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宇宙のミッシングパーツ、欠けていた「バリオン物質(重粒子)」の存在がついに立証される(米研究)

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(著) (編集)

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 暗黒エネルギーと暗黒物質の発見に気をとられるあまり、きちんと定義されている粒子のほとんども、いまだ欠けているパーツのごとく行方不明になっているという事実を我々は忘れがちだ。

 だが今、それが銀河同士をつなぐ宇宙の繊細な網の目に隠されているという史上初の確かな証拠が得られた。

 2つの独立した天文学者チームが、それぞれ似たようなアプローチで銀河の間にあるバリオン物質なるものの存在を立証したのだ。

失われていた粒子、バリオン

 バリオン物質(重粒子)は、陽子・中性子・電子といった高校の物理の教科書に掲載されている基本的粒子で概ね構成されている。

 これは宇宙の総量のおよそ4.6パーセントのみを占めると考えられている。残りは暗黒物質と暗黒エネルギーだ。

 星々や輝くガス雲が放つ光を調べ、現在までに明かされてきた宇宙の大きさと密度に基づきその質量を掛け合わせれば、それらの中のバリオン物質の量を大体のところは把握できる。

 しかし把握した量を足し合わせてみても、ビッグバン以降に放たれた放射線で融合しているはずの量に届かないのだ。宇宙の希薄な部分においては、一見すると実に90パーセントものバリオン物質が足りないほどだ。

 行方不明の物質は、銀河を取り巻く塵とガスの拡散ハローとして存在する可能性もあるが、それでもなお大量のバリオン物質が在処が分からないまま残される。

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image credit:nasa ESA

スニヤエフ・ゼルドビッチ効果に着目して測定

 困ったことに、バリオン物質が光や影を何らかの形で広めていない場合、それを発見することはできない。

 しかし最近の発見によって宇宙に暗黒物質の広大な網の目が広がっていることが確認され、普通に視認できるはずのバリオン物質は銀河と銀河を結ぶフィラメントに蓄積されているのではないかと疑われるようになってきた。

 だがきちんとした証拠がなければ、疑いは疑いのままだ。

 それは星の光を遮るほど密度が高くなく、何らかのサインを示すほど熱くもないと考えられたため、ほとんどの測定技法では発見が困難であった。

 そこで着目されたのが、スニヤエフ・ゼルドビッチ効果という、ビッグバンの輝きの名残である陽子が、銀河団を取り巻くガスの電子を通過する際に拡散して、わずかに高いエネルギーが生じる現象だ。

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image credit: Sunyaev–Zel’dovich effect – Wikipedia

 両チームともにスローン・デジタル・スカイサーベイの銀河のペアのデータを用い、相対的な位置を基に、そこにある微かなパターンを補強。

 こうしてカナダ・ブリティッシュコロンビア大学のチームはフィラメントの密度が周辺の空間のバリオン平均密度の3倍近くあることを発見。またイギリス・エディンバラ大学のチームはそれを6倍と計測した。

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 この差異はフィラメントを異なる距離で観測した場合に予測されるものであり、これを考慮に入れれば両チームの結果は一致するものと考えられる。

 今後、より大規模な調査によって、宇宙の網の目に蓄積している可視物質の正確な量についてさらなるデータが集められることは間違いない。独立した2つの研究チームの結果が一致したのだから、今の時点でもかなり確かな証拠である。宇宙と銀河の進化のモデルはさらに発展することだろう。

via:arxiv / arxiv / newscientist / futurismなど/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 37件

コメントを書く

  1. バリオンを超マイナーなパピヨンローゼと間違えてしまった
    たぶんカラパイア見てなきゃ一生見る文字でもなかった

    • 評価
  2. 30年くらい前ならこの粒子を元ネタに~~バリオンってロボットアニメが作られたかもしれない作られなかったかもしれない

    • +5
    1. ※3
      『魔神竜バリオン』は、丁度30年前に11週突抜で週刊少年ジャンプでの連載を打ち切られたそうであります……。

      • +5
    2. ※3
      どえらく昔にジャンプで見たような気がするんだが…

      • +1
  3. どんな粒子とかはともかく
    スニヤエフ・ゼルドビッチ効果って名前がキャッチー
    というか物理学の現象の名前はキャッチーなのが多い
    SF的にというか中二心をくすぐる的にというか

