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退役軍人が負った深い心の傷を癒してくれるのは、同じ傷を負ったオオカミたちだった。アメリカで話題の「狼セラピー」

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(著)

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 アメリカの兵士たちは、海外に出向いて、自国の平和や世界の治安を守るために戦いを続けている。だがそこは戦場である。人の生き死にを目の当たりに見た彼らは心に深い傷、トラウマを負うこととなる。

 PTSD(心的外傷後ストレス障害)を患った兵士らは、帰国後ですらも、兵役の最中に目にした出来事から日常に戻ることが極めて難しくなる。家族や専門家の助けがあっても、そうした経験を口にできないほどなのだ。

 PTSD回復までの道のりは険しく、通常はとても長い。だがそれは決してたった一人で歩むべきものではない。人によっては医師の元に通い薬事療法やセラピーを受けることもあるだろう。だが、中にはこんな方法で癒しを得る人もいる。

 その名も”狼セラピー”だ。

“Living with Wolves Saved My Life”

 これはアメリカ、カリフォルニア州フレイザー・パークにあるロックウッド動物救助センターで実施されている特別プログラムである。その方法は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)で苦しむ退役軍人をオオカミとの触れ合いを通して癒すというものだ。

 この”ウォリアーズ・アンド・ウルブズ”には50匹近くの狼たちがいるが、その多くが悲惨な状況から救助されてきたものだ。退役軍人と同じく、狼たちもまた癒しの途上にあるのである。

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 ここに参加する退役軍人らはPTSDの他にも、複雑性PTSDや外傷性脳損傷といった傷も負っている。このせいで就職や家族との暮らしに問題を抱えるようになってしまった。 ウォリアーズ・アンド・ウルブズは、薬物療法、理学療法、メンタルケアなど、個人それぞれのニーズに合わせたものを提供している。プログラムに最後まで真剣に取り組めるよう、ボランティアたちが仲間同士のカウンセリングやミーティングを実施する。

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 動物と自然は、心から癒されると同時に、信頼し、穏やかに怯えることなく生きる方法を思い出すための素晴らしい機会を与えてくれる。酷い状況から救助されてきた狼たちは、人に飼われているのか、それとも野生を生きているのか曖昧な存在だ。人間に心から懐くかもしれないが、それでも野生の本能は残っている。

 退役軍人との結びつきが素晴らしい関係となるのは、人間と狼双方のパーソナリティの混乱が両者のつながりを助けてくれるからだ。

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 退役軍人にとっては、社会に戻る前に生き物を助ける機会となる。これを通して新たに身についた自信や対人スキルがあれば、就職も容易になり、家族との絆も取り戻すことができる。この他に類を見ない環境において、退役軍人と狼はお互いの回復を助けているのだ。

 自身も退役軍人である共同設立者のマシュー・シモンズさんはこう語っている。

 「自然の一部であること、そしてここの動物たちに囲まれていること、これらには不思議な力があるんだ。これ以上ないほど深く傷ついた人でさえ、どこか違った感じを味わう。自分自身よりも大きなものの一部にしてくれるのさ」

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mnntheplaidzebrasfglobeなど、written hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 43件

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    1. ※2
      犬よりはオオカミの方が”敵と戦った”って言う共感を、”元兵士”が得やすいんじゃないかな
      それに犬だと自分で飼えるだけに、特定の場所に集まって行っているプログラムを途中で個人的に打ち切って、犬を飼い始めることでPTSDが克服仕切れない、って場合もあるかもしれないし

      • +35
  1. これは新しい
    狼って大きい犬って感じで可愛いよな
    兵士の皆さんの心が少しでも癒えるといいね

    • +2
  2. 動物は無償の愛をくれるから
    そして言葉が要らない通じないのが
    余計な事考えなくて良いんじゃないかな

    • +4
  3. 単純に羨ましい・・・。
    わんこを悪く言うつもりはないけどフレンドリー過ぎてどうしても媚がでるけど、やっぱりオオカミは野生のの生き物だから一線を引くところがあるんだろう。その気高さが兵士を癒すのかもしれないね。
    しかし、なんで物語ではオオカミって凶悪で狡猾な生き物として描かれるんだろうね?犬の源流であり社会性動物なんだから、ただ粗暴なだけの生き物じゃないことは明らかだろうに。
    何度も何度も家畜を獲られたり罠を巧妙に潜り抜けたり、っていう賢さが嫌われ恐れられたのかな。

