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太陽系最大の惑星、木星に関する7つの驚異的事実

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(著) (編集)

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 木星は太陽系最大の惑星である。何しろ太陽系の他の惑星すべてを内側に収めることができるほど大きい。それは巨大なガスの塊で、恐ろしい嵐が吹きあれている。古代から知られ、多くの文明で神話や信仰の対象となっていた。

 以下ではジョンズ・ホプキンズ大学の物理学者であり、木星探査機ジュノーに搭載されているJEDI(エネルギー粒子検出装置)の首席研究者であるバリー・モーク氏が語った木星についての驚異的事実だ。

1. その巨大さに関する事実

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 木星の内側には地球が1,300個収まる。とにかく大きいのだ。強力な磁気圏はさらに大きく、なんと太陽よりも大きい。太陽の中に木星1,000個が入ることを考えれば驚きである。

 木星が自転する長さ、すなわち木星の1日は9.9時間。一方、1年は地球の4,333日に相当する。

 太陽からの距離はおよそ5.2AU(天文単位/1AUは地球と太陽との距離)で、日光が木星に届くまでには43分かかる。

 69個もの衛星を伴っており、その数は未だに増え続けている(今年にも2つ発見されたばかり)。これらは着陸拠点となるので、将来的な探査に役立つことだろう。木星は巨大なガス惑星であり、一般的な地表がないのだ(少なくとも利用できるものはない)。

2. ガス惑星だが、突っ切ることはできない

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 ガスの塊であるが、雲のようにその中を突っ切って進むことはできない。荒々しい嵐、アンモニアの大気、気圧のいずれもがそれを阻む。

 木星中心部は神秘のベールに包まれているため、その圧力について正確なことは分からない。地球の海水面における圧力は約1バールで快適だが、マリアナ海溝の底ならおよそ1100バールとかなりしんどく、そこに行くにはディープシーチャレンジャーのような、きちんと設計された潜水艦が必要になる。

 が、木星の場合は手に負えるレベルではなく、約44,800,000バールである。ディープシーチャレンジャーだって潰されてしまうことだろう……断言はできないが。

  それほどの圧力と熱に到達すると、物質の性質そのものがどうなるか分からないのだ。(実際、本当にその中心が液体金属水素で構成されているとしたら、あれっと思うだろう。液体金属の水素だって?)

3. 壮麗なオーロラ。木星が宇宙を巻き取ろうとしているサイン

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 モーク氏が木星について特に感嘆することは、それが太陽系から他の宇宙へいたる足がかりのようなものであることだそうだ。太陽系内での現象がずっと遠くにある天体にどの程度当てはまるものなのか理解するには、木星に向かうべきなのだという。

 例えば、木星は育星場やかに星雲(強力な磁場が作用する)といった領域の謎を解き明かすヒントを与えてくれる。

 木星には壮麗なオーロラが現れる。地球のそれは太陽風が磁場に吹き付けられることで発生するが、木星の場合は自転によるものだ。

 太陽系の中で最も鮮烈なオーロラであるそれは、木星が宇宙の環境を巻き取ろうとしているサインである。木星は自転と同じ速度で周囲の宇宙環境も回転させようとしているのだ。

 天体は磁場を利用して角運動量を減らす。その一例が、恒星の素となる分子雲が高速で回転し崩壊しないはずなのに、太陽が形成されたという事実である。

 磁場は中央の天体に起因して角運動量が減るメカニズムの1つだと考えられている。木星のオーロラはその現象の証拠であり、ゆえに専門家にとっては重要なのだ。

4. 大赤斑はカテゴリー12の台風

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 大赤斑は数世紀にも渡り吹き荒れ続ける巨大な台風だ。大きさは変化するが、最大になれば地球、金星、火星がすっぽりと収まる。無理やり詰めれば、水星も入るだろう。最小になると地球”しか”入らない。

 風速は時速640キロで、サファ・シンプソン・ハリケーン・ウィンド・スケールの既存のカテゴリーでは区分できない。拡張して当てはめるならカテゴリー12に相当する。

 竜巻の藤田スケールを用いても、規格外のF7となる。ちなみに観測史上最強の竜巻はF5だ。これまで観測されたどんな竜巻よりも強力で、かつ太陽系内の惑星数個分の大きさの嵐が吹き荒んでいるということだ。

 最近の調査では、大赤斑は1,326度あり、木星の大気上部を熱していることが判明した。その化学的構造や具体的な性質は不明であるが、7月11日に大赤斑上空を通過したジュノーによって明らかにされるかもしれない。

5. 一体どのようにして形成されたのか?

