メインコンテンツにスキップ

単細胞の藻類が多細胞生物に進化した瞬間を捕らえた貴重な映像(米研究)

記事の本文にスキップ

43件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 今から6億年ほど前、単細胞生物はより複雑な多細胞生物へと進化を遂げた。

 だが、そう知っていることと、それをリアルタイムで実際に目撃することとでは、天と地ほどの開きがある。

 そして、これが文字どおり目撃され、しかも動画にまで撮影されたのである。

 この進化にはたったの50週しかかかっていない。その引き金になったのは、シンプルな捕食者の導入であった。

単細胞藻類が多細胞生物に進化する

わずか50週で多細胞生物へ進化

 アメリカ・ジョージア工科大学のウィリアム・ラトクリフ(William Ratcliff)氏らの目的は、単細胞生物による多細胞生物への進化を促した原因を探ることだった。

 その仮説の1つは、単細胞生物に選択圧をくわえる捕食である。

 これを確かめるために、彼らは「コナミドリムシ(Chlamydomonas reinhardtii)」という単細胞の藻類の中に、1匹だけ同じく単細胞生物だが濾過摂食を行うヨツヒメゾウリムシ(Paramecium tetraurelia)を入れてみた。

 すると驚いたことに、たったの50週(1年未満)で、実験グループ5つのうち2つで多細胞生物に進化したことが確認された。

 「シンプルな多細胞生物の最初の起源が、捕食への反応として進化しうることを証明した。」と研究論文では述べられている。

 進化のスケールで見ると、50週というのはほんの瞬きほどの時間である。だが藻類にとっては、750世代に相当する、比較的長い時間だ。

この画像を大きなサイズで見る
image credit:Scientific Reports

捕食による選択圧が多様性に富んだ進化をうながす

 このことは、捕食という行為が少なくとも多細胞生物への進化において何らかの役割を果たしていた可能性を示唆している。

 しかも、そうして出現した多細胞生物はおどろくほど多様性に富んでいたのだ。これは、自然の進化において予測されることとまったく同じだろう。

 「進化して登場した多細胞生物のライフサイクルには驚くべき差異がある。集団同士では、細胞の数も珠芽のサイズも異なっている。」

 また生存分析からは、多細胞生物に進化して手に入れた特性が、捕食から身を守るうえで有効な手段となっていることも判明している。

 この研究は『Scientific Reports』に掲載された。

References:Scientists Have Witnessed a Single-Celled Algae Evolve Into a Multicellular Organism/ written by hiroching / edited by parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 43件

コメントを書く

  1. 「対応」しただけじゃないの?
    遺伝子の変化が確認できないと進化とは言えないような

    • +5
  2. 先に捕食する特性を持った生物が生まれる事前提だな
    面白い

    • +13
  3. 単細胞として生まれて、複数が寄り集まるようになった、というだけでは?

    • +5
  4. 動画を見ても「多細胞化」したようには見えんが・・・
    多細胞化というからには、機能分化統合するということじゃないのか?
    ただ集まっただけなら、ありふれた群体でしかないと思うがなあ。

    • +10
  5. 多細胞と言うより群体とか凝集という感じ

    • +11
  6. 多細胞生物の個体として機能するのか?
    小魚の群れみたいに、食われるリスクを分散するために、ただ群れてるだけじゃないのか?

    • +5
    1. >>8
      群れてるだけで間違ってはないようだけど
      一部を引き剥がしても群れの状態を維持したまま増殖しているようだ

      • +2
  7. 素晴らしい実験だ。あとは補食生物の発生起源を突き止めて欲しいな。興味のある分野なので興奮した。

    • +5
  8. 素人には群体のように見えるが
    専門家が多細胞生物と言うならそうなんだろうな
    でも書いてるうちに思ったがコナミドリムシが藻な事を考えると
    分裂の過程でくっ付いたままならそれは多細胞生物だな
    この実験も多分そういう事なんだろうね

    • +12
  9. 進化したんじゃなくて条件によって単体性と群体性を使い分けている種で群体性になっただけだと思う。クラミドモナスの祖先はたぶん群体性だと思うな。

    • +1
  10. 環境に有利な個体が生き延びていった結果が進化なんじゃないの?
    これじゃ自らの意思でDNA変化させたみたいな実験

    • -6
  11. 単純に「外敵が現れたら群体を作る」という機能が元々あるのであれば
    凝集体を作る現象が「どのサンプルにも」「すぐに」現れるはず。
    しかし、今回のケースでは変化が「一部のサンプルで」「数百世代かかって」あらわれた。
    だから進化であると結論したんだろうね。

    • +17
  12. 科学と同じで差し迫った状況にならないと何事も進歩しない。
    平穏だとそのままでべつに問題ないからね

    • +2
  13. 人間も捕食される危機に直面すれば進化の道が開けると、つまりゾンビによるパンデミックは進化への道なんだ!

    • 評価
  14. これだけだと粘菌のようなすでにそういうサイクルが遺伝子に眠っていた可能性も否定できない気が

    • 評価
  15. 防御式『デカくて口に入らない!』発動!

