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驚くほどリアルなCGIエフェクトを使った映画10選

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(著) (編集)

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 今やCGI(コンピューター生成画像)抜きに映画を語ることはできない。いかにもグリーンスクリーンの前にいると分かるものもあるが、巧みに使えば現実との境目の区別がつかないほど画面に溶け込み、迫真のシーンが出来上がる。

 ここでは本物と見分けがつかないほどすぐれたCGIを使用している映画10本を見ていこう。

10. ゾディアック

 デビッド・フィンチャーは業界でも特に細かいこだわりを持つ監督で、偶然任せには決してしないことで知られている。

 2007年の『ゾディアック』では、マーク・ラファロ演じる捜査官が、サンフランシスコの閑静な住宅街を捜査する。が、実はこの街並みはすべてデジタルで描かれたものだ。これによってフィンチャーは照明を思い通りに制御できるようになった。もちろん制作チームの高度な技術があって初めて可能になった芸当だ。

9. ビューティフル・マインド

A Beautiful Mind (9/11) Movie CLIP – The Baby’s Bath (2001) HD

 天才数学者ジョン・ナッシュの生涯を映画化した本作品で、最も胸が締め付けられるシーンはCGIによるものだ。

 ラッセル・クロウ演じるナッシュは子供が誕生して以降、徐々に統合失調症の兆候を見せ始める。劇中、ナッシュはバスタブに水を流したまま子供を中に置き去りにして、危うく溺れさせそうにしてしまう。

 思わず子供の身を案じてしまうシーンだが、実は水を張っていないバスタブに赤ちゃんを入れて撮影したものと、赤ちゃんのいないバスタブに水を張って撮影したものを合成して作られた。 CGIによって可能になった強烈な印象を残すシーンだ。

8. ウルフ・オブ・ウォールストリート

Stratton Oakmont Commercial Opening Scene The Wolf of Wall Street

 マーティン・スコセッシ監督の本作品には、指摘するのが困難なほど実在しないものが数多く登場する。風景のほとんどがセットを迫力あるものにするためにVFXで作られているのだ。

 ウォーターフロントを囲む家は、主人公ジョーダン・ベルフォートの宮殿を目立たせるためにスペシャルエフェクトで加えられたものだ。

 特に驚きなのは、イタリアのシーンだろう。ジョーダンの妻が歩く波止場の周囲には、水やゴンドラを漕ぐ男たちがいる。美しい風景だが、実はグリーンスクリーンの前で撮影されたものだ。

 また忙しく働くブローカーたちの間をライオンが闊歩するシーンも印象的だ。もちろん誰も驚きはしないだろうが、非常にリアルに見える。ここではライオンとともに調教師が歩いていたのだが、その調教師は削除され、後からブローカーが追加された。

7. ブロークバック・マウンテン

@turnerclassiccompanion

BROKEBACK MOUNTAIN (celebrating its 20th anniversary) has a surprising amount of VFX shots (its not very surprising, every film’s got em these days, but it’s still not *known* about as much); I talk about that. BROKEBACK MOUNTAIN now playing in rerelease in select theatres! #Criterion #TCM #classicfilm #classicmovies #filmtok #fyp #western #lgbtfilm #brokebackmoutain #vfx #cgi #jakegyllenhaal #heathledger

♬ The Wings – From “Brokeback Mountain” – The City of Prague Philharmonic Orchestra
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 2人の羊飼いの20年間のおだやかな物語を描く本作品では、それほどCGIを多用していない。しかしアン・リー監督は羊が言うことを聞かないと理解してから、その必要性を感じるようになった。

 あるレポートによると、リー監督は、羊が流れる水を飲むシーンを撮影しようとして苦心したという。

 しかし監督はついにその撮影を諦めた。だが、本物の場面を撮影しようという彼の努力は無駄にはならなかった。ヒース・レジャーとジェイク・ジレンホールが描き出した男同士の関係は真に迫るもので、両者ともにオスカーにノミネートされた。

6. マチェーテ

Machete Trailer (2010)

 『マチェーテ』ではジェシカ・アルバが浴室である種のヌードを披露している。実はこの場面は本物ではない。本物に見えるが、撮影での彼女は白い下着を身につけたままだ。

 アルバは自身が厳格なカトリックの家庭で育ったことから、撮影でヌードにはならないと宣言している。そのため、役のためとはいえ裸を晒すのは正しいことではないと彼女は考えた。

