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植物だって攻撃する。生きるために植物が身に着けた巧妙な殺しのテクニック10

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(著) (編集)

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 植物は穏やかで実に平和的に見える。植物性だから人体にやさしいなどという逸話すらあったぐらいだ。だがカラパイアを見ている人ならご存じだろう。

 その場からほとんど移動できない植物だが、移動出ない故に驚異的な殺傷能力を秘めている。人を殺すことすら可能なほどの、静かなる殺し屋なのだ。

 動物を捕食したり、太陽の光を得るため、植物は巧妙な手口を使う。ここではそんな植物たちの生き残りをかけた殺しのテクニックを見ていくことにしよう。

10. バキュームトラップ

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 停滞水は栄養が乏しい。そこでタヌキモはミジンコなどの原生動物や輪形動物を捕食する方法を進化させた。

タヌキモ 捕虫の瞬間

 小さな葉の部分は扉つきの袋状になっており、ここから水を吐き出し圧力差を作る。扉には圧力を感知する毛が生えている。ここに獲物が触れると扉が開いて、ほんのミリ秒の動作で獲物もろとも水を吸い込んでしまう。捕虫嚢の中は消化液で満たされており、哀れな獲物は消化されるのを待つしかない。

9. 絞殺

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 森林に生い茂る植物は日光を求めるために空中戦を繰り広げる。樹冠を高く、もっと高くと伸ばすのだ。だが中には、他の植物の樹冠を登るよう進化した植物もいる。

ow the fig tree strangles other plants for survival in the rainforest – David Attenborough

 絞め殺しの木は鳥のフンを介して種を他の木の枝に落としてもらう。芽生えた種は根を地上へ向けて垂らす。やがて根が大地に届き、根付くと絞め殺しの木は急激に育ち始める。根が宿主の幹に絡みつき、きつく締め上げつつ、自分の枝葉を伸ばす。やがて宿主には日光が届かなくなり、最後には枯死してしまう。

8. 溺死させる

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 栄養の乏しい環境に適応したウツボカズラは、昆虫だけではなく、小型の哺乳類や爬虫類にとっても脅威である。異形の葉は水差しのような形をしており、そこに雨水を溜め込んでは、ここに落ちた獲物を消化する化学物質を浸潤させる。

Poisonous Pitcher plant – The Private Life of Plants – David Attenborough – BBC wildlife

 水差しの内壁は滑りやすく、落ちてしまえばもはや脱出することは叶わない。タチが悪いことに、内部の死骸は他の獲物の気を引く。こうしてまた新たな犠牲者が増えるのである。

7. トラバサミ

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 ハエトリグサは最も有名な食虫植物だろう。ハエトリグサは栄養に乏しい湿地環境に自生し、非常に複雑なワナを進化させた。葉の縁にはスパイクが並び、内部には敏感な毛が生えている。この中へ昆虫が進入し、うっかり毛に触れてしまうと葉がトラバサミのように閉じる。

VENUS FLYTRAP JAWS OF DOOM!! 2014 compilation

 なんと誤動作防止機構まで備えており、2本の毛に20秒以上触れない限り罠が作動しないようになっている。

 昆虫がもがけばもがくほど多くの毛に触れ、さらに葉は閉じようとする。獲物はやがて消化され、再び開いた時、残されているのは消化できない殻の部分だけだ。

6. ネバネバ触手攻撃

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 モウセンゴケの罠は優雅だ。葉の部分に糖の混じった分泌液をにじませ、これで獲物をおびき寄せる。しかし分泌液はネバっとしており、昆虫がそこに触れるとくっつく。

Scary Nature: Sundew Timelapse Compilation

 逃れようともがけばもがくほど、他の腺毛に触れ、さらに身動きが取れなくなってしまう。しかも腺毛は昆虫を掴むようにしなやかに動く。包み込まれて完全に動けなくなった昆虫には、分泌液の消化酵素によって消化される運命が待つ。

