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ソーシャル ディスタンスのジレンマ。人は危機を感じるほど人と接触したくなる(ドイツ研究)

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(著) (編集)

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不安が募ると人恋しい / Pixaboy
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 新型コロナのパンデミックは、人類が第二次世界大戦以降に直面したものとしては、おそらく最大級の危機だろう。

 今、世界中を脅かしているこの未知のウイルスに関して、我々はまだ知らないことが多い。なので状況は常に変化し、前に発表された研究結果が後に覆されることがあたりまえのように起きている。

 現時点で我々にできることといえば、外出を控えること、公共の場所では他人との接触を極力避け、社会的距離を保つこと――いわゆるソーシャル ディスタンスくらいだ。

 しかし、この戦略にはジレンマがあるという。ミュンヘン大学(ドイツ)をはじめとする研究者によると、他人との接触を控えろと要請されればされるほど、私たちはより人と交流することになるのだという。人は危機に陥ると人恋しくなる生き物なのだ。

 そして、これこそが感染症対策の成功を阻む最大の障害であると彼らは主張している。

ソーシャル ディスタンスのジレンマ。人は危機に陥ると人恋しくなる

 研究者が指摘するのは、人間には危機に直面したとき本能的に身を寄せ合う習性があるということだ。つまり、身の危険を感じているときほど、人恋しくなるのだ。

 神経科学、心理学、進化生物学といった分野では、私たちが一部で考えられているほどには自分勝手なエゴイストではないことが明らかにされている。実際に、危機に陥ると人々は協力的になり、普段よりも献身的になることを示した科学的証拠はますます増えている。

 だが困ったことに、不安を感じた人は、安心するために誰かと一緒にいたくなるという習性がある。こうした衝動が感染リスクを高めると研究者は論じている。

 これがジレンマなのだ。政府は今、できるだけ外出を控え、もし外出するとしても他人とできるだけ距離を取るよう指示している。

 しかし、これは人間の本能に反する。そのため、大抵の人にとって、これを完璧に実践することは相当に難しい。

この論考は『Current Biology』(3月18日付)に掲載されている。

Pandemics and the great evolutionary
https://www.cell.com/pb-assets/products/coronavirus/CURBIO_16385.pdf

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ソーシャル ディスタンスの難しさ / Pixaboy

ネットの価値の見直し

 では、どうすればこのジレンマを回避できるだろうか? その鍵を握るのがネットだ。私たちは、この技術に対する見方を変えなければならないという。

 新型コロナが大流行する以前、インターネットやSNSはどちらかというと反社会的な面ばかりがクローズアップされる嫌いがあった。

 本来望ましい人付き合いとは、顔と顔を合わせて交わされる直接的なものであって、画面や文字を通じたコミュニケーションなど不健康でけしからんという考えだ。

 だが、今のような状況であれば、インターネットやSNSを介した人付き合いの価値を見直さねばならない。

 SNSを利用すれば、家族や友人、近所の人など、大勢の人たちと直接会うことなく交流することができる。他人との接触を避けることが求められている現状では、それが危機における人恋しさに対応する手立てとなる。

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/ Pixaboy

人間の本能を念頭においた外出自粛要請の重要性を

 実際のところ、ネットが私たちの人恋しさをどの程度解消してくれるのかは、まだはっきりとしない。

 それでも研究チームは2点ほど、政府が知っておくべき重要な意見を述べている。

 まず1つは、できるだけ外出を自粛し、他人との接触を避けよという要請は、そもそも人間が進化を通じて獲得した本能に反するということだ。

 そしてもう1つは、無料で利用できるインターネットは、表現の自由にとって大切なだけでなく、今や人々の健康維持にも役立つということだ。

 とりわけ、社会的弱者ほど、人付き合いがなくなりがちであることを考えれば、これらは重要なメッセージであると研究チームは述べている。

References:sciencedaily / futurism/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 27件

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  1. 一人暮らし在宅勤務の引きこもりが長いと
    全く接触したいとか思わなくなるぞ
    人にろるのではないだろうか

    • +17
    1. ※2
      在宅ワークになったのは4月の2週目からだけど、いま「会社に行くのって、ストレスだったんだなー」って実感してるとこ。
      できればこのまま、在宅がいい…。

      • +5
  2. スマホが普及して誰もがネットを使えるようになったけど
    余裕で孤独を埋められるほどネットに深く繋がる感覚っていうのはそれほど普及してないのか
    ネットで知り合った仲間と飲みながら雑談とか一昔前なら誰でもやってたし

    • +3
  3. もしかして逆に出会いのチャンスなのかい?

