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さすが霊長類。木の枝を使いこなし川の藻を食べるギニアのチンパンジーたち

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(著) (編集)

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 チンパンジーは高度な知能を持つ霊長類だ。ヒトに似た形態を持つことから類人猿(エイプ)とも呼ばれている。現生類人猿はヒト同様に尾は失われており、盲腸に虫垂がある。それに対し一般的なおサルさんたちは小さいながら尾があり、虫垂がない。

 2010年より、ドイツ・ライプツィヒにあるマックスプランク進化人類学研究所の研究者たちがは、チンパンジーの知能を研究するために「パン・アフリカン・プログラム」というプロジェクトを開始した。

 チンパンジーが食べ物を集めるために道具を使うのは良く知られている。こうした道具は、彼らが棲んでいる環境によって違う。

 ギニア・バコウンに住むチンパンジーたちを観察したところ、彼らはなんと、木の枝を釣り竿代わりに利用して、水中の藻をすくって食べていることがわかった。

Chimpanzees fishing for algae with tools in Bakoun, Guinea (PanAf)

棒を藻を食べるための道具に使用するバウコンのチンパンジー

 ギニア・バウコンでは生息地に遠隔カメラを仕掛けて、非侵入性の観察を行うという研究が進められている。

 研究者らは水辺のそばに棒状のものがはっきりみとめられたため、川や池の近くにもカメラを仕掛けてみた。

 するとそこで、チンパンジーが”釣り”をする場面が撮影された。しかも1頭だけではない。多くのチンパンジーが長い枝を水中に突っ込んで、それで藻をひっかけて自分のほうに引き寄せ、すくいとって食べていたのだ。

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 そして、すぐにそれを焼き鳥を食べるようにうまいこと”釣り竿”からはずして、食べている。

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 自然にある道具を使うこうした行為は、バコウンのチンパンジー独特のもので、同じチンパンジーでも別のコミュニティでは、かなり違う行動が見られるという。

 「使う道具は、長年ギニアでチンパンジーの生息地として知られる近くのボッソウとはかなり違うし、同様の報告が以前にあったコンゴとも違います」マックスプランク研のアミー・カランは言う。

 「映像によると、バコウンでは、大人も子供もオスもメスも、水辺で木の枝を使ってうまいこと藻を食べています。

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 藻をすくうのに使う枝は、だいたいボッソウのものよりも長く頑丈なもので、4メートル以上の長さのものも確認されています」

 バコウンのチンパンジーが食べている淡水の緑藻類は、ボッソウのチンパンジーが好むものと同じ種類だが、採集手段が違うようだ。

 この藻は近隣のほかの水辺では水面でかき集められるのに対して、バコウンでは水底に生えているからだ。

 「同じ藻であっても、それぞれの場所での生態の違いが、収穫に必要とする道具の種類の違いにつながっているのかもしれない」とマックスプランク研霊長類学のクリストフ・ボッシュは言う。

 「バコウンのチンパンジーにとって、藻を食べるのは栄養的に重要なメリットあると言えます。特に乾季には、彼らが同じ場所で1時間も藻をとっている様子が観測されているのです」

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子供に道具の使い方を教えるチンパンジーの母親

 また、野生のチンパンジーの母親が、子供に道具の使い方を教えている場面が初めて撮影されたのでこちらもあわせて紹介しておこう。

場所は、コンゴ共和国のヌアバレ-ンドキ国立公園。母親から木の枝を使ってシロアリを捕える方法を教わる子どもの様子が撮影され、チンパンジーの新たな教育の進化が明らかにされた。

Female Chimpanzee Teaches Tool Use

 この映像では、母親が違った戦略を利用して、子供に道具を与えていた。複数の”探針棒”を用意して、子どもと一緒になってシロアリの巣を突いたり、母親が自分の道具を半分にして、子供に与えたりしている場面も見られたという。

