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地球のコア(核)は25億年前からダダ漏れだった(カナダ・フランス・オーストラリア共同研究)

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(著) (編集)

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Naeblys/iStock
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 地球の磁場は、宇宙から降り注ぐ高エネルギー粒子から私たちを守ってくれている。その大切な磁場の発生源となっているのが、地球の深奥にあるコア(核)だ。

 だが何しろそれは地下2900キロの深さにあるために、研究することがきわめて難しい。それでも研究者たちは、コアをどうにか理解しようとあの手この手で調査を進めている。

 新たなる研究によると、地球のコアは25憶年前から漏れ出していることがわかったそうだ。

地球で一番熱いところ、それがコア

 コア(核)は地球で一番熱いところで、外部コア(外核)の部分なら5000度以上にもなる。この熱はその上をおおうマントルをも熱しており、火山の熱の50パーセントはコアから届けられるものと考えられている。

 火山活動は地球の主要な冷却システムだ。今現在もハワイやアイスランドを形作っているような火山活動は、コアから地表にまで熱を運んでいるマントルプルームによってコアとつながっている。

 しかし物理的な物質については、コアとマントルの間で交換が行われているかどうか、ここ数十年来の議論のテーマだ。

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Washiucho/wikimedia

コアの一部はマントルに運ばれている

 今回明らかになったのは、コアの一部の物質は過去25億年ほどの間にコアから漏れ出て、確かにマントルプルームの一番下の部分にまで運ばれているということだ。

 このことはタングステンの同位体(同じ元素でも、中性子の数が違うもの)比率のわずかな相違から明らかになった。

 研究チームはまず、マントルの深いところから地上に運ばれてきた火山岩を調べ、そこにコアが持つ化学的な痕跡がないかどうか探した。

 コアの化学構造は独特で、主に鉄とニッケルで占められているのだが、そこにタングステン、プラチナ、金といった元素が一緒に溶けて鉄ニッケル合金になっている。

 こうした元素を含む合金があればコアの様子を探ることができる。

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dottedhippo/iStock

タングステンの同位体でコア物質を見分ける

 元素としてのタングステン(元素記号W)は74個の陽子を持っているのだが、中性子の数によって、182W(中性子108個)や184W(中性子110個)といった同位体がある。

 マントルに含まれる182W/184Wの比率はコアよりもずっと高いと予測されているために、これらの同位体を調べれば、それがコアのものなのか、マントルのものなのか区別できるはずだ。

 また別の元素であるハフニウム(Hf)が鉄-ニッケル合金に溶けていない一方、マントルには豊富に含まれていることも手がかりになる。現在では絶滅したハフニウム同位体(182Hf)は崩壊して182Wになった。マントルに余計に182Wが存在するのはこのためだ。

 ただ、この分析を実際にやるのは非常に難しい。182W/184W比率の違いをPPM(パーセントが100分率であるのに対して、PPMは100万分率)という単位で計測しなければならない上に、岩石に含まれるタングステン濃度は10億分の10というレベルで少ないからだ。

コアが漏れている証拠

 研究で明らかになったのは、マントルの182W/184W比率は地球の一生の間に大きく変化しているということだ。

 地球で一番古い岩石は現在のほとんどの岩石よりもこの比率が高く、時代が下るほどに減っていく。このマントルの182W/184W比率の変化こそが、タングステンがコアからマントルへと漏れている証拠なのだ。

 面白いことに、地球最古の火山岩を地球が誕生してからの18億年というタイムスケールで見た場合、マントルのタングステン同位体に目立った変化はなかった。このことは、43億~27億年前には、コアから上部のマントルに移動する物質はなかったということだ。

 しかし、その後の25億年間では、マントルに含まれるタングステン同位体の構成が大きく変化した。

 その理由については、およそ26億年前から太古代の終わりにかけてのプレートの変化が、マントルの対流を引き起こしたからではないかと推測されている。

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Rost-9D/iStock

コアが漏れるメカニズム

 マントルプルームがコアとマントルの境界から地表へ向けて上昇しているのだとすれば、地表にある物質もまたマントル内部へと沈み込んでいるはずだ。

 このとき地表の酸素をたっぷりと含んだ物質がマントルの奥深くへと沈み込み、プレートに組み込まれる。こうしてコア-マントル境界の酸素濃度が上昇する。

 この状況を実験で調べてみると、コア-マントル境界の酸素濃度の上昇は、タングステンをコアから引き剥がし、マントルに移動させるらしいことが判明した。

 また別の理由として、内部コア(内核)が凝固することが、コア外部の酸素濃度を上昇させるとも考えられる。

地球の磁場はいつ形成されたのか? 

