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このドローンすごい!障害物検出システムでバスケットボールを巧みにかわす(スイス研究)

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17件のコメントを見る

(著) (編集)

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 GPSや様々な解析アプリケーションに対応し、災害地や危険区域など人間の立ち入りが困難な場所への侵入が安全かつ容易、更に小型で軽量のため持ち運びが容易で低コストという複数のメリットを持つドローンは、今や一般的な存在となっている。

 今回、スイスのチューリッヒ大学のエンジニアチームが、従来のドローンよりも一層速く障害物を回避できる新たな高速システムを搭載したドローンを開発したことを発表した。この動き、まるで生命体のようでなんかすごいぞ!

Dynamic Obstacle Avoidance for Quadrotors with Event Cameras (Science Robotics 2020)

高速反射神経システムが搭載されたドローンが開発

 障害物回避はドローンの重要なテクノロジーの一つだが、市販のドローンシステムは状況により十分高速とは言えないようだ。

 『New Atlas』などが伝えたところによると、スイスのチューリッヒ大学のエンジニアチームは、ドローンが人間により投げられたボールを巧みにかわせるような高速反射神経システムを開発したそうだ。

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Powie/pixabay

 現在のほとんどの障害物回避システムは、周囲の変化を処理するのに約20~40ミリ秒かかる。従来のドローンは、建物に近付きその内部に道を見つけるなどといったことに対しては問題ないが、鳥や他のドローンのような動きの速い障害物への高速対応は不十分だった。

 ドローンが多数ある場合や災害ゾーンなどの動的な環境、もしくはドローンが高速で移動する必要がある場合など、特定の状況ではナビゲーションが問題になる。

 そこで、研究者らはクアッドコプターのドローンを使い、速い動きを検出するための特別に設計されたカメラと、それを更に速くする新しいプログラムを取りつけた。

イベントカメラ使用で反応時間が大幅に短縮

 この研究により、ドローンの反応時間が3.5ミリ秒に短縮された。

 カメラはイベントカメラを使用。シーン内全てのピクセルを分析して何かが移動したかどうかを判断するのではなく、カメラの個々のピクセルが光の強度の変化を検出した時のみに反応する仕組みとなっている。

 つまり、動きのないピクセルは「無音」のままであり、処理負荷が軽減され、反応時間が短縮されるというわけだ。

 イベントカメラが、投げられたボールを明確に示す画像がこちらだ。

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image credit: youtube

ドローン自身の動きをリアルタイムで修正

 しかし、それでもチームは既存のイベントカメラがドローン用に調整されてないことを発見した。

 そこで適応させるために、視界内の全てのピクセル「イベント」をモニタリングし続けるだけでなく、ドローン自身の動きをリアルタイムで修正するプログラムを開発した。

 最初のテストはカメラだけで行われ、チームがカメラに様々な物体を投げてどれだけうまく検出できるかを調べた。

 物体のサイズや物体との距離を考慮し、システムの精度を81~97%にした後、これらカメラをドローンに取りつけ、何度もデモンストレーションを繰り返した。

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image credit: youtube

 結果として、ドローンは3メートルの距離から毎秒10メートルで移動するボールを含め、90%以上の物体をうまく回避することに成功。

 ドローンが物体のサイズを知るようにプログラムされている場合は、1台のカメラで十分だったが、それが不明な場合は2台のカメラを使用して入ってくる障害を測定し、適切に反応させた。

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image credit: youtube

最速でリモコン到達範囲内を超えるミッションへの使用可能を目標

 チームによると、これによりドローンが飛行や落下、または投げられた物体をかわすのを助けるだけでなく、ドローンが安全に速く動くのを助けることができ、最大で10倍の速度が増加されることになるという。

 今回の研究主導者ダビデ・ファランガさんは、次のように話している。

私たちの最終目標は、ドローンパイロットと同じぐらい1日中うまくナビゲートしてこのドローンを動かせることです。

現在、ドローンが関与する全ての捜索救助アプリケーションは、人間がコントロールしています。ドローンを従来よりも信頼性の高い方法で航行させることができれば、リモコン到達範囲を超えるミッションにそれらを使用することが可能になります。

 この研究発表はScience Robotics誌に掲載された。

Dynamic obstacle avoidance for quadrotors with event cameras | Science Robotics
https://robotics.sciencemag.org/content/5/40/eaaz9712/tab-article-info

written by Scarlet / edited by parumo

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この記事へのコメント 17件

コメントを書く

  1. この程度の動きなら数年前のドローンでも出来る

    • -2
  2. sonyのアクションカメラのデモに軍艦島の作品がある。
    魅力溢れるところだけども極めて危険。
    人の行けない所へ最小限のリスクで素晴らしい発見を行う。
    そういう用途での活躍を期待したいな。

    • +4
  3. ゴルゴでも南アのヨハネスブルクの廃墟、ポンテタワーを占拠してるギャングのボスを暗殺する回で軽機関銃を搭載させたのを、民間軍事会社が投入してたな。
    ミリ波の使用も含め、まさにあの回が現実と同調したかのような感想だ

    • +1
    1. >>4
      ゴルゴは70年代にインターネットの原形になるARPANETや、ナヴスターと呼ばれていたGPSを話しに
      登場させてるのはすごいと思う

      • +1
  4. 瞬時にモーターの出力を上げても上昇まではタイムラグがあるから仕方ないんだろうけど、
    今はまだ実用には遠いな。
    ボストン・ダイナミクスの気持ち悪いロボットも初期は微妙だったけど今は実用化され始めてるし今後に期待。

    • 評価
  5. 素晴らしい技術だが、手榴弾を落としていくドローンの映像を見た後だからなー。
    軍事転用されると思うと不安になる。

    日本のじゃんけんロボ並みの高速カメラと処理が搭載されたら…

    • +2
  6. なんだか当たらないように投げてる感があるのは気のせいかな?

    • 評価
  7. 反応が ずいぶん遅いし 投げてるほうが気を使ってるようにしか見えません
    虫のほうがはやい

    • -1
    1. ※8
      虫で墜落する可能性は低い。そりゃハヤブサやアホウドリの130kmクラスを避けるのは無理だが、走ってくる子供などを避ける機能を実装するのは有益だと思うよ。

      • 評価
  8. ドローンの問題は落ちて怪我させり家屋や車両を破損させた時にバックれずにちゃんと責任とれよって事

    • +1
  9. やべぇwそのうち銃弾を避けて戦場を飛び回って敵の近くで自爆するドローンとか出来そう・・・

    • +1
  10. ミサイル避ける軍事ドローン目的でしょ

    • 評価
  11. この技術がコモディティ化されて格安ドローンにも標準化されるとすると
    現在考案されてる対軍事ドローン対策の大半が無効化されてしまう懸念があるが

    • +1
  12. イベント(変化)のあったピクセルのみを出力するのがイベントカメラの特徴なのに全ピクセルを監視したらもはやイベントカメラじゃないんじゃないの。

    • 評価
  13. 避けてねーだろw
    当たらないようにボール投げてるやんけ。

    • 評価

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