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突然変異したクローンザリガニが墓地を完全占拠(ベルギー)

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クローンザリガニが墓地を占拠/iStock
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 ベルギー、アントワープの一角に広がる、第二次世界大戦の兵士が眠る由緒正しき墓地は今、深刻な脅威にさらされている

 水族館から脱出したザリガニの変異体が、自己クローニングで増殖した結果大群となり、墓地は占拠されてしまったのだという。

個体すべてがクローンという謎のザリガニ軍団

 そのザリガニはアメリカザリガニ属スロウザリガニの変異体で、「ミステリークレイフィッシュ(marbled crayfish)」と呼ばれている。

 このザリガニが”ミステリー”と名付けられた所以は、オスと交尾することなく、メスだけで繁殖できることにある。

 単為生殖をする能力があり、自らのクローンを作って増殖するのだ。ゆえにミステリークレイフィッシュの個体はどれも遺伝子が同じで、メスしか存在しない。

 それゆえに爆発的に繁殖する。くわえて食欲旺盛な雑食性で、夜になれば水の中も陸の上も移動しながら手当たり次第に食べまくる。

 ザリガニに罪はないのだが、こうした特徴が相まって、ミステリークレイフィッシュは生態系に悪影響を与えるとして、ヨーロッパや日本を含む各地域で規制されている。

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由緒正しき墓地を占拠

 ミステリークレイフィッシュの取引が最初に確認されたのは1995年のドイツにおいてである。フランクフルトで開催されていた博覧会で、「テキサスザリガニ」という名称で出品されていた。

 その後、瞬く間に数を増やしたことで、生態系への悪影響が懸念されることになり、EUでは2014年にミステリークレイフィッシュの所有と自然環境への放出が禁止された。

 それでも、ザリガニを飼育しきれなくなった所有者が放してしまったり、勝手に逃げ出したりするようなことはあったようで、アントワープの墓地の敷地内を流れる小川や池に住み着いてしまった。

 そこはベルギーの「ペール・ラシェーズ」(エディット・ピアフ、ショパン、マリア・カラスなど、数多くの著名人が埋葬されているフランスの有名墓地)と呼ばれる由緒ある墓地で、第二次世界大戦で戦死した連合国の兵士1577名が眠っている。

 特にベルギーではザリガニを毒で殺すことが禁止されているため、駆除もままならないらしく、「海から水を汲み上げて空にするようなもの」と関係者は頭を悩ませているようだ。

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ザリガニの適応能力を利用した研究も

 だが、こうしたザリガニの驚異的な適応能力を私たち人間の役に立てることもできるかもしれない。

 じつはがんの腫瘍も驚異的な適応力の高さで知られている。そのために強力な抗がん剤が投与されても、しばらくすると耐性を獲得してしまうのだ。

 ザリガニもがんも、エピジェネティック(後成的)なメカニズムで遺伝子のスイッチを切り替えることでさまざまな環境に適応している。

 したがってミステリークレイフィッシュを研究すれば、がんの適応力の秘密を解明するヒントがつかめるかもしれないのだそうだ。

References:nzherald / globalnews/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 46件

コメントを書く

  1. そうだ!墓地の隣にザリガニレストラン作ろう!

    • +10
  2. ドイツ人ならすぐにザリガニなんて食い尽くしそうだが

    • -1
  3. 先日カニ押しの記事を見たばかりだがエビであるザリガニもなかなかやるじゃない

    • +2
  4. ザリガニは好きだが天然物は好きじゃないぜ

    • 評価
  5. 雑食性だからへんなもん食べてるかもしれないから食べられないのかな?

    • +1
    1. >>9
      墓地っていうのが生理的にNGのような

      • 評価
  6. でもミスクレって飼育すると結構弱いんだよねコレ
    特に換水に弱いんだけどザリは水を汚すからどうしても全換水したくなる

    • +4
    1. ※10
      単為生殖を得る代わりに染色体不良で免疫能力が低下してるんかね?
      流水式にして一定の水質を保てば長期も可能なのかな

      • +1
  7. この墓地に中国人を派遣すればザリガニはいなくなる。

    • +5
  8. このザリガニ?だけなんか凄いよね
    世界中で増えてるそうだし

    • +2
  9. それなんてB級映画?と思ったが、洒落にならないなこれ
    駆除に毒はダメと言っても、遺伝子変異で変な耐性付けそうだし
    クローンなら特定の遺伝子のみ駆除するFOX DIEみたいなの作ればあるいは?

