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宇宙は脳で脳は宇宙。複雑な2つのネットワーク構造は驚くほどよく似ていることが科学的に証明される(イタリア研究)

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脳と宇宙の共通点が明らかに image by:Illustris Collaboration
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 脳と宇宙の構造は驚くほどよく似ている。それはかつて、コズミック・ウェブ(宇宙を形成する銀河同士のネットワーク)とマウスの脳内の神経細胞の画像を比較したことで明らかとなった。

 さらに似ているのは見た目だけではなかった。『Frontiers in Physics』(11月16日付)に掲載された研究では、イタリアの宇宙物理学者と神経外科医が、人間の脳と銀河という、この世でもっとも複雑な2つのネットワーク構造に存在するいくつもの共通点を明らかにしている。

極小の世界と極大の世界がそっくりであるミステリー

 片や極小の神経細胞が織りなすニューロンネットワーク、片や巨大な星々と銀河によって構成されている極大の世界だ。大きさの点で見てみれば、両者は27桁ほども違いがある。

 ゆえに両者の構造を作り出すプロセスはまるで違う。それなのに、異なるプロセスによっていたる複雑さと自己組織化のレベルは不思議なほど似通っている。

 一見まったく関係がなさそうな両者の姿を並べて見てみれば、衝撃的なほどそっくりであることに気がつくだろう。

左側がマウスの脳細胞、右側が宇宙の大規模構造

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image by:nytimes

数値でみる科学的な類似点

 だが似ているのは表面上だけのことではない。

 たとえば人間の小脳はおよそ690億個の神経細胞によって構成されている。一方、「コズミック・ウェブ」と呼ばれる宇宙の巨視的なネットワーク構造を構成するのは、1000億の銀河だ。

 どちらもはっきりとしたネットワークを形成しており、各ノード(脳なら神経細胞、宇宙なら銀河)がフィラメントによって結ばれている。

 神経細胞も銀河も大きさはおおむね決まっており、それらはフィラメントの長さのほんのわずかにしか満たない。またノード間を伝わる情報やエネルギーの流れは、各系の質量とエネルギー含有量のおよそ25%のみだ。

 脳とコズミック・ウェブを構成する物質の密度は均一ではないが、そうしたゆらぎも驚くほど似ている。

 小脳の神経ネットワークを1マイクロメートルから0.1ミリメートルの倍率で観察してみると、その物質の分布は、シミュレーションから得られた500万光年から5億光年の範囲のコズミック・ウェブのそれと同じだったのだ。

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40倍率で見た小脳(左)と3億光年の範囲のコズミック・ウェブのシミュレーション(右)

image credit:University of Bologna
 ほかにもまだある。各ノードをつなぐフィラメントの数は、コズミックウェブの場合、平均3.8~4.1本だが、脳の皮質では平均4.6~5.4本だ。そして、どちらも中心的なノードの周辺に結合の塊が形成される傾向がある。

 脳と銀河の構成もまた似ている。脳のおよそ77%は水でできているが、宇宙は72%がダークエネルギーである。どちらも受動的な物質で、それぞれの内部に浸透して、間接的な役割のみを果している。

 さらに両者の情報容量も似ている。人間の脳の記憶容量は2.5ペタバイトだと推測されているが、銀河の複雑さを保存するには4.3ペタバイトの記憶容量が必要になると考えられている。

 ごく大雑把に言ってしまうと、ある人の一生を通じて脳に保存される全情報を、宇宙の銀河の分布を利用して記録できるということだ。

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image by:Illustris Collaboration

マクロとミクロを支配する法則

 無論、脳は宇宙ではないし、宇宙も脳ではない。それなのに両者の間に驚くべき類似が多々見られるという事実は、両者の構造が同じ物理法則によって作られているらしいことをほのめかしている。

 脳と宇宙。この世でもっとも謎めいた構造を知ることは、その背後に秘められたさらに深遠な力に迫ることにつながるのだ。

References:eurekalert/ written by hiroching / edited by parumo

追記:(2020/11/22)本文を一部訂正して再送します。

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この記事へのコメント 52件

コメントを書く

    1. ※1
      悩ましい。と、同時にアインシュタイン曰「「私は人間を越えた客観性が存在すると信じています。ピタゴラスの定理は、人間の存在とは関係なく存在する真実です。」

      • +1
  1. 俺の脳に住んでる極小宇宙人共は、宇宙の正体が俺って分かったらどんな反応するんだろう

    • +6
  2. これはつまり惑星は細胞にあたるものだったと

    • 評価
    1. ※5 たぶん細胞どころか素粒子にも満たないレベルじゃねえかな

      • 評価
  3. きこえますか…いま…あなたの心に直接…呼びかけていま…す

    • 評価
  4. そんなこと言われても私は猫を愛でることしかできないよ……

    • +5
  5. 我々が住んでる宇宙は巨大な生物の細胞の一つだった!?火の鳥じゃん。やっぱ手塚先生すげぇ…

    • +5
  6. この世界って大きな大きな生命体で出来ているのかな?それとも何かの意識が作った幻なのかな、、、。何なんだろう。消滅したり誕生したりを繰り返す不思議な世界。

    • +2
  7. この宇宙全体が、ある超越的な生き物の脳にほかならない、といった夢想(妄想?)をしばし抱いてみようかな。
    そんなSFって、どこかになかったっけ?

