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人間の脳にAIを直結する技術で出現する新たなる特権階級

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(著) (編集)

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 脳にAIを直結する技術は、新たなる特権階級を作り出すだろうとスロベニアの哲学者、スラヴォイ・ジジェク氏は論じている。

 彼らは自己同一性と自由意志を有しながら、デジタル空間と融合した人間の意識を支配するはずだという。

イーロン・マスク率いるニューラリンクプロジェクト

 ウォール・ストリート・ジャーナルが報じたところによると、アメリカの起業家であり、スペースX社のCEOであるイーロン・マスク氏は、急速に発達するテクノロジーに人類が遅れをとらないようにするという野心的な目標を掲げ、「ニューラリンク(Neuralink)」という人間の脳に移植するAI機器の開発を目指す新企業の設立を進めている。

 しかし、こうした動きからは、それによって出現するであろうデジタル空間は一体誰が支配するのだろうか、という疑問が自然と浮かび上がる。

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AIと人間が融合されたのち、デジタル空間は一体誰が支配するのか?

 「権力に関する初めての大きな疑問です――すなわち、このデジタル空間を誰が支配するのか、というね」とジジェク氏。

 「私は、人が集合的な脳特異点の一部になると考える、発明家でグーグルの技術部門責任者であるレイ・カーツワイル氏のような夢想家を信じていません。なるはずがありません。」

 「私にとって唯一かつ答えが分からない疑問は、それが個人の経験に与える影響です。人は相変わらず自分を自由な存在として体験するのか、それともデジタル機器に制御された存在として体験するのか? 決定的な点は、それが制御されていることすら知らないままにかもしれないということです」

 ジジェク氏は、テクノロジーの進歩が続けば、AI接続を使って人を知らぬ間にコントロールすることも可能になると考えている。どこか全体主義的な雰囲気が漂うかもしれない。

AIに接続されることでAI管理者にコントロールされる思考

 「こうした人々をコントロールしようという試みがいつでも起こりうるということを忘れてはなりません。きっかけは人道的な理由や心疾患などでしょう。ですが遅かれ早かれ、警察の取り締まり対象となります。今日でさえ、コンピューターは我々以上に我々のことを知っていますよ」

 「未来がどんなところか想像がつきます。健康などは自動的にチェック・管理されます。買い物もそうです。政治的な意見や投票先など、色々なことがそうなります。コンピューターは文字どおり、我々以上に我々のことを知るようになるでしょう」

 「別に反対しているのではありません。私は夢想家ではありませんから。ただ単純に、そのコンピューターは誰が管理するのか、そう疑問に思うだけです」

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 ジジェク氏はこれまで階級間の闘争について幅広い著作を残してきた。そして今、新しい階級システムが登場しつつあると予言する。

 「矛盾ある状況にいたりつつあると思っています。そこではデジタル空間の外部が特権となるでしょう。そして特権階級になる者とは、デジタル空間に完全に取り込まれることなく、そこを制御できる者でしょう」

 そう述べながらも、ジジェク氏は今後のデジタル革命は、抑圧の原因になると同時に自由の源であるとも主張する。

 「これに関して私は悲観主義者ではありません。ただ根本的に新しいものが登場しており、それは人間としての基本的な経験に影響するということを知るべきであるというだけです」

Who will control this digital space merged with our brain? – Slavoj Zizek on Elon Musk’s AI venture

via:’Who will control merged human-AI digital space?/ written hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 37件

コメントを書く

  1. いずれにせよ、攻殻機動隊の時代がもう来ようとしているのか。本当にどうなるんだろう?

    • +3
    1. ※2
      今すぐ仕事を取られるわけじゃない
      代わりに仕事をしてくれるならあったほうがいい
      監視役としてホストは必要、2.30年は大丈夫だろ

      • +1
  2. 今でもネットインフラを仕切ってるのがほとんどアメリカの企業って時点でね

    • +5
  3. なるほど、特権階級と言いつつ、じつはハッキングされて取り込まれてるって事かぁ

    • +1
  4. これを30年以上前に予想してたウィリアム・ギブスンて天才すぎだろ

    • +5
  5. 私は特権階級だ
    そういう思考自体が制御されたものなんだから気にするな
    あえて言うならみんな特権階級だ

    • +4
  6. どうせ早くても数十年先だし今の世代にはあまり関係ない話

    • -5
  7. 最近多いAI系の話題だけど
    古典的SFの結末を容易に想像出来るから困る
    理性と感情を乖離させて語る人が多いのと同じく
    技術と感覚を乖離させて語る人が多い事多い事

    • +3
  8. リアルベルトさんやリアルロイミュードの誕生が現実になるのか

    • 評価
  9. 以前の記事にあったとおり“脳紋”は個人毎に異なる
    AIのディープラーニングの学習結果も学習の度に異なる
    当然の事ながら人間の脳への“書き込み”には技術的ハードルが大きい

    人間の脳紋をAIに学習させて出力可能なように言語化する
    結論から言えばニューロリンクは「人間―機械」間の翻訳機の役割に過ぎない

    人間の脳紋をAIが読み取り機械語に翻訳してロボットに送信
    直接接続を伴わないマン・マシン・インターフェースだろう

    • 評価
  10. 2045年ごろにはコンピューターは細胞レベルの大きさになって脳内に入れられるようになり、思考能力が現代人の10億倍にもなるらしいね
    そうなると知らない言語で話しかけられても瞬時に理解できたり、多人数に同時に離しかけられても全て理解できるようになり、受験勉強なども必要なくなるらしい

