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インダス文明が崩壊したのは気候変動によるもの?数学的に裏づける新たな証拠を発見(米研究)

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(著) (編集)

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image by:Saqib Qayyum / WIKI commons
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 3000年前に南アジアでインダス文明が滅んだ原因については、砂漠化説、河流変化説、気候変動説、アーリア人侵入説など、さまざまな説がある。

 だが今回、新たに行われた数学的な証明によって、気候変動が原因だった可能性が高いことがわかったという。

 アメリカ・ロチェスター工科大学の数学者ニシャント・マリク氏は、モンスーンの季節が変わって干ばつが増えたせいで、インダス文明が衰退したという気候変動説を、数学的に裏づける新たな証拠を発見した。

モンスーンの影響を数学的に分析

 研究チームは北インドの洞窟の石筍の中の特定の同位体元素を分析した。これにより、長い間に雨として降った水の量がわかる。その結果、過去5700年以上にわたって、この地域を襲ったモンスーンの降水量を推定することができた。

 そのデータから、マリク氏はインダス文明が始まったころにモンスーンのパターンに大きな変化があり、その後、文明の衰退と合わせるように逆の変化がみられるパターンを特定することができた。

「古気候学を分析して得られるデータは、たいてい短い時系列で、データの誤りや確実性に欠けることが多いのです」マリク氏は言う。

「数学と気候を合わせて考えるときに、気候や気象を理解するためにわたしたちがよく使うツールは、力学システムです。でも、力学システム仮説は、古気候学のデータに当てはめるのは難しい。でも、この新しい手法なら、短くて不確実要素や誤りの多い、古気候学などの難しい時系列における変化を発見できます」

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長い間に移り変わるインダス文明の居住地分布 image by:Rochester Institute of Technology

気候変動説を裏付ける分析結果

 マリク氏が特に関心を寄せているのは、めったにない出来事が突然、起こりやすくなる力学的体制の変遷だ。これは、降水パターンの変化から株式市場に至るまで、物理学、生物学、経済学にも適用できる。

 力学理論と、機械学習と情報理論に基づいたアルゴリズムの要素を合わせて、マリク氏は記録におけるギャップの一部を人工的に埋め、標準的なグラフには表われてこないパターンの確率を計算することができた。

 このやり方は、降水量のように統計の推定値に大きなギャップがあることが多い、過去の気候データを詳しく調べるのに適しているという。例えば、石筍の記録の場合は、実際には5年毎の夏のモンスーンをマークしているだけだ。

 最初に発掘された遺跡の名から、ハラッパー文明と言われることもあるインダス文明は、古代エジプトやメソポタミアと並ぶ、南アジア北西部の三代文明のひとつだ。

 文明のピークには、インダス川上流の定住地は1500キロにも渡っていて、中には人口6万にも達する都市もあったと考えられている。

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image by:WIKI commons

 インダス文明時代の人たちを新しい土地に離散させた原因は、諸説あるが、今回の結果は気候変動説を裏付ける形となったようだ。

この研究は、学術誌『Chaos』に発表された。

Uncovering transitions in paleoclimate time series and the climate driven demise of an ancient civilization: Chaos: An Interdisciplinary Journal of Nonlinear Science: Vol 30, No 8
https://aip.scitation.org/doi/10.1063/5.0012059

References:New mathematical method shows how climate change led to the fall of an ancient civilization | RIT/ written by konohazuku / edited by parumo

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この記事へのコメント 15件

コメントを書く

  1. 川がある所に文明は出来るって言うけど
    川が干上がって
    みんなよそに行ったか死んだか

    • +8
  2. エジプト文明も川の流れが変わると逃げ出すこともよくあったし
    気候の流れには今も変わらんほど悩まされる

    • +5
  3. 過度の森林伐採の結果植物の蒸散で発生していた上昇気流がなくなり水分を含んだ海洋風の引き込みも弱くなって上空に雲が発生しにくくなり地域に雨が降らなくなるという気候モデルもある。この場合気候変動は人為的に引き起こされたと言える。

    • +6
    1. >>5
      日本の温暖化は
      中国の砂漠化のせいだって言われてるね

      • 評価
  4. 地元の町は昔塩田と用水路だらけだったのが、宅地化されて水路も全て埋められた結果、県内でも屈指の「雨の降らない町」になった。
    社会活動の結果で局地的な気候が変わることもあるのではないか?

    • +2
    1. ※6
      塩田の町は、おそらく昔から
      屈指の「雨の降らない町」だったのでは…?

      • +4
    2. >>6
      地元が、防災対策で川の付け替えをした。(以前は天井川)
      結果、霧と靄がなくなり乾燥化と夏の温暖化。冬の寒冷化が進んだ。
      局地的だけど、人為な的に気候変動が起こされた一例だ。

      • +1
  5. さて現代文明は気候変動により滅んでしまうのか?それとも世界の叡智と結束により乗り越えるのか?どちらでしょうね?

    • +1
  6. 都市が滅びても民が生き残れば人類史は続いていく

    • +2
  7. この説に関してはちょっと
    否定的
    そもそもインダス文明は
    治水技術も相当なもので
    そんな簡単に滅びるような
    レベルじゃなかったはず

    • 評価
  8. 数学的にちょっとやそっとでは起こらない筈の長期的気候変動が起きた可能性が導かれた
    そういう話なので古代文明の力を過信し過ぎない事だよ
    都市は脆いんだ

    • +3
    1. >>15
      同士よ!

      実は中学の頃初めて世界史を学ぶ時
      最初のページ見て

      四大文明から始まるん!?
      ゼッテー違うだろもっと前があるだろ?ってよく分からん確信を得て、
      嘘やんこんな教科書って
      初日からやる気ナッシングだった。

      インダスは多分核戦争。

      カラパイアちゃんならその辺の記事欲しいー!ムー民になっちゃうか。

      • -1

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