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自閉症スペクトラムの人は何が写っているかに関わりなく写真中央に強く引きつけられる傾向があることが判明(米研究)

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 自閉症スペクトラム(ASD)の人は特定の分野については驚異的なまでの集中力と知識を持つものの、他人の表情を読みとることが難しく、時として顔と、場所と、出来事が混然とするという。これにより、対人関係の形成が難しく、想像力や柔軟性が乏しく、変化を嫌うと言われている。

 従来の研究からは、ASDの人は視覚と聴覚を認識するタイミングにズレがあることが分かっている。このため、目に見えている物体と音が発せられている音源を一致させることが難しいのだ。

自閉症スペクトラムの人は表情を読み取れないという定説

 今回カリフォルニア工科大学では、自閉症スペクトラム(ASD)の人の脳が解釈する世界を対象に研究を進めた。特に「顔の表情を読み取れない」という従来からの仮説の検証した。その結果は、それほど単純なものでもなかったようだ。

 研究者は39人の被験者に対して700枚の写真を提示した。被験者のうち20人が高機能自閉症の人で、残り19人が対照群となった通常の人である。また、彼らは年齢、人種、性別、教育レベル、IQが同等レベルの人たちであった。

 被験者には各画像を3秒間提示し、その間視線を追跡する装置で対象に対してどのように注意を向けているのか記録された。本研究で使用した画像には、先行研究で行われていたように単一の物体や顔ではなく、人々、木々、家具、あるいはナイフや炎といった5,500個の物体を組み合わせたものが写っていた。

顔よりも写真の中央に興味を惹きつけられる

 この実験の結果、先行研究の結果通り、ASDの被験者は対照群と比べて顔に注意を向けることが少ないことが判明した。

 だが、さらに明らかとなったのは、彼らが写真内の配置にかかわらず、写真中央に強く引きつけられる傾向があることだった。

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左側はASDの人の視線のパターン、右側は一般的な人の視線パターン。ASDの人は画面中央を注視する傾向がある。

顔以外の目立つものに注目する

 同様に、顔よりも、色やコントラストなどの違いによって目立つ物体を見つめる傾向もあった。

 例えば、実験で使われたある写真には、カメラに顔を向けた人物と後ろを向き後頭部しか見えない人物が会話している場面が写されていた。

 これを被験者に提示すると、対照群では顔に注目することが多かったのに対して、ASDの人は顔と後頭部を見つめる割合が同じ程度であった。

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左側は高機能自閉症の人の視線のパターン、右側は一般的な人の視線パターンである。高機能自閉症の人は顔に注目する頻度が低い

 研究者はこうしたパターンは健康な人間と自閉症スペクトラムの人間との違いであり、自閉症スペクトラムを診断する上で役立つと考えている。

 なお、従来の研究からは自閉症スペクトラムの原因は、神経細胞を接続し通信を行う脳内のシナプスが過剰に存在することであると示唆されている。

 こうした過剰なシナプスは、通常なら初期に起こるシナプスの剪定がなされなかったことに起因する。自閉症のマウスを使った実験では、シナプスの剪定を行うことで症状の改善を図ることに成功した。

via:sciencedirectcaltech・written hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 39件

コメントを書く

  1. 情報の取捨選択が苦手なのかな
    どんなものがあるのかは情報として把握できるのに
    人を判別するために大きな割合を占めるであろう『顔と表情』に注目する優先順位が
    他のいろんな物と同程度になっているかもね

    • +15
  2. 色の濃いもの、視覚に強く入ってくるものに注視する。
    それがなにか理解出来るまで意識はそこを動かない。
    他のものに意識が向かないので全体像を見れない。
    その間に情報は次々と更新されていくので、まったく理解できないまま
    違う場面に移り変わっている。

    • +23
    1. ※2
      73になった親父が最近そんな感じになった。ローディング状態のまま体の動きも止まる…
      いたって普通だし、認知症では絶対にない。そーいいきれたもんではやっぱりないでよ。

