湖に沈んだ村が再び現れる可能性 image credit:Wikipedia
はるか昔にダムの底に沈んだ村というのは、なんともミステリアスな歴史を思い浮かべてしまう。イタリアのトスカーナ州にも、ひっそりと人工湖の底に沈んでいる12世紀の小さな村が存在する。
この村は、10年〜15年ほどの頻度で行われているメンテナンスにより、湖から姿を現し、多くの人が見物に訪れているが、どうやら2021年に再浮上するの可能性があるようだ。『Sky News』などが伝えている。
Riemersa al sole Fabbrica di Careggine.
人工湖の底に沈んだ中世の村
イタリアのトスカーナ州ルッカ県にあるヴァーリ湖には、12世紀頃に栄えた村がひっそりと沈んでいる。当時、ロンバルディア州ブレシア県から移住して来たとされる住民は、この村で鍛冶屋業を営み、村は鉄製品の製造と販売で知られていたそうだ。
しかし1946年、新たな水力発電ダムの建設の余地が必要ということで、この村の全ての住民は近くの村(Vagli di Sotto)への引っ越しを言い渡された。
翌1947年に電力会社ENELはダムを建設。村にあった石造りの家や墓地、橋、教会は人工湖の底に沈んだ。
image by:twitter@UrbanFoxxxx
湖のメンテナンス時には村が再浮上
その後、ダムの運営管理を行うENELは、およそ10〜15年に1度の割合で、ダム維持管理のために湖のメンテナンスを行ってきた。そのメンテナンスでは、湖の水を完全に排水し、底の泥を取り去る作業がなされる。その時に、空っぽの湖から幻となった村の姿が浮上するのだ。
1947年以降、これまで1958年、1974年、1983年、1994年と4度にわたって村が再浮上した。
1994年時には、人工湖に沈んだ村を一目見ようと、100万人を超える観光客が集まり、廃墟となった中世のコミュニティに驚嘆したという。
The ruins of Fabbriche di Careggine, a 12th c. village in Tuscany submerged under the artificial Lago di Vagli since the construction of a dam in 1946. Occasionally seen when the lake is drained during maintenance work, it could resurface again in 2020https://t.co/CfjuhZgZ7O pic.twitter.com/yRlX0vPhx6
— Irene DB (@UrbanFoxxxx) June 9, 2020
次回のメンテナンスは2021年か?
『Sky News』が伝えたところによると、Vagli di Sottoの前村長の娘ロレンザ・ジオルジさんが、先月Facebookで「特定の情報源」として、2021年にヴァーリ湖がメンテナンスを行う可能性があることをシェアしたという。まだ確定ではないが、ENELは観光と地域の再開発の機会として、自治体とのワーキンググループを正式化するという旨をメディアに伝えているようだ。
来年、もし村が再浮上となれば実に27年ぶりになる。新型コロナウイルスのパンデミックによる影響で、イタリアでは各地の観光客が激減している。
この1件について「観光客を呼び寄せるためのものではないか」という声もあるが、幻となった村が再び水底から現れる様子を楽しみに待っている人もいることだろう。
追記(2020/06/27)本文を一部修正して再送します。
written by Scarlet / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
いい・・・
2. 匿名処理班
虹色ほたるか
3. 匿名処理班
ルマン参戦のカストロールの城みたいだな。
4. 匿名処理班
近所のダムも当時の道とか出て来たけど、ダムにする前は
いい空気も持つ素敵な村だった
今は県民の貴重な水源であり、当時のモノは水の底だと思う
犠牲無くダムはできないのはわかってるが、あのきれいな光景が
この世にないのは少し悲しい
この村の人たちも同じ気持ちだったのかな
5. 匿名処理班
高知の早明浦ダムみたいやな
6. 匿名処理班
SIREN新作 舞台はイタリア 人工湖の水底には1948年に遺棄された村がある 十数年に一度メンテナンスのために再浮上するその村へ絶対に行ってはいけない 終戦直後に沈められたその村にはサイレンの音とともにあらわれる異形の兵隊たちがいるから。
7. 匿名処理班
俺のポケットには大きすぎらぁ
8. 匿名処理班
重箱の隅をつつく様ですが、Vagliはヴァーリと表記する方がより近い発音になります。
(イタリア語でgliは、口を少し横に開け気味に「リ」と発音するので、「リィ」とも聞こえます)
9. 匿名処理班
※5
(旧)大川村役場は、渇水のバロメーターだよなw
10. 匿名処理班
※7
書こうと思ったら矢張り既に先客がw
11. 匿名処理班
「中世村再浮上ボタンポチぃ!」
ゴゥンゴゥンゴゥン! ギュルギュルギュル!
「中世村保護ハッチオープン」
ゴゥンゴゥンゴゥン ウィーン ザパーン(空いたハッチに水が流れ込む音)
「カウントダウン開始、中世村再浮上まで9…8…7…6…5…4…3…」
「発射!、中世村、テイクアウト!」
バシュー
「すみません、テイクアウトと出てしまいました」
12. 匿名処理班
そうか…もうそんな時期か…
星辰が揃い死せる都が姿を現す
主の目覚めとともに人間の時代が終わる
いあ!いあ!
ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるう るるいえ うがふなぐる ふたぐん!
13. 匿名処理班
まさに人類の宝ってやつさ、俺のポケットには大きすぎらぁ〜
14. 匿名処理班
日本の何処かの集落(?)がTVで出ていたな。ダムが必要。しかし住人は先祖代々の土地を沈める訳にはいかないとか、けっこうな年数を役場?とモメていた。夏にはホタルが飛び回るとか言ってたけど、凄く静かで自然が美しい山間の集落だった。しかし、ダムを作らないと毎年のように渇水しているそうで、複雑な気持ちになった。
15. 匿名処理班
村人から何かを買うと神の怒りが解けて生き返ることができるんだっけ
16. 匿名処理班
1946年に立ち退き命令がでたと言うことはかつての住人がまだ生存してるかもしれないですね
そう簡単には帰れない故郷を見に行ったりするんでしょうか
17. 匿名処理班
こういう水抜きのダムのメンテは日本でもやるのか?
18. 匿名処理班
昔、ダムに沈んだ
呪われた村があってのお・・・
19. 匿名処理班
なんかすげーおもしろそう。俺、コロナ休みで暇だし行ってみようかな…と。
とりあえず、愛車(折畳式マウンテンバイク)を持って近くまでは電車で行く予定。
そこからは、…愛車で頑張るか。
まぁ、ツーリングのついでに地図便りに行ってみます!
20. 匿名処理班
付着した泥のせいか、建物のミニチュア感が半端ない。
21. 匿名処理班
水に沈んでるからこそ、ずっと先まで姿が残るとも言えるんかなー
ダムだから川みたいに削れにくいし
22.
23.
24. 匿名処理班
私の遊んだ川も森もともだちの家もお墓も今はダムの底にあります。
だから水道は大事に使うよ
25. 匿名処理班
小ロンド遺跡みたい
26. 匿名処理班
※18
赤錆村の話はやめるんだ・・・
27. 匿名処理班
>>3
ちょっと考えちゃった。
コレ好き。
28. 匿名処理班
石造りの家、橋、教会は分かるが、墓地も?
29. 匿名処理班
カリオストロ城