 後者のケースは、地球の磁場の起源についてのヒントになるかもしれない。

 地球のコアは最初、完全な液体の金属だったが、やがて冷えて部分的に固まった。そして磁場はコア内部の固まった部分が回転することで発生する。

 だが内部コアが凝固した時期は、地球惑星科学の中でも最大の難問の1つだ。

 今回の研究では、コアとマントルとの間に物質の相互作用があることや、地球内部のダイナミクスの変化を追跡する方法が明らかになった。これを利用すれば、磁場のスイッチはどのように、そしていつ入ったのかより理解を深められるはずだ。

 この研究は『Geochemical Perspective Letters』(6月20日付)に掲載された。

(2019/07/24)本文を一部訂正し再送します。

References:A New Study Just Revealed That Earth’s Core Is Actually Leaking/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 32件

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  1. ザ・コアのように特殊合金でできた特殊車両で地下を
    捜索しようぜ。
    ただし映画だとほぼ全員ぺっちゃんこになり、2人だけ
    しか生き残れなかったけどね

    • -3
    1. >>1
      内圧の問題もあるが最も問題なのはその温度に耐えられるかどうかと人を乗せた内部と温度を確実に遮断できるかどうかにかかってる。あと沈んで行くには比重がまわりより重くなる必要もある。それをどう実現するのかもかなり問題だ。

      • +1
      1. ※6
        なんか起きたらアメリカと日本がなんとかしそう
        で中国がなんか陰謀企ててヨーロッパはガーガー騒ぐ感じ?

        • 評価
  2. 其のお陰で人類が生きていける訳だからありがたいが、今年は世界各地で火山噴火が起きてるのが恐ろしい。

    • 評価
  3. 噛むととろけるこういうガムがあった(´・ω・`)

    • +5
  4. ええええええ…もうこんなん偶然とか無理やん…狙わないと地球型の惑星なんて無理やん…

    • -2
    1. >>4
      単なる比重の問題だから、大抵の地球型惑星なら出来うる話。太陽系内でもコアがまだ生きてる惑星は地球以外にもあるしな。

      • +1
    1. ※5
      そうだよね。
      別に仕切りがあるわけじゃないんだから、漏れてると言うより、混ざってる。

      • +1
  5. 地殻(固体)
    マントル(固体)
    外核(液体)
    内核(固体)
    じゃなかったっけ

    核がマントルに入り込んでいるんだったら
    同じ量のマントルも核に入り込んでるよね
    体積は変わらないはずだから4

    ということは核とマントルの違いがなくなっちゃう?

    • 評価
    1. ※9
      だれが地球を輪切りにして調べたの?

      • -2
      1. ※14
        知ってる?物質の密度によって振動の伝わり方って違うんだよ。

        • +2
      2. ※14
        地震を起こしてその振動の伝わり具合によって中身がある程度解析できる

        • +3
  6. いや…そもそも漏れ出してないなんてありえないだろ
    コアとその周りに明確な区切りが有って完全隔離されている訳じゃねぇだろ

    • +1
  7. タングステン、元素記号はW
    白熱灯のキモである光る部分に使われている。

    • 評価
  8. コアがマントルの中を上昇するとしたら、それはコアプルームとでも呼ぶのだろうか。

    • 評価
  9. マントルより内側の多くは液体状だから、
    他の層と混じり合う事も有るだろうね
    特にスーパープルームが起きていた時代には、
    核物質は盛大に漏れていたと思うよ?

    • 評価
  10. 「カニクリームコロッケて、地球のコアなんですよ」

    • +4
  11. ハビタブルゾーンに地球っぽい系外惑星見つけても磁場がないと生命は生きていけないんだろうね
    地磁気はどの程度の確率で生まれるものなんだろう

    • 評価
  12. 海底と言い、地底と言い、宇宙より行くのが手間な場所が、足の下にあるって不思議。

    • 評価
  13. 地球の磁場の原因がコアの回転とかマントルの対流とか言われてるけど、鉄星、中性子星、ブラックホールにも磁場があるから物質や導電率、三態、誘電率とかにかかわらず回転だけ、または回転と熱の可能性が割高

    • 評価
  14. 流体でその周りでマントルと言う名の流体が回ってれば、必然的に境界付近は大なり小なりかき回されることになるしちょっとずつ流れ出すのは当然じゃないですかね?

    ところで鉄ニッケルってことは100円玉と似てるってことか

    • 評価
  15. モホールでマントルを取り出すことさえ出来ればすぐに解明できそう

    • 評価
  16. 研究は面白いけどいつか核まで掘っちゃって地球滅亡、とかならないといいが…

    • -1
  17. 熱滞留があるから当然じゃない、対流がおきてもおかしくないでしょう。地殻の物質もかなり深いところまで行ってるということだし、だだもれという表現も変だな。
    なべの味噌汁の循環みたいなもんでしょう。

    • 評価
  18. つまりこれは単純に熱対流の話で、マントルよりも高温である核からは上昇流も生まれるから、そこに核自身も混ざってマントルまで昇ってきているということだね。要するに核は想像よりもガチガチではなく熱で柔軟な部分がありそうと。

    • 評価
  19. 地球の、表層の、ほんの一部しか、まだよく知らない。

    • 評価

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