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環境に適応するため急速な進化を遂げた6種の動物(昆虫含)

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(著)

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 進化は、生物の形質が世代を経る中で変化していく現象のことである。生物は不変ではない。長い年月を経て緩やかなる進化を遂げていくものもある。環境によって加えらえる圧力のおかげで、人間も動物も適応を強いられているのだ。

 ここでは、今、リアルタイムで進化の途中にある6種の動物を見ていこう。

1. 木の上で暮らす為、よくひっつく足に進化したトカゲ

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 フロリダの在来種の緑のトカゲは木々の低い場所を住処としていた。ところが、ここに茶色い外来種の親戚が侵入してきた。餌が乏しくなり、競争も激化した結果、彼らは低い場所を捨て、木の頂上に移住することにした。しかし高い場所に生える枝は細く、凹凸が少ない。そこでトカゲは環境に適応するために手足の腹を大きくし、鱗もくっつきやすく変化した。

 わずか15年、20世代のことである。もし人間の身長がこのトカゲと同じ早さで進化していたら、アメリカ人男性の平均身長は20世代で175cmから193cmになっていたことになる。

2. 目を捨て、嗅覚と聴覚を研ぎ澄ませたエビ

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 進化による変化は発達だけでなく、退化も起こりうる。洞窟に潜むこの甲殻類にはまさにこれが起きている。このエビは光が届かない地下に生息しており、主に嗅覚と触覚を頼りにしている。そのため目が失われてしまった。

 このエビと地上で暮らす近縁種の脳を比較したところ、視覚がないばかりか、視覚に関連した脳の領域まで失いつつあることが判明した。一方、嗅覚と触覚を司る領域は発達を続けている。生活環境が神経構造を変えることを示す好例である。こうした変化が起きるまでに2億年ほどが経過しており、急速には思えないかもしれないが、進化としては比較的短い期間だそうだ。

3. 気候変動により体色パターンが変化したフクロウ 

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 気候変動によって、多くの生き物が適応を強いられている。茶色と薄灰色の2種があるフィンランドのモリフクロウがその格好の例だ。白く色づいた冬では、雪にまみれることで外敵の目をくらますことができる薄灰色が有利だった。

 しかし過去50年で冬がより温暖になった結果、注目すべき変化が現れた。薄灰色のモリフクロウが減少し、森の木々の色に近い、茶色い個体が増えてきたのだ。茶色いフクロウが増えるほどに、茶色い遺伝子が後世に伝えられるようになる。ただし、気候変動によってもたらされる量的淘汰圧に対する進化的反応が、野生において経験的に実証されたわけではないという。

4. 水温の上昇で里帰りの時期を早めた魚

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 気候変動は、カラフトマスの行動にも変化を促している。水温が上昇したために、40年前と比べると、産卵のための海から母川への回帰が早まっているのだ。これは単なる行動上の変化ではなく、遺伝子レベルで起きている。

 1980年代から2011年の間、従来の時期の回帰を行うカラフトマスの数は20%減少したという。こうした変化はわずか1、2世代で起こっており、生物が気候変動に非常に素早く適応できる可能性を示唆している。

5. 超耐性を身につけたトコジラミ

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 残念なことに、人類とトコジラミとの長年に渡る死闘は裏目に出てしまったようだ。彼らの殻と神経細胞が分厚く進化し、殺虫剤への耐性を身につけてしまったのだ。ニューヨークに住むトコジラミは、フロリダのものと比べて、殺虫剤に対して250倍もの耐性を誇る。急速な進化と言えば、昆虫の耐性の変化なのだそうだ。

6. 毒に免疫を持ち出したネズミ

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 殺鼠剤ワーファリンが効かないイエハツカネズミが発見された。このスーパーネズミは、ドイツで遠縁に当たり、毒に耐性があるアルジェリアネズミと交配したことによって誕生した。

 この交配種には、親戚から非常に役立つ遺伝子が受け継がれている。通常、交配種は繁殖できないが、稀に親となった2種から適切なゲノムの組み合わせを受け継ぎ、少なくとも一時的には、純粋種よりも優れた力を有することがあるという。我々はまさに進化の瞬間を目撃したのだ。

References: 6 Animals That Are Rapidly Evolving | Mental Floss

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この記事へのコメント 43件

コメントを書く

  1. 人間の起こす攪乱まで進化に取り込んでしまうとは…
    恐ろしい子!

