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飛行機に乗るとどれくらい放射線を浴びるのだろう?NASAがその測定結果を明かす

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(著) (編集)

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 NASAの研究者によって、飛行機に乗る人が浴びる放射線の量が明らかになった。

 太陽や宇宙から届く宇宙線(宇宙放射線)は大気中の分子に衝突して、粒子崩壊や人体に有害な放射線を発生させる。

 地上にいるほとんどの人にとっては安全なものだが、パイロットや乗務員は宇宙飛行士に匹敵するくらいの量を浴びているという。

上空にいくほど放射線が増える

 NASAの放射線量測定実験(Radiation Dosimetry Experiment/RaD-X)では、ヘリウム入りの気球を成層圏まで飛ばし、太陽や宇宙から届く宇宙線が計測された。

 『スペースウェザージャーナル(Space Weather Journal)』に掲載された論文によると、およそ8~36キロの上空では放射線量が着実に増えていることが確認されたという。

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AIRASモデルによる放射線量の変化。高度や緯度、さらには時間によっても変化する。図は2012年11月14日20~21時(GMT)のもの。暖色であるほど、放射線レベルが高い。

 地球の磁気圏はシールドとして働き、ここに降り注ぐ放射線の大半を防いでくれる。しかし十分なエネルギーを持つ粒子の場合、磁気圏や大気を貫通してしまう。

 それは窒素や酸素の分子と衝突し、核子カスケードや電磁カスケードという過程を通じて放射粒子を別の粒子に変える。

放射線を測定する際の2つの尺度

 大気中の放射線を測定する際には2つの尺度がある。そこに存在する量と生体組織に被害を与える程度だ。

 後者は”線量当量”といい、健康リスクを計る標準的な指標である。また後者には測定がずっと簡単という利点もある。前者を測定するには単純な量に加えて、粒子の種類やエネルギーまで把握しておく必要があるためだ。

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飛行機に乗る人は地上の2倍近くの放射線にさらされる

 今回の結果は、航空業界にとっては重要な意味を持つ。飛行機の搭乗員は地上にいる人の2倍近くの放射線にさらされることが示唆されているからだ。

 また地上から遠く離れた場所で働く国際宇宙ステーションのスタッフや、将来的に火星へ赴く宇宙飛行士にとっても懸念事項である。

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 1次的な高エネルギー粒子と2次的な崩壊粒子はどちらも人体に対して有害な影響を持つ。DNAを傷つけ、細胞機能を変えてしまうフリーラジカルを作り出すからだ。

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飛行機の北極周り経由でアジアやヨーロッパへ移動する人は、赤道付近の3倍の放射線を浴びることがある。

 実際、宇宙飛行士に関する最近の研究では、大量の宇宙線を浴びた結果、脳がダメージを負い、認知症や記憶喪失といった症状が現れる可能性が指摘されている。

 この”宇宙脳”の症状として、ほかにも不安症、うつ、妄想が挙げられ、意思決定のミスにつながる恐れもあるようだ。

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2003年に発生した太陽嵐では、北極圏で一時的に放射線レベルの急上昇が見られた。この地域は地球の磁場が弱い。

 特に2030年代までの実現が目指されている火星への有人飛行は、往復3年にも及ぶ長旅だ。長期間に渡る宇宙線への暴露が、ガン、中枢神経系の障害、白内障、不妊といった障害を引き起こす可能性がある。

 将来的な宇宙探査において、放射線暴露から人間を守る方法を確立することが重要なステップになるだろう。

 RaD-Xの結果は健康への新しい知見のほかにも、NAIRASなど、放射線イベントを予測する宇宙の天候モデルの改善にも役立つだろう。

 宇宙天候予測モデルは放射線レベルを観測し、必要とあらば飛行ルートを調整するために利用されている。

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成層圏まで上昇するRaD-Xの気球

 RaD-Xのような気球を飛ばすことは放射線環境のモデリングに必要不可欠なことであるが、それは放射線予報に必要となるリアルタイムなデータまではもたらしてくれない。

 NASAの”航空宇宙の安全のための自動放射線測定(Automated Radiation Measurements for Aerospace Safety)プログラム”では、RaD-Xと連携して、商業機に搭載する高高度でのリアルタイム観測機器の開発を進めている。

 宇宙線計測の標準的な装置であるTEPC(Tissue Equivalent Proportional Counter)は、大きいうえに高価であるため、現時点では商業ベースで製造することができない。普及させるためには小型化、コスト削減、信頼性の向上を図る必要があるとのことだ。

宇宙線とは?