    • +11
    1. ※7
      日本でオオカミが悪く言われるのは明治時代に狂犬病が入ってきたせいです。それまでは、畑を荒らす害獣を駆除してくれたりするのでオオカミ(大神)とか呼ばれてたそうな。ヨーロッパだと、家畜を襲うから悪く言われてる。

      • -2
  4. アメリカンスナイパーのあの人も、このような方法でのカウンセリング・リハビリだったら、死ぬことはなかったろうに…

    • +1
    1. ※8
       物語で悪役にされがちな原因はたぶん推測通り。
       普段からつかず離れずの距離にいて、機会があれば何度でも財布の中身を掠め取っていく人が居たらどう思う? だいたいの人は遠ざけるか排除することを選ぶだろう。
       それと同じで、酪農牧畜を生業とする人にとって狼をはじめとする野生の狩猟者は、財産である家畜、ひいては生活に多大な実害を繰り返し与えてくる存在であり、敵として認識できなければ生きていくのに支障が出るんだ。
       だから子供に語り聞かせる物語でも悪者に仕立てあげることで敵対者であるというイメージを教えこませ、将来立ち向かう必要が出たときに迷わず排除対象と認識できるようにする。
       ある意味では洗脳の手法とも言えるけど、先人から伝えられてきた生活の知恵だったんだと思うよ。現代に残っているのはその時代の残滓なんだと考えればいい。
       なおこの書き込み内容は推測と妄想が入り混じったものなので鵜呑みにせず眉唾でよろしく。

      • +2
  5. このセンターにいる狼のみなさんも「悲惨な状況」から救助されたようだけど、狼さんたちがどんな苦難に遭っていたのか気になるな。

    • +11
  6. 狼や犬はリーダー主体の団体行動を取る生き物だから、
    飼育されている環境下ではリーダーにあたる人間の、
    心の変化を察知する能力が高い様に思われます。
    ちょっと落ち込んでいる時など、普段はやらない様な仕草をしたりして「お前、そんなお茶目だったっけ?」って笑わせてくれたり、背中側から肩にアゴを乗せて来たり。
    狼犬と聞くと脊椎反射で存在の全否定をする傾向が有りますが、狼(犬)による事故の報告の殆どが繁殖期に他所から突然連れて来られ、精神的に不安になった純血種による物だったりします。テリトリー内で仲間と行動する生態系を持つ種族が、いきなり外に連れ出され、見ず知らずのグループに入れられたら…。起こるべくして起こった事故と言えるでしょう。
    数奇な運命のもと、交雑種の狼犬を育てている自分ですが、
    しっかりと教えれば普通のワンコ以上にお利口な子になります。かといって飼育を奨励する訳では有りません。(牙や口、体格などを鑑みて明らかに犬とは違うので)、飼育する以上、半端な気持ちでは「飼ってはいけない」犬種です。

    • +5
    1. ※12
      12本人は狼犬を飼育しながら他人にはすすめられないなど言ってる事が矛盾しすぎだろ
      狼の話題に何がなんでも狼犬を絡めたいのが必死で痛々しい

      • +2
      1. ※20
        そうだね。
        どっちが上と下とかでなく、同格の同志って心境になれるのかもしれないな。
        お互いにズカズカ深いところに踏み込まない反面、無関心ではないっていう距離感みたいな。

        • -10
          1. ※24
            まぁ事故などで保護されたオオカミは、できれば野生に返したほうがいいかもね。ただ、オオカミは仲間と行動する動物なので、保護期間が長かったりすると野生に返してものたれ死ぬケースがほとんどだと思う。

            • +5
  7. 癒しもしてくれるけど、従順な犬と違いある程度「距離を置く」ことも必要って教えてくれるんじゃないかな。
    心が傷ついた人が回復時に陥りやすいのが、自身の依存心に気付かず自分で自分を傷つけるという状態らしい(相手の行動を冷たいと感じるとか)から、そこをぴしゃりと断ち切ってくれるのかも知れん。
    何の病にせよ、回復→自立の部分が一番辛いから
    そういう時に手助けはせんが傍にするぞ、というスタイルなのが心の支えになってくれるのかなぁ、と

