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働くアリだけのグループにしても働かない個体が現れることが証明される(北大研究)

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(著)

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 働きアリという名前はあれど、その中にはまったく働かない「なまけアリ」が存在しているというニュースは前にお伝えしたかと思うが、アリのコロニー内の労働制御機構の解明を目指している北海道大学の長谷川英祐准教授は、さらなる研究を進めていた。

 今回の研究で働くアリだけのグループにしても働かない個体が現れることが証明されたのだ。

良く働くアリ、働かないアリ

 日本に生息している「シワクシケアリ」のコロニー内では、働きアリの働き度合いに大きなばらつきがあり、常に働く個体から、ほとんど働かない個体まで存在する。

 そこで、「よく働くアリ」と実際には働いていない「ほとんど働かないアリ」を分類し、よく働く個体だけのグループと働かない個体だけのグループに分け、それぞれでコロニーを再構成した。

 その結果、働く個体だけにしても働かない個体が現れ、働かない個体だけにすると働く個体が現れ、グループ全体の個体の働き度合いの分布は常に元のグループと同じようになることが確認された。

 また、働き度合いのバラつきの大きさは偶然によって生じるにしてはあまりにもパターン化しており、何らかの機構によって再現されると判断されるという結論を得たという。

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なぜ個体差が生じるのか?

 よく働くアリと働かないアリの違いは、産卵能力や年齢とは無関係であることもわかった。

 働くか働かないかは、仕事という刺激に対しての反応の強さに差がでてくることで生じているそうで、この反応の強さの差が、全部よく働くアリのコロニーにした場合でも、働かないアリを生み出し、働かないアリだけのコロニーにした場合でも働くアリを生み出しているそうだ。

 このことはアリが一部の個体が常に働かなくなるようなシステムを、労働の制御機構として自主的に採用していることが証明されたということになる。

 研究グループでは、今後の研究で、一部の個体が常に休むという短期的に効率の低いシステムがなぜ必要なのかという疑問の解明にあたるという。

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photo by Pixabay

Top image:iStock / References: hokudai.ac

 前回のニュース記事では、長谷川さんは「幼虫や卵の世話は少しでも中断すると集団全体の死につながる。そのため、わざわざ働き方に差がでるような仕組みをとっているのではないか」と予測していたのだが、さて実際はどんな理由によるものなのか、すごく興味があるね。

 働く、働かない、働いたら負けとか、労働に関する意欲が、個体差によるものではなく、労働の制御機構として組織に組み込まれているアリ社会。

 果たして人間社会はどうなのか?人間の労働制御機構についての研究がどこまで進んでいるのかはわからないけど、良く働く人間と、働かない人間に分類してコロニーを形成した場合どうなるのか、ちょっと気になるね。

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この記事へのコメント 48件

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  1. つまりどんな数になっても一定は働くんだから、
    ビシバシ働かせて過労で死んだら働いてない予備を投入するシステムなんじゃないの?
    全員働かせると外出てる時に全滅したりすると巣が回らなくなる
    じゃあある程度は休ませて巣で待機させよう、効率のため働く意志の強い上から働きアリで
    ってことなんじゃないのかなあ

    • +9
  2. 働くアリは運動量が大きいので食物をたくさん食べるから
    環境で得られる全体的な食物の量に合わせて、
    あまり食べない(働かない)アリが安全装置として混ざって
    いるのかなあ。

    • +5
  3. 交代で休憩してるだけなのに働かないとか言われて辛い・・・

    • +7
  4. つまり、ワタミの社長を数千人集めて会社を作ると、搾取するワタミの社長、過労死するワタミの社長、そして怠けるワタミの社長に分化するわけだ。なんかすぐに潰れそうな会社だな。

    • +35
    1. >>4
      女王アリしかいない巣を想像して場末のスナックを想起した

      • +2
  5. 先生の著書-働かないアリには意義がある-の中では、反応閾値で説明をしていた。ざっくりと説明すると、仕事に対する反応するまでのハードルが個々のアリで違っていて、すぐ働くやつも鈍いやつもいる。だからすぐ働くやつが疲れてきた所で鈍い奴がやっと動き出してきて、そいつが疲れたらまたすぐ働くやつが回復して働くと。すると巣全体では労働力が一定に保たれる。
    で、その反応の差は遺伝子で決まっていて、子どもを残さない働きアリにも遺伝的利益があるので子供を産まずに働いている、と遺伝子もからめて説明していた。ちょーざっくり言うとこんな感じだった。
    ちなみにアリは仕事に対して反射で働いているだけなので、働くアリも一生働かないアリも全員仕事をヤル気はあるそうです。ただ鈍いアリは動こうと反応しだした頃にはすぐ動くアリに仕事を奪われて『働きたくても働けないだけ』だそうです。