 ちなみに宇宙線とは、宇宙から届く超高エネルギー粒子のことだ。CERNが誇る大型ハドロン衝突型加速器の粒子より10億倍ものエネルギーを帯びていることもあり、大気に衝突するとミューオン、電子、光子といった広範な粒子を作り出す。

 それほどの高エネルギーを持つ宇宙線は稀にしか検出されないため、そのはっきりとした発生源は今もなお特定されていない。

via:NASA study reveals how much radiation REALLY hits you when you travel by plane/ written hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 26件

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  1. 最初、なんで宇宙をバックにトイレットペーパーが撮ってあるんだろうって思った。

    • +15
    1. ※1 私は宇宙線にさらされたトイレットペーパーがどう変化したかの記事かと思いましたw
      (深海でカップ麺のカップが水圧でどう変化していくかの動画みたいに)

      • +1
    2. ※1
      このトイレットペーパーは大きめのバケツくらいなので、大人パンダが使うくらいのサイズでしょうか
      (正体は箱の中に残り半分が埋まっている長いシリンダー)

      • +1
  2. また麻疹みたいに騒ぎたてる人が出てきそうな

    • +2
  3. 人類滅亡のシナリオはいくつも在る、小天体の衝突とか定期的に来る氷河期、最近は温暖化が言われているが
    オレは放射線によって滅亡するんじゃないかと思ってる
    地球は磁気圏によって守られているが、その大本のダイナモ効果がいつまでも続くとは限らない
    土星や木星の様なガス惑星ならいざ知らず、金属のコアと潤滑剤代わりのマントル、そして地殻の大まかに分けてこの三つの自転速度の差異によって生まれる摩擦で磁力が発生しているんだが
    摩擦があるってことは抵抗があるって事だから、いずれは差異が無くなってしまうんじゃないかと
    まぁ、遥か未来の話なんだがな(´・ω・`)

    • -1
  4. 7~8千メートル級の登山なんかも相当浴びてるってことだよなあ。

    • +7
  5. 以下の部分間違ってませんか?

    放射線を測定する際の2つの尺度
    大気中の放射線を…そこに存在する量と生体組織に被害を与える程度だ。

    後者は”線量当量”といい、健康リスクを計る標準的な指標である。また後者(←前者では?)には測定がずっと簡単という利点もある。前者(後者では?)を測定するには単純な量に加えて、粒子の種類やエネルギーまで把握しておく必要があるためだ。

    元記事確認してないのでなんですが、違和感があったので。

    • +1
  6. 地上の2倍って大したことないやんけ
    2倍浴びたらヤバいことになる程度の量なら地上にいても危ないだろうよ

    • +2
  7. 宇宙線を防ぐで思い出した
    そういや、ここ暫くオゾンホールって単語を見かけないなと
    回復したりはしてないだろうけど、どうなったかな

    • +1
  8. 最後の方が誤字って宇宙船になってるぞ

    • 評価
  9. 元宇宙飛行士がNASAとかアメリカが宇宙人の存在を隠してるやら何やら言い出したりってのも、もしかしたら認知症とか妄想とかなのかもね。

    • +2
    1. ※13
      上手い!座布団1000枚!!(一枚15cm換算で約49000ft)

      • -1
  10. うつ傾向のパイロットが割といるってのは放射線の影響もあるのかなぁ

    • +3
  11. 科学の解説の何が驚異だ 見たまえこれを 聴取率わずか5% この方がよっぽど(

    • -1
  12. つまり飛行機に乗るのに防護服が必須だって事だな
    いっそのこと宇宙服がいいか! 背中にパラシュートつきで

    • 評価
  13. だいたい全部「可能性がある」「可能性が指摘される」で締めくくられてるね。

    • -3
  14. 旅客機のコックピットはシールドがなされてるんだっけ?

    • 評価
  15. パイロットの子どもに女児が多いというのは本当なのか?

    • +2
    1. ※26
      船舶の無線技士の赤ちゃんは女児ばっかりだって、造船所で聞いたことがある。

      宇宙線自体は上野科学博物館で実際に見る事ができるよ
      地下の展示場の奥のほうに霧箱があって、宇宙線が箱の中を通過するのを観察できる
      あれが体の中を通ったら痛いだろうなぁと思いながら眺めてたな

      • +5
  16. 「上空ほど放射線が強い」「北極は強い」「様々な障害が起こる」これだけ?

    • 評価
  17. 有機化学系の実験やってると生まれる子供は女児ばかりとも言うな。
    だから男児が生まれると「実験やってない駄目研究者w」と言われるなんて話も。
    IRスペクトルを測定する時に使用するKBrが原因だとかなんとか…

    • +2
  18. CERNのロルフホイヤー所長も、加速器によるブラックホール生成の危険がないことを、
    仮に生成されてもすぐに消滅するから安全だ。
    加速器よりもずっと強力な宇宙線で生成された(可能性がある)ブラックホールですら
    今まで安全だったのだから。
    といった説明をしてたのを思い出した。(NEWTON2012.7)

    • 評価

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