    • +2
  4. 要するにウイルスの基本的戦略はそこだよね。危機になると積極的に繁殖して次世代を残そうとする真核生物の性を逆手にとって、それに対抗する手段はこれまで無かった。
    今の人類はネットという代替(とは言え仮想)手段を持つに至ったから、いっとき我慢することができる。
    そして、次なるウイルスの戦略は、ネットへの進出ってことだろうな。

    • +6
  5. 研究結果自体にあんまり意外性はないな。
    他人や動物と接触する事でストレスが低下し免疫がアップするって大分前から言われてるし、無意識にそれを求めるのは当然だと思う。

    ところで個人的に欧米の感染がここまで拡大したのはアジアよりキス・ハグの文化が染み付いてるからじゃないかと思ってる。
    もちろんキスばっかりしてるから移ったとは言わないけど、無意識によるボディタッチや接触が多いからじゃないかなと。

    • +1
  6. 昨日不要不急の仕事の用で久しぶりに3時間だけ外出したのですが、噂の「わざとぶつかり男」2名、ナンパ1回、痴漢1回に遭いました。
    普段でもそこそこ嫌な思いしますが、昨日はメンタルがやられました。
    今、人のいない街中で突然早歩きで近づいて来たり、人のいない街中で女を物色してたり、人のいない電車でわざわざ背後を通りざまにお尻を揉んでくる男性達がもう人間に思えませんでした。
    化物がいるような、異様な光景でした。
    人恋しさが犯罪に繋がる時期がもう間近にきているので、こういった研究が進んでくれるとありがたいです。

    • +3
    1. ※9
      三時間でその「成果」はスゴいっすね。どんな魔界都市かと思うくらい。
      現行犯で逮捕が適当なのだろうけど、難しいですね。
      というか、情けなさとともに治安の悪化が心配ですわ、日本大丈夫か?ってくらい。

      私も ※6 同様であまり意外性を感じませんでした。東北の地震の後、婚姻が増えたと聞いたのも納得で、弱い生物は群れを作ることでより個体の安全性を高めることを期待するなら、人間もやっぱり弱い生物なのだよなぁとね。

      • +2
    2. ※9
      平日は仕事に行かねばなりませんが、通勤途中に何故か近くに座ってわざとらしい咳をする人、すれ違いざまに咳やクシャミをする人、100%中高年の男性です。
      嫌がらせなのか…承認要求があるのか…
      弱い生物だと思います。

      • +5
    3. ※9
      人恋しさのせいで犯罪が増えるってのはあるかもだがこの研究の主張ではないな。この研究ではむしろ人は脅威に直面したとき道徳的にアウトなことをすることは稀でむしろ利他的になり他人と協力するようになると言う事実。ただその過程で人との接触を増やしてしまうのがパンデミックという状況においてはジレンマになってしまうということを示してる。

      • 評価
  7. 近所に比較的大きめなゲームセンターがあるけど、最近はやたら中学生男子の群れが増えた気がする。春休みってこともあると思うけど、遊んでるって言うより、こんな時に外出する俺カッケー的な虚勢を張ってるような態度なんだよね。メンタル強い子ならひたすらもくもくと自分の趣味に打ち込んで過ごしているんだろうから、まさしく弱いイヌが集団化して吠えてる感じ

    • +2
  8. 東日本 大⚪震 のとき なんて 三人 の
    知りあい 女性から 電話と メール
    来ましたし

    • 評価
  9. モンスタークレーマーや煽り運転、ハラスメントと言われてる嫌がらせ全般もこれが理由のものが多いだろうね。

    • 評価
  10. 集まりたい気分が満たされるのがどんな知覚で認識されているんだろう
    人の弾力に近いクッションやアームレストや人ごみの匂い
    を作ってVRゴーグルと組み合わせてボイスチャット
    VR空間での屋外らしい光の明滅と画面内に合わせた匂い付き送風
    ルームランナーの負荷を仮想地形に連動させて誰かと話しながら散策
    そんな孤独感が薄れる効果を作れないかな
    有効なのができれ外出自粛が終わっても
    地形的に孤立しやすい業務の息抜きや入院患者の気晴らしなんかに使えそうだけど