    • +9
  2. 交配可能な遺伝子全体が一つのグループとして機能していると見なせるので、
    個体数が多い種ほど、淘汰圧に曝された時に急激に変化したように見えるってこと

    • +2
    1. ※5
      なんでこのコメントがマイナス評価なんだろう?
      専門用語をドヤ顔で使ってるから?
      個体数が多い・世代の交代が早い生物は進化も早いという主張は普通すぎるほどに普通だと思うんだけど。

      • -2
  3. シラミ、ダニの進化は笑い事ではないよなぁ
    人口の首都圏集中、格差社会が進む日本ではなおのこと

    • -1
  4. 順番が逆というか○○があったから●●になったじゃなくて
    ●●をたまたまもってたから他のより有利だったってだけで
    ○○に合わせて変化した訳じゃぁ無いです

    • +1
  5. 急速なスピードで僕の毛髪が抜けているんですけど、これも何かしらの進化の過程だと考えていいのかもしれませんね

    • +4
  6. 一気に進化出来るって事は突然変異が日常的に起こってるわけか・・・

    • +11
    1. ※9
      原始人類は重要な器官である脳を守るために長い頭髪を発達させた。
      しかし、その後人類は文明を獲得し、今では頭部を守る必要性は薄れた。
      そのため、一部の人類は頭髪を生やすエネルギーを節約するため、頭髪が退化する方向へ進化した。
      ハゲは人類の最先端にいるのだ
      ……といいね。

      • +3
    2. ※9
      いつも行く鍼灸院の女の先生(美人)が
      「頭がはげる人は頭の血流が活発とで頭が良い証拠」
      って言ってた。
      なんか他にもハゲに対してやたら好意的な意見が多かった。

      • -1
      1. ※29
        その形状で生きていくことになんの問題もなければ生き物の形態はそう変わらんよ。
        淘汰圧が低ければ進化も遅い。

        • -1
        1. ※33
          専門用語のせいかどうか知らないけど、何度読んでも何言ってるのかわからなかった。

          • +1
  7. 進化論の本で昔読んだ話。19世紀後半から20世紀前半のロンドンを含むイギリスの都市部は「霧」と呼ばれたスモッグで有名だったけど、緑色の蛾の一種が都市部で黒灰色になったそうな。これは緑色だと煤でくすんだ壁の上では非常に目立つので、鳥やその他の捕食者によってすぐに食べられてしまい、結果として黒灰色の個体が残ったことによるもの。淘汰圧の典型例として良く挙げられる例らしい。

    • -2
  8. こうした変化が起きるまでに2億年ほどが経過しており、急速には思えないかもしれないが、進化としては比較的短い期間だそうだ。
    とありますが、ゴキブリの誕生が3億年前(生きた化石と呼ばれていますよね)、初期の哺乳類が誕生したのが2億2500万年前と考えられていることから推すと、どう好意的に評価しても「比較的短い」とは言いがたいと思うのです。
    原文も200millionとなっていますので、真相は藪の中ですが……

    • +5
  9. 食物連鎖の末端の末端は、頂点にいる者を脅かす存在だし、何より末端を脅威に成長させたのは頂点という皮肉

    • -1
  10. 2番のエビが、もしまた光が豊富な地上で生きる様になった場合、再び目を獲得する進化を遂げるのかが気になった。過去の大量絶滅期にも、似た様な事が起こったと思うんだけどね。地上の生き物がほとんど絶滅してしまえば、地下世界に生きていた種族が地上に出て来るのが一番効率良く子孫を繁栄させられる方法になると思うので。

    • +2
  11. 凄いな生物って。人間の進化について、何か情報はないのかな。多分、宇宙空間に進出する時代あたりや気候変動により、目に見えて、何か変わってくる気がする。

    • +1
    1. ※14
      一度失われた器官が再生する事は無いと考えられてる。
      進化不可逆の法則ってやつね。
      哺乳類の視覚は夜行性生活の間に4原色の内2色を失ったけど、人間は3原色で物を見れる。これは失われた1色分が再生されたものじゃなくて、残された2色の1つが2つに分化して新たに手に入れたもの。

      • 評価
    2. ※14
      眼球が皮下に埋もれているヨーロッパホライモリでは目の再生に成功している。目を作る遺伝子は一通り残っていて、目の成長には光刺激が必要なのだけれども、自然光だと皮膚がメラニンを作って目の原基に光が当たらないので目の成長が途中で止まる。メラニンを作らせない赤色光を当てることで目の発生を進めることができる。
      数百万年に渡る暗闇の中で頭部の皮膚の成長が眼球形成に先行するように進化しちゃった結果だろうな。さらなる時間がたてば目の遺伝子そのものが失われるんだろう。

