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宇宙温暖化:宇宙は過去110億年の間に徐々に熱くなっていることが判明(米研究)

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宇宙温暖化:宇宙が熱くなっている / Pixabay
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 今、我々が暮らすこの地球は、地球温暖化という問題に直面している。だがそれは地球だけに限ったことではなかった。

 『The Astorophysical Journal』(10月12日付)に掲載された研究によると、そのような温暖化は、じつは地球という範囲を遥かに超えた宇宙全体でも徐々に進んでいることが明らかになったそうだ。

宇宙の大規模構造で温暖化

 地球と太陽系は、2000億から4000億個もの星々と寄り添いあい、「天の川銀河」という銀河を形成している。

 広大な宇宙にはこうした銀河が無数にあり、銀河同士が数百、数千と集まって「銀河団」を形成。さらに、その銀河団が集まることで「超銀河団」が作られている。

 宇宙をこのような巨視的な視点から見てみると、巨大な泡のような構造をしていることが知られている。これが「宇宙の大規模構造」と呼ばれるものだ。

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宇宙の大規模構造 image by:Andrew Z. Colvin / Wiki

 米オハイオ州立大学の研究グループが、この宇宙の大規模構造の温度を計測したところ、過去110憶年の間に徐々に熱くなっていることが判明したのである。

太古の宇宙よりも10倍熱い

 チャン・イークアン博士らは、新しい手法で地球から遠く離れたガスの温度を推定しようと試みた。これはある意味、時間を過去へさかのぼるのにも等しい行為だ。

 欧州宇宙機関の人工衛星「プランク」と「スローン・デジタル・スカイサーベイ(SDSS)」が集めたデータから、100億年前のマイクロ波光の姿を可視化し、そこにあるガスの「赤方偏移」(光源が遠ざかることで生じるスペクトルのずれ)を測定。

 ここからガスの温度を推定すると、地球に近い現在の宇宙に漂うガスは、およそ200万度であることが判明したという。太古の宇宙と比べて、現代の宇宙のガスは10倍ほど温度が高くなっていたのだ。

 またこの結果は、ダークマターやガスの中に含まれる原子の進化をモデル化した数理シミュレーションから予測されたものとも一致するという。

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(左)110億年前(中)80億年前(右)現在。宇宙が進化するほどに徐々に熱くなっている

image credit:Image credit: D. Nelson / Illustris Collaboration

暴力的なまでの重力のパワー

 宇宙の大規模構造は、ダークマターやガスが重力的に崩壊することで形成されている。その力は凄まじく、ガスが密度をますほどに熱を帯びるようになる。これが宇宙の温暖化の原因だ。

 「宇宙が進化するにつれて、ダークマターやガスが重力に引っ張られて集まり、銀河や銀河団が形成されます。その引力は暴力的なほどで、ガスが集まれば集まるほど衝撃が生まれ、熱せられます」と、チャン博士は説明する。

 ということは宇宙の温暖化は人類に責任があるというわけではなさそうだ。宇宙温暖化と地球温暖化は現象のスケールがまるで違うので、両者はまったく無関係であるという。

References:The Astorophysical Journal / Ohio State News/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 33件

コメントを書く

  1. 重力は減衰するけど狭い空間に押し込めたらその分力が強まるからね。
    高密度天体が初期より多い宇宙では重力による「かき乱し」からの温度上昇が多いだろうね。

    • +1
  2. 重力でガスが恒星になりその一部はやがて重力崩壊を起こしてブラックホールになる
    それが色々な物質を取り込んでホーキング放射によってさらに熱を放つ
    つまりエントロピーの法則に従って局所的な高エネルギーが拡散して宇宙全体の温度を上げるってこと?

    詳しい人がいたら教えて欲しいな

    • 評価
    1. ※2
      全体にじゃなくて、
      ガスや恒星が生まれる所が密度が高くなっていってる

      • +3
  3. んじゃ、地球の温暖化は宇宙の温暖化が原因って事?

    • -10
    1. ※4
      あながち🙁否定はどうかと思う。何故なら、宇宙誕生から現在まですべてが無関係ではないはずだと思うから。

      • -1
  4. 総エネルギーが増えてるのではなく、拡散していた物が重力により集まり潜在的な重力エネルギー(学校物理だと位置エネルギー)が熱になってると思いねえ

    • +3
  5. これも宇宙拡大のエネルギー源なのかな?一部が凝縮することで全体は拡大するって面白いね。

    • 評価
  6. 温暖化はやだな。なんとかしてもらいたい。この先100億年くらい生きてやろうと考えている俺様としては。

    • +1
    1. ※9
      100億年だと、
      太陽膨張によって地球の生物が全滅する方が早いと思うよ
      海も蒸発していくし、8億年後には体細胞生物は全滅の予想だよ

      100億年後ならまだ銀河も恒星も誕生の真っ最中だけど、
      予測されている宇宙の未来は、陽子もブラックホールも寿命で尽き、
      二度と物質は生み出されず、永遠に空間だけが広がる世界だよ

      • +2
      1. ※14
        YOUTUBEの「TIMELAPSE OF THE FUTURE: A Journey to the End of Time (4K)」は演出が素晴らしいのでお勧め。

        • +3
  7. ビッグバンが正しければ宇宙は恐るべき速度で膨張していて
    それに比例して宇宙空間は疎となり大きく寒冷化する筈だが
    実際は密になって加熱されてる訳か

