メインコンテンツにスキップ

おやすみ、ケプラー!太陽系外惑星を観測し続けていたケプラーがスリープモードに突入。燃料が底をつき最後の眠りへ

記事の本文にスキップ

32件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 ケプラー探査機(宇宙機)のミッションは終わりを迎えようとしている。

 太陽系外惑星や他の太陽系に関する理解を大きく変えた探査機には、もうほとんど燃料が残されていない。

 現在、ケプラーはスリープモードに移行。残された燃料を、最後となるかもしれないデータを地球に送信するためにとっておくためだ。

 それは10月10日に予定されている。

ほとんど燃料は残っていないことを確認

 正確にどのくらいの燃料が残っているのかを知ることは難しいが、ほぼ残っていないと推測されている。

 地球のような重力が十分にある場所なら、燃料の計測は単純だ。タンクの底に溜まっているために、簡単に測れる。

 しかし宇宙空間では、タンク内に加圧された空気袋があり、これが膨らむことでタンクから燃料を押し出すようになっている。

 これは燃料を本体に送り込むには効率のいい方法だが、残りの燃料を計測するには向かない。

 空気袋の圧力は残りの燃料を把握する指標になる。しかしタンクの壁が空気袋と燃料を押さえつけてしまうので、燃料が少なくなるほどに、圧力から知れる燃料の残量は不正確になってしまう。

 これ以外にも残量を知る方法はあるが、それらもあまり正確ではない。

 ケプラーを担当するチームは、そうした方法を全て試し、そこからおおよその残り燃料を推測した。

 その結果、今回もう無駄にできる燃料はないことが判明したわけである。

この画像を大きなサイズで見る
image credit:NASA

これまでのケプラーの成果

 ケプラーが打ち上げられたのは2009年のこと。以来、多大な功績を収めてきた。最初のミッションでは空のほんの一区画に2327個もの外惑星があることを確認した。

この画像を大きなサイズで見る
ケプラーが調査していた空の領域の星図(NASA / Ames / JPL-Caltech)

 一方で、2012年にはトラブルにも見舞われた。

 4つあるリアクションホイールのうち2つが故障してしまったのだ。リアクションホイールは精密な照準をつけるために必要なものであるため、これは致命的なアクシデントとなった。

 そこで、機体の状況に応じて、超新星・星の形成・小惑星・彗星を観測する第二のミッションに変更された。これは「K2」あるいは「セカンドライト」と呼ばれている。

 セカンドライトでは、325個の外惑星が確認された。しかし、現時点ではこのミッションによるデータのすべてはまだ受信されていない。

 最後のミッションは、2018年8月29日に開始された19回目の観測キャンペーンだ。27日間で、水瓶座にある3万個以上の星々と銀河を観測した。

 また、7つの地球サイズの惑星を伴うTRAPPIST-1をはじめ、外惑星を持つと推測されている外惑星系は10以上もある。そのため、ケプラーによる外惑星の発見数は今後も増える公算が高い。

この画像を大きなサイズで見る
image credit:Jon Lomberg/NASA

ケプラーの以前の外惑星調査

 ケプラーが打ち上げられる前、外惑星の理解はほとんど進んでいなかった。地球上にある望遠鏡からでは、数年で数個の発見がせいぜいだったのだ。

 初めて外惑星が確認されたのは1992年のことで、PSR B1257+12というパルサーでまとめて発見された。

この画像を大きなサイズで見る
image credit:NASA/Kepler

 外惑星の発見が一気に加速したのは、ケプラーあってのことだ。

 ケプラーは外惑星以外にも、2015年に超新星を3つ観測している。さらに我々の太陽系においても、2016 BP81というカイパーベルト天体を皮切りに天体を発見した。

 10月10日には、もしかしたら最後となるかもしれないNASAディープスペースネットワークを介したデータが届けられることだろう。

 ケプラーは燃料が尽きるその時まで、外惑星を見続け、我々に新たなる発見を知らせてくれるだろう。

 そのケプラーからバトンを渡されたのは、今年4月に打ち上げられた後継機となるTESS (Transiting Exoplanet Survey Satellite)だ

 今後2年間で20万個もの星々を観測し、ケプラー以上の精度で外惑星の調査を行う予定である。

Meet NASA’s new exoplanet-hunting satellite, TESS

via:universetoday/ written by hiroching / edited by parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 32件

コメントを書く

  1. 姿勢制御用の推進剤が切れかけてるらしいね。望遠鏡の向きが安定しなくなる。
    電力はまだ持つだろうから、データ転送はしばらくできるはず。

    10年間お疲れさま。
    担当してた科学者・技術者は我が子のように思ってるんだろうなぁ……。

    • +9
  2. そうか、一つの時代が終わる感あるねえ…
    しかし天文学に関してはどんどん観測手段が進歩してるから未来は明るいな。十分に予算をつけられる限りだが…

    • 評価
  3. ケプラーって、ロシアの人たちが子供の頃から食べている乳酸菌の・・・

    いいえ、それはケフィアです

    • +22
  4. お疲れさま、ありがとう。

    こんなに頑張ってくれたのに、停止後はスペースデブリということになってしまうのかな。
    いつの日にか誰かが「おやこんなところに昔の観測装置が」と何の気なしに回収して、地球に帰還する未来をふと夢想する。

    • +36
  5. こんなに惑星だらけならどこかの惑星には生命がいると考えるほうが自然で、むしろどこにもいないと考えるほうが不自然であろう

    • +14
    1. 米8
      宇宙関係に限れば火星に送ったオポチュニティとスピリットの設計者の本では我が子を送るような気持ちと書いてたし、アポロ計画のドラマでも月着陸船を作った技術者が金属の塊なのに子供に思えることは不思議がられるのか?と言ってたから日本特有の事じゃないよ。
      キャラクターとして描いてるのもロゼッタなどでもあるし。