    • 評価
    1. ※14
      なんとなくだけど、直感的に
      通話や動画(アナログな手紙でもいいけど)など
      会いたい友人・親族などと“頭で”情報交換する手段と、
      それでは満たされない“人肌”恋しさを補うものとして
      夜寝る時とかに抱き枕やぬいぐるみあたりとの併用かな、と。

      ハーロウのアカゲザル実験などからしても、
      本能に訴えかける「温かさ」と「柔らかな肌触り」って
      安心感を得るうえで案外バカにできないかも。

      それでもまぁ、代替品だと限界があるだろうけど。
      遠距離恋愛や単身赴任などで浮気から破綻しやすいのも、
      それなりに連絡を取り合っていても
      やっぱり目の前にいる生の人間には負けるからだろうし…。

      • +1
  11. > 人は危機を感じるほど人と接触したくなる

    それはねえよと言いたいけど、未だに無意味かつ変に人に接近する奴が居て嫌になる

    • 評価
    1. ※15
      いや、ここのコメント欄ではボッチ嗜好の人が多いようだけど、
      「不安になると、抱きしめて欲しくなる」
      「誰かと膝を突き合わせて思いの丈を吐露し、慰め合いたい」
      ってのは、わりと普遍的な衝動かと。

      ※16
      外交的性格と内向的性格がともに一定割合で併存するのも、
      それぞれに一長一短があって、
      平時は外交的なほうがメリットが大きくても
      こういう機会に逆の淘汰が働いたりしてきた結果なのかもね。

      • +3
    2. ※15
      幼児によく見られる行動として、
      こける、柱などに打つ、指を挟む、飲んだスープが熱かった、等
      何か痛かったり嫌な事があったりした時、
      「ママ~~!!」と泣いてギュッと抱きつくことがある。

      べつに抱きついたからといって痛みが取れるわけでもないのに、
      その場にいるのが親でなく親戚のおじさんだったりすると
      「ママがいい!ママがいい!」と殊更 相手を指名したりもする。

      1~2歳ぐらいの子供に多く、言葉で痛みの箇所や強さを訴えたり
      ある程度 理性での我慢が利いて「抱っこ抱っこはカッコ悪い」
      と思うようになる3~4歳あたりからは、減ってくるように思う。

      減るんだが、理性で抑えているだけで、ピンチに陥った時
      頼りになる近しい人の胸に抱きついてワンワン泣き喚き
      ひとしきり発散すると気持ちが落ち着く、というのは
      案外 大人でも本質的なところは同じじゃないかと思ったりする。

      • +2
  12. つまり常に群れてないと死んじゃう病の禁断症状みたいなものか
    常に一人なのがデフォでたまにしか群れないに慣れないといけなくならなければならないと

    • 評価
  13. イザナギとイザナミのお話に似てるね
    決して振り返ってはいけないって言われるとしたくなる

    • 評価
  14. ダメって言われると中のいい友人と居酒屋行きたくなるね
    いつも行ってるだけか

    • +1
  15. 危険厨だけど怖かったのは1月や2月前半だな
    ある程度食料を買って、後は週1ペースでスーパーに行く程度になると
    逆に「感染の危険」を感じることがほとんどなくなって怖くなくなってきた
    家族が陽性になった場合は、ちょっともうあきらめるしかないし

    • +3
  16. あとカラパイアの記事にも助けられてる
    動物系の癒したっぷり記事と、海外の新コロ状況の記事を気分に応じて見てる
    (すっごく癒しが必要な人はマランダーがおすすめ。動物ばかりで気が楽になった)

    • +3
  17. お金の心配さえ無ければいくらでも引きこもりますが?

    • +7
  18. ????「ヤマアラシのジレンマって知ってる?」

    • +1
  19. なんかこれを元に人間は弱い生き物みたいな論調のコメントあるけど別に人間の本能とか進化に弱いも強いもクソもない。進化してただそうなったと言う事実があるだけ。それが場合によってはプラスに働いたりマイナスに働く以外の何者でもない。たまたま今回はそれがマイナスになりうるって話。

    • +2

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