、このレーザー防衛からの襲撃をかわすことはできない。

 数年前に比べて小型化もされた。レーザーは対象に穴をあけるという役目が、飛行している標的に対して非常に役にたつため、戦場で特殊な役目を担う。いっぽう、爆発物は地上にある対象兵器に対して効果を発揮する。使用には限界があるが、防衛においてこうした考え方は真価を発揮する。大きな静的電力源があれば、十分に技術を有効化できる。問題は射程だけだ。

7. 衛星回収機:フェニックス・プロジェクト

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 DARPAのフェニックス・プロジェクトは、ゴミ捨て場状態になっている軌道を回っている役目を終えた古い衛星を再利用しようというものだ。

 DARPAは衛星を一掃しようと、プロジェクトで使用済みの衛星を解体するための手やカッターのついた解体建設用ロボットをつくった。古い衛星はたいてい長命で、主要な箇所はまだ残っており、ソーラーパネルや認識機器は現代的な設計であることが多い。これら再利用できるパーツは、取り除いた部分に簡単に取りつけができるよう設計されたコンパクトなミニ衛星で回収される。

8. 人工脾臓

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 軍にとって、血液は大きな問題だが、輸血のための血液を人工的につくり出す技術は遅々として進まない。その点、DARPAは革命的な進歩をみせている。それが人工脾臓だ。脾臓は血を漉して、抗体生産を経て感染症から体を守る役目がある。DARPAの人工脾臓は細菌用のフィルターで直接血液をろ過し、人間の器官から分離することで、健康体よりもより治療効果の高い状態にすることができる。重量も軽く、戦場や人道的危機のときにも十分耐久性がある。

 攻撃を受けたときに一番怖いのは、感染に体が過剰反応してしまう敗血症だ。死に至るケースが非常に多く、抗生物質を受けつけず、炎症を引き起こす。DARPAは抗菌作用のあるシステムの中を直接血液を通すようにしたようだ。

9. 究極の自動スーパードクター

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 急激な脅威にさらされたときの診断。これの目的は、最初に病原菌にさらされてから30日以内に感染や毒素が原因の作用を分子基盤で特定できる診断基準をつくることだ。世界の終わりを望んでいるテロリストや敵対政府にとって、病原体がどのように人体に働くかなど理解する必要はないが、新たな化学兵器や生物兵器をつくり出すマッドサイエンティストの能力と闘うのに見合う医師の能力の問題なのだ。

 DARPAはこれは予防的、防衛的措置と見ている。口の中でスーパーバグ(抗生物質に耐性のある細菌)を消滅させる試みを政府が知ったいたら、そもそも開発予算を妥当なものにすることはできないだろう。治療法が考案されれば、生物兵器の実用性はある程度はなくなるが、ICBMに直撃された場合の万能薬は存在しえない。だからこそ、敵がこれまで通り兵器として単純な弾丸やレーザーや爆発物を使う方向へと誘導するためのアメとムチの政策を利用するのだ。

余談: アメリカの軍事研究の黒歴史について

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via:geek・原文翻訳:konohazuku

 1957年から64年にかけて、モントリオールのアラン記念研究所で、ユアン・キャメロン博士によって患者たちが実験台になり、マインドコントロールされた。これはMKウルトラ計画の一環である。

 戦争の脅威が最大となったとき、ほぼあらゆることが正当化される可能性がある。こうしたメンタリティーは、成功するため、過程における失敗は必要不可欠だということを強調し、手当たりしだいに研究を試みる動きとセットになっている。このトレンドはこれからも続いていくだろう。

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この記事へのコメント 21件

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  1. 完全翻訳機はやっぱり必要だよね。翻訳系ブログは
    お役御免になってしまうけど学習時間が不要になる事と
    話し合いでの解決が可能になる案件が増える事は
    ドラえもんの翻訳こんにゃくで既に実証済み。

    • +1
    1. ※2
      日本語でもほしいことがありますね。 というか私は頻繁にほしいと感じる機会があります。 だれでもちゃんと理解できる文章なら、テストの問題になりませんよね。 そういう点からみれば、大学入試に採用される新聞のコラムなどは「理解しにくいから出題できる」と考えていますので、もっとわかりやすく書いてくれよと思います。

      • 評価
  2. 9のカプセルの中からタイラントが生まれそう

    • 評価
  3. メタルギアと書こうと思ったらすでに書かれていた
    さすがである

    • +1
  4. 9番はアルドノア・ゼロで見た!
    シグマフォースの映画化はよ!

    • 評価
  5. アニメやSFで育った子供が成長して、その憧れがしばしば科学技術の進歩を左右する場合がある。
    日本の人形ロボットへの執着とか。
    アメリカは、スタートレックだろうな。
    地球人とバルカン人が接触した後にエンタープライズ号が未知の異星人と接触し次々と異星人を惑星連邦に組み込んでいく姿は、
    西部開拓して次々にアメリカに外国を屈服させ併合しようとした歴史に重なる。
    既に劇中で船員が持ってたノート型の情報端末は、既にI-PATとして現実化してる。
    翻訳機も船に装備されており、未開の異星人同士が船内で話せば話すほど、より精度の高い会話が自動翻訳され、時間を経ればその星人と何ら不自由なく普通に会話が出来るようになっている。

    • 評価
    1. ※6
      西部開拓の話をSFを利用してボカしたストーリーだと原作者が語っていますね。バルカンは無表情の日本人(実際、衣装も和風)、クリンゴンは野蛮な東洋人(ネイティヴアメリカンやモンゴル人)、ロミュランはロシア(ソビエト)人、金儲け大好きなフェレンギはユダヤ人、等々。他にも優性人類、スリバン、カーデシア、ドミニオン、ボーグ、そして最強の生命体8472など、様々な「置き換え」をしつつ、歴史や時事ネタが脚本化されました。

      • 評価
  6. ダーパ局長ドナルド・・・って1で終わってた。

    • +3
  7. 「ほぼあらゆることが正当化される可能性がある」
    戦争における最大の恐怖はこれだろうな

    • 評価
  8. 寝てる間に仕事を終わらせる研究をしたいので資金援助を求む

    • +7
  9. この前は、航空空母のコンペあったなぁ。
    一般公募しててわろたわw

    • 評価
  10. バベルフィッシュって銀河ヒッチハイクガイドネタか
    日本だったら翻訳こんにゃくプロジェクトとか名付けて計画するんだろうな

    • 評価
  11. DARPAが苗床となってスカイネットが生まれるんだろうなぁ。
    科学技術の開発にモラルは必要だろうね、
    でなければ自らの手で現代文明を滅ぼしてしまう。

    • +1
  12. そろそろパーソンオブインタレストのマシンが作られそうだな
    もう出来てるかも

    • 評価
  13. 4番見て強化人間とかゼロシステムを連想した弱ガノタ野郎です。

    • 評価
  14. 1の写真の万能翻訳生物バベル魚だけど、銀河ヒッチハイクガイド中では
    「バベル魚は異種族間のコミュニケーションの壁を効果的に取り払い、その結果血なまぐさい争いをいくつも引き起こした」ってなってるんだよね。
    円滑なコミュニケーションが良い物とは限らない。

    • 評価
  15. 2045年には人間よりも優れた人工知能が出来るというのに人間の話す言語を人工知能が理解できないはずがないよなぁ…
    その頃の人工知能は人のように自我を持った存在となっているかもしれないが…

    • 評価
  16. 裏で核搭載二足歩行戦車の新型とか作ってそう

    • 評価

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