    んがくく うボぁ

    • 評価
  16. 進化したんじゃなくて、もともとあった集合するスイッチが入っただけ。

    • -13
  17. 一部齧られても平気な多細胞になったとか多細胞になることで得られる利点を考えると、生存に必要な細胞の最小単位がいくつかは分からないけど自分の残機が増えるとかそういう事のような気がする
    ただ濾過接触の捕食者相手ってなると、多細胞になる利点がいまいちわからん

    • +3
  18. 「多細胞生物への進化のきっかけは補食者の存在だった?!」が研究のポイントなんで、記事のタイトルがあんまり適切で無い気が。
    ちなみに最小の多細胞生物と言われているのはコナミドリムシ(クラミドモナス)×4個のシアワセモ。これが群体でなく多細胞生物な理由はwikiにも載ってて興味深いよ。日本の研究結果だしね。

    • +9
    1. ※21
      素晴らしい情報をありあがとう。
      「最小の多細胞生物 シアワセモ」でググると読めました。

      • -1
    1. >>22
      既に確認されてる種が既に確認されてる種になったと思われます

      • 評価
  19. いつもいつもタイトルが無茶苦茶で本文と違っているのは
    本文を理解せずに文章を作っている証拠

    だから本文自体の信ぴょう性すらかなり疑わしい

    • -5
  20. キリスト教徒がアップをはじめました

    • -2
    1. ※25
      尚、現在ミドリムシの池で溺れている模様

      • 評価
  21. こういうのも人工生命体と言うのだろうか
    単細胞生物が生まれたら多細胞生物になるのが規定路線だとすれば
    生命誕生した37億年前から多細胞生物化した10億年前まで、時間かかりすぎなのでは

    • 評価
  22. 初めのうちはいろんな細胞数の群体が出現したけれども、最終的に被捕食回避と光合成効率維持両方を満たすのに最適な8細胞に落ち着いたとか、NHKスペシャルで見た

    • +1
  23. 専門知識のある人に質問
    こんな細胞レベルでも
    意思と言うものはあるんでしょうか?
    何か見てると
    形態反射とかそんなレベルじゃないから
    前々から不思議に思うところがあるのですが

    • 評価
  24. 元論文はオープンアクセスで有名なサイエンティフィックレポートなので見ることができますた
    リザルトとディスカッションにみなさんの疑問の答えがいくつか載ってました
    まず群体か多細胞生物かですが、この実験で生まれた系統では細胞同士が細胞外マトリクスで接着されているので多細胞と呼べるようです(そもそも群体と多細胞の違いや定義が難しいのでwikiを参照)
    次に元々

    • +14
  25. 次に元々多細胞化の能力を持っていたかどうかですが、実際、野生種も環境に応じて四個集まった状態に一時的になるらしいので持っていると。分裂後はまた単細胞性に戻ると。けど今回進化させた系統は、四個以上に集まることと、多細胞から分裂後も強制的に多細胞になるようになったので、可塑性は持ちつつも形質発現に変異はある。

    • +11
  26. 最後に、遺伝子の変異までは今回の研究では特定していなかった。今後の研究が待たれるってとこだと思う。
    ちなみに、捕食者に食べられにくくなるには多細胞化するか細胞自体を大きくするかだが、多細胞化するほうが進化的に手っ取り早い代わりに機動性は失うらしく、そのトレードオフが多様性を産むのではと。
    てことで俯瞰してみると、確かに捕食者の存在は単細胞→多細胞の進化にとって選択圧になった可能性は今回の研究で補強された。けど野外で起きている事象と必ずしも一致するとは限らないのでご注意を。

    • +9
  27. 遺伝子レベルの変化がないなら習性の変化で片付けてもいいような気が・・・

    さらに観察を続けて、こいつが多細胞状態でないと生きられないような感じになったら、そのときはじめて多細胞生物への進化が成された、と判断できるような気がするんだけど

    そういうものではないん?

    • 評価
  28. 捕食者『今まで食べてた奴らが殆どいなくなっちまった。しゃーない、不味いけど目の前に沢山いるこいつらを食うしかないな』ムシャムシャ『まだ全然足りない』
    被食者「新しく来た変な奴に仲間が大勢食べられてる!あの囗に入らないようにくっつき合って大きくなろう!」ワァ~「合体!」

    そこからお互いに「大きくなり合戦」になって、材料が循環する程度(枯渇したらもう大きくはなれないので)にそれが繰り返された後、別の種類の知恵比べ(擬態とか)が始まっていくのか。
    そして、大きくなり合戦がある閾値を越えるとくっつかずに小さいままでいる方が、相手の見逃し(被食者が捕食者に対しあまりに小さいと効率が悪いので)や取りこぼしが起こりやすくなる。鯨はそこに目をつけ、あえて小さなプランクトンを大量かつ効率的に捕まえる方法をあみ出し、自らの体も大きくできたことは画期的だと思う。

    • -1
  29. 単細胞が多細胞になったっての見ると
    次の進化は多細胞どうしがくっついて一つの生物になるのかとか思う
    クラゲとかでそんな感じの生物はいるんだっけ
    別の個体のクラゲがくっつきあってなんか役割分担してるみたいな
    クラゲとか体の構造が極限まで単純に出来たような生物で
    俺の考えた未来の生物が実現してるなんて!

    • 評価
  30. 750回もの世代交代を繰り返して群体で生きることに特化した単細胞生物へと進化したってことでしょ?
    機能に特化した単細胞生物の集まりはまさしく多細胞生物そのものじゃないか

    • 評価
  31. そのうち大きくした身体の維持の為に
    栄養のやり取りなどし始めるのかしら

    • +2
  32. この実験の場合。単体の方が捕食されやすいために、群体の方が数多く残って子孫残しただけのような気もする。多様性が豊かなのも、様々な群体が食べられずに生き残って子孫残せた証拠だと思うけどな~。これが、群体を好んで襲う捕食者だったら結果は違うだろうか?

    • 評価
  33. 生存進化なんだなぁ
    この後、捕食能力が高い、機動性を持つ、武器(トゲや毒)を作る、防御力を上げる
    偶々そんな個体が現れて生き残るとそれが生存進化として特性を獲得していくわけかな

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

動画

動画についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

植物・菌類・微生物

植物・菌類・微生物についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。