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 ガリレオ・ガリレイが望遠鏡を完成させた1609年以降、熱心に研究されてきた木星であるが、今もなお大きな神秘であり続けている。

 最大の疑問はその形成についてだ。これに答えることができれば、太陽系初期の様子を知ることが可能になり、他の世界の形成の秘密も明かされることだろう。太陽系最大の惑星であり、かつおそらくは最古の惑星である木星のストーリーは、太陽系のストーリーそのものなのである。

 鍵となる問いが、木星に核があるのかどうかというものだ。最も有力な見解によれば、木星中心部の圧力によって水素が液体金属の状態で圧縮されている。

 ジュノーの主要な任務の1つは、木星の中心に岩石状の核が存在するのかどうか探ることだ。従来の説では、そこには地球の10倍の質量を持つ岩石の核があり、その周囲にガスなどが集まっているとされてきた。しかし最近では核などなく、太陽が形成された直後にガスと塵の粒子が一気に圧縮されて形成されたという説も提唱されている。

 ジュノーからのデータによれば、もしかしたらどちらも正しくない。木星の核は、はっきりとした境界がない”曖昧”なものなようだ。また従来の推測より、ずっと大きいのかもしれない。ジュノーから送信されてきたデータは、これまで信じられてきた木星内部の様子がさまざまな点で間違っていることを示している。

6. 観測は続く

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 人類による木星探査の挑戦は、ジュノーが初めてでもないし、またこれで最後になるわけでもない。それでも、ジュノーは木星の4,800キロの上空を時速20万キロで通過した。また1周するのに53日かかる大きな楕円軌道をこれまで5回周回し、さまざまな科学的データを送信してきた。

 その予算は2018年度分まで確保されているが、その時点でNASAはそのまま運用するのか、それとも廃棄するのか決断を迫られることになる。

 ジュノーが任務を終えたとしても、2022年に欧州宇宙機関によるJUICEミッションが控えている。また、氷に覆われた海を持つ衛星エウロパを探査するため、NASAによって同時期にエウロパ・クリッパーも打ち上げられる予定だ。

7. 自分の目で観測することもできる

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 望遠鏡があれば、ちょっとした作業を行うだけで、自身の目で木星の詳細を観測することができる。かつて打ち上げられた探査機ガリレオのような姿を見ることはできないが、少なくとも天文学の父ガリレオが見たものと同じ程度にははっきり確認できる。

 縞模様だって見られるし、望遠鏡の性能次第では大赤斑も確認できる。双眼鏡ならイオ、エウロパ、カリスト、ガニメデを見れる。ガリレオが発見し、地動説を終わらせたものと同じ衛星だ。

 なお木星の次の衝(地球に最も近づき、明るく見える)は2018年5月9日だ。今からカレンダーにチェックを入れておこう。

via:7 Astounding Facts About Jupiter | Mental Flossなど/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 49件

コメントを書く

  1. ガスの中に生命体がいる可能性はないのか?

    • +4
  2. 大赤斑のサイズについてのとこ、ちょっとわかりにくいけど、最大サイズなら地球火星金星と頑張れば水星までを一度に詰め込めて、最小サイズでも地球は丸ごと入るよ
    って事だよね

    • +2
  3. 説明を読むほどブラックホールに思えてくるのだが。

    • -2
  4. 重力が最も高い地点を地表とすればいい

    • 評価
  5. 衛星が増えてるって、飛んできた彗星を捕まえてるの?

    前に、木星が無かったら太陽系外から来た彗星で地球壊滅してるだろうとかなんとか読んだ記憶
    あれ月だっけ?

    単に見つかってなかっただけなのかしら

    • +1
  6. 本当は地殻があり、大赤斑の下には超巨大火山クロノスがある
    木星は太陽の子供であり、木星のクロノスから生まれたのが地球

    • 評価
    1. ※7
      惑星が遠心力で分離して他の惑星が出来たって話も、
      最近では「とんでも仮説」では無いのでは?
      とされてますしね。

      • 評価
  7. 普通の惑星だと核は鉄なんだけど、
    ガス惑星だと核もガス(ガスじゃないけど )なんだね。
    金属化した水素って、3重水素プラズマみたいな物かな?
    或いはマグネシウムやナトリウムみたいな物?
    化学反応を起こしそうで迂闊な事が出来なさそう。

    • 評価
  8. モーク星の研究者はモーク氏かw

    ガス惑星の大きさってどうやって決めてんだろう?
    地球だってガス部分(大気圏)までふくめたら少しは大きくなるとおもうんだよね。

    占星術だと木星は大きいものの象徴なんだ。
    生まれた時に東の地平線に木製があるとその人は巨大化しやすい。
    ええもう生まれたときから肥満児になる運命なんです、私は!

