この画像を大きなサイズで見る1110年5月、中世のヨーロッパで月が完全に消えてしまうほど異常に暗い皆既月食が観測された。
ノルマン・コンクエスト後のイングランド史を記した『ピーターバラ年代記』にはこのような記述がある。
5月の5番目の晩、夜の月は明るく輝いていたが、それから少しずつ陰り始め、夜が訪れるとまもなく完全に消えてしまった。それどころか光も輪郭も、見えるはずのものが一切消えてしまった
その原因はこれまで謎であったが、ジュネーヴ大学(スイス)の古気候学者チームによると、日本の火山噴火によって噴き上げられた硫黄エアロゾルによるものである可能性があるという。
ヨーロッパで観測された暗黒月食の謎
1000年ほど前、地球でこのようなことがあった。硫黄を大量に含む粒子の雲が成層圏に流れ込み、数ヶ月から数年に渡って空を黒く染め上げ、やがて地面に降り積もった。
その証拠とされるのが、氷河や氷床の奥深くから採取されたアイスコアから発見された、過去1000年の間に形成されたものとしては最大の硫黄層だ。
この画像を大きなサイズで見る歴史的な出来事から硫黄堆積層の時期を探る
これまで、この層を作り出した原因として有力視されていたのが、アイスランドでもっとも活動的で、”地獄の門”と呼ばれるヘクラ山だ。
この画像を大きなサイズで見る従来のアイスコアの分析では、ヘクラ山は1104年に大規模な噴火を起こしたと考えられており、このとき噴出した硫黄エアロゾルが問題の層を作り出したというのが、長く支持されてきた説だった。
ところが、2015年に発表された研究で、アイスコア分析の基礎となっている「グリーンランド・アイスコア・クロノロジー2005」という年代区分には、最初の千年紀で最大7年、その次の千年紀では最大4年のズレがあることが明らかになったのだ。
となると、ヘクラ山の噴火と暗黒の皆既月食とを結びつけるのは、時間的に無理ということになる。
その研究ではまた、硫黄エアロゾルの堆積が始まったのは1108年か1109年で、1113年まで続いただろうことまで特定している。
そこで、ジュネーヴ大学の古気候学者チームは、何が原因で硫黄堆積層が形成されたのか調べるために、その時期の歴史的な文献を丹念に調査し、大きな噴火に伴って起きた月食らしき記録がないかどうかを探した。
高緯度で起きた噴火でエアロゾルが噴出し、それが大気光学現象を引き起こしたなら、きっと当時の歴史家たちの注意を引いただろうからだ。
そして突き止められたのが、先ほどの暗黒の皆既日食というわけだ。天文学においては有名な歴史的事件だが、その原因が火山によって成層圏に噴き上げられたエアロゾルであるという見解は新しいものだ。
この画像を大きなサイズで見る暗黒の皆既月食は日本の浅間山が原因である可能性
研究チームによると、暗黒の月食以外には、太陽の陰り、赤い薄明大気光や日暈といった火山性ダストが関連する現象の記録は見つからなかったとのこと。
だが、仮に火山の硫黄エアロゾル説が正しいのだとすれば、それを噴き上げた火山はどれなのだろうか?