      • +1
  3. たとえば音でも
    雑踏の中で全ての音がクリアに聞こえてくるならば
    混乱するし判断しずらいだろうなあと思った

    • +10
    1. ※4
      まさに、自閉症や発達障害は音も雑音が全部脳に入ってくる傾向が顕著なんだよね。
      話し声が大きい特性が出てくるのもその影響が大きい。
      世界があまりにも煩いので相手の声を聞き取れないし、
      自分が声を聞き取れないので相手も同様だと考えるために話す際に声が大きくなるんだ。

      • +9
      1. ※13
        女性アスペは気づかれにくいのは、コミュに優れた(厳しい?)女性の輪の中でコミュを鍛えられるからもあるのかな。やはり環境にもまれるとそれなりの学習はできると思います。

        • +6
  4. 自分も人と話している時に
    相手の鼻の横のホクロが気になって
    後になって何を喋ったか全く覚えてない時がある

    • +7
  5. アスペルガーです。すべては平等にあるがままに情報が入ってきます。情報量はハンパないです。音も臭いも、肌触りも。そこから意識して必要な情報を取り出し分析します。しかしすべては移ろいます。間に合わないし、かといって慌てると間違い混乱します。特に人間は変化が早いです。多分わたしは皆さんの2テンポ前を見ているのです。
    コミュニケーションには使えませんが、すべてを見聞きしているので、皆さんが誰も見ていない物まで見て聞いて記憶しているので、仕事に使えることがあります。
    しかし、自分が好きなものに向かっていくので、判断は平等でも公平でもありませんね。

    • +24
    1. ※6
      子供がASDなのですが
      疲労が頂点になると、眠ってしまいます。
      なるべく一人の熱中できる時間と、睡眠を邪魔しないようにしています。
      他人から見ると放任に見えるようですがこの方が当事者には楽なんじゃいかと
      思っているのですがどうなんでしょうね?
      健常者は矢印と視線では、視線に誘導される率が高くなるけれど
      ASDの場合、均等に誘導される実験結果が出ているそうです。
      つまり…そういうことなんでしょうね

      • 評価
    2. ※6
      すごくよくわかります。
      自分は軽度のADHDですが、居酒屋や食堂など騒がしいところでは目の前で話している友人の言葉ですら認識できなることがあります。が、遠く離れたテーブルの会話の内容が把握できたりします。
      あと何かしらの写真や動画を見たときに感想を述べると「そこに注目する!?」と言われることは多々あります。心霊写真などでも霊の写っている部分を見つけるのが異常に早かったりします。そういった健常者との着眼点の違いは役に立つことが多いですね。細かい部分に目がいったり、ニッチな部分に気付くことができる性質は、仕事などでも役に立ちます。

      • +3
      1. ※32
        退化も一つの進化。
        いつかは求められて使われた機能がオミットされずに、だがしかし使われもせずに安置してある。
        もしかしたら、アスペルガーだとかいった症候群は一種の先祖帰りなのかもしれない。
        自然淘汰の結果としてのマイノリティと仮定すると「少なそうで多い」っていう感覚に合致する。

        • +4
  6. ついで。情報処理が忙しいので、これから先の予測まで回らないんでズレまくりっす。だからいつも行き当たりばったり人生。

    • 評価
  7. 俺はいつも背景に目が行ってしまうんだが。これも病気?

    • +2
  8. 最も注視される領域が違うのとは対照的に、ほぼ注視されていない領域はほぼ等しいんだな。
    2枚目は焦点合ってる領域が狭いから妥当だけど、1枚目ではもっと散乱するだろうと思ってた。

    • +4
    1. ※9
      アスペルガーの方は普通の人がオートで理解出来る事をマニュアルで理解するようですね。
      分厚い説明書片手に四苦八苦するかのような日常、大変すぎて想像しただけで目眩がします。
      それを毎日続けている、貴方に敬意を表します。

      • +2
  9. もとより表情の読み取り能力が無いから、顔を見てもツマラナイので、見ない。
    …と言う話は自閉症スペクトラム研究グループから聞いたよ。ドラマを観るのを好まないのは、感情的駆け引きがわからないからツマラナイからだとか。
    顔を見せ続けて改善するもの(能力を習得?)するものなのか?