    • +3
  11. 電脳世界の独裁者が、雷による急な停電やら、3次元世界でのサーバーメンテの失敗やら、奴隷階級が上書き保存を怠ってたりやらが原因で、急に消滅したりとかしたら、それはそれで面白エピソードになるかも。

    • +4
  12. 2014年版ロボコップでは、肉体破損をサイバー医療で脳ごと操作できるように治療してたけど、最後は人間の意思の強さが意思の自由を勝ち取るみたいだよ。

    • +1
  13. だよな
    技術が行き着くとこまで行ったら今度は逆に天然物に価値が出る
    安易に影響受けない脳の持ち主こそ、生物的に最強の人間って事になると思うわ
    一周廻って未来少年コナンの世界こんにちは

    • +4
  14. 要するにDBスカウターのように複雑な計算の回答がカンニングが出来るってことでしょ。
    そうするともう実力云々の次元じゃないね。

    • 評価
  15. 完成されたAIは簡単に言えばノイマンでアインシュタインと一緒に仕事をすれば無敵になる

    • 評価
  16. 新たな「特権階級」というより、新たな「支配階級」が出来る可能性はあるけど、実は「新たな労働者階級」が出来上がるだけかもねwww

    • -2
  17. 脳内チップにマイナンバー登録して生体認証
    いずれ脳内チップを入れてない人は身元不明扱いで働けないようになるかも

    • 評価
  18. デジタル技術の歴史を知らない人のコメントというイメージ。
    そりゃ、自分の知ってる範囲でしか話せないだろうけ、大分的外れなコメントに見える。

    • 評価
  19. 今でも生まれているが、それとは別次元の特権階級者が生まれそうな気がするな
    しかし、私たちにはそれを認識できないレベルまで自然なものになるかもしれないし、もしくは強烈な対抗勢力としてコミュニティがそれぞれに分散されるかもしれない
    どちらにせよ、コンピュータは介されることにはなりそうだ

    • 評価
  20. 人間って本当に不思議だな・・・

    皆は今までAIやロボットが生じてきた問題を様々なSFの小説や映画やアニメなど、山ほどみてきたではないか。そのSFの物語を書いてきた作家達は、人類の未来の危機を予想してきたかのよう、この警告の予言が現実化し始めているのがお分かりだろう。
    それでも人間は、その危険性を全て無視し、開発し続けているではないか。
    その急速な進化が続ければ、SFのように人類が滅びる時も訪れるに違い。

    過去に振り返って当時、僕らが生きている間にAIがここまで進化する夢にも思わなかっただろう。それもまさにそのSFが現実化したという証だ。

    僕は今まで生きてきた人間同士だけの社会で平凡な生活を一生味わいたい。皆なが知る今の人間社会がいつまで続くのだろうか。
    AIやロボットが人間社会に混雑する時代が訪れてこないと、そう信じて願いたい・・・

    • +3
  21. 銃夢のザレムみたくなるか攻殻機動隊みたくなるか…

    • -1
  22. なぜニューラリンクが必ず共通のAIにリンクすることになっているのか謎

    独立のAIに接続するか、単に脳をサイボーグ化するに決まってるだろうが

    • 評価
  23. どうしていつも何かが何かを支配している環境が前提なんだ。

    • +1
    1. ※26
      たぶん一神教的世界観の所為じゃないかな

      • 評価
  24. >特権階級になる者とは、デジタル空間に完全に取り込まれることなく、そこを制御できる者でしょう

    そこには、被支配層の陳情によって真夜中にも関わらず叩き起こされ、暗くて寒いサーバールームで徹夜で機械のチェックと改善をやらされる特権階級A氏の孤独な姿が・・・

    ありがとう王様(from民衆)。

    • 評価
    1. ※28
      イーロンマスクは、医学の発達が遅いから、しょうがないだろ的な事言ってたみたいだな。
      確かベンジャミンフルフォートの本だったと思うけど、医学会って様式が古典的で、今だに、何かを発見しても、とりあえず上にレポート。
      日本で権威があるといえば、東大医学部の教授とか。
      そこに認められなかったら、却下。
      で、しかもその権威達が買収されてるらしい・・・

      何かそれ知ったとき、「STAP細胞はあります!」て必死訴えてた小保方さんの顔が浮かんだよ。

      • +2
  25. マウス・キーボードなしに、googleに繋がったイルカと対話できるようになるだけだろ

    • 評価
  26. だから 僕は、耳と目を閉じ、口を噤んだ人間になろうと考えたんだ

    • 評価
  27. 機械の身体を手に入れる為にアンドロメダ銀河まで旅をするんだよ。

    • 評価
  28. わ た し の な ま え は プ ロ ジ ェ ク ト 2501

    • -1
  29. これから食生活の偏りを医者にすぐ見抜かれて色々言われるようになるのかな…(汗

    • 評価
  30. いやいや、今のニューロサイエンスの現状を知ってたらこんなのまだまだ夢物語だってわかると思うんやけど、、、
    AIとか脳科学に夢見すぎで、誤解している人が多いのがとても残念

    • -3

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