メインコンテンツにスキップ

人間の卵子にも好みがある。好きな精子を選別しており、それは本体の好みとは無関係(スウェーデン・イギリス研究)

記事の本文にスキップ

35件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
卵子にだって好みがある / Pixabay
Advertisement

 人間には好みのタイプというものがある。それは容姿や能力だけでなく多種多様な要因があり、周りから見ると意外なカップリングも存在する。

 更に女性の場合、ミクロレベルでも好みのタイプが存在するようだ。

 『Proceedings of the Royal Society B』(6月10日付)に掲載された最新の研究によると、人間の卵子には好みの精子し、その精子とのドッキングを望んでいるそうだ。そしてそれは女性自身の好みとは違っているというのだから興味深い。

卵子は特定の精子を強く引き寄せる

 卵子をおおう「卵胞液」には、未受精卵に精子を引き寄せる「化学誘引物質」が含まれている。精子はその化学誘引物質に誘われて、泳ぐ方向を変え、卵子を目指す。

 受精というプロセスにおいて化学誘引物質が大きな役割をはたしていることはこれまでも知られていたが、卵子がそれを利用して精子の選り好みをしているというのは意外な事実であるそうだ。

この画像を大きなサイズで見る
iStock

 ストックホルム大学(スウェーデン)とマンチェスター大学(イギリス)の研究チームが行なったのは、不妊治療中の夫婦から精子と卵胞液を採取し、その精子を異なる女性の卵胞液にさらすという実験だ。

 このとき、一方の卵胞液は男性の配偶者から採取されたものだったが、もう一方はまったく関係のない女性からのものだった。

 そして卵胞液に引き寄せられた精子の数を数えてみると、旦那さんを落胆させるような衝撃の事実が明らかとなった。

 「人間の卵子には特に強く引き寄せる精子があります。2人の男性の精子で比較してみると、卵子は好みの男性の精子を18~40%多く引き寄せます」と、ジョン・フィッツパトリック氏は説明する。

 卵子にとって精子が誰のものであるかは重大事項であるらしいが、女性の卵子は必ずしもその夫の精子を引き寄せるわけではないようなのだ。

 夫の精子を引き寄せるのと同じくらい、赤の他人の男性の精子をも引き寄せていたからだ。旦那さんにとっては(奥さんにとっても別の意味で)ショッキングな事実である。

女性自身の好みとはまた違う不思議

 今回の発見を見る限り、どうも化学誘引物質のおかげで、卵子は女性の好みとはまた別の独自の好みを持つことができているようだ。

 だが、男女がそれなりに相手を選んでようやく結婚することを考えれば、少々不思議なことかもしれない。

 「人間も他の多くの動物も、かなり時間とエネルギーをかけてパートナーを選んでいますので、卵子が相変わらず選り好みをしている理由はよく分かりません」と、フィッツパトリック氏は話す。

 その一方で、精子はそれほど選り好みをしないだろうとフィッツパトリック氏は考えている。その理由は、精子と男性にとって、受精した後のコストが女性に比べるとそれほど高くないからだ。

 女性の生殖器に進入した精子は、首尾よく受精を果たすか、さもなければ死ぬしかない。そうである以上、その時点で精子が選り好みをしてもあまり意味はない。

 ところが卵子と女性の場合、妊娠してからが大変だ。こうしたコストがあるゆえに、卵子としては受精する精子を選り好みした方がいいのかもしれない。

この画像を大きなサイズで見る
Pixabay

不妊は卵子の好みの不一致によるものではない

 なお、卵子に好みの精子のタイプがあるとはいえ、今回の研究は、不妊がそうした好みの不一致によるものであると述べているわけではない。

 実験ではその点も検証されたが、それを示唆する科学的証拠は一切見つからなったそうだ。

 だが、これまであまり研究されることのなかった化学物質が、全体の3分の1を占める原因不明の不妊の謎を解き明かす手がかりになる可能性はあるとフィッツパトリック氏は考えている。

 それは新しい不妊治療にもつながることだろう。

Chemical signals from eggs facilitate cryptic female choice in humans | Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rspb.2020.0805

References:iflscience / phys/ written by hiroching / edited by parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 35件

コメントを書く

  1. じゃあ倫理的な問題はおいといたとして
    短期間に複数の段数の男性とまぐわえば一番相性のいいの相手との子が生まれるのか

    動物としてはそれがあってるかもね

    • +28
    1. ※1
      狩猟採取民は男女別々に住んでいて、決められた日に男が集団で通って乱行する、という部族が多いのはそういうことなのかもね。
      縄文期は日本もそうだったと考えられてる様だし、奈良時代までは男女別居だったと文献にも残ってる。江戸時代までは祭りの乱行とかも普通だった様だし。

      • +7
    2. 米1
      チンパンジー型だね、複数による肉欲の宴によって強い精.子が生き残る
      人間もこの先男が絶滅するっていうし人間という種を残すなら移行するんやろか?
      遺伝子操作で解決するんかね?