    • 評価
  9. なんかもうロマンの塊みたいな天体だよな。
    さすがはゼウスの名を冠する惑星だけのことはある。

    • +6
  10. 子供の頃は天文学者になるのが夢だったなぁ、と思い出した。今は今で、自分のやりたい仕事をしてるから悔いはないけど、久しぶりに望遠鏡を出そうと思った。ありがとうパルモたん。

    • +2
  11. それでも太陽のように発光するには何十倍も足りないって言うんだからまた神秘。
    まぁ今の大きさでも赤外線は出ているようですが。

    • +4
    1. ※16
      少し前に土星(木星より小さい)と同程度の恒星が発見されたてニュースはご存じない?

      ※5
      それ中心点

      • 評価
      1. ※37
        ご存じなかったわ、余程核が詰まっててその上混じりっけ無かったんだな、凄い。
        これこそ岩石以上の元素のしっかりした核があって余程混じりけ無い水素に覆われないと不可能だろうと思われる。

        • +1
  12. 驚異的なのは1~5までで、6・7は別に驚くようなことじゃない件。

    • 評価
  13. 観測するならペラッペラの紙とか布みたいな機械がいいのかもね
    ナノテク的を使った繊維みたいな機械
    熱とか酸は塗料や染料で何とかするの

    • 評価
  14. ゆっくり時間をかけて太陽になっていくのか?
    現状の太陽の終焉と同時に、新たな太陽が・・・
    だったらいいなぁ。
    よくわかんないけど。

    • 評価
    1. ※19
      恒星になるには小さすぎるので太陽化は無理なんやで

      SFみたいに人為的に着火したらまた別だけど

      • +1
      1. ※22
        少しずつ膨張していってるとかないのかなぁ。
        それこそ何十億年?とか言うスパンの話だから
        計測出来ないか。

        • 評価
  15. 木星は見ていて不安になる…中はどんな感じなんだろう。解明されるまで地球は残ってるんだろうか。

    • +1
  16. ガリレオさんは地動説を唱えたのよ~ん。

    • 評価
  17. ガス惑星とは言え隕石だの彗星だの小惑星だの(あるいは惑星ですら)これでもかと吸い込みまくってるから何らかの固形物はあるだろうけど、凄まじい圧力でそれがどんな状態で何と呼べば良いのか人類には分からないってのが実情では。

    • +3
  18. >69個もの衛星を伴っており、その数は未だに増え続けている

    なんだか、ことあるごとに自分の子供を増やしてまわるゼウス様とダブるなあw

    • +3
    1. ※27
      神話の派生作品を増やそうと思ったら子供を作らせないといけないからしゃーない

      • 評価
  19. そもそも44,800,000バールってどうやって測ったんだ…って計算で出したんだろうけど

    • 評価
  20. 将来、太陽が赤色巨星になったら
    木星や土星がハビタブルゾーンになってたりして

    衛星などに生命が誕生して栄えて
    太陽の消滅とともに滅ぶ
    なんて

    • 評価
    1. ※30
      内惑星の軌道がズレる可能性もあるかなぁと思ってる、そう言う意味じゃ
      小惑星とかが創生期さながらにあちこちにまたぶつかってそれこそ火星にもワンチャンあるかもね。

      • 評価
  21. 1年が4日?
    4日で太陽一周すんのか?
    恐ろしいな

    • -3
    1. >強力な磁気圏はさらに大きく、なんと太陽よりも大きい。太陽の中に木星1,000個が入ることを考えれば驚きである。

      太陽よりも大きいのに、太陽の中に木星1000個入るってどういうことよ?

      >ジュノーは木星の4,800キロの上空を時速20万キロで通過した。また1周するのに53日かかる大きな楕円軌道をこれまで5回周回し、

      木星は1自転を約10時間で回るのに、ジュノー君は木星上空とはいえ53日もかかっちゃうのかい?
      ジュノー君が遅いわけじゃないだろうから、木星の自転速度ってどのくらいなんだろう?