      • +9
  6. >担当してた科学者・技術者は我が子のように思ってるんだろうなぁ

    先代のはやぶさが帰ってきたときアメリカにいたけど、日本人があれを擬人化して思い入れるのを向こうの人たちにかなり不思議がられた
    欧米人にとって一般的に機械はあくまでも機械でしかないものらしいけれど専門職の人たちにはまた別な感情があってほしいね

    • -3
    1. ※9
      いくつもの宇宙探査ミッションのドキュメンタリー見たけど
      長いミッションの果てに動かなくなった事が確認されたり惑星に突入して役割を終えた探査機の管制センターはいつも厳粛な空気に包まれるし涙を流す関係者だって多くいるよ
      表現の仕方が多少違うだけで苦楽を共にした同志や我が子のような感情を抱くのは何も日本だけが特別なわけじゃない

      • +10
    2. ※9
      Aを褒めるためにBを貶す人ってホント不思議。ただ「素晴らしい」と言いさえすればよいのに。なぜ比較を持ち込んで相対評価で物事を論じようとするのか?私には全く理解できない。絶対値がわからないからだろうね。つまり、本質を見極める能力がないって事。

      日本人的なアニミズムの感覚を持っている米国人は意外に多いよ。あなたが知らないだけ。真実や現実はググれません。現実に生きている人間と話をして下さいな。

      • -4
    3. ※9
      その「不思議がられた」という話はどこかで読めますか?聞いたことないけど?

      • +1
    4. ※9
      おかしいなw 欧米人は動物やぬいぐるみを擬人化しまくりだし(ディ◯ニー、イソップ、グリム、etc.)、機関車トーマスやブリキの兵隊は完全に無機物だし、聖書に登場するゴーレムなんて泥人形です。

      つまり私が言いたいのは「違う文化の一面だけ見て「◯◯である」と決めつけてしまうのは、人類の相互理解における重大な障害になる」という事。

      もっと広範に相手を見て理解するよう努力したいですね。その努力を怠るから「差別」や「対立」が生まれるのではないでしょうか?

      • +1
    5. 海外は日本みたいに美少女化しなくとも元々の形のまま喋ったりする系が多いから
      ※9みたいなこと言いだす奴が後を絶たないんだろうな

      • 評価
  7. ありがとうございます
    そして、お疲れ様でした

    • +9
  8. そうか、電力自体はソーラーパネルでも姿勢制御用のスラスターは推進剤使うから有限エネルギーなのか…
    今まで沢山の発見をありがとうケプラー
    しかしそれでもたったアレだけの範囲しか観測できてないんだよな宇宙って
    ほんと”宇宙ヤバイ”

    • +4
  9. 宇宙人に魔改造されて帰ってくるまでが遠足

    • +14
  10. 人類が気付かないだけで、ケプラーもまた外宇宙から観測されている!

    • +7
  11. 日本はアニミズムの国だからなあ、何にでも”いのち”を見ようとする。
    そんでわしも泣いてしまう(照

    • 評価
  12. パイオニアやヴォイジャーは原子力電池というやつを積んでたみたいだけど、今は惑星間探査機でも使わないのかな?安全面とかで。

    • 評価
    1. ケプラーがもうすぐヨハネス・ケプラーさんの元へ旅立ってしまうのかと思うと胸熱
      ある時期から太陽系外惑星に関するニュースが妙に増えたと思ったら、このケプラーが頑張った成果だったのか
      後任のTESSの活躍にも期待

      ※21
      記事読んでて「あれ、ケプラーってどこを飛んでるんだっけ?」と思って調べたら、地球と同じ軌道を地球にやや遅れる形で回ってるんだそうで、地球を周回してる訳でも、地球以外の天体を目指したり周回したりしてる訳でもない、かなり珍しい人工衛星(人工惑星)なようで
      ずっと地球のそばにいるようなので、電源は太陽電池で充分なものと思われ
      というかアメリカ議会で、核物質の利用に関する法律の期限が延長されなかった関係で、外惑星探査衛星に不可欠な核電池がアメリカでは作れなくなったと聞いた覚えが…

      • +3
  13. 「ケプラー…こんなところにいたのか」

    なんてSF映画もそのうち出てくるんだろう

    • +4
  14. 最終ミッションは地球外の誰か・何かに見つけてもらうことだよ!
    まだまだ、この栄誉に満ちた仕事を続けて!!

    • +2
  15. はやぶさ2さん、地球に戻ってくる時に一緒に連れ帰ってきてください。

    • +3
  16. お疲れ様。
    しかしどんなに系外惑星を観測して発見しようがそこから来る事も出来ないし、行く事も出来ない。我々はしょせん孤独。
    スタートレックの様に行き来出来れはな~

    • +1
  17. ケプラーの体感時間ってどんな感じだったんだろうね
    数字としてではなくもし人であったとしたならって意味だけども

    • +1
  18. 日本人が~!アメリカ人が~!って言いだす人は科学に向いてない。感性の違いで優劣があるかのようにしれっとレイシズム的な感想を述べ始める人は自分でそれに気づいてないから非常に厄介極まりない。それ比較して何になるの?もともと違うって分かってるのに?としか思わんよ、あめりかでは。

    • -1
  19. こんばんは。 クリス ・ ケプラー です。

    • 評価
  20. そのうち、サルベージャーが宇宙にも現れて、ケプラーが拾われてオークションにかけられる、なんてこともあるのかな。その時またニュースになりそうだ。

    • 評価
  21. ボイジャーと邂逅出来るのは何時になるのだろう(古)

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

自然・廃墟・宇宙

自然・廃墟・宇宙についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。