    • +4
  10. ザリガニ食文化の定着で対処できるな
    もちろんどこぞの国みたいに養殖しないと絶滅するレベルに食い尽くす前提になってしまうが

    • 評価
  11. 子供にザリガニ釣りを教えて買い取る。
    2匹でキャンデーバーが買えるくらいの値段設定ならいけると思う。
    ただし増やして売るやつが出ないよう今から3ヶ月とか(続くなら夏の間とか)決めればいい。

    • +4
  12. 単為生殖で増えまくるって完全生命体感あって強そう

    • +1
    1. ※19
      クローンで増え続けるって伝染病に罹ったら一瞬で全滅するんじゃない?
      完全生命体とは程遠い・・・

      • +6
  13. 飼いたかったが外来生物法の指定を受けてしまった

    • +1
  14. たしか突然変異でそうなったんだっけ。単為生殖。
    進化ってものを目の当たりにできたってやつだね。
    ウチダザリガニはすごく美味しいって加藤先生がやってたけど、
    この子らはどうなのかな。
    美味しかったら、チーズやトマトでも乗っけて、
    こじゃれたレストランででも出せば、人気が出てあっという間に駆除できそうだけどなー。

    • +1
  15. オガサワラヤモリも八割メスで単性生殖だけど…

    • +1
  16. リンクからwikiに行ったら、「3倍体、つまり3組の染色体をもつ生物であることが確認されている」なんてSFチックな、なんかよくわからないけどすごそうなことが書いてあったので、きっと賢いお友達がわかりやすく解説してくれるに違いない。チラッ、チラッ!

    • 評価
  17. この墓地に日本人を派遣すればザリガニはいなくなる。

    • +1
  18. 日本でも雑貨屋さんや花屋さんとかの店頭で売られてた瓶詰めになったちっさい青いザリガニのこと?

    • 評価
  19. サイパンでヤシガニを食べた。
    体長18cmくらいで1500円もした。
    加熱したものでココナツの味も少ししておいしかったが、
    身は合計スプーン一杯ほどだった。
    (ミソなどが食べれないニンゲンなため)

    • 評価
  20. 鯉を放流すればすぐにいなくなるだろ。
    別の問題が発生しそうだがw

    • 評価
  21. マダガスカルで見つかったって報告受けて現地入りしたら、市場で揚げて塩振ってみんなもりもり食べてたって言うよね

    • +1
  22. ヨーロッパの人は普通にザリガニ食べるから大丈夫じゃない?と思ったが繁殖方法が特殊だし何か食べたくないよな

    • +2
  23. つまり発情期みたいなものは存在しないって事?

    • 評価
    1. >>37
      交尾すら必要なくて、ある程度体が大きくなったら一匹で卵を産んで、その卵が孵って子供が増えていくからな~。
      実際には身体がアメザリの半分位しかなくて、ハサミも小さめで気が弱いのでアメザリいる場所では話にならないと思う。

      • +2
  24. ロブスター種と遺伝子を掛け合わせて大量養殖だ!!

    • 評価
  25. オスカーの餌にしたかったのにもう飼えない…

    • 評価
  26. 単為生殖ってパートナーを見つけられないとか過酷を極めた環境下で起こるものだと思ったけど、こんなカジュアルに起こるものなの?

    • 評価
    1. >>44
      というかこの種にそもそもオスが居ない。
      最初は水槽の中で見つかった変異種だけど、ザリガニは一度の交尾で最長半年以上有精卵が産めるので、発見当初「こいつ交尾なしでも勝手に増えるぞ!?」と言う声がかなり長い間ホラふき扱いされてたり。

      • +2
  27. 人間も、やがてオスが淘汰されてメスが単為生殖するようになるかもじゃん?
    …そしたら、種の存続を懸けて戦うのかなー?
    なぜ分化したのか研究しとかないと。

    • 評価

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