    • +4
  4. 理論と観測と観測装置と観測技術等々が連携積み重なって
    理論が正しいと証明される らしい
    理論だけだとアホのたわごとと同じだけど
    観測と一致すれば、理論が正しい らしい

    • 評価
  5. カミオカンデ、ハッブル宇宙望遠鏡、等々で観測解析
    仮説を立て 理論や数式作る
    それを元に観測して数式に当てはめて、観測と一致
    理論が証明 な感じらしい
    詳しい人に詳しい事聞くと、専門用語や数式の壁が

    • -1
  6. 同じ研究で倍近くデータが違うのがちょっと疑問だけどね

    • 評価
  7. プラトンの洞窟じゃないけど、粒子の存在が「粒子の作用」によってしか観測できないのが面白いよね。

    RPGとかでマッピングが終わった後に、マップの空欄に隠し部屋を見つけるような感じ…?

    • 評価
  8. >>バリオン物資(重粒子)は
    物資になっていますよ。

    • 評価
  9. バリオンそれ自体は珍しくもない、つーか陽子と中性子がそれだから
    我々が目にしている通常の物質全てがバリオンで構成されている
    つまり、バリオン物質とは通常の物質の事
    ゆえに、この記事のタイトルにはすごい違和感

    この記事のキモは、バリオン粒子発見じゃなくて
    計算上、宇宙に存在するはずの通常物質(バリオン物質)が足りないんだけど
    新たな観測方法で、その足りなかった分が見つかるかもねって話

    • +23
  10. バリオン(重粒子)は陽子と中性子が含まれるグループで、酸素とか水素とか周期表に書かれてるものにはすべて含まれてる。つまり日常で目にする「物」の大部分を占める物質。電子はバリオンじゃないし、複数の陽子・中性子で構成された物質はバリオン(重粒子)とは呼ばないから、「バリオン物質(重粒子)は、陽子・中性子・電子といった~」の説明は不適切な気がする。

    この研究は、理論上のバリオンの量より、銀河に存在する(これまで観測できてた)バリオンの方が圧倒的に少なくて、「残りのバリオンはどこ?」と言われてたことに対する解決案。

    • +19
  11. ビッグバンの名残の陽子ってまだ飛んでんのかよ…

    • +2
  12. 科学の記事は知識もないといけないから難しいよね
    ダークバリオンでぐぐるとわかりやすいサイト出てくるな

    • +1
  13. え、じゃあ、なにも見えなかったところに
    「なにかがある」ということがわかった
    って話?

    • 評価
  14. 重粒子 バリオン
    ロボットアニメのタイトルのようだ

    • 評価
  15. うん、わからん、ここらへんのレベルになると頭が拒否するな
    宇宙好きだから読むけど

    • +1
  16. 「サイコアーマー ゴーバリアン」ってロボットアニメなら昔あったが…関係無いか

    • 評価
  17. >銀河を結ぶフィラメント
    まずここから説明してくれ…

    • +1
    1. ※37
      宇宙には無数に銀河があるんだけど、記事の写真を見てもわかる通りそれぞれの銀河は完全にランダムに漂ってるわけじゃなくて、実際は分布に偏りがある。特に赤・青・緑のマップ画像を見るとなんとなく網の目みたいな構造になってるでしょ。その網の部分(銀河≒物質の密度が高い部分)がフィラメント。

      • +2
  18. >>これは宇宙の総量のおよそ4.6パーセントのみを占めると考えられている。残りは暗黒物質と暗黒エネルギーだ。

    微妙に数字が違うんだけど、物質の総量は4.9%で残りがダークエネルギーとダークマター
    バリオンが4.6%ならバリオン以外の物質(バリオンを構成するクォーク以外のレプトンやボソン等)が0.3%あるはずなんだけど
    この書き方だとバリオン以外の物質が存在しない事になってしまう

    • 評価

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