つまりこれは、母親が子供のニーズを予想することができ、最小限の労力でそのニーズを満たすために、別の方法を思いつくことができたということになる。

via:onlinelibrary / mpgなど/ written by konohazuku / edited by parumo

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この記事へのコメント 21件

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  1. ワイ、箱に入ったお菓子を取り出せず咽び泣く

    • +8
  2. 闇雲に引き上げてるんじゃなくて
    きちんとかかってるか確認して、さらにひっかけたりしてる。
    賢いなあ。

    • +3
  3. ここまでして水に入りたがらない理由はなんだろう?藻が視認できるならワニも見つけれるだろうし。寄生虫とかかな?

    • 評価
    1. ※4
      記事と動画にある通り水底にあるから場所によっては潜る技術がないと取れないんじゃない?
      だから道具を作った訳で。
      それに猿は火を使って瞬時に温まったりまでは出来ないし、同じ霊長類だから単に体が濡れてる感覚がヤダってだけでも説明はつく気がする。

      • +1
  4. 蟻の巣だかに突っ込んで食すのってチンパンジーじゃなかったっけ?
    子供の頃の絵本で覚えたわ

    • 評価
  5. ユーグレナ(ミドリムシ)のように栄養バランスがいいのだろうか。味も気になる。

    • +3
  6. 人間ってほっとけば好きなものばっかり食べるけど、動物ってどうなんだろう?
    こんだけ試行錯誤しても食べたいってことはこれが美味しいのか、それともこれしか食べるものがないのか…

    • +5
    1. ※8
      ずいぶん前にテレビで殺菌・整腸作用のある苦い木の葉を食べにくる野生のチンパンジーのグループが紹介されてた。
      苦くてまずいけど、ボスが定期的に群れを木に連れて来てた。子ザルや若いサルはあんまり口にしないんだが、年長サル達は黙々と葉っぱ食ってたよ。

      • +6
  7. 俺の親父、耳かきするとき、この猿と全く同じ表情するわ

    • +1
  8. 集中して竿を操作してるときに口がもごもご動いてるのとかも人間と一緒だなw
    チンパンジーはかなり水嫌いだったと記憶してるけど、そもそも藻が美味しい・深いところにたくさんあると気づいたきっかけは何なんだろうなぁ

    • +2
  9. 群れごとに固有の狩猟文化を持つのはシャチと同じだな
    母親が狩のやり方を教えるのも類似している

    • +1
  10. 類人猿の知能がどれくらいの水準になれば「頭いいなあ」から
    「ちょっと危険だな…」になるんだろう。

    • +2
    1. ※19
      人間に近すぎるのは人の祖先によって滅ぼされてきたなんて話あるよね
      テリトリーを脅かされて争いになったら容赦しなかったのか、どうなんだろう
      しかしネズミなんか古代の人にとっては食料はかぶるわ子供も齧るわで
      当時の人にとっても嫌~な敵だったと思うんだけど今も元気でやってる
      大昔のことを考え出したらいろいろ気になっちゃうぜ

      • +1
      1. ※21 ネズミ最強だよね。マジどこでも繁栄する。でもそのおかげでイエネコが世界に広まって、我々が恩恵を受けてるんだからフクザツ。

        • +1
    2. ※19
      道具を使う動物はいくつか確認されているが、人間との本質的な違いは、
      「“道具を作るための道具“を作れるかどうか」

      たとえばこの記事の例でいえば、チンパンジーは、道具として適当な枝を探したり、あるいは折るなど簡単な加工はできる。
      しかし、高性能のシロアリ釣り竿を作るために、棒の先端を細く削るような石器のナイフを作る…となると、一気にブレイクスルーする。するする。

      • +2
  11. 人間がチンパンジーを見ている時の気持ちのように
    宇宙人も人間を同じ気持ちで見ているかも

    • +2
  12. 藻を食べるのはやめなさい!おなか壊しますよ

    • -1

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