    • +16
  6. 人間で言う無職プー太郎ニートに該当するのか
    それとも政治家や貴族に該当するのかで違いが出てくるな
    どちらも働かない、仕事しないのは同じだが・・・

    • -8
  7. 頭のいい奴ばかり集めた進学校でも
    徐々にデキる奴と落ちこぼれと
    分かれてくるよな

    • +5
  8. 人間社会でも同じ現象が起きるのかな?
    ニートだけを集めて独立した社会構造においたら働く個体が出てくる。
    というのは想像に容易いけれど、働き者だけで作ると怠ける個体が出てくるのだろうか

    • 評価
  9. アリについて考えると面白い
    私はアリは人間に次いで一番の高等な知能を持っている様に思う
    人間はつい一匹一匹を個体として認識しようとしてしまう
    一つの集団で一人としてみた場合
    彼等は牧場主だったり、農夫であり、軍国主義者であり、猟師である
    奴隷狩りもいる、また家を護るために徹底的に交戦もする
    種類は別なれどこうして見てると自然界のアリ人間になる
    また別な視点から見ると知能あるロボットを分解して一つ一つの部品をそれぞれの目的に合わせて自由に動かしているようにも見えなくはない
    これは実に高度な生き方だ

    • -5
  10. 体力温存という役割をこなしてるだけだろ
    怠け者と同一視してもらっては困る

    • 評価
    1. ※12
      ソースは?
      それとも君の憶測?

      • 評価
  11. 感覚的には人間にもかなり正確にあてはまる現象のような気がするね

    • -2
  12. まあとにかく、ムダにサボる様な個体を抱える種族は近縁種との競争に負けて滅びるよ。
    アリに遊兵が存在するのは何かしらの合理的な理由があるはずなのだ。
    それで最終的には他種、他巣との競争に負けない様になるカラクリが。
    人間のニートとは・・・ちょっと比べちゃいかんわな

    • 評価
  13. 巣に侵入者が来た場合の防衛のためにいるのかと思っていたけど
    まだ解明されていなかったのね
    どういう仕組みで巣に残るか働きに出るかの判断が行われているのか気になる
    巣に残るアリがフェロモンを出して、そのフェロモンを感じたアリが働きに出るとか?
    それとも女王アリが一定の割合で一定時間巣に残る命令をアリに出してるとか?
    そういえば前に大昔のアリの遺伝子を発現させる記事があったけどあれ頭でかかったよね
    昔のアリはみんな頭でかくて巣を閉じるやつが必ずいてそのなごりで今も巣に残るアリがいるという妄想が出てきた

    • -3
  14. これって「こち亀」で中川が解説してたな。

    • 評価
  15. 働いてないんじゃなく何をしてるか解ってないんだよ。
    蟻は口移しで餌を分け合うから
    「働いてないアリ」って言うのは餌の消化や貯蓄の役割をしているんじゃないか?って専門家が言ってたよ

    • +1
  16. 原因や結論を憶測する前に、
    生物のこの手の話ではっきりさせとかないといけないことが2つあります
    まずこの現象の「物理的な仕組み」について話してるのか、
    「進化的な理由」について話してるのか、ということ
    議論するためには少なくともどちらかをはっきりさせます
    も一つは「飼育環境」で、当然実験では統制されてるでしょうが、
    その情報は論文にしか公開されてませんので、
    食糧はあふれるほどあるのか、外敵からの攻撃はあるのか、
    気温は一定か、雨風からは保護されてるのか、
    といった条件がわからないということ
    ですから、あくまで自然環境下の現象かどうか不明、
    ということを念頭におく必要があると思います

