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動物?非動物?判別不明の6億900万年前の多細胞生物「Caveasphaera」は生命の鍵を握るヒントとなるか?

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YIN ZONGJUN JA PHILIP DONOGHUE ET AL/ CURRENT BIOLOGY
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 動物は単細胞生物の祖先から進化し、3、40種ほどの解剖学的デザインへと多様化した。はたしていつ、そしてどのようにして単細胞の微生物から複雑な多細胞生物へと変化したのか、これは今もなお激しく議論が交わされているテーマだ。

 これまで、この問いの答えを探るには、現生の生物とその近縁種を調べるしか術がなかったが、ある微小な化石の中からそのヒントになりそうな大発見があったそうだ。

 中国南部、貴州省の岩山で発見された6億900万年前の多細胞生物「Caveasphaera」の化石は、動物か非動物か判別できない。非動物から動物へと変遷しつつある初期の動物か、その近縁種の胚である可能性もあるという。

非動物から動物へと変遷しつつある生物?

 中国南部、貴州省にある6億900万年前の岩石から「Caveasphaera」と呼ばれる化石が発見され、最初に記述されたのは2000年のことだ。

 個々の化石は直径0.5ミリの砂粒のような代物であるが、これを超強力なX線顕微鏡で調べたところ、なんと数百あるいは数千の細胞で構成された化石であることが判明したのである。

 はたしてこの生物が動物であるのかどうか、はっきりしたことは不明だ。しかし、『Current Biology』(11月27日付)に掲載された研究は、初期の動物か、その近縁種の胚であると主張している。

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Caveasphaeraの細胞構造。成長する先端部分では、細胞分裂によって細胞の数が増えている。走査電子顕微鏡で撮影。化石は直径0.5ミリ未満

YIN ZONGJUN JA PHILIP DONOGHUE ET AL/ CURRENT BIOLOGY

7億5000万年前、あらゆる動物の共通祖先がいた

 テントウムシからクジラまで、今日の動物はいずれも同じ過程を経て発達する。まず受精卵から始まって、分裂を繰り返して球状の細胞の塊となる。すると胚内部の細胞が動き、やがていくつもの組織で構成された多細胞の体へと成長する。こうした動物は、もっとも近い非動物の近縁種、すなわち主に水の中で暮らす単細胞の原生動物とは深いレベルで異なっている。

 原生動物は、魚に病気を引き起こすもの、水の中で自由生活を送るものなどさまざまだが、いずれも体を発達させることはない。

 これまで古生物学者は、動物がいかにしてかくも多様な体を進化させてきたのか探ろうとしてきた。

 その結果明らかになったのは、多くの現生の動物の系統は、5億4200万年前のカンブリア紀の化石にさかのぼれるということだ。

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Image by dottedhippo/iStock

 このカンブリア爆発と呼ばれる時期よりさらに前の時代となると、研究はいっそう難しいものとなる。

 それでも5億8000万年前の奇妙な葉状体やディスクが発見されており、中には現生の動物種につながりそうなものもあった。

 だが動物のDNAは、動物界の根っこはさらに昔へとさかのぼれるだろうことを示唆している。

 突然変異はおおむね安定した割合で起こる。これを計算に入れたうえで異なる動物の系統の突然変異を比較すると、動物の共通の祖先が生きていた時代を推測することができる。

 そうした研究によると、あらゆる現生動物の共通祖先はおよそ7億5000万年前に生きていたという。カンブリア紀よりもずっと前の時代だ。

 動物かもしれない6億900万年前のCaveasphaeraが専門家を沸かせているのはそうしたわけだ。

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YIN ZONGJUN JA PHILIP DONOGHUE ET AL/ CURRENT BIOLOGY

発達段階の順で並べられたX線顕微鏡に基づく化石のコンピューターモデル

YIN ZONGJUN JA PHILIP DONOGHUE ET AL/ CURRENT BIOLOGY

Caveasphaeraが握る進化の鍵

 中国、南京地質古生物研究所の研究グループによると、Caveasphaeraの化石を発達段階の順に分類してみたところ、現生の動物と同じように発達していることが明らかになったという。

 詳しい分析からは、この胚が原腸の発達段階に似たプロセスを経ており、人間をはじめとする動物の胚に近い発達をしていることがわかった。ただし、Caveasphaeraの胚がもっと複雑な生物に発達したという証拠はないそうだ。

 はたしてCaveasphaeraが動物なのか、それとも違うのか、いまだに議論の決着はついていないが、今回の研究グループははっきりと異なる組織層と器官を発達させることが可能だったのではと推測している。

References:Animal embryos evolved before animals/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 15件

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  1. きっとそこに至る30億年近い時間の間にも複雑になりかけてはほぼ絶滅を繰り返していたんだろうなぁ

    • +5
    1. ※2
      現在もどこかで新たな生物が生まれているかもしれない

      • +3
  2. 1万年でも人間サイクルでは長い年月なのに、7億5000万年って…てなる
    でも、その7億5000万年の間にも突然変異で単細胞から多細胞になってるハズだよね
    もしかしたら昨日突然変異が起きてたかもしれない

    • 評価
  3. 最後の写真が
    見た目が悪くて商品出荷できなかったジャガイモ
    にしか見えない……

    • +1
  4. ポンペイで見付かったピクトさんみたいな

    • 評価
  5. 「(化石が)原腸生物の胚の発生段階に似ている」…と言うなら全生物の胚の発生段階見比べれば簡単に全ての時代の生物網羅できるんじゃないか?

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  6. つまり俺はジャガイモ野郎だったのか(困惑

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  7. カンブリア紀よりも前のエディアカラ紀に生息していたベンド生物(ディッキンソニアとか)が、動物と植物の中間みたいな存在で、その辺りから枝分かれしたんじゃなかったっけ?

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  8. これってドゥシャンツオの胚化石のことかな?また別もの?

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  9. これ南極で見つけても解凍してはならないアレでは

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  10. bはチョコチップクッキーの出来損ないみたいで美味しそう

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  11. 共通祖先の予測はおよそ7億5000万年前でCaveasphaeraが6億900万年前だとしたら、Caveasphaeraは他の生物の卵細胞が分裂している途中段階って事はないの?
    5億4200万年前のカンブリア爆発から近すぎる気がする。

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