5. 酸攻撃

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 イネ科の多年草、ヨシはアメリカにおいては最大の外来種の1種だ。今や湿地のかなりの部分がこの種に覆われている。

 植物の中には毒を放出して、近くの植物を追い払うものがいることが知られている。この化学兵器戦争をアレロパシーという。ヨシはもっと攻撃的で、根から酸を放出して、近くに生えている植物の根を溶かして枯らしてしまう。こうしてヨシはさらに勢力を広め、また新たな敵に攻撃を仕掛けられるようになる。

4. ハエ取り紙

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 ムシトリスミレは食虫植物だがハエトリグサやモウセンゴケのような素早い動きは行わない。ただ罠を用意して、じっと待つだけだ。

Insect struggling to set itself free from Pinguicula (Butterworts) trap

 平らな葉から分泌される粘液を水や蜜と勘違いをした虫が近づくと、粘液に触れてしまう。すると葉っぱがゆっくりと包まり、昆虫を覆う。あとは消化して、葉から養分を吸収するだけだ。

 一度獲物を捕らえると、新しい葉に交換しなければならないため、ムシトリスミレはできる限り多くの葉を生やして、捕虫能力を高めている。

3. 罠かご(捕虫器)

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 厳密に言うと、熱帯植物のゲンリセアには根がない。地面を掘ってみれば、根っこのような白く細長い部分が見えるだろう。

 実はこれは葉が変形した捕虫器で、罠かごのように機能する。管状の捕虫器は下向きに伸び、逆Y字に分岐する。そこには400ミクロンの開口部があり、縁には内部へ向けて剛毛が生えている。このため一度進入てしまうと後戻りし辛い。

 獲物はさらに奥へと進入し、そこで酵素によって消化される。獲物は土壌で生きる小さな原生生物だ。

2. おとりの出口

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 サラセニア科の食虫植物、ダーリングトニア・カリフォルニカは、消化液のプールから何人たりとも逃すつもりはないようだ。普通の水差し型の罠だけでは心許ないのか、心理トリックまで利用している。

 この植物は雨水で水差しの部分に水を溜めるのではなく、水を汲み出して水位を調節する。それが必要なのも水差し内部への入口が湾曲しているからだ。

 その利点は一度内部に進入すると、入ってきた入口が隠れて見えなくなってしまうことだ。それだけではない。水差しの中には半透明の部分があり、出口に見せかけている。だが出口があるように見えて、そこからは脱出できない。必死に出口を探し求める獲物は、やがて疲れて、さらに奈落へと落ちていく。

1. 苦痛地獄

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 動物から身を守るためトゲなどで自分を食べようとしてくる動物に痛みを教えて、近寄らないよう仕向ける植物もある。

 だがオーストラリアとインドネシアに分布するギンピ・ギンピは、人間を自殺に追い込むほどにそれを先鋭化させた。

 ハート型の葉には毒を含む刺毛が生えている。その葉に少し擦れるだけで、皮膚にトゲが刺さり、神経毒が注入される。その苦痛たるや犬や馬を殺し、人間を発狂させるほどだ。

 ある林業の作業員はギンピ・ギンピの葉をトイレットペーパー代わりに使い、あまりの苦痛に銃で自殺したと言われている。その痛みは何年も続き、通常の鎮痛剤では苦痛が多少鈍るのみだ。

via:10 Ingenious Ways Plants Kill – Listverse/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 29件

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    1. ※2
      ごめん、なんかおかしなことにに『10.』が、あなたへの返信扱いになってる。
      ボタンは押してないよ。
      「>」って文字化けするのかな。

      • +2
  1. 毒で身を護り、敵に捕食されまいとする生物が居る一方で
    毒で積極的に敵を殺し、それを養分に勢力拡大を図る生物も居る
    手段としての「毒」ひとつとっても、その目的は多岐に渡る
    生物って面白いよなぁ