確かなことは分からないが、研究チームは日本の浅間山が怪しいと睨んでいる。1108年に数ヶ月におよぶ大噴火が生じているのだ。
この画像を大きなサイズで見る『中右記』には、浅間山が「7月21日になって突然、大噴火を起こした。噴煙は空高く舞い上がり、噴出物は上野の国一帯に及び、田畑がことごとく埋まってしまった」と記されている。
また木の年輪の調査からは、1109年が異常なほど寒い年で、当時の北半球は平均気温が1度低かったことも判明しているという。
さらにさまざまな歴史的文献に、1109年から始まった異常気象のおかげで、それから数年にわたり西ヨーロッパは不作と飢饉に苦しんだという記述があるそうだ。
これらは暗黒の皆既月食の引き金となった原因の決定的な証拠にはならない。だが、総合して考えると、その時期に起きた噴火によって人間社会が大いに動揺したらしいことがうかがえると、研究チームは述べている。
この研究は『Scientific Reports』(4月21日付)に掲載された。
Climatic and societal impacts of a “forgotten” cluster of volcanic eruptions in 1108-1110 CE | Scientific Reports
https://www.nature.com/articles/s41598-020-63339-3
written by hiroching / edited by parumo
追記:2020年5月の記事を再送してお届けします。
















現代でさえ気温が1~2度変わっただけで作物の出来が格段に変わったり、栽培できなくなるるんだから、当時の技術水準ならもっとだろうね。
ホント、記録って大事だわ
>>2
大事だよな
なんか申し訳なくなるな…
日本のせいですみませんでした
>>3
いやいやいやいや日本のせいではないやろ何言っとるんや。地球の活動やぞ。
>>3
日本が火山噴火を制御できてるのならわからなくもないが。
正直、この感想は意味不明だな。
>>3
大丈夫。
>>3の感性は、外交ではしばしばトラブルの種になるかもしれないけど、日本の社会ではきっと役に立つと思うよ。
なんだかすみませんでした→いえいえこちらこそなんだか→ええでも本当になんだか大変なことになって→ええ本当になんだかどうしたものか
こういうので協力関係を築く場面が結構ある気がする。
お互いにどちらの手にも負えない場合は、二人揃ってとりあえず首相か知事のせいにするんだ。
とりあえず局所的な平和は築くことができる。平和なら見える解決策もあると思うよ
>>3
なにいってんだ?
>>3
島原大変に対しての肥後迷惑とかもあるし
なんでこういうの叩く奴居るんだろ。本気で3が火山に日本人の責任が有ると思って言っている思う様な奴らが今のネットは増えてカラパイアまで変になってる
>>25
いやいや、自分達に咎や責任があるってことを認めてることになるんだから、注意してるんだよ
お前さんは自分の街で起きた災害や事件事故とかに対していちいち謝ってんの?違うよな?
※3も、火山噴火は人災ではないんだから、こういう場で謝るなんてするなよ。
なんかの本を読んでそうなったなら気をつけた方がいい
とんでもない厄介事に巻き込まれるぞ
身代わり地蔵にでもなりたいなら別だが
1100年代前半の日本ってあんまり面白い歴史が無いなあと思ってたんだけど
こんな凄い事があったんだな。
世界の歴史に繋がると思うと凄いロマンを感じる
なんか、バタフライエフェクトって感じ!
>>6
それモスラやわ!
>>21
バタフライナイフが流行る
↓
非行少年と見られる子供が増える
↓
(適当につくってくれ)
>>32
国力が低下する
中右記の書き方だと上野の国は大損害だけど京都はそうでもなさそうだし
ヨーロッパにまで影響が広がったってほんまかいなという気持ち。
中国あたりの記録はないのかな。
とりあえずマメな人にはほんと感謝w
※7
江戸時代の天明の大噴火からの大飢饉の時も、ヨーロッパが天候悪くなって不作になってフランス革命の遠因になったとか言われてるから、そこそこ影響あるんじゃないのかな?
(ちなみに天明の大噴火も同じ浅間山。浅間山 鎌原村でググってみて…)
※19
当時のヨーロッパを始めとした世界規模の異常気象の原因として、昔は浅間山の天明の噴火と言われてたけど、近年の研究では同時期に起きていたアイスランドのラキ火山の噴火の影響の方が遥かに大きいという説が有力になっている。
噴出量で比べると当時のラキ火山の噴火は天明の噴火の20~30倍にもなる。またそれに合わせて二酸化硫黄をはじめとする大量の火山ガスが放出され、これが大気中でエアロゾルとなって長く留まったのが異常気象の主な原因と言われる。
天明の噴火も人間目線では大噴火だから、周辺に大量の火山灰が降り積もったりして日本国内の天明の飢饉には大きな影響を与えただろうけど。
※7
ジェット気流は西から東へと吹いているので
長野県の浅間山が大噴火して西にある京都にそれなりの影響を与える場合
火山灰は地球をぐるっと一周して来ないといけない
当然その間にある北米・ユーラシア大陸への被害は甚大になる
1110年の皆既日食が異常だった
その時代の記録を探した結果、浅間山が噴火してたから原因かもしれないって事でしょ?