 アルバのCGIの出来は別として、視聴者の多くがビジュアルエフェクトとヌードの将来に失望と当惑を覚えたことだろう。映画評論家からは、裸によって生じる脆弱感や開放感をCGで取って替えるべきものではないとの批判が上がっている。

5. ソーシャル・ネットワーク

The social network VFX twins

 本作品を観た人なら、アーミー・ハマーが2人いなかったことを知ればショックを受けるだろう。これこそ、デビッド・フィンチャー監督がCGIの匠である所以だ。インタビューで監督は、ウィンクルボス兄弟を演じる双子を探したが見つからなかったと語っている。

 そこでジョシュ・ペンスという俳優に双子の片方を演じさせた。その後でハマーはスタジオ入りして頭部をハーネスに固定して撮影。その顔をペンスの顔に合成した。フィンチャー監督はペンスが映画に登場しないことを気の毒に思い、代わりに彼のカメオを登場させている。

4. マッドマックス 怒りのデス・ロード

CGI VFX Breakdowns : “Mad Max Fury Road” – by Brave New World

 フィジカルエフェクトの点でも優れた作品であるが、そこにCGIが加わったことでさらに危険な雰囲気を演出することに成功している。CGIが特に巧みに利用されているシーンの1つが、嵐の後、マックスがフュリオサとワイブスと手を組み車に乗るシーンだ。他勢力に追われる中、フュリオサは狭い渓谷へ向かって速度を上げ、そこでバイカーが壁の岩を爆破して封鎖してしまう。

 渓谷は狭さと高さを演出するために加工されている。これがフュリオサとマックスに迫った危機感を煽るとともに、爆発を迫力あるものにしている。ジョージ・ミラー監督はVFXを視聴者を映画の世界に没入させるための補助として用いており、その甲斐あって視覚効果賞をはじめとするアカデミー賞10部にノミネートされ、6部門を受賞した。

3. ダイ・ハード3

Die Hard: With a Vengeance (1995) – Bad Day in Harlem Scene (1/5) | Movieclips

 一般に、ごく簡単にビジュアルエフェクトを使えば、撮影の際に生じる無用なトラブルを避けることができる。

 『ダイ・ハード』シリーズ3作目となる本作では、ジョン・マクレーン警部補は悪役のサイモンに命じられて、黒人街のど真ん中で彼らを侮辱する格好をさせられる。

 この場面は冗談などではなく、この格好でブルース・ウィルスを実際に歩かせたら、面倒に巻き込まれる恐れがあった。そこで撮影の際のメッセージは「I hate everyone(みんな嫌いだ)」で、後から「I hate niggers(黒人は嫌いだ)」に修正された。

2. トゥモロー・ワールド

Children of Men (8/10) Movie CLIP – It’s a Girl (2006) HD

 人類が繁殖力を失った近未来のイギリスを舞台に、奇跡的に妊娠した女性を守ることになった男性の姿を描く。

 本作品で最も重要なシーンが、女性が出産をする場面だ。強く胸を打つシーンであるが、さらに驚きなのは赤ちゃんがCGIで描かれていることだ。

 当初、アルフォンソ・キュアロン監督はアニマトロニクスの赤ちゃんでこの場面を撮影しようと考えていた。

 しかし結局、補助的にデジタル処理するのではなく、完全にデジタルで描かれることになった。このために撮影がやり直されたのだが、その価値はあっただろう。

1. ブラッド・ダイヤモンド

Danny Says Goodbye – Blood Diamond (4/4) Movie CLIP (2006) HD

 顔や風景を合成したりして、シーンを迫真のものにするためにCGIが使われる例は紹介した。だがここでは、俳優の演技を向上させるためにCGIが使われている。

 エドワード・ズウィック監督は最後の電話のシーンで、一粒の涙を加えることにした。

 民兵がレオナルド・ディカプリオを包囲し、彼の命は風前の灯火だ。電話の向こうにいるジェニファー・コネリーはこの場面を情感豊かに演じているが、ズウィック監督は満足しなかった。そこに描かれた涙がコネリー本人のものではないと誰も気がつかないだろう。

 この演出が表面的であるととして批判する声もあるが、それを一番怒っているのは実はコネリーかもしれない。

References:10 Amazing CGI Effects You Thought Were Real – Toptenz.net/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 30件