      ※32
      >1年が4日?
      4日で太陽一周すんのか?

      • 評価
      1. ※36
        木星の磁気圏>>太陽の直径>>>木星の直径

        • +1
    2. ※32
      4.333日(よんてんさんさんさんにち)ちゃうぞ、4,333日(よんせんさんびゃくさんじゅうさんにち)やぞ

      • 評価
  22. 実にくだらない事だけど
    >モーク氏が木星
    名前が木星過ぎてで笑ってしまった。

    • 評価
  23. 大赤斑の風速が600km/h以上!?天気予報の風速に換算すると180m/sくらいだな。しかも、1300℃の高温で高圧ってワケわからん。低気圧じゃないんだな。それとも、通常の木星の気圧が高すぎるから、それと比較すれば大赤斑の気圧は低いのだろうか?もっとも44800000バールというのが推測される理論上の木星の気圧らしいから、実測で調査する手段は現時点では無いか。

    • +1
  24. すごい嵐が吹き荒れてるってのを聞いて自分が想像できる範疇を軽く超えてるよなあ、風速640kmって
    もし地球でそんな風が吹くことがあれば(絶対不可能だろうけど)砂粒で人が死ぬとか、ビルは全部なぎ倒されるとかそういうレベル?

    • 評価
  25. 木星の役割はずばり太陽系内のルンバらしいね
    2番目に大きい土星と常に離れずコンビを組んでその強大な重力によって危険な小惑星や彗星などを吸い込んだり外宇宙へ弾き飛ばしたりしているんでしょ
    特に短周期彗星群が地球に一番近付くタイミングに合わせて木星・土星も地球に最も近付くみたいだから、明らかに地球(地球人類)を守るために設定されているという説が有力らしいよ
    その説を唱えている科学者(無神論者)さんはそれで賞をとったみたいだし

    • 評価
  26. 木星核にょ「液体金属水素と岩石・金属が
    混じり合った状態」って、、
    たんに固体状のっ岩石や金属が液体金属水素のなかに散らばってゆ感じなのか、
    それともアマルガムみたく完全に融合した
    うえで半固体状になってゆのか、、
    めっちゃ気になりますぅ…😭😭😭
    (個人的にゎ後者だと思うます)

    木星深部ゎ水素がっ液体金属になっちゃう
    ほどにょ超高圧高温の世界でつから、
    岩石や金属がどのよーなふるまいを
    してゆのか想像をを絶するところが
    あるのでせう。。。。

    • -1
  27. もしっ木星核にょ「混じり合い」が
    アマルガム状態でベースになるのが
    「液体”金属”水素」でなきゃならなぃなら、
    土星の核ゎ木星ほどおおきく拡がっては
    いなぃとゆう事ではないでせうか?
    (土星にょ液体金属水素の層は木星より
    はるかに小さいと思われるため)
    土星のっ磁場にょ弱さとちぃささからも
    そう思われましゅ。

    カッシーニにょ分析データ送信がっ
    待ちきれなひでつ。。。。

    • 評価
  28. とても生命が存在できる環境じゃない
    「地球で考えられている常識では」でしょ?
    あ、あれ?生命が存在しない惑星って、なんで存在してるの?存在意義は?
    それも私たちの勝手な価値観?
    あれ?あれ?そう考えると、なにかから解き放たれそう
    この世はプログラム?生命=目に見える物?
    もしかしたら精神世界の星があるの?

    • 評価
  29. 【衝撃】太陽系最大の惑星、木星に関する7つの驚異的事実
    ヨウツベにボカロの音声入り版があった

    • 評価
  30. 木星は巨大な地殻惑星で、大赤斑の下には巨大な火山があり、その噴煙が大赤斑を作っている・・・この説なら大赤斑が木星の自転と一致し場所も移動しないという事の説明にもなるとかなんとか。

    • 評価
  31. ガリレオが否定したのって、天動説じゃなかったっけ?

    • 評価
  32. なんだ、木星のリングの話は無いのか。
    木星のリングを発見したのはボイジャー1なんだが、あるかどうかわからんけど
    一応撮影してみようか、と言う事で望遠で1枚広角で1枚撮影する事にしたんだそうだ。
    で、望遠で撮影した画像に”木星の環”っぽい物が写ってた、と。

    • 評価

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