    • +3
    1. ※10
      今のところ、銀河団スケールで物質優勢な空間では膨張より重力が勝ってるってことだろう。
      惑星スケールの空間ですら膨張が優勢になると惑星レベルの強い重力で作られた塊ですら抗えずチリになっちゃうし(ビッグリップシナリオ)。

      • +3
  8. 宇宙全体の平均温度だったらビッグバン時が最も熱く、加速度的膨張によって徐々に冷えていく。ガスが重力で落ち込んでいく所だけ見れば上がっているのだろうが、器だけ大きくなって温度が上がるほうがおかしい。ボイルの法則。

    • +2
  9. よくわかんないな。
    検索すると宇宙誕生が130億~140億年前だろ?
    110億年だと銀河の形成期、初期の銀河より熱いのか。

    ファーストスター世代の恒星等は水素やヘリウムがほとんどで、かなり進んでも鉄辺りか。
    その後、星が爆発崩壊したりで重い元素ができ、白色矮星や中性子星、ブラックホール化で重いものが増えるのはわかる。
    太陽は第三世代だそうだが、星間ガスも重元素が増えれば密度は上がっているのだろう。
    でも宇宙の膨張より密度の増えるほうが早いのだろうか。
    膨張しつつも熱くなるにはエネルギー量が足りなくないかな?

    • +1
  10. 「宇宙温暖化問題」として取り組んでくれよ地球人

    • 評価
    1. ※16
      局所的に集中してる状態だから、限りなく熱くなることはないよ。宇宙はどんどん膨張していってスカスカの空間になるけど、銀河同士は重力でくっついて物質を留めるからしばらくはガスや星を生み出し続ける

      • +1
  11. 阿藤快さんが予言していた。
    「おんだんかー、なんだかなー。」

    • -1
  12.  膨張し続けている空間が加熱されているんですか。そのエントロピーは、何処から訪れているのでしょう?不思議ですね。

    • 評価
    1. ※19
      通常、温度が上がるとエントロピーは低くなると思われるので、供給されるのはエネルギーであり熱量じゃないかと思います。
      おっしゃってるエントロピーのところをエネルギー・熱量とすると、まったく同じ感想を持ちます。宇宙背景輻射の話に直結する一大事のような気がします。本当で多くの科学者が認めたら、ノーベル賞級の話じゃないかなぁ。

      • 評価
  13. 宇宙じゃなくて銀河構造内の温度が100億年前より重力で上昇してるという話だよね?
    太古の宇宙って少しまぎらわしい表現だな

    • +3
  14. そういえば昔聞いた話、ボルツマン定数のボルツマンは宇宙が熱的に死ぬ運命にあることを悲観して自死してしまったとか。実話か伝説か知りませんが

    • +1
  15. よくわからん
    宇宙膨張節の根拠である銀河は互いに遠ざかっていると言う話はどーなってるんだ?それが逆に銀河団が収縮してるって矛盾してるだろ。誰か教えてくれー。

    • 評価
    1. ※23
      近くの銀河同士は引き合っているよ(アンドロメダ銀河と天の川銀河等)。宇宙が膨張して銀河群同士は離れていっても、その中の各銀河同士は互いの重力で引き寄せられ留まる。材料はいずれ尽きるから新たな星々やガスが生まれなくなる日は訪れるけど

      • +2
  16. 宇宙をあらわす用語をいくつか、全て天動説と占星術由来です。
    まず「コスモス」は地球を回る星辰が正しく運行する様子を意味してます。
    だから「美しい」「調和の取れた」という意味もあり花のコスモスはこれから名づけられました。
    次いで「ユニバース」には単一の(たった一つの)という言葉がついています(ユニーク、ユニットと同じ)。
    つまり他にはない「一つだけの宇宙」であり、これには地上世界(ワールド)を含んでいます。
    宗教家はこれを使うことが多く、またパラレルワールドを「マルチバース」というのはココからです(心理用語にもなった)。
    最後に「スペース」ですが、占星術では地上の上に月の運行する殻があり、さらに水星、金星、太陽、火星、木星、土星それぞれ惑星の殻(月と太陽は惑星扱いです)、そして恒星が揃って乗ってる殻があると考えられてきました。
    そこで地上から見て「その殻の果て」までを「スペース」と呼びました。
    「星々の運行する場所」という意味合いです、今はこれが一般的です。

    追記
    「ギャラクシィ」は「銀河」ですが語源は「乳の輪」だそうです。
    天の川が元で、地球の所属する銀河は「天の川銀河」と二重の意味になりますが…
    普通「銀河」というと星の大きな集まりを「私たちの銀河」となると「天の川銀河」を指します。

    おそらく原文を書いた人はこれらの区別をしていないのではないかと思います。
    なお掲載は結構です。

    • +2
  17. 熱的死はないのか
    今は温暖化しているだけでもっと大きいスケールで見ればあるのかな

    • 評価
    1. ※28
      ガスの粒がすんごいスピードで移動し続けることによって加熱され続けている様のようだから
      発散し続けた果ての遠い未来はむしろ熱的死に向かっているんでない

      • +2
  18. 空間が拡大したら、温度は下がるんじゃないの?

    • +1
    1. ※29
      空間が広がるのにエネルギーは要るのかな? それは生成と共に失われるのかな?
      温度があるのは物質のみなのかな?
      とすると温度が無い空間もあることになるのかな?
      あるいは空間が温度をもつということなら、それはどういう運動なんだろう?

      温暖化とは言うけれども、よく実体が判らないよね

      • 評価
  19. 200万度……200万度!?!!!? と、ここで私の思考は停止した

    • 評価

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