コメントを書く

  1. マッドマックスはメイキング見るとそっちなの!?って何回もなる

    • +11
  2. CGIって言われるとwebで動かす方のイメージしかない

    • +7
  3. 俳優の演技にCG付け足すのはどうかと思うよ…。
    これが極限まで行くと、人間の俳優はいらなく
    なるんだから…。

    • +6
    1. ※3
      それはないよ。
      俳優さんによってキャラの解釈が全く違うんだから、そのキャラクターを表現するのに俳優さんは絶対に必要だよ。
      「ホビット」シリーズのスマウグなんて、カンバーバッチだからこそあの存在感があるんだと思うよ。

      • 評価
      1. ※7
        俳優不要論は、昨年のバットマンの時も議論に上っている。
        CGで人間の演技を完全に再現できないというのは、現時点では正しくても、数年後、数十年後にはどうかは分からない。
        映画に俳優が必要と言う、見る側の価値観も時間とともに変わっていくでしょう。そうなると、最終的には、俳優はなくなるのではないでしょうか。

        • -4
        1. ※9
          そうそう、バットマンでそういう話があったっけ。

          バットマンが高層ビルから、飛び降りるシーンがあって、その経過をCGで描き着地して歩き出すところまでもCGで描こうとしたら、「着地後歩く のは実際の俳優でも演技可能なのに、CGにそこまでさせてしまうのは、俳優の立場を脅かすものである、と俳優ユニオンから抗議があがり、結局、上記の 「シーン」 は CGから 着地後歩く 部分のみカットして用いること で決着しました。」という、出来事があったっけ。

          けどまあ、春先にタツノコヒーローそろい踏みで話題になった、「劇場版infinit force」を観に行ったけど、この作品ってフルCGアニメではあるけど、実際に演技をしている人がいて、これをキャプチャーしてCGアニメにしているわけだけど、この場合の「中の人」の立場っていうのは、どうなるんだろう? 少し気になったりする。

          ていうか、流れ的にCGアニメと実写映画の境界ってどこにあるのかが、わからなくなる方向に進んでいくのかね? これから先の映画って。

          • +2
          1. ※13
            中の人というのは結局、着ぐるみを使う怪獣映画や特撮ヒーローのスーツアクターと変わらないと思うのだ。

            • +1
          2. ※16
            確かに、そうなんだろうね。

            たとえば、「シン・ゴジラ」では、このゴジラの「中の人(CGゴジラの動きを演じた人)」が狂言師の野村萬歳さんで、能のすり足を使ってゴジラの動きを演じていたことが話題になったけど、萬歳さん自身がゴジラに「出演」したとして、扱われたわけじゃないし。

            あと、※21
            ハリウッド映画とかの場合には、俳優のギャラが高騰している関係で、「なまじ高額なギャラを払うくらいなら、自由に動かせるフルCGのキャラクターの方がいい」こういう流れも起きてくるだろうし。

            こういう意味では、映画作りそのものが、転換点に来ているのではないかと思う。

            • +1
          3. ※23
            最近のハリウッド映画では、モーションキャプチャー元であるいわゆる「中の人」もキャストの一員として、扱いとしてもギャラとしても他のキャラクターと同じようにもらってるよ(例えばマーベル映画の人間じゃないヒーロー達とか)。
            例に出してる野村萬斎も、「出演したとして扱われる」の定義がなんだか分からんけど、シン・ゴジラのEDスタッフロールじゃ他の俳優と同じ扱いされてるし

            • 評価
        2. ※9
          「芝居の解釈」から個性がオミットされたら、表現としてはより乏しいものになると思うよ。たとえばその個性をCGIのデザイナーをキャラクターの人数分用意してすべてアニメーションの設計で出すなら、俳優を雇ってモーションキャプチャーした方がだんぜん手っ取り早い。意味のないコストをかけてまで俳優をCGI映画から排除する理由はないので、仮に映画がすべてCGIで作られる日が来たとしても、俳優が不要になることはないと思う。

          • +4
        3. ※9
          CG屋の観点から言わせてもらうと、「俳優を使わないCG映画と俳優が演技する映画は混在し続ける」かな。
          アクションメインのDC、マーベル映画とかは真っ先にフルCG映画に参入していくだろうけど、コメディ、恋愛ものなんかは俳優そのものがブランドとして確立しているから、
          世の中から”愛される生身の人間”がいなくならない限りそういう人が映画に出続ける。
          バットマンを演技する人がいなくなればバットマンはCGになるけど、ゼロからスティーブ・カレルやウィル・フェレルを想像し、映画を作るなら最初からスティーブ・カレルやウィル・フェレルを連れてくるからね。