    • 評価
  10. 周辺視野で物が見られるから注視してないからって見えてないとは限らない
    って障害学の講義で習った
    めっちゃ視野が広い感じで

    • +1
  11. 写真の中に写真があったらどっちの中央だろうな

    • +1
  12. アスペルガーです。写真中写真なら、大枠の写真の中央です。視線を動かさなくても、全把握できます。
    私も疲れると寝ます。仕事中も立ってても1分ぐらい寝る技術は習得しています。脳波の検査済みなら心配要りません、すぐに脳の能力いっぱいになり疲れる仕様なので寝るっきゃないです(笑)…と言うか落ちます(笑)
    その育て方で間違いありません。
    親が常識的な日常をして子どもに態度で見せていれば、必然に常識的に育ちます。なんも心配ありません。

    • +4
    1. ※15
      ※6さんではないですが、当事者です。
      無理やり起こされると、2日3日は動けなくなるのでそのままにしてあげてください。
      お子さんがおいくつか存じあげませんが、高校生までに生活のリズムがうまく整うと、大学進学や就職も出来ると思います。
      発達障害でも、親が自分のことで苦労していることは感じます。
      周りと成長ペースが異なるので戸惑われるかと思いますが、親御さんもストレスをためないようにしてください。

      • +4
    2. ※15です
      当事者の皆さん、アドバイス大変参考になりました。
      ありがとうございます。子供は小学生です。
      対面してお話するのが難しいし、場合によっては失礼になりかねないので
      貴重なお話が聞けました。医師目線ではない声はありがたいです。

      • 評価
  13. アスペルガーです。
    自分一人で集中できる時間が安定的に確保出来るなら、他人の為に使う 時間も理解出来るようになるのでは?
    重要な社会性『他人の目的の為に自分の意見を抑えて、100%他人の為に自分の身体を使うこと』の習得は若ければ若いほど良い。
    私には集中している所を邪魔される、かつ、常に家族の為の犠牲を強いられていた特殊な環境だった為に他人の目的に自分の目的をちゃっかり入れるのが長けてしまい、仕事先では大変苦労しました。
    自分と他人、ハッキリ区別つけるのは重要ゆえに、他人から自分を大切にされる経験は、他人を大切にする事に成長します。

    • +6
  14. この記事で言いたい事とはちょっと違うかも知れないけど。
    昔、地域のダンスサークルに入ってて、そこのメンバー7人くらいでワイワイ食べ放題に行った時だった。メンバーの一人が自閉症の自分のお子さん(確か5~6歳)連れて来てたんだけど、全員のドリンクバーが今何杯目なのか把握・記憶してて驚いた思い出がある。
    今思うとその子が好き好んで数えていたならいいけど、日常的にそういった見たままの情報がダイレクトに入って、要らないのに頭に残ってしまうのかと思うと大変な苦労だと思う。

    • +9
  15. センサーの多すぎるトマホークは命中しづらかった、とかいうトマホーク開発のくだりを思い出した

    • +10
  16. 私は人の表情を読み取る能力がありません
    だから人の顔を見てもしょうがないので
    人の顔を見るときは攻撃するときのみに限定しています

    • +5
  17. 私 高機能自閉症だけど
    写真や画像見るときあんまり真ん中みないなぁ
    右端とか左端のほうが気になるww
    ただ、音がすべて平等に聞こえたりするのと、細かいところが気になるところが…
    あるなぁ!
    人のことは気にしましぇん。

    • +2
  18. 子供の頃、ふと気づくと通りすがりの人なんかが自分のことを見ていてドキッとさせられた。私はそんなに(悪い意味で)目立つ外見をしてるのかと、長年コンプレックスだった。
    でも健常者の人って、通りすがりの他人でも、何気なく顔を見るものなんだよね??多分。
    30代半ばにしてようやくそのことに気付いたよ。
    そういう人と比べると私は普段、人の顔をほとんど見ていない。
    だから職場で普段交流のない人からお菓子を頂いた時、その場でお礼を言って、後日お返しのお菓子を買って出勤したんだけど、相手の顔を覚えていないことに気付いたんだ。
    周りの人にあの時お菓子を配っていたのは誰ですかって聞ければいいのになあ
    それも出来ないんだよ
    相手はいちいちそんなこと気にしてないとは思うけど、お菓子をもらいっぱなしの人間が一人ここにいるわけで、そういうことを考えると悲しくなる

    • +2
  19. 健常者は人が写っている写真見て顔を注視するっていうのに
    静かに衝撃を受けてるんだけど…
    そらチラッとは見るけども、ずっと顔ばっか見ないよ…ね?