    • +3
  17. 全く同じ内容の記事を数年前にも見たような

    • +3
  18. あまり動かない=エネルギー消費をおさえて、食料を確保しつつ種の保存を最大限保つ

    • -1
  19. 周りが必死に働いていると、まあオレが働かなくてもいいかと思う。周りが怠けているとオレが働かなくちゃと思う。全体の状況を見てバランスをとっているんじゃないか。選挙の投票行動でもあるな。みんな自民に入れるだろうからオレは維新か共産に入れとくか、みたいな。

    • +1
  20. 剣心「働かないコロニーに入っても、絶対に働きたくないでござる!」
    そういえば、こち亀で働かない蟻のの説明してる回あったなwww

    • -1
  21. あまり働かなくしてエネルギー消費を抑え、よく働くアリとその内交代するとかではないのか

    • +4
  22. ニートだけにしたら働き出す奴が
    現れるって面白いね。周り見て
    「誰か働かないとヤベェんじゃねえか?」
    とか思って危機感を持つんかね?

    • 評価
  23. 人間は蟻じゃない。種の保存のために生きてるわけじゃない。

    • 評価
  24. かなり昔にさくらももこが「いきもの図鑑」で実験と結果を書いていたわけだが。

    • +1
  25. 働かないハタラキバチもいるんだろうか

    • -2
  26. 昔トリビアの泉でやってたよね
    まぁその時点では証明されてなかった。ってことなのかな

    • 評価
  27. 80の仕事を100人でやるのは20の無駄
    って事なんだろうな。巣全体でリソースの管理をしてるんじゃないの

    • 評価
  28. アリは労働の限界生産力の構造を本能的に理解しているのかもしれない。労働投入量を一定以上増やすと生産力は逓減していく。最適な投入量を理解した上で働かないアリが自発的に失業しているのだと思う。

    • +2
  29. 巣の全部が働く…国家総動員令みたいな感じになるな
    その巣は変事に弱くて長持ちしないだろ

    • +3
  30. しかしどうやって
    今コロニーに休んでいる奴がいない、ならオレが休もう
    と判断しているんだろう。

    • +2
  31. 初めて聞いたのは20年も前だ
    とっくに機知じゃん

    • +1
  32. 社会性から見れば蟻や蜂の方が上ってこった
    ニートやコモリはそれだけにしても絶対働かないぜ

    • +2
  33. 人間とアリは違う。
    ニート達、勘違いするな!
    っていうのはどうでしょう?

    • +1
  34. 人間の場合も同じ現象が起きるというのをある経営者の本で読んだことがある。
    頭のよい人間を集めたはずの研究所なのに、仕事をしない奴がいる。
    そこで仕事する人間を集めて再びグループにするが、やはり仕事をしない奴が出てくる。
    7:3の法則で分かれる、だったかな。

    • 評価
  35. 働かないアリって「サーバー」とか「データ・ベース」的な役割かもね。
    餌までの距離や移動手段、巣の維持管理に必要な個体数とその行動・動線を
    匂いとかモールスで意思疎通してる(働きアリが仕事に集中できるように)とか。
    早く言えば「現場監督」を交代でやってる的なヤツ?

    • 評価
  36. 多少記憶はあいまいだがこれは結構昔から言われてる事であって「社会性昆虫」と分類される昆虫は8割が活動し、2割は休憩を取るようなローテンションを取る習性があったとかっていう話だったとも思う。
    ミツバチなんかも外で蜜を集める外部活動に対して女王蜂やハチノコに栄養源を供給管理する内部活動をとる習性があるのだが、この記事でも書いてある通り「働きアリだけのグループを作っても」ほぼ自動的にこれらの役割行動というのがムラなく発揮されるのだそうだ。
    昆虫という知性が極めて低い分、1固体が出した分泌物などで即座の状況把握と連携が行えるのかもしれないけど(予想)、人間より効率的かつ能動的に活動してるらしく、その組織連携からなしえた繁殖、生存力から地上で最も成功した生物とさえ言われるらしい。
    今更この記事が取り上げられてった事は俺が知った時点では一説だった物が学会発表にて定説になったからとかなのだろうか。

    • 評価
  37. 優秀な種は自然と残る
    人間も同じで民族の種になる人は働いていない場合が多い

    • 評価
  38. 働かないやつの方が長生きなんだから予備役ってことでしょ
    働くやつが死んだら予備役から補充
    すべてを現隊復帰させると全滅の可能性があるからその中からまた予備役になるものが出てくる

    • 評価

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