    • +7
  8. アメリカでは毎日18人前後の元兵士が自ら命を絶っている。
    アフガニスタンとイラクからの帰還兵だけでも自殺者は数千人にも上り、
    戦闘中の死者数(6460人)を上回るとみられている。
    おお、もう…

    • +3
  9. ここに連れて来られたオオカミ達が元は悲惨な状況だったって、どんな風だったんだろう?親に捨てられたとか、山火事で迷子になったとかだろうか?それぞれ事情が有るだろうから、余り詮索しない方が良いのかも知れんが、どうしても気になってしまう
    オオカミ達も、自分が不幸をくぐり抜けて来ているだけに、
    苦しんでいる人間の力になりたいという思いが強いのかも知れん
    同じ様な境遇ならば、種族を超えてお互いの理解も深まるのだろう

    • 評価
  10. 狼は交通事故から、狼と混血のウルフドッグはブリーダーからレスキューしたって言ってるっぽい

    • +2
    1. ゲームでは同じ腕前の者同士で競うのが一番楽しいように、
      心の回復の途上という同じステージに立つ者同士だからこそ
      セラピーとして成立しうるのではと思った
      ※18
      ノンノン。ツンでもデレでもない、
      お互いにただそこにいる状態が心に良いということかと

      • 評価
  11. 日本にも必要じゃないかな、ブラック企業で奴隷の如く働き、傷つき、そして退職していった人たちに

    • +3
    1. ※26
      もののけ姫のモロ一族みたいな感じか

      • +1
  12. ショーン・エリス氏が、赤ちゃん狼に遠吠えを教えてたのを思い出した。
    狼は好き。日本でも秩父の三峰神社のご神体はオオカミさんだ。

    • +7
  13. 犬系動物の癒し効果は凄すぎだよね。
    彼らは人の心が分かり、共感してくれるからね(´;ω;`)

    • 評価
  14. 綺麗ごとみたいに書いてるけど、狼にリードつけてたり檻が見えるのを見るに犬のように飼ってるんだね。
    本来なら自然で生きている狼を人間の都合で飼っているのに、まるで相互扶助みたいに扱うのって変だと思うけどなぁ。ドッグセラピーで良い事じゃないの?

    • 評価
    1. ※35
      記事をちゃんと読め
      飼ってるんじゃなくて、悲惨な状況から助けた狼たちの保護施設だって書いてあるだろ
      関係ないけど馬デカすぎてワロタわwww

      • -6
      1. ※37
        米軍は志願制のはずだが?
        昔はさておき、今も兵役を強制してるっていうのはどこから?
        「徴兵制」っていう言葉を使いたがる人達の認識ってこの程度なのだろうか。

        • 評価
  15. て言うか、そんな心の傷になるって分かってる兵役を強制にしなきゃ良いのに
    基本戦争しない方針に変えて徴兵制無くせよ
    凄い無駄だと思うわ

    • -4
  16. あれはどう見ても犬じゃなくて狼じゃないか!まともなのは僕だけか・・・!

    • +1
  17. 犬は狼の幼形成熟、狼のが高度な社会性を持ってる、って本で読んだ
    帰還兵PTSD治療で、馬と遊ばせる?みたいなのを当時高校生が発表した、とも本で読んだ
    2枚目かわいい 露では狼犬を警察犬にしてる、犬より頭いいから、ってこのサイトか何かで前に

    • 評価
  18. 犬は狼の幼形成熟、狼は高度な社会性をもつ、って本で読んだ 帰還兵PTSD治療で馬セラピーてのも当時高校生が発表した、本で読んだ 露では狼犬を警察犬、犬より賢いから、って前にここかネットでみた

    • +1
  19. 動物って弱ってる奴見ぬくんだよな。うちの猫もそれまで逃げ回っていたのに、俺が大怪我してからなついてくるようになった。

    • +1
  20. ※賢いのに~については狼王ロボの前半で触れられているように、賢すぎるのは人間にとっては面白くないし、その知恵が悪魔的なものに感じるのかもね。
    先住民は誇り高き勇猛な戦士って畏敬の念を持っているけど、キリスト教における白人社会と文化では悪魔にされてきたから尚更。
    魔女狩りや異端者を処刑する時にオオカミも服着せられて火炙りとか首吊りとかされたりしてた。
    まあ、牧畜文化なわけで家畜襲われたらやってけないのは分かるけどね。

    • 評価
  21. なんだ、アメリカも進んでるじゃないか。

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