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サルバドール・ダリのワインバイブル『ガラのワイン』が40年ぶりに再販される

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image credit:Salvador Dali: The Wines of Gala, Taschen
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 シュルレアリスムの代表的な芸術家として知られているスペイン出身のサルバドール・ダリ。彼はまた、美食家としても知られており、不条理なディナーパーティーや伝説のレシピブック『ガラの晩餐(Les Diners de Gala)』を出版した。

 そしてまた1977年、ワインバイブル『ガラのワイン(Dali: The Wines of Gala)』も出版したのだが、この本が今年、40年ぶりに再版されたそうだ。

 『ガラのワイン』は1973年に出版したの料理本『ガラの晩餐』の姉妹版である。その両方を妻であり、彼のミューズ(女神)であったガラに捧げ、本の中でその独特な感性をさまざまな饗宴へと凝縮させたのだ。

『ガラのワイン』の表紙

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image credit:Salvador Dali: The Wines of Gala, Taschen

約40年ぶりに再販された「ガラのワイン」

 『ガラのワイン』は出版当初、あまり売れなかったが、最近、ドイツの出版社タッシェンがこの美しくも変わったワインマニュアルを再販した。

 この本は、極めてダリ的なエキセントリックな喜びに浸り、今日わたしたちが住んでいる騒がしい世の中で、もう少しゆっくり行こうとしきりに促すものになっている。

 この本のためにダリが描いた140以上のイラストを通じて、ワインは歴史のいたるところで、人生の重要な場面でたびたび持ち出されるアイテムであることをわたしたちに思い出させてくれる。

 ネコのヒゲから人々へ十分なワインが行きわたる

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image credit:Salvador Dali: The Wines of Gala, Taschen

 まさにシュルレアリズムの極み「ブドウはいかが?」

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image credit:Salvador Dali: The Wines of Gala, Taschen

ダリは絵だけを描き、執筆は仲間に任せる

 ダリは、『ガラのワイン』の中で文章は書いていない。ダリの元クルーだったマックス・ジェラードと作家のルイス・オリゼットが、本の中の「10の神のダリワイン」と「10のガラワイン」の2つのセクションをそれぞれ執筆している。

 最初のセクションは、ラクリマ・クリスティやボルドーなどワインつくりの中心的産地についてで、もうひとつは、軽蔑、官能、不可能など、さまざまな感情や経験によって決める、ワインの新しい分類方法について掘り下げている。

瓶に詰められたピアニストが流れる海のピアノを奏でる

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image credit:Salvador Dali: The Wines of Gala, Taschen

 オリゼットが書いているように、ことワインとなると、人々にとって個人的な好み以外のものを試すのは試練になることが多い。

 だから、ダリ独自のアプローチ法で試してみることで、読者のワインへの理解を広めるのを目的としている。

 これは、ラファエロ派の完璧さへの入門として、味覚美学的な形而上学を確立することになるだろう。味覚と記憶の関係と同じように、いかにワインが肉体の限界を越えて、わたしたちの魂に無限に及んでくるかを探究することが絡んでいるのだ。

 ダリはそれぞれのセクションの美食ノートでこれを最高にうまくこなしている。人々がワインを飲むことで純粋に得られる喜びを高めることも含めた瞑想なのだ。

 例えば、「寛容さのワイン」の章では、

ワインはテレビを見るときのすばらしくおいしい相棒で、その芳香はグランドスラムを逃したときの失望感を克服する助けになってくれるだろう。まさに船旅、うつうつとした日々、恋人とのランデブーのお供であるワインなのだ

 とオリゼットは書いている。

 人の血がそしてワインとなる

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image credit:Salvador Dali: The Wines of Gala, Taschen

 『ガラのワイン』の中のこうした特異性は、ダリの陶然とするような視覚的イラストと相まってく心に滋養を与えてくれるだろう。

 お気に入りのワインを飲みながら『ガラのワイン』のページをめくれば、いつもとは違った酔い方ができそうだ。

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image credit:Salvador Dali: The Wines of Gala, Taschen
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image credit:Salvador Dali: The Wines of Gala, Taschen
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image credit:Salvador Dali: The Wines of Gala, Taschen

 なお、『ガラのワイン』(Dali: The Wines of Gala)は、日本でもAmazonなどで購入可能となっている。値段は6509円だ。

Dali: The Wines of Gala (Amazon.co.jpで詳細を見る)

via:thisiscolossal / itsnicethat/ written by konohazuku / edited by parumo

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この記事へのコメント 14件

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  1. ダリは嫁のお陰で芸術家と言うよりは商業作家だったんだよね
    いちおうシュルレアリズムは志向していたけどこっちのほうが売れるからと嫁に言われてそれ風の作品を意図的に描いていたんだよねえ。アメリカに行ってからはその傾向がより強くなって商業作家になったんだが、妻を生きがいにしていたダリにとってそれが幸福なことだったと。他の画家からは金の亡者と距離置かれたけど幸福に人生を終えた作家だった

    • +10
    1. ※1
      インパクトが強くて気持ち悪さすら感じるダリの絵の中に、常に喜びみたいなものが存在するのは嫁がいるからなのかな?
      それを抜きにしても、俺はダリの絵から感じられる独特の開放感、カタルシスがたまらなく好き。

      • 評価
    2. ※1
      なるほどね
      しかし、なんとも言えない
      そればっかりはダリ本人しか知り得ぬことだ
      本人にも判らないことなのかもしれないけれど

      • 評価
  2. インパクトの少ないものが多い現代、これを見て
    何も感じない人はいない
    最近ぶっ飛んだ芸術って少ないしもう少し芸術という
    型枠から離れたような作品って見てみたいぜ

    • +7
    1. ※3
      いわゆるモダンアートは「パッと見ていいと思える作品」ではなく
      「意味不明な能書きを聞かされて納得したような気分になる作品」が多いんだよね
      つまり絵からパワーというかオーラが放射されていない。

      • +1
  3. 最初の絵の左上に,野球のキャッチャーが向かい合っているんだけど,これは何だろう?

    • +3
  4. ディズニーとダリのコラボアニメあったよね。不思議なおもしろさだった。

    • +1
  5. この本は当時は売れなかったとしても、今もこれからも途切れなく需要があると思う。それを考えるとダリは「ダリ」というブランドが何であり、人々に何を求められているのかを熟知していたのだなと感じる。

    • +3
  6. ガラさんは確かダリより年上の姉さん女房で、ダリと出会ったときは既婚者だったはず。
    ガラとダリの関係性って芸術家的には本当に幸せそう。
    ガラさんが亡くなってからのダリの絵には迫力がないよ。
    やっぱりインスピレーションの源だったんだなと。

    • +10
  7. う~ん。何とも言えない画集ですね~。何とも言えないけど見ちゃうな

    • 評価
  8. 猫のヒゲのやつは何か猫の生き血飲んでるみたいでぐろい・・・

    • 評価
  9. そういえば以前「ダリの娘」を自称する女性が現れて騒ぎになりましたが
    無事に赤の他人であると認定されたそーです

    • 評価

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