この画像を大きなサイズで見るオーストラリアの研究チームは、極薄の素材で、赤外線を可視光に変換する「暗視フィルム」を開発することに成功したそうだ。
「ニオブ酸リチウム」という特殊な素材を利用した暗視フィルムは、ごく普通のメガネにも組み込めるほどシンプルなもの。それでいて、赤外線と可視光の両方を同時に見ることができる。
これまでの暗視ゴーグルは、重く分厚いものが多かったが、これなら、夜間の外出などでも気軽に装着することが可能だ。
ほかにも生物の撮像技術・自動運転車のナビゲーション・監視カメラなど、さまざまな分野への応用が期待されている。
かさばる暗視ゴーグルは過去のものに
私たちが普段照明を使っているように、真っ暗で何も見えない闇夜でも視界を確保できる技術は誰にとっても便利なものだ。
なのに暗視装置が、軍隊やプロの写真家など、一部の玄人だけにしか使われなかったのは、やたらと重くかさばることが大きな要因だったろう。
夜だからといって、頭に1kgもあって、無駄に目立つ異様なゴーグルをつけたいと思う人は、そう多くはない。
この画像を大きなサイズで見るオーストラリア研究会議のTMOS(変革的メタオプティカルシステムの卓越センター)の研究チームは、そうした暗視装置は過去のものになると考えている。
彼らが思い描く近未来の暗視装置は、1gもないフィルターを普通のメガネに貼り付けたものだ。
見た目は普通のメガネと変わらないのに、ライトがなくても闇夜を見通せるようになる。夜のジョギングでも車の運転でも、それがどれだけ便利なものかすぐに想像できるだろう。
この画像を大きなサイズで見るメタサーフェスによるダイレクト変換
それが可能になるのは、「ニオブ酸リチウム」という特殊な素材を用いたメタサーフェスのおかげだ。
メタサーフェスとは、光の波長よりも小さな構造が並ぶ薄い膜のような材料で、自然界ではあり得ない光学特性がある。これを利用すれば0.5mmの極小カメラだって作れる。
ニオブ酸リチウム・メタサーフェスの場合、「非線形アップコンバージョン」なるプロセスによって、赤外線を可視光線に変換してしまう。
肉眼では見えない波長の光であっても、そのエネルギーを高めて目に見えるようにするのだ。
従来の暗視装置では、同じことをいくつかのプロセスを経て行なっていた。レンズの奥に光電陰極が設置されており、これにぶつかった赤外線光子を電子に変換、この電子を増幅してから再び光子に変換し、そこから映像を描き出すといった具合だ。
そのためにさまざまなパーツや冷却装置が必要で、おかげで暗視装置は重くかさばる代物になってしまった。おまけに可視光まで遮断してしまう。
一方、ニオブ酸リチウム・メタサーフェスはずっとシンプル。たった1枚のメタサーフェスを通して、低周波の光子と励起ビームをまぜてそのエネルギーを増強し、目に見える周波数にダイレクトに変換する。
軽量なのはもちろん、常温でも普通に機能するため、一般人であっても日常的に使えるものとなる。
この画像を大きなサイズで見る不可能を可能に。軽量で見やすい暗視フィルムが未来を変える
ニオブ酸リチウムは可視光域では完全に透明であると同時に、「角度情報損失」が少ない。それは先ほど述べたプロセスを効率に行えるということだ。
ここでの角度情報損失とは、光の粒子がさまざまな角度で広がるとき、視覚情報が失われるということだ。
この損失が少ないほど、多くの赤外線をよりくっきりとした可視映像に変換でき、それだけクリアな暗視映像が得られるようになる。
これまでの非局所メタサーフェスは、この角度情報損失が大きく、赤外光を可視光へ変換するとは不可能とされてきたのだという。
だが研究チームは、このハードルを見事に克服し、それが可能であることを実証した。
研究チームのロシオ・カマチョ・モラレス氏はこう説明する。
非局所メタサーフェスを利用して、1550nmの赤外光から550nmの可視光への高分解能アップコンバージョンができることを初めて実証したものです。
1550nmは電気通信で一般的であり、550nmは人間の目にはっきりと見えるため、これらの波長は非常に重要です
いずれこの技術は暗視メガネだけでなく、生物の撮像技術・自動運転車のナビゲーション・監視カメラといった技術の新たな可能性を開くだろうと研究チームは期待している。
この研究は『Advanced Materials』(2024年5月23日付)に掲載された。
References:New all-optical approach to revolutionize nig | EurekAlert! / Ultra-thin night vision filter could make bulky goggles a thing of the past / written by hiroching / edited by / parumo
















赤外線や紫外線が見えると白一色に見える花がもっとカラフルだったりするらしいね。
虫は人に見えない波長の光が見えるから、花粉を媒介してくれる虫たちの目につきやすい模様になっている事が多いとか。
このフィルターで赤外線を可視化したら、そういうものも手軽に楽しめそう。
おもしろーい、これでアニメとかで赤外線のビームが目に見えるようになるわけやね。
あっ、見えない赤い糸も見えるように!