      • 評価
  2. つまり押しかけ旦那ではなくミクロレベルの逆ハーであったか……

    • +9
  3. この世の全員、皆、選ばれし者なんだね。

    • +38
    1. >>5
      実験🧪🧫した数もまだ少なそうだしね

      • +5
  4. 同一の女性の卵子だとしても卵包液の組成(卵子の好み)が違ったりするのかな。
    そうならそれは卵子の個性、意志なんでしょうね。
    いきものって不思議ーーー

    • +21
  5. 研究者の所見だけで、実験の結果が一切書かれてないんじゃが。

    • +6
  6. あまり言いたくないけれど、この研究の母集団が『不妊治療中の人の』卵胞液に限られているのは気になる。

    『より好み現象のせいで不妊になっているという可能性も排除できない』、ということだと思うんだ。

    不妊治療を必要としていない人の卵胞液と比較する必要があると思うのだけど、倫理的には難しいんだろうか…

    • -10
  7. けど引き寄せられた所で壁を突破出来ないと結局外で死んじゃうんでしょ?
    どの道強い奴が生き延びる事には変わりない様な

    • -1
    1. >>10
      強さで篩にかけらるとしても、ただ強いだけの適当な奴よりはちょっとでも好みに近い方がよくないか?

      • +4
    2. ※10
      子宮内膜「受精ご苦労さま。ではさようなら」

      • 評価
  8. 親と子は別個体なんだから必要素材が違うのは不思議じゃないな
    母体と子の体質が違うのに免疫や代謝機能を共有せざるを得ないせいで
    妊娠中毒症とかも起こるし
    男性も結婚に向く相手と後腐れなく付き合いたい相手は一致しないことも多いだろう
    子供を育てながら生き延びるのによいパートナーの素材と
    次世代がより多くの免疫を持ち得るがエラーが出ない素材が
    運よく一致する幸運に出会える人は少ないんじゃないかな

    • +10
  9. 生める性と
    生めない性の違いかな
    生めない側は数打ちゃ当たるのバラ撒き方式で
    生める側は時間がかかるし体に負担もかかるから
    自分の遺伝子と相性の良い遺伝子🧬を選別して合成
    次世代の個体の生き残りがかかってるし

    • +10
  10. 本体がやろうと思わないと卵子にまで到達しないのに、卵子に好みがあっても意味ないじゃん

    • -7
    1. >>14
      お若い方には解らぬであろうが、ある年齢に達するとな、本体はその気でも、愚息が言うことを聞かぬ場合がな……

      • -2
  11. 女性の意志(合意するか否か)が尊重されだしたのなんて人類の歴史から考えると最近のことだろうし
    複数の男性の種からより良いものを選別する役割が備わっているのは納得かも

    • +12
  12. 二重パスワードみたいやな
    脳:この種でヨシ!
    卵:この種でヨシ!

    言ってみれば種籾を塩水で選別するかどうかだったり
    センター試験で競争相手たくさんいる中で偏差値75とかとるようなもんなんだな
    乱交推奨で地域ぐるみで丸ごと育てるような原始スタイルが
    肉体的に健康な子孫を得て繁栄するための最適解だなんて
    まぁ弱肉強食の自然界見てれば当たり前っちゃ当たり前なんだけど

    • +24
      1. >>25
        ありがとう
        もうちょっとだけ頑張ってみるわ

        • +11
  13. この世に生まれてくる時、母体を選ぶからね
    好き嫌いでなく必要性だから仕方ない
    どういう必要性なのかはそれぞれだし、必ずしもそれを知る必要はないけど、偶然でないことは知っておいた方がいい

    • -7
  14. 魚が陸に上がって哺乳類になった

    水中に居る時とそうでないときでは
    細胞の働き方を反対に変えることが必要だ

    そういった違いは陸や水中他にもある

    そういった違いによるものだろう

    • 評価
  15. 「浮気/不倫相手との子どもは妊娠しやすい」ってのは俗説じゃなくてモノホンなのかもしれないな
    倫理的な面ではお察しください、だけども

    • -1
    1. ※32
      数撃ちゃ当たるってだけだと思うよ
      不倫するような人が一人の愛人だけで満足し続けるわけないでしょ?
      嫁一人で満足できないような人なんだからw

      • +4
  16. これ前から言われてたよね
    人工授精何回やっても失敗するカップルとかいるんだよ

    • +6
  17. ムツゴロウの番組で二匹の犬が出したのを混ぜるという実験をやっていたが見事に全滅していた。他の個体が出したやつと接触すると酵素で相手を道連れにしてしまうとか。この結論が正しければ短期間に複数人とした場合最初に致した人のが受精する確率が高いことになる。

    • +2
  18. 大昔は一晩で大勢の男たちと交わってたからでしょ
    いまみたいにコストのかかる面倒くさい恋愛を経ることなんて不要だったんよ

    • -6
  19. 確かに
    女性は複数の男性から優秀で遺伝的にも相性いいものを本能で自然に選別してるとしたら
    今の一夫一婦制なんて馬鹿らしすぎる
    多夫一婦、多夫多妻にすべき

    • +2
  20. 好みなのか、いきがいいからなのかわからんな

    • +2
  21. 言い方が少々よろしくなくなるが、
    卵子がえり好みする、とはあるが一人の女性がもつ卵子全てが同じ好みとも限らないからどうなんだろうなこれ
    ついでにこの手の科学者って倫理観無視した結果出すことにある種のカタルシス感じてる輩が多いからどうなんだかな。既に言われてる通り実験結果とするにはデータがあまりに不足してるし

    • +2
    1. >>42
      卵子にも個性があるなら生物多様性にも寄与するとも考えられるが、同じ個体のものは抗体できるとか可能なら幅広く遠い遺伝子と混ざれってのが生物の本懐なのかも

      • +2
  22. 何億分の一の確率で愛されたのが俺だと思うと、自分のため他人のためにまっとうに生きようという気持ちが湧く

    • +3

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

サイエンス&テクノロジー

サイエンス&テクノロジーについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。