    • 評価
  20. 若干自閉傾向あるけど、見るとこばらばらで集中力ねえなと言われますわ

    • +4
  21. 言語性/動作性IQで28点解離している者だが
    大学生まではまさに情報の嵐で、人間がモノにしか見えなかった
    だけど社会人になって一過性の抑うつを過ぎたら適応していた
    代わりに共感覚を失った
    発達障害=発達の順序が普通と違う、であれば
    成人期にシナプスの自然退縮が起きる例があるのかな
    つまり治るアスペルガーもごく稀にいるのかなと思ったり
    たぶん俺は貴重な症例
    ハイパーレクシア3型ってやつかな(DSM基準に含まれていないけど)

    • 評価
  22. ふむ、シナプスの剪定が未了なのか。
    って事は上手く切り捨てる・無視するって事が出来ないんだね。
    人間が脳をホンの一部しか使ってないとか言われてたけど、敢て
    一部しか使わない、という進化をしたんだな、きっと。

    • +1
  23. 自分は40代ですが、これほど自分と同じ状態の人がいるのが分かるコメントを見たのは初めてです。
    若い頃はそれなりに脳も働いてくれたのですが歳を取ると自閉症部分が顕著になったようで年齢に応じた仕事が出来なくなりました。
    情報の処理が追いつかなくて仕事中に異常な眠気がして(睡眠時無呼吸症候群は検査済み)仕事になりません、そのまま無理に起きているとひどい頭痛になります。
    どうしたものか、途方に暮れています。
    記事の内容と関係なくてすいません。

    • +1
  24. アスペルガーです。
    過剰適応症と言うのがあります。
    確かに発達障害は勉強や訓練で一般社会に溶け込む事は出来ます。過剰に入り込む情報をあえて無視する能力も出来ますが、スゴく意味不明なストレスがたまる代償もあります。
    上手にストレスを抜くテクニックを持たないと、二次障害の精神的病が発病します。
    …皆さん、頑張りましょうね…

    • +3
  25. 古い記事のようだけど共感したので。自分は発達障害で決め付けたようなものには反発するけどこの記事は少し納得した。
    >ASDの人は視覚と聴覚を認識するタイミングにズレがあることが分かっている。
    自分はストーリーの好き嫌いに関係なく映像作品観るとかなり疲れるのだけどこのせいか?

    • +1
    1. ※36
      ドキ。じぶんも30も半ばになったんですが、その傾向が出てきたように感じます。。
      その調子でどうやってこの先有り余る余生をサバイバルするか不安でたまらない

      • +1
    2. 興味のあるモノが写真上になかったから写真全体を見た
      結果として視線は写真の真ん中に集中した、ってことだと思う
      「顔」に意識が向かないのは、他者に対する興味が薄いから

      ※36
      シングルタスクの傾向が強いから
      「見る」と「聞く」を同時に行うにはかなりの労力が必要
      あと感覚過敏、感覚鈍麻のせいで視覚と聴覚の能力が
      凸凹になっている人の場合は
      視覚レベルと聴覚レベルに差があればあるだけ
      見ながら聞くっていう作業が困難になる

      • 評価
  26. 中央というか、全体を見てるのかなって思いました。

    • +2
  27. 自閉症の子は子供の頃から顔を見ないから、興味がないというより人の顔を認知するのが重要という本能が薄いんじゃないの
    知的障害者もそういう部分があるし

    ASDが表情を判別できないのは単純に相貌失認の軽い状態で、表情は細かい動きの連続性だから動いてるとハッキリ認識できないだけじゃないかと思う

    サヴァン症候群も風景は一瞬で記憶できるけど人はそうでもないのは、建物は表情のように細かく動かないからだと思う

    • 評価

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