オレにもついてるか見えるかも……
>>2
∴
じゃあ夜道も(暗視)あんしんだね
カンガルー「なんでワイがサンプルなんや…」
>>4
豪州だとカンガルーとの自動車事故多いからね。
これを通した画像を見てないけど…
例えば夜間運転のときにかけて使うとか、ハンンターとか野外観察とか
もちろん偵察では衛星とかドローンの軽量化
早く流通しないかな
強い光を浴びたら目が焼かれそう
凄い技術なんだろうけどこのフィルムを通して強い光を見た場合どうなるんだろう
自分の持ってる安物の暗視装置は危険だから光源を見るなって書いてあるけど一定以上の明るさにならない様に変換の上限を作れるのかな
>>7
基本的には普通のメガネと変わらないよ
つまり、裸眼で見ても眩しいor目にダメージがあるような強い光を見たら裸眼と同じようなダメージを受ける
よく暗視装置で強い光を見ると大変なことになるっていうのは、こういう赤外線を可視光に変換するタイプのものではなく、夜闇の微弱な可視光を増幅するタイプのものだから(安全装置がないと)強く増幅されすぎてしまうことが問題
赤外線変換タイプの場合、光の総量自体はほぼ変わらないので、そういう問題はない
可視光は強くないが赤外線は強い場合(赤外線レーザーみたいのとか)に目がくらむって可能性はあるけど、そもそも目に見えない赤外線であっても目にダメージはあるので、むしろ強い赤外線が目に照射された時にちゃんとそれに気付いて目蓋を閉じたり目を覆うような防御行動が出来るようになるから、安全でさえある
>>21
なるほど同じ暗視装置でも仕組みが違うのか
ありがとう
>見た目は普通のメガネと変わらないのに、ライトがなくても闇夜を見通せるようになる。
>夜のジョギングでも車の運転でも、それがどれだけ便利なものかすぐに想像できるだろう。
暗視カメラの利用者の視点しか考えてない
ライトをつけない車が直進してきたら非常に危険
どう見えるのかが気になる。
効果音はプレデターのアレで
夜間の運転に使う事を考えたが、
対向車のヘッドライトで視界が死にそう
もしかしてこれって、光源や燃料いらずで半永久的な照明が作れるようになるって事?
これで暗闇でも、あんしん
赤外線の可視化だから服の下が透けて見えるんじゃないのか
デバガメの皆様、お待たせしました
この手の記事で肝心の「どのように見えるか実際の画像」を出してるのがあまりにも少ない。
読者の大半は技術者でも研究者でもない一般人なんだから夜間のジョギングが可能ってんなら実際にジョギングしてるときの動画とかなぜ出せないのか。
わずか1gのフィルムに収めるまで開発進んでるってんならまだ研究段階で実物はありませんとか言わないだろうに、
まあ河川敷とか夜明け前とか日没後チャリで走ってると
全身真っ黒で反射材もライトもなしのジョガーいるからな
こっちがライト点けてても直前まで気づけないから
こういうのが安く出回るといいね
これジーメンススターチャートの写真の明るく見える下半分がアップコンバートされているってことでいいんですかね…どうなんだろ。COMSレンズの一部だけに超ちっちゃいフィルムサンプルが被っているてことなのだろか。よくわからない。
いつかの未来にヒトがかけるグラス大のフィルムが作られるとしたらいったいおいくらになるのであろうか(職質で侵入準備と判断されてとりあげられたりして??)
これはサバゲーで使えそうだ。
軍用の暗視ゴーグルはデザインがかっこいいので、無くなるとしたらちょっと残念