      • 評価
    3. ※14
      基本的には失われた器官は元には戻らず他で代替する(ポインセチアの花びらみたいな赤い葉っぱとか)。
      でも再獲得される例もある。例えばナナフシのいくつかの種は一度失った翅を進化で再獲得したことが分かってるらしいよ。
      でもそういうのは翅を失っても、翅をつくる遺伝子とかは持っていたからすんなり再獲得できたんだろうから、2のムカシエビみたいに眼だけでなく視覚神経系まで失ってしまうとほぼ無理じゃないかな。

      • 評価
      1. ※40
        中国とか東南アジアからの観光客が持ち込んでるよ
        アジアの田舎から出てきた娘さんを教育して
        シンガポールのお金持ちのとこにメイドとして派遣する会社
        一週間くらいは寮に入れて虫落としさせないとだめなんだって

        • 評価
  12. 昆虫は周期が速いから進化も速い。
    どんなに新しい薬品が開発されても直ぐに抗体ができるからいたちごっこだね。

    • -1
    1. ※15
      最近の子供は永久歯がはえない子が増えたとか、足の小指に爪がない人が増えたとか、そういう変化はよく聞く。

      • -1
  13. 進化が最も早いのは、病原菌やウイルスと言われている。
    全く別物に変異したり、突然耐性を持つこともあるらしい。

    • +2
  14. 絶滅してしまった種の遺伝子も、どこかで
    復活の期をうかがっているのかも。
    い~ま~に~み~て~お~れ~人間ども

    • -1
  15. 地球でもっとも繁栄を謳歌しているのは昆虫ではなかろうか

    • +1
    1. ※18
      大学の学生実験で、大腸菌を培養したシャーレに抗生物質入れて、耐性もってる奴を選び出し、その遺伝子取り出して別の大腸菌に入れて耐性が付いたことを確認する
      ってやつがあったよ。

      • +2
  16. 一方で人間は適応力をなくし、引きこもりが増えたという

    • -1
  17. 人間の二十世代――時代と文化によって変わってくるので不確定要素が非常に強いけど――四百年~六百年弱と考えれば、そして常に高身長の人間だけが求められ、少しでも低い人間が強制的に排除され続けたとすれば、平均身長が18センチ伸びるというのは有り得ないことではない、と個人的には思わないでもない

    • -2
  18. 世代を重ねる前に進化したい・・・
    ストレスに超耐性とか。

    • -1
  19. 高等生物ほど高気密な構造上どうしても進化スピードは遅いね
    その代わりバグという形のゆとりを持って変化への対応が多少は出来るが…
    『人間のための環境保全』の面からも、そろそろ人間は動物の皆さんと手を取り合い助け合う時期が来てるね

    • +3
  20. 大事なのは時間じゃなくて世代だから寿命が短い生き物ほど進化は早いね
    つまり医療技術が発展し人間の寿命が延びるにつれ、生物としての進化は遅れていく

    • -1
  21. 高等生物というか、進化スピードは遺伝子の数も影響してると思う。ハイギョは人間以上の遺伝子数を持つけど、進化が遅い。カードで言えば膨大な数のカードをちびちび交換してるようなものだから、中々手が出来ないんだと思う。人間の進化は結構早いほうなんじゃないかな。

    • +5
  22. 害虫や病原体対策は進化的アルゴリズムとの戦いである。

    • +2
    1. ※28
      寿命もそうだし本来死ぬはずの病気などを医療技術の発達つー外因で克服してしまったから、そういう意味でも進化は遠のいている
      進化には世代交替の早さプラス、夥しい量の死が必要

      • -1
  23. 映画『X-MEN』(2000)の冒頭のナレーションを思い出した。

    • -1
  24. 「俺はまだ本気出してなかっただけ」

    • -1
  25. 薬剤耐性をもったトコジラミが一番恐ろしい。
    こんな奴が日本に入ってきたら、家ごと燃やさなきゃ退治できん。

    • 評価
  26. 純粋種よりも優れた力を有する。サイヤ人と地球人の混血みたいな設定だ。

    • +1
  27. 人間にとって身近な例で言えば、古代の軍隊戦術に由来する右利き優勢も進化だね
    日本人に近眼が多いのも太平洋戦争での徴兵洩れが原因だと考えれば、進化のスピードなんてめちゃくちゃ速いよ
    まあ今じゃ淘汰圧がかかってないから獲得形質になるかはわからないけど
    まあ進化論は証明できないんだけど

    • 評価
  28. トコジラミと書いてあるけど、南京虫のことだよね。
    留学生も利用する宿泊施設できつい洗礼を受けたことあるなぁ。

    • -2

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