    • +7
  2. 最後の方気の毒すぎるんですが実話(´・ω・)?ご愁傷様としか言えない。

    • +13
  3. 5のアレロパシーによって日本国内でかつて権勢を誇ったのがセイタカアワダチソウなんだけど
    覇権取って密集し過ぎて自分たちの出した毒素で自滅しちゃったんだよね

    • +13
  4. 普通の農作物も、害虫による食害が酷くなると自衛のために毒を生成するものもある。
    無農薬だから安心ってわけでも無いらしい。

    • +5
  5. ヨシって葦のことだよね?
    そんな奴だったん?
    セイタカアワダチソウよりもつつましいかと思ってた。

    • +6
  6. はい「地球の長い午後」を読もうね。

    >2本の毛に20秒以上触れ…
    たぶん一本に触れてから20秒以内にもう一本に触れるとだと思う。
    つまり一本だとスルー、必ず二本位触れる必要があり、その感覚が長いとスルー。
    一枚の葉が開閉しすぎるとその負担で枯れることから、無駄に動かないようにしているみたい。

    • +3
  7. 最後のギンピギンピはイラクサ科で、日本にもミヤマイラクサとか生えてる。
    けど、こっちは蟻酸程度の毒しか無く、蚊に刺されたみたいになるだけ。
    そして熱を通せば美味しく食べられる。

    • +6
  8. 今、希少糖で攻撃するズイナを思い出した。
    これも入れてくれ。

    • +1
  9. トイレットペーパーの代わりってあのさあ…
    きっとみっちゃんみちみちはこの林業作業員のような犠牲者を二度と出さないための戒めだったんだな(違う)

    • +2
  10. ウルトラマンタロウの「バサラ」を思いだした。

    人間襲って耳に管差し込んで、血吸うというバラの怪獣。

    • 評価
  11. 誰だアメリカにヨシ持ってった奴
    ヨシキリのためにもヨシを悪者にしないでほしい

    • +2
  12. 食虫植物は虫を主食にしていると思ってる人が多いよね

    • 評価
  13. いくら毒を持とうとも人という知的生命体を繁殖の為に支配しているトウモロコシや大豆にはかなうまい
    そして美で人を支配している園芸植物も・・・
    毒で制するのではなく満腹と美意識こそ人を支配する最良の方法という事だ

    • +4
  14. ギンピギンピって普通の雑草にしかみえないところが更に恐ろしい

    • +6
  15. 食虫植物が居る環境は、養分が少ない環境が多いんだよね。
    十分な肥料がある環境なら、わざわざ虫を捕まえる必要も無かったりするんだ。

    • +1
  16. ハエトリて
    虫食べる必要がないんじゃなかったけ
    逆に虫を捕まえる為に動くエネルギーの消費が凄くて
    面白がって何度もやってると枯れると
    このサイトだか似たようなサイトで観たな

    • 評価
  17. 食虫植物だけじゃねーか!…と思ったら、最後に殺人植物のなかでマジでヤバい、ギンピギンピを挙げやがったww

    • 評価
  18. 昔ばーちゃんの飲んでた
    天然のセンブリ煎じ茶飲んだときは死ぬかと思った
    あれはもう凶器になる苦さ

    • 評価
  19. ギンピ・ギンピって日本のイラクサと近縁なのかな。
    イラクサもパンパン草と似てるからうっかり触って激痛にのたうった事があるよ

    • +1
  20. 9の絞め殺しの樹は自分がネイチャーガイドしてたときに
    先輩ガイドだったか学者から聞いたら実は
    アコウみたいな樹は絡みついた相手を締め上げていくんじゃなくて
    絡みつかれた側が成長し続けて窮屈になって自滅するらしい
    10歳くらいの育ちざかりの子供が全身に纏足みたいな枷をされて
    声調するばするほど体中に枷が食い込んでいくようなもの

    • +2

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