たまたま浅間山だけ記録があるだけであって
当時はヒトが少なくて記録がない地域の噴火かもしれない
シベリアの奥地とか中央アジアの山岳地帯とか
※9
文字による記録を残さない文化の民族もいるし、記録が後の世に失われて現在に至ってるかもしれないからねぇ
浅間山は、フランス革命以外にも前科があったのか…
>>9
そういえば三国志の黄巾の乱の原因になった大凶作は、その3年前にニュージーランドで起きた大噴火が原因だったと聞いたことがある(その名残がニュージーランド最大の湖のタウポ湖)
>>36
多分、噴煙は赤道を越えられん気がする。でも高さ50kmかぁどうなんだろ?
※9
同じくらいの緯度の千島列島とかありそうじゃない?
アイヌなかたがたが住んでたかもしれませんが、人口密度低そうだし
これぞホントの日本スゴイコンテンツ
高緯度の活火山帯となるとカムチャツカ-アリューシャン-アラスカがあるけど、文字記録はさすがにないしなぁ。
噴煙は気流に乗って東に東に行くし緯度も変わらないとしたら日本の火山の影響かもね
江戸時代の富士山の噴火の痕跡はヨーロッパに残ってないのかな?
>>14
桜島の大正噴火で世界で何か起きたとかもないから
富士山とか1100年頃の浅間山噴火とかも関係ないんじゃね?
一応、この三つだと桜島が一番噴出物多いみたいだけど。
>>15
食糧難が戦争の一因ってのは
まあある話だし
引き金は別に有っても
同時期だしもしかしたら…?
不謹慎かもしれないけど、完全消失する真っ黒な月食をちょっと見てみたい気もするな。近所の火山が噴火しても諦めずに絶対に生き延びたい
1108年の浅間山の噴火(天仁の噴火)は有史以降の浅間山の噴火としては最大のものと言われている。
だけど地球レベルで気候に目に見えて影響を与えるほどの噴火だったかと言うと難しいと思う。
天仁の噴火の総噴出量は溶岩換算で0.95km3(DRE)だが、地球の気候に明確に影響を与えるにはだいた5km3(DRE)くらい必要。
1991年のピナツボ火山の噴火がそのくらい。
(参考までに日本の歴史上の有名な噴火の総噴出量。浅間山=1783年の天明の噴火0.57km3(DRE)。 桜島=1914年の大正の噴火1.5km3(DRE)、1779年の安永の噴火2km3(DRE)。 富士山=1707年の宝永の噴火0.7km3(DRE)、864年の貞観の噴火1.4km3(DRE)。)
多分ほぼ同時期に他の火山でピナツボクラスの噴火が起きてたんじゃないかな?他の人も指摘しているが、北半球の高緯度地域に大きな影響を与えているなら、活発な火山が数多くあるカムチャツカやアラスカが一番怪しい。
まあ、あくまで「(浅間山の噴火が)怪しいと睨んでいる」であって結論が出た訳じゃないから
そういや聖書の出エジプト記にある十の災厄は
近郊の火山の噴火起因だという説があったな
ブヨやカエルの大発生は短期に影響を受ける生物だから
黒い浮遊物は粉塵、闇も同様…って塩梅でなかなか面白い説だった
浅間山がブラックサンをヨーロッパに派遣したという可能性も出たというわけか
>>28
待て、信彦!
シーチキン目線
今この世の中で同じようなことになったらどんな世界になっちゃうんだろうね…
生き残れる気はしてない
ヨーロッパに影響するぐらいなら浅間山周辺はポンペイのように埋まってそうだけどな
>>31
ベスヴィオ火山の噴火の威力は実はそこまでないという。
だがちょっと待って欲しい
皆既月食の際に雲がかかっただけなのでは?
なにしろ1110年5月13日に日本では彗星観測の記録があるらしい。
つか、記録者が月蝕知らなかっただけというオチでは?
造山活動は複数箇所一緒に活性化する傾向あるから、浅間山だけじゃなく朝鮮とか中国東北部あたりでも一緒に噴火したんじゃない?
>夜の月は明るく輝いていたが
この時点で噴火の影響関係なくね?
熊野カルデラは本当にすごかったらしい。
世界の気温を変えた大規模カルデラ。
しかし年代はかなり古い。
でもあまりに巨大なため、火山のない熊野を含む紀伊山地ではカルデラのお陰で未だ温泉が湧き出ている。