    • +3
  8. つまり現実(宇宙)は誰かの脳味噌の中である可能性も微レ存

    • 評価
  9. 二次元で見れば似てるところもあるだろうけど
    宇宙は泡構造だから全然似てないんだけど
    脳細胞は枝状構造で重力関係なく広まり関係性がある神経が強化されていく構造

    • 評価
  10. 迷路を解く粘菌の様に、効率的にモノとモノとが繋がり合おうとするとこうなるのかもね

    • +4
  11. そろそろ気が付いた?
    宇宙の劣化版が脳だと言う事に。

    • -1
  12. この間、ダークエネルギーは試算の間違いから出てきた辻褄合わせの物質で本当は存在しない、って説が出てきたばっかりだしなあ・・

    • 評価
  13. それぞれの構造や存在そのものが同一の理論上に成り立つわけでも無く、
    膨大なデータの僅か一握り、そこから更に一側面だけ見比べても大抵は無意味
    更に、比較対象に一定の関係性があると、間違った思い込みが逆に強化されやすい

    • +3
  14. そんなんあたりまえやんけぇ…
    全ては…繋がっている…
    元の核になる部分って…結局は自然の法則の集合体でしかないからな…

    無い所からものは作れない…
    結局、人間は何かを加工して物を作ってるだけだからな…
    自然の摂理には勝てない…
    何かを要するものは原型やシステムなど応用にすぎないからな…
    今更だよな…
    宇宙は何かの体内かもしれないしな…
    人間の体内にウイルスが入るみたいな…

    • +1
  15. 脳の電気信号相当の、宇宙の「光ではない伝達手段」が隠れてそう

    • 評価
  16. そんなもん何にでも例えれるわ
    カビの繁殖は宇宙!

    • +1
  17. 人類の認識の問題でもありそう
    だからこそ人類は同じか近い認識が出来る宇宙生命体を探している気がする
    人類は他の種族が観測してくれないと人類ではない的な

    • +2
  18. そりゃネットワーク構造という点では同じなんだから似通るに決まってんだろって思うんだよね

    • -1
    1. ※31
      というか俺がそうだった。
      まあ発想自体が珍しくないとしてもだからなんだって話だけど。

      • 評価
  19. 星と星の間にやりとり無いんだから全然違う

    似てるだけなら絡まったクモの巣や糸をひいた納豆とも似てる

    • -1
  20. 人類を特別視した偏った意見ではいのだろうか。粘菌などの菌類の増え方も宇宙と似ているそうなので。

    • +1
  21. 見た目は似ちゃいるけど
    宇宙の大規模構造は重力で結びついてるか
    空洞にダークマターがあるだけで
    ネットワークではないよな…

    • +3
  22. つまり宇宙の研究が進めば脳の研究に応用が効くわけか

    • 評価
  23. 引用された2番目の画像についたキャプション「40倍率で見た小脳(左)と300光年の範囲のコズミック・ウェブのシミュレーション(右)」は翻訳の誤りでしょうか。宇宙の大規模構造を視覚化するには、少なくとも億単位の範囲は必要でしょうから。

    元記事にあるキャプションでは文末にwith an extension of 300 million light-years on each sideとあるので、おそらく双方の画像のサイズに3億光年の隔たりがあるという意味のような気がします。それなら本文の言わんとする内容にも近づくかと。

    • 評価
  24. 確かに少々こじつけ的な解釈と受け取れる文面ではあります。それはそれで面白いのですが。

    ただリンク先の文を読めば、様々な物理現象によって構築されるネットワークの形が比較的似たようなものになり、各々の分野における分析技術のより良い理解に寄与すると結論付けています。

    複雑さの代表格として脳のニューロンネットワークを引き合いに出しているだけで、類似した構造をシミュレーションする際に、応用が効くということが言いたいのだと思います。

    • +3
  25. 脳の場合は頭蓋骨という枠があるよね
    宇宙の場合の枠は何だろうね
    それとやはりブラックホールは脳の場合もあるんだろうか
    すごくちいさいのがあるのかな~
    BH(注 この空間では別にBHとは単なる物質であって穴ではありません)の穴(注 別の次元系を想定してます)が開いてるのかなー

    • 評価
  26. プラズマ放電の形状とも相似
    「プラズマ宇宙論」ってのがある位に研究もされているみたい

    • 評価
  27. 上位存在がコンピューターとしての人工脳を作った、
    それがこの宇宙

    • +1
  28. 脳が脳を完全に理解した時、その脳は自動でクラッシュするプログラムが組んである

    • 評価
  29. 我々人間たちは神の脳で生きてるって感じがしてきた

    • +1

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