          • +3
  4. 視る人がCGだって気付かない作品はどうなんだろう?見て「CGなのに良く出来ているな」って感心するくらいの方が面白いと思うけど、

    • -7
  5. こういうのを見て簡単にCGでできると思う人がいるけど、この合成をやるのに1年以上かけて作ってる場合もあるからね。

    • +7
  6. マッドマックス、メイキングでもゲロカッコいいな

    • +4
  7. 10のレターボックスとピラーボックスのダブルコンボ

    • 評価
  8. VFXはあらゆる映像を可能にしたし観るだけの私は大好きなんだけども、ガンダルフ役を演じてる最中のイアン・マッケラン卿がボヤいたように、現場の俳優からは演じてて味気ないって感想はどうしてもあるんだろうなあ

    • 評価
  9. 映画のために俳優いらなくても、世界各国を飛び回って宣伝するための有名人が必要
    なので俳優の仕事はなくならないと思う

    • 評価
  10. マッドマックス1は当時映画撮影に対するコンプライアンスが最も低かったオーストラリアで、モロに「体当たり」の演技で撮影されたんだよね…
    重症者が数名出たみたいですが、今じゃ絶対に許可されないだろうなぁ…
    今の時代では映画も過激になり過ぎてるから、逆にCGで無くては制作不可な作品の方が多いんじゃないかな?昔みたいに爆薬を大量に使用して実在の物を吹き飛ばす、なんて現在でやったら、それこそ死者が出るかも知れないし。
    そう言った意味でなら、熟成されたCG技術てんこ盛りの映画もまた一つの芸術表現と言えるかも知れない。
    …たまに「何だかなぁ」って感じるCG作品も、有るには有りますけどね…

    • -1
  11. 羊が言うことを聞かない、でクスっとした
    該当記事の動画でも羊関連が8割でさらに笑ったww

    • 評価
  12. 怒りのデス・ロード吹き飛ぶ人は合成だけどバラバラになる車とかは本当に撮影してて笑う

    • +1
  13. マッドマックスはシリーズ通じて公道の恐ろしさ、緊張感をうまく表現できているよな。
    監督は暴走族あがりっぽいな。

    • 評価
  14. 映画っていうのは、俳優に仕事を与えることが目的じゃなくて、観客を(広い意味で)楽しませることが目的なんだから、CGが俳優の仕事を奪うっていうのはお門違いなんだよな
    CGで作った演技よりも俳優が演じた演技の方が映画の質を高めることができる(あるいはコスト的に安く済む)なら、俳優が演じるべきだし、そうじゃないならCGで作るべき
    現在のモーションキャプチャーも俳優が演じた方がCGで一から作るより良いから使われてるわけで、逆に言えばそのレベルの演技が出来ない俳優なら俳優として仕事がなくなって当然

    日本のドラマなんかでアイドルがドへたくそな演技してるけど、あれこそCGで全部作り直してほしいわ

    • +11
  15. ハリウッドがよく役者不要論的な話になるのはそれこそ一からCGで作った方が安いくらいにギャラが高いからじゃねえかな…
    ただCGに演技性を付与してって話が進んでいくとその演技を付けるCGアーティストの大家みたいなのが生まれて
    結局またギャラが莫大になってってなりそう

    • +3
  16. SF映画のエフェクトシーン作成の話かい?いいよ、いいよ。パルモたんが大好きな分野だものね。30年くらい前の映画はCGを使うと、どこか違和感が有ったものだが、今や実写よりもリアリティーが有る映像が作り出せるから、おっそろしい時代になったもんだと思う。エフェクトシーンだけで、ご飯3杯は行ける。CGバリバリ派と、実写重視派と、混合使用派と、分野が分かれて行くのかなぁ?とか思うよ

    • 評価
  17. 神経質な芝居をしているジェニファー・コネリーって最高だよなぁ。

    • +1
  18. 背景後付か
    役者さんの想像力が試される進化だな…

    • 評価
    1. ※27
      映画ゴジラ(モノクロのほうね)のころ、すでに必要でした。
      高いところをバラバラに見せないよう、竿の先に何かをつけてそこを見上げるような。

      • 評価
      1. ※30
        有名な「さようなら、皆さん、さようなら!」の直前辺りでもスクリーン背景やってるね。

        • 評価
  19. なんでもないただの壁に、なにもない空間に、魔法のように世界が描き出されていく
    そんなVFXの種明かしみたいな動画が好きです

    永遠の0の赤城のVFX動画とか震えた。船が空母